
自宅の晩酌用に林本店の【翠巒 純米吟醸 無濾過生原酒】を調達しましたので、甘口辛口などの味の解説やレビューをざっくばらんに書き殴ります。皆さんの日本酒選びに1ミクロンでもお役に立てますと幸いです。
一つ前の記事です→『040|嵐童 純米吟醸 生』※未作成
お酒のレビュー
概要と経緯
近所のS商店へ行った際の事。当時はキャッシュレス決済30%還元のキャンペーンを市内でやっていたので一升瓶3本くらい纏めて買おうと意気込んで来たものの……1本でも結構悩むのに3本となればその3倍悩んでしまうという事で、冷蔵ケースの前で暫し直立不動。
ケース内には試飲用の記載のあるものが幾つか。ここは偶にお酒の試飲できるお店(詳しくは『004|桂月 CEL24 純米大吟醸50 生酒』を参照)で、試飲のラインナップも前回来た時とはだいぶ変わっていた。
犬山「試飲してもいいですか?」
店員「いいですよ。幾つかありますけど何にします?」
犬山「じゃあ、とりあえずこの澤乃井の一番汲みで」
店主のおじさんは配達中かで不在だったので、今回はそのお母様が対応。手際よくテーブルに瓶とお猪口を出してくれる。

まず最初に試すのは【澤乃井 本醸造 一番汲み】。これは東京地酒である澤乃井の新酒第一号のお酒で、蔵元である青梅の沢井にある小澤酒造まで直に取りに行かないと売ってくれないという代物。なので、ここの店も例年そこまで車を走らせて受け取りに行っている。
店員「一番汲みは人気ですよ」
犬山「ですよね。いつもすぐ売り切れちゃってますし」
冷蔵ケースには予約済の取り置きが名前入りでずらりと並んでいる。
味わいとしては、超濃醇で甘味辛味のメリハリが非常に強いタイプのお酒。昔ながらの地酒らしい地酒を、味の傾向そのままブラッシュアップして直汲みにしたらこんな感じになるのかなと思う。
一番汲みは個人的に思い入れがあり、10日間にも及んだ長期登山、2023年の奥秩父山塊縦走(記事未作成)に担いでいったお酒でもあった。逆に言えば割とコンスタントに飲んでいるお酒ではあるので、今ここで選ぶのは保留。
犬山「この大雪渓も試飲OKです?」
店員「飲めますよー」
と、同じように瓶を出してくれる。そしてここから先は注ぐのも自身に任されて手酌モード……とは言え、この日は午後にジョギングの予定があるので量はかなりセーブ気味に抑えておく。

出てきたのは【大雪渓 純米吟醸 D】。山田錦59%の純米吟醸酒で、傾向としてはかなり綺麗な甘口タイプ。ただ甘味そのものはそこまで強くはないので食中にも合わせやすそうで、それでいて単体で飲んでも物足りなさは無い。さっぱりしている割には奥行きがあって味わい深い、良いお酒だと思った。

最後にもう一つ試飲できる物があったので、それも飲ませて頂く。銘柄は【飛良泉 山廃純米マル飛 ひやおろし】。飛良泉は山廃造りが主体で、独特の酸味が特徴的な銘柄。これも例に漏れずその傾向に忠実。甘味はかなり控えめで酸味で切れるタイプで、個人的にかなり印象に残ったお酒。
さて、3種類の試飲を終えていざ何にしようかと決める段階に入るものの……やはり今回も思考が迷宮入りして悩みに悩む。
最初の1本すら決められないで居ると店主のおじさんが帰ってきてそのまま雑談モード(主に30%還元キャンペーンの話)。それが一段落した所で、お酒について少し気になった事を聞いてみる。
犬山「そういえば、この翠巒っていう銘柄見た事無いなーって」
店主「ああこれ、林本店さんのお酒ですよ。百十郎作ってる所の」
犬山「あー百十郎! なるほどなるほど~、そこの別ブランドって事ですか」
店主「そうそう。最近作った銘柄なんですけど結構いいお酒ですよ、一升3000切ってて値段も手頃ですし」
話を聞くと俄然興味が出てくる……とりあえずそれを1本決めて、もう2本は琥泉(『042|琥泉 辛口純米 無濾過生酒 原酒』で紹介予定)、玉川(『043|玉川 Ice Breaker(アイスブレーカー) 純米吟醸 無濾過生原酒』で紹介予定)の3本に決定。※例によって、なぜか試飲したお酒は外れてしまうパターン。どれも美味しかったのですが。
地元でキャッシュレス30%還元始まったので早速お酒買ってきた。
— 犬山 (@Urayama_City) November 1, 2025
今回は琥泉 辛口純米無濾過生原酒(泉酒造@兵庫)、翠巒 純米吟醸無濾過生原酒(林本店@岐阜)、玉川 アイスブレイカー 無濾過生原酒(木下酒造@京都)
翠巒って聞いたこと無かったけど百十郎作ってる所の新ブランドらしい。 pic.twitter.com/R4VcKv9Ong

翠巒や百十郎の銘柄を醸す林本店は岐阜県の各務原市の蔵元。JRの那加駅や名鉄の新那加駅のその近くにありますが、残念ながら現在は小売もやっていないという(近くの店を紹介するタイプ)。
各務原といえば一般的には航空自衛隊の基地がある町みたいなイメージですが、酒蔵が市内に3つあったりして個人的にちょっと気になってる所でもあります。
この近辺に最後に行ったのは2023年の夏の乗鞍岳登山(記事未作成)の際、登山のスタート地点である高山に向かう前に犬山城の観光をして、そこから犬山橋で木曽川を越えて各務原市の鵜沼駅まで歩きました。この日は別に立ち寄る酒造(同県川辺町の平和錦酒造)があったのでこの時は酒蔵巡りはしませんでしたが……。
味覚の傾向

今回も家族からのレビューを先に。
家族「だいぶ甘めなお酒。ただ濃いのにさっぱりもしてる。酸味も結構あるかも」
犬山「聞いてる限りだとめっちゃ複雑そうな味だけど」
家族「そう、複雑な味。けど嫌な感じはしない。良いお酒だと思うよこれ」
初めてのブランドという事で自分も飲んでみる。まず最初は甘味が広がるものの酸味もそこそこ並行してくる。そして僅かに加わる渋味も相まって確かに複雑な風味。けど、その複雑さが上手く調和していて程よくノビ、そして最後にはいい感じにキレる。
最初の甘味は印象的ですが全体を俯瞰するとそれほどではなく、飲み続けていると次第に印象深くなるのは酸味とキレ。甘さの塩梅が突出したものではないので食中でも断然活用できそう。新ブランドをわざわざ立てたというだけあって、他には中々無い面白いタイプの味わいでした。

※数値が高ければ味が優れているという訳ではないのでご注意下さい
料理との組み合わせ

やや濃いタイプの日本酒なので、同じく濃い味付けの鯖の味噌煮と合わせてみました。味噌煮のような甘辛の料理は線の細いお酒だと辛さが立ってしまいますが、これだけ濃いお酒だと組み合わせとして十分成立します……酸味もそこそこあるので飲むたびに締まって良い。80点の組み合わせ。奥の豚の角煮も75点くらい。

別の日、韓国料理の豆腐チゲと合わせてみました。こういう辛い系はマッコリが合うように、甘さがあってさっぱりしたお酒との相性は抜群です。今回の翠巒も後味が酸味でさっぱりタイプなので中々の組み合わせでした。80点。
スペック一覧表
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 蔵元 | 林本店(岐阜県各務原市)→(HPリンク) |
| 使用米 | 五百万石 |
| 精米歩合 | 60% |
| 日本酒度 | -4 |
| 酸度 | 1.4 |
| アルコール度数 | 15度 |
| 種別 | 純米吟醸酒(生原酒) |
| 購入価格(税込) | 2,970円(1,800ml) |
買えるお店の紹介(あれば)
翠巒は生産本数が少ないのか殆ど見つかりませんでしたが、同じ林本店の百十郎の方はAmazonと楽天で取り扱いがありましたので紹介。今回のお酒と味わい的に近そうなのは純米大吟醸の黒面ですが、大辛口の赤面の方も食中酒としては中々良さそうなので併せて載せておきます。
Amazonのみですが、赤面+黒面を4合瓶1本ずつの飲み比べセットなんてのもありましたので、ご参考までにどうぞ。
※流通量の少ない地酒なので、品切れ&リンク切れの際はご容赦下さい。
次回のお酒はこちら→『042|琥泉 辛口純米 無濾過生酒 原酒』



