山とか酒とか

登山やお酒を始めとした趣味全般を雑多に、また個人的に有用だと思った情報を紹介しています。

【日々!日本酒】007|信濃錦 艶三郎 純米生原酒|宮島酒店(長野県)味の傾向とレビュー

信濃錦 艶三郎 純米生原酒(長野県 宮島酒店 日本酒)

登山用の日本酒として宮島酒店の【信濃錦 艶三郎 純米生原酒】を調達しましたので、甘口辛口などの味の解説やレビューをざっくばらんに書き殴ります。皆さんの日本酒選びに1ミクロンでもお役に立てますと幸いです。

前回の記事です→『006|大治郎 渡船二号 生酛純米生酒

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お酒の概要と経緯

仙涯嶺 山頂 展望 南駒ヶ岳 中央アルプス

中央アルプス、仙涯嶺の山頂越しに南駒ヶ岳。アップダウンの多い尾根が続く。

次回紹介する『008|龍游 ひとごこち59 無濾過生原酒』も含めまして、2025年の8月の中央アルプス縦走の登山用のお酒として調達したものとなります。

当ブログの山行記事の方でもたびたび書いていますが、山に登る場合はその周辺の日本酒を飲むことを信条としていまして、製造元となる酒蔵がアクセス可能な場所にあれば立ち寄り、無ければその付近の酒屋で地元のお酒を調達する事を心掛けています。

今回は飯田線上片桐駅という所から実際に歩き始めたのですが、その手前の伊那市伊那北駅伊那市駅)で駅から徒歩圏内に2軒の酒蔵があったので、そちらで1本ずつ調達する事にしました。今回の記事はそこで調達したお酒の1本目となります。

登山メインにした記事はこちらからご覧ください。伊那市での日本酒調達についても触れています。→『中央アルプスその1(上片桐駅→およりての森登山口→鳩打峠→小八郎岳)

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伊那北駅 飯田線 ホーム 313系電車 景色
伊那市 市街地 商店街 街並み 風景
伊那北駅伊那市の市街地。当日は酷暑でした。

自宅から中央線・飯田線と乗り継いで登山のスタート地点である上片桐駅へ向かう……その道すがら途中の伊那北駅にて下車。この駅と伊那市の間に広がる伊那の旧来からの中心市街地には、信濃斬九郎(特約店向け)の銘柄を醸す宮島酒店と、井の頭龍游(RYUYU)の銘柄を醸す春日酒造の二軒の酒蔵が狭い範囲内に所在しており、今回はそこで1本ずつ四合瓶を調達する事に。

さて、立派な駅舎を持ちつつも無人駅である伊那北駅に下ると、いきなり肌を焼くような日差しと凄まじい熱気。この日は最高気温38℃というとても登山日和と言えないような気候で、まだ午前中であるこの時点で既に少し歩くだけでも体力が奪われる感じ。街中にも歩いている人の姿は只の一人とない。(車社会の地方都市なので普段からこんなものかも)

宮島酒店 信濃錦 斬九郎 日本酒 酒蔵 伊那市
宮島酒店 信濃錦 斬九郎 日本酒 酒蔵 店内
信濃錦の製造元である宮島酒店とその店内

伊那北駅から10分ほどで1軒目の酒蔵、宮島酒店に到着。市内を流れている小沢川に面した所に立地している。

店内に入るものの、店員さんの姿は無いので暫く店内を観察。陳列棚や冷蔵ケースに目を向けて、どんなお酒があるかなーと軽く確認した上で呼び出し。(酒蔵は小売メインではないので、基本的には呼び出して対応してもらう形になります)

店員「いらっしゃいませー、ようこそお出で下さいました」

今年の夏は本当に暑いですね、みたいな世間話を済ませ……。

犬山「四合瓶くらいのもので探してるんですけど」

店員「(犬山の登山の格好を見て)おみやげですか?」

犬山「いえ、これから山登りで上で飲むものを探してまして。ただ、色々種類があるのでちょっと迷ってしまってですね」

冷蔵ケースには様々な種類の一升瓶や四合瓶が。ここの酒造では斬九郎という東京の特約店向けの銘柄(生酒が多いイメージ)を作っていたりするので、レギュラーの銘柄である信濃も結構拘っているのか冷蔵酒がメインと言える雰囲気だった。

犬山「ちなみになんですけど、試飲とかってやってます?」

下調べした段階では試飲はやってなさそうであったけどダメ元で尋ねてみる。これでOKって所は意外と多く、場所によっては個人で飲んでいる物を分けて飲ませてくれることもあったりするのですが……。

店員「申し訳ないんですが、こちらではやってないんですよね」

という訳で残念ながら無理でした。

店員「ちなみにお酒の好みってありますか? 辛口とかの」

犬山「好みは……」

大抵の酒蔵でそんな感じで好みの傾向を聞かれるのですが、自分は幅広く飲むタイプなのでこう聞かれた時にいつも返答に窮してしまう。(多くの所ではその際「辛口が好き」という定型的な返事を予想しているので、敢えて甘くて濃厚なお酒と言うと意表を突いた感じになってしまう事も……)

犬山「甘口辛口どっちも好きなんですけど、強いて言えば特徴的なお酒ですかねー。生酒とか原酒とかあればそっちも見たいかもかも」

暫し店員さんが冷蔵ケースを眺め思案。

店員「生酒で特徴的な物というと、こちらの超玄(91%の超低精白の生酒)と一瓢(酒度+10の大辛口の純米生酒)、それと艶三郎(地元伊那市産の山恵錦を使用した生原酒)がありますが」

冷蔵庫からその3本を取り出して並べてくれる。どのお酒もそうですが、この蔵ではラベルレスデザインという形で、上部の瓶のくびれの部分に前掛けのような形で小さな紙が付けられている。

だからこそという訳ではないと思うものの、ここに置かれているお酒はどれも手頃な価格で、純米吟醸以上の生酒の四合でも1000円台(一升瓶換算で2~4000円)が大半だった。最近はその1.5~2倍くらいの値段でも普通ではないので、頑張って価格維持に務めてる所なんだなという印象に。

その中でも艶三郎は四合瓶で1,279円と、純米生原酒にしてはかなりの破格とも言える価格。個人的には、登山ではそこまでハイスペックなものを率先して飲みたくはならないので(疲労で嗅覚が鈍り吟醸香が感じられにくいので)、これはどうなのかと訊ねてみる。

店員艶三郎は地元の荒井地区で取れた山恵錦使用の純米生原酒です。甘口で飲みごたえがあるお酒になりますので、今ある中だと特徴的な方になりますね」

犬山「……これが気になるかな」と、手に取って見てみる。

登山や旅行でのお酒はなるべく地元の原料、いわゆるテロワールと言えるものを優先的に選びたい。であれば、市内で栽培された長野県オリジナルの酒米を使用したこのお酒はまさに正鵠を射ていると言えるだろう。

信濃錦 艶三郎 純米生原酒 宮島酒店 酒蔵 日本酒

宮島酒店で購入した信濃錦の艶三郎。

という訳で今回は艶三郎を購入し、記念に店内で撮影。ラベルレスとは言うものの、これはこれでデザイン性があり、他の酒と並べた時でも埋没しにくいので有りだと思う。

味覚の傾向

信濃錦 艶三郎 ラベル表記(日本酒)
信濃錦 艶三郎 ラベル表示(日本酒)

ソロ登山だったので、今回は自分ひとりだけでのレビュー。
まず、登山初日の小八郎岳での夕食時に口切り、そして一口……ファーストインプレッションは濃醇な甘さ。ただ、甘口ではあるものの酸味やキレが綯い交ぜになったような複雑な味わいで、味覚のメインとなる甘味自体も他ではあまりないタイプ。わずかに渋味のようなものも感じられるか。いずれにせよ、甘め&味覚が複雑で飲み飽きないので、単体でも延々と飲めてしまう。

一方で、帰ってからよく冷やして飲むと……甘味の強さはそのままにシャープなキレが現れてきて一転して食中にも合わせやすくなる。温度帯の変化も楽しめる面白いお酒でした。

信濃錦 艶三郎 純米生原酒 味覚 傾向 グラフ(日本酒)

※数値が高ければ味が優れているという訳ではないのでご注意下さい

料理との組み合わせ

日本酒 登山 キャンプ 中央アルプス 木曽駒ヶ岳 信濃錦 龍游
日本酒 登山 缶詰 中央アルプス 木曽駒ヶ岳 信濃錦 龍游

中央アルプス、駒ヶ岳頂上山荘のテント泊時の食事風景。左の写真のように、ただ景色を飲みながら呷るのも良いですが……。

メニューはアルファ米のわかめご飯と、フリーズドライの豚汁さんまの蒲焼の缶詰等。単体でも十分楽しめるお酒ですが、甘くて濃醇な酒質なので同じく甘味の強い蒲焼にも味は負けず相性いい感じでした。75点の組み合わせ(登山補正あり)。

帰宅後にはさんまの干物と合わせてみる。氷温(マイナス2度設定)まで冷やしてみるとキレも出てくるので、食中酒として色々なものに合わせやすくなります。70点くらいの組み合わせかな。

スペック一覧表

項目 内容
蔵元 宮島酒店(長野県伊那市)→(HPリンク
使用米 山恵錦
精米歩合 71%
日本酒度 不明
酸度 不明
アルコール度数 17度
種別 純米酒(生原酒)
購入価格(税込) 1,279円(720ml)

買えるお店の紹介(あれば)

信濃の同じ艶三郎楽天にありましたので紹介致します。この純米生原酒というスペックで一升2500円を切るのは破格かなと思いますので、他スペック含めて興味がありましたらどうぞ。

※流通量の少ない地酒なので、品切れ&リンク切れの際はご容赦下さい。


次回のお酒はこちら→『008|龍游 ひとごこち59 無濾過生原酒

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