
自宅の晩酌用に八海醸造の【八海山 越後で候 しぼりたて原酒】を調達しましたので、甘口辛口などの味の解説やレビューをざっくばらんに書き殴ります。皆さんの日本酒選びに1ミクロンでもお役に立てますと幸いです。
一つ前の記事です→『053|天海山 上撰』
お酒のレビュー
概要と経緯
八海山は言わずもがな、酒どころ新潟においては越乃寒梅、久保田等に並ぶ代表格的な銘柄。名の由来になった八海山という山を知らなくても、お酒の名前の方は知ってるという人は多いのではないか……っていうくらいの知名度の高さではと個人的に思ってます。
その銘柄の全体的な味わいとしては、いわゆる新潟淡麗辛口と呼ばれるジャンルに属していて、かつての辛口酒ブームで一気に名が全国に広まったというのが専らの話。今となってはむしろ濃醇旨口甘口系統の方が持て囃されている風潮ですが(ごく狭い界隈での風潮ではありますが……)、今でも一定のニーズはあるようで飲み屋で見かける率は依然として高く、新潟酒枠としてこれか久保田の何かを見かける事は体感的に非常に多め(ほか越乃寒梅、緑川、〆張鶴は定番ですね)。
さて、そんな辛口酒というイメージ強めの八海山ですが、こちらの越後で候はそうした傾向とは対照的に、濃醇旨口甘口の風潮に合わせるべくしてブランド立てされた銘柄なので味わいも濃醇そのもの。種類としては赤色(純米大吟醸生原酒の赤越後)と青色(本醸造生原酒の青越後)があり、今回の記事では後者の青越後の方を取り扱います。
スペックとしては、山田錦や五百万石等の酒米を60%まで磨いた本醸造生原酒。比較的リーズナブルであって飲みごたえがある(アルコール度数19度)のが個人的に気に入っていて、今回も何度目かのリピートです。


ちなみにこちらが銘柄の名の由来になった八海山の山頂部です。この辺りの稜線上は八ツ峰と呼ばれていて、名の通り岩峰のようなピークが8つ並んでいます。
かつては修験道における行場とされていたように、写真のような岩場の登り下りが続く険しい山だったりするのですが、現在ではロープウェイがそこそこ高い所まで通じているので、それを利用すれば日帰りでの登頂も可能。難所である八ツ峰を迂回するトラバース路があるので、八海山最高峰である入道岳のピークハントだけであれば初心者の方でも問題なく行えます。

ちなみに自分は過去、八海山から中ノ岳、越後駒ヶ岳方面へ縦走した事があります。この3つの山を合わせて越後三山と呼ばれていて、その中でも八海山から中ノ岳までの縦走路(オカメノゾキ越え)は道の状態も悪い上にアップダウンも激しくアブにも集られるしで、中々に険しい道程でした……。

こちらはその越後三山の中ノ岳山頂から中ノ岳避難小屋、そして越後駒ヶ岳方面への展望。6月に登りましたが、雪が多く残っていました。
味覚の傾向

例によって家族からのレビュー……家族も過去何度か飲んでいるお酒ではありますが。
家族「めっちゃ濃い。甘味が強くてがつんと来るお酒だと思う」
犬山「菊水ふなぐち(『022|菊水 ふなぐち スマートパウチ』で紹介)に近い?」
家族「それと比べると酸味があるかも。ただ、すぐ酔いそうなお酒ではある」
自分も改めて飲んでみる。最初に来るのは非常に強烈な甘味。それが暫く漂った後、纏まった量のアルコールの辛味が押し寄せてきて強引に流される感じ。流れとしては菊水ふなぐちや、最近飲んだ飛鶴(『061|飛鶴 しぼりたて 本醸造無濾過生原酒』で紹介)近いですが、家族の言うように意外と印象的なのが酸味。そのおかげか全体的に甘ダレする事無く、濃い割には引き締まった感じのお酒でした。

※数値が高ければ味が優れているという訳ではないのでご注意下さい
料理との組み合わせ

かなり甘いお酒ですが、キレもしっかりしているので意外と料理には合わせやすかったり(特に味の濃い料理には相性良さげです)……今回は、石川酒造の酒粕詰め放題で入手した酒粕(『065|多満自慢 佳撰 白辛口 酒蔵限定たる酒』で紹介予定)を使用した鶏の粕焼き。甘いお酒ゆえ、甘味が強めの料理にも味が負けない為に相性は良く、85点の組み合わせ。

その次はブリの刺身と合わせてみました。淡白な白身魚だと勝ちすぎてしまうタイプのお酒ですが、ブリだと相性は良いかなって感じです(まだお酒の方が強めですが)。74点の組み合わせ。

最後に刺身こんにゃくと合わせてみた所。非常に淡白な味わいではありますが、お酒の味そのものをメインで楽しむタイプの飲み方をする時に非常に優れたつまみだったり……青越後と合わせると、甘味の奥の酸味をより感じられやすくなるのが不思議。80点の組み合わせ。
スペック一覧表
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 蔵元 | 八海醸造(新潟県南魚沼市)→(HPリンク) |
| 使用米 | 山田錦(麹米)、五百万石他(掛米) |
| 精米歩合 | 60% |
| 日本酒度 | +4 |
| 酸度 | 1.5 |
| アルコール度数 | 19度 |
| 種別 | 本醸造酒(生原酒) |
| 購入価格(税込) | 3,278円(1,800ml) |
買えるお店の紹介(あれば)
八海山は生産量のある銘柄という事もあり、この越後で候もAmazon、楽天ともに取り扱いがありましたので紹介。冬季限定商品で夏季は製造されないので、欲しい方は在庫がある内にどうぞ。
※流通量の少ない地酒なので、品切れ&リンク切れの際はご容赦下さい。
次回のお酒はこちら→『055|香取 純米90』※未作成

