
台高山脈縦走の4日目は前日に引き続き、大台ヶ原~池木屋山間の核心部の歩きがメインの内容となります。
前日宿泊した三之公雨量観測所からはそのまま尾根伝いに北上して1164mピークを掠める形で進むと、次第に岩稜帯となり難儀する道程に……苦労して湯谷ノ頭に到着するものの、主稜沿いに崖があり別尾根からトラバースして迂回。その後も山ノ神ノ頭でルートミスしたり、カコウキ越から地池越のトラバースに恐怖したりと一筋縄ではいかない道が続くものの、馬ノ鞍峰に近付くにつれて歩きやすくなる。以降は岩場の難所があったりしつつも全体的には順調に歩けたものの、途中から雪が降ってきたので霧ノ平で少し早めの行動終了となりました。
『台高山脈その4』の続きの記事となります。
他の日程を見たい方は以下の記事よりリンクを辿って下さい。コース全体の軌跡もこちらに掲載しています。

今回歩いたルートのGPSログです。
山行記録
三之公雨量観測所→湯谷ノ頭

朝の三之公雨量観測所からの展望。前日の三津河落山以降ずっと電波が入らないので天気予報が調べられないのですが、好天だった昨日までと比べると全体的に雲が多い様子……雨が降らない事を祈っておく。

明るくなってきた頃の三之公雨量観測所の建物とテント。近くに積まれていたタープに括り付ける用の石は有り難く利用させて頂きました。
[6:45]三之公雨量観測所出発
テントも撤収して出発という所。この日歩くのも終始難路扱いの区間なので、きっちり明るくなってからの行動開始。

三之公雨量観測所からの展望。山が深い。

出発後、横着してそのまま斜面を登り始めたら斜度がきつくて、結局すぐに主稜線(ブナノ平)に戻る形に。

登りの途中から振り返ると前日の終盤で乗り越えたピーク、父ヶ谷ノ高の方面の稜線が見えました……しかしこの日は雲が多い。


スタート直後から1,164mピークまでは結構な急登。かつては補助用のロープとして整備されていたのか、その残骸が所々で落ちていました。
少し登った所で一瞬だけフラットな尾根へ。既に日が高くなってきた時分ですが、雲のせいかこの時間帯でも若干薄暗い。

荒れてるなーって感じの道を進む。この辺り、踏み跡はほぼ残っていないので道とも言えなそうですが。

倒木に丸いキノコが生えてたのでふと足を止めた所。


なんか丸々してて饅頭のような形のキノコ。妙に目を惹かれて何枚も写真を撮ってしまった。


少し先で1,164mピークを僅かにトラバースした後、引き続き主稜線の上を進みます。

遠目には前日から何度か見えている大杉国見山が。その背後には三峰山から局ヶ岳にかけての稜線。三峰山はここから3日後に到達するピークですが、まだまだ途方もなく遠い所に見えます。
少し進んだ所から同方面。雲は多いものの東側の空は晴れていて、時折陽光が差し込んでくる。

全体的に痩せ尾根というか岩尾根みたいになってきた頃。この辺り、一つ一つのアップダウンが特に急峻で両手を使う場面も多めでした。


落差が大きめの箇所。ここ通るの?って感じの険路が続く。
難所の間のフラットな尾根道。束の間の息抜き。


更に岩尾根らしくなってきた所。両側が切れ落ちているので基本的には尾根を外さずに進みますが、風化が進んでいてザレ気味で滑りやすいので正直かなり怖い。

尾根上には大木が多いです。それを縫うように進む。

樹間からは大峰山脈の弥山方面の山並みが見えましたが、ピーク上は雲の中に埋もれてました(右奥の辺り)。

ヒメシャラの幼木漕ぎゾーン。単純に歩きにくいのもそうですが、枝先が目に入りそうで怖い……この先、池木屋山までこの密度の濃いヒメシャラ漕ぎが増えてくる。


きつい登り下りと時々展望。


湯谷ノ頭手前の急登と、ある程度登った所から振り返った所……中々の傾斜でした。ザレまくりだし、ここを下りたくはないなー。
湯谷ノ頭→山ノ神ノ頭

[8:28-9:01]湯谷ノ頭
湯谷ノ頭に到着。事前情報ではこの前後の岩稜帯が険しいという話なので、まだまだ気は抜けない感じ。
湯谷ノ頭の山頂の雰囲気。何の変哲もない小ピークですが、山頂看板と三角点が設置されています。


湯谷ノ頭を後にして山ノ神ノ頭方面へと進みます……が、少し先の鞍部まで崖になっています(左の写真)。大荷物な上に手掛かりも乏しく、これを下るのは流石に無理となってどうにかして進む方法を模索していると、湯谷ノ頭から西側には比較的緩い尾根が伸びていて(右の写真の上部)、そこからトラバースして先の鞍部に合流できそうかも……という訳で行ってみる事に。


一旦湯谷ノ頭のピークに戻り、そこから西側の尾根へ下って適当な所からトラバース開始。先程見えた鞍部を目指します……が、やはり中々の斜度。滑ったら終わるので一歩一歩慎重に進む。

かなり危険だったのがこの先の倒木。跨ごうとして手を突いたら木が僅かに谷側に滑り落ちてやば……となったので、隙間から潜る形で通過しました。


そうこうしてなんとか先程見えた鞍部に到着。件の崖を見上げてみると、登りだったら行けそうかなーって感じではありますが。

この辺りの軌跡です(進行方向は右→左)。湯谷ノ頭ピークから一旦尾根伝いに進む→先が崖なので引き返し、西側の尾根を下って標高を下げる→ある程度下がったらトラバースして先の鞍部を目指すという形で進みました。


トラバースの迂回の後は基本そのまま尾根を進みます。遠目だとこれ登るのかーって感じの岩尾根でしたが、傾斜は見た目程ではなく手掛かりも豊富なので普通に進める感じ。

岩尾根の途中から見えた展望。頭上の雲は相変わらず鈍重。


途中から急登っぽい感じに。ロープも時々あるものの整備されたのは相当昔のようで、大半が根本の辺りで千切れている。これに体重かけるのは怖いので、基本使わず登っていきます。


ロープが続く急登。こういったものが整備されるくらいには昔は人通り多かったのかな? 右のロープは根本から千切れていて意味もない代物と化していました。


岩場の急登が終わったら難所も一区切りで一安心……といっても痩せ尾根っぽい所は暫くは続く。

足元にワイヤーが落ちていました。あまりに人気がない区間なので人工物を見るとなんか安心する。
稜線上の灌木漕ぎ。この区間では歩きやすい部類。
山ノ神ノ頭から北方面に伸びる尾根が見えてきました。後ほど歩きます。

山ノ神ノ頭のピーク手前の展望地。方角的には北東、南亦山とかの方面かな。
山ノ神ノ頭→地池越

[9:33-10:20]山ノ神ノ頭
山ノ神ノ頭に到着。湯谷ノ頭から僅か500mの距離でしたが、ルーファイに手間取ったり岩場の登攀があったりで1時間近く掛かってしまいました……けど多分一番きついであろう箇所は通過できて一安心。
ちなみにここでの滞在時間が1時間弱とやけに長いですが、これは出発直後に方向ミスって再度戻ってきた為(後述します)。
山ノ神ノ頭のピークの様子。台高核心部の他のピークと同様、木々に覆われていて見通しは利かない……看板というか案内の紙のようなもの?が地面に落ちていました。木に括り付けられていたものが落ちてしまった様子。


木に取り付けられた小さな看板と秋咲きのツツジ。


山ノ神ノ頭から明後日の方向に出発します。次に目指すのは地池越ですが、それまでの間にあるトラバースをどうやって通過しようか……なんて事を考えながら歩いてました。それで注意力が散漫になっていたのかもしれない。テープも続いていましたし。
少し下ってから平坦な尾根に乗ります。主稜線上は一旦下った後にすぐ登り返すので、この辺りから少し違和感が出てくる。

赤テープに従って進んでいくと延々と緩い下が……流石に変だなと思い一旦停止してGPSで現在地確認。

GPSを見ると盛大に支尾根に入り込んでました。ピークから北北東に進むべき所を、西北西に進んでしまったという形。

こちらがその時のGPSデータ。ピークに戻ってからルート復帰したその先でも支尾根に入りそうになってますね……事前の情報収集もあってか台高核心部ではルートミス殆どせずに済んだのですが、この辺りのみ微妙に分かりづらかったかも。

山ノ神ノ頭のピークまで引き返します。50m下った所で気付けたのは不幸中の幸い。

引き返してる途中、本来辿る予定だった尾根が見えました。トラバースしたらショートカットできそうですが、ちょっと怖いので結局ピークまで戻る事に。
ピークに戻って一つ前の写真の尾根に乗った所。ピークの直下は結構な傾斜でした。

山ノ神ノ頭からの急斜面を下りきった所。先程確認した地形図通り、ここから小さな登り返しが始まる。


暫くの間は小刻みなアップダウンが続くような形。

展望が開けた箇所からの眺め。大峰山脈の大普賢岳とか山上ヶ岳の辺りかな。

直登が厳しい急斜面はトラバース気味にジグザグに登ります。

[10:41-10:53]カコウキ越
地図上でカコウキ越と記載された鞍部に到着。山ノ神ノ頭~1,179mピーク(これからトラバースする)の最鞍部で看板が落ちています。ただ、看板は半分以下に割れてて、内容からするとただの指導標のようにも見える。

正規のコースでは、地池越手前の1,179mピークは西側にトラバースして通過する形を取っているので、斜面の状態を見つつ一旦はそれに倣う事に……最初のうちは比較的斜面も急で歩きやすかったのですが、すぐに怪しくなってきた。


途中からザレの急斜面となりペースは牛歩レベルに……完全に風化して久しいようで踏み跡も全く見当たらない。

実際の所は分かりませんが、この木々の切れ目はなんとなく道の名残っぽいです。


再び恐怖のトラバース。これを歩き続けるのも流石に時間が勿体無いので、斜度が緩くなった所から上に逃げる事に。

トラバース途中から谷側を見下ろした所。途中で崩落地があるので(左下の辺り)、ある程度は高さを稼がないと先に進めません。

なんとか尾根に復帰。どの道登り返すなら最初から尾根伝いに進めばよかったなーとだいぶ後悔。

当該区間の地形図とGPSログです。等高線見る限り、主稜線辿った方が明らかに楽でしたね。横着しようとして余計に時間掛かってしまった……。

気を取り直して地池越方面へ進みます。この付近は割と歩きやすい普通の尾根です(相変わらず道はないですが)。
地池越→馬ノ鞍峰


[11:51]地池越
地池越と思われる鞍部に到着。目印らしきものは殆どありませんが、砕けた看板の破片?みたいなのが落ちています(左の写真の上の辺りにある白い物)。右の写真は東側の谷筋で、ここから暫く下ると水場があるという話。


地池越からの登り返し。斜度は少しきつめですが流石に慣れてきた。

地池越の北のピークに到着。理由は謎ですが、ここから先はコース上のテープの目印が急に増えます。


北ピークのその次の登り返しが本日屈指の急斜面でした(トラバースして迂回した箇所を除く)。とは言え登りそのものは短いので根性で乗り切る。
急登を終えた後は暫くの間は緩めの尾根となります。左の木には台高縦走路のプレートが……このタイプの物は核心部区間では時々見かけました。


傾斜は緩く快適な尾根道。時々日が差し込んできたり紅葉が色づいていたりで景色を楽しむ余裕も出てきた頃。


相変わらず小刻みなアップダウンは続きますが、斜度そのものは緩いので気楽に歩いていく。

途中でバラバラと音が聞こえてきたので何かと思ったら雪でした。この日は以降、時折雪に降られる事が増えてくる。

地図上でテント適地と表記された辺り。確かに緩い斜面になっていますが微妙……。


馬ノ鞍峰の一つ手前の1,164mピークに到着。木にテープで表記がありました。ここも支尾根が分岐していて地図上には道迷いマークがあるポイント。

1,164mピーク以降はアップダウンは一層緩くなり、ほぼフラットに近い状態に。


小さな起伏を越えていく箇所。そこそこ人が入っているのか分かりませんが、この区間は所々で踏み跡っぽい物も見られる。

緩くトラバースする形で残された踏み跡。そのまま辿っていきます。


再び日が差し込んできたと思ったら、再びどんよりして雪が降ってきたりと……この日の午後は終始安定しない天候。


途中で見かけた古そうな案内看板。


切り株を越えると馬ノ鞍峰の手前の鞍部が見えてきました。

途中開けたところからの展望。なんか急に雲が増えてきたような……。

馬ノ鞍峰手前の登り。やや急峻ですが短めでした。
馬ノ鞍峰→霧ノ平

[14:35-14:45]馬ノ鞍峰
台高核心部の後半の要衝とも言える馬ノ鞍峰に到着。こちらのピークには三之公廟所方面からのコースが通じている為かそこそこ人が入っているらしいです。看板もこの辺りにしては珍しく沢山ある。
馬ノ鞍峰山頂の様子。山頂そのものは結構狭く、そして展望はやはり無い。

引き続き先へ進みます。馬ノ鞍峰の近くにはロープのある岩場があるという話だったので少しばかり緊張した足取りで。


馬ノ鞍峰を出発して以降は若干痩せ尾根っぽい所を進む。アップダウンの細かさは今までと同じくらいかな。


樹林帯の中の尾根道。これまでの尾根と比べて、なんとなく植生が変わってきたような……。


途中、岩場の急斜面を下る箇所が……左の写真が上から見下ろした所で、右が下りた後に振り返った所(横向きの木は同じ物)。手掛かりも少ない上にザレザレでかなり怖かった。


その直後の急登。先程の崖から下った後に進めそうな場所がここしか無かったのですが、これ登るのか?って感じの急斜面。ただ木の根が張り出していて手掛かりは豊富なので、思ったより容易に登れました。

登りきった所に千切れたロープがありました。という事はロープのある岩場とやらは実はこの場所で、気付かぬ内に無事通過という事に……。


途中の金属製の看板。先程の岩場が核心部区間における難所としては最後で、以降は比較的歩きやすい道となります。


道は歩きやすいのですが、この辺りから雪の降り方が強まり始め、地面が白くなった箇所も幾つか。まだまだ前半戦ゆえにザックも湿ると嫌だなーという事で、テント場を探しながらの歩きに。

霧ノ平手前のピークから池木屋山方面……ですが雲で全く見通せず。正面の下り坂を下った所が霧ノ平となります。

[16:05]霧ノ平到着
霧ノ平と思われる鞍部に到着。ネットに情報としてあった看板は見当たりませんが、木にそれっぽい跡が付いてました。
霧ノ平周辺の様子。フラットな鞍部で十分テント適地と言えそうです。東側に下ると水場もあるらしいのですが、前日雨量観測所で補給した水が十分残っているので汲みには行かず。
この日の夜は風も少なそうなので、最もフラットそうな稜線上に設営。気温的には結構冷えたものの快適に眠れました。

この日の夕食メニュー。モンベルのリゾッタに牡蠣のしぐれ煮という布陣。体力的にというよりは緊張感で疲弊した一日だったので、まったり心を癒やすようなメニュー(前後の日と大して違い無いですが)。

牡蠣のしぐれ煮を頂きながらの醉泉と最愛の二種の日本酒でこの日は締め。行程的には若干進みが遅いものの、難所区間は粗方通過したのでだいぶ気楽になりました。
『台高山脈その6』に続く※作成中
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