立山連峰縦走その3(黒部五郎小舎→黒部五郎岳→北ノ俣岳→太郎平→薬師岳→スゴ乗越小屋)
前回記事『立山連峰縦走その2』からの続きです。
ご来光目当てに3時前に黒部五郎小舎を出発。初っ端からメガネを紛失するなどトラブルに見舞われたものの黒部五郎岳には無事登頂……するもガスで何も見えず。意気消沈しながら先に進むとそれを見計らったかのように晴れてきて尚も消沈。しかし以降は好天の下での尾根歩きを楽しめ北ノ俣岳、太郎平と進み薬師岳を乗り越す……黒部五郎と薬師、2つの山塊を越える大移動で後半は足が棒でした。
他の日程を見たい方は以下の記事よりリンクを辿って下さい。コース全体の軌跡もこちらに掲載しています。
【2020年8月】立山連峰縦走についての情報と記録 - 山とか酒とか
目次
黒部五郎小舎→黒部五郎岳
[2:42]黒部五郎小舎出発
0時半に起床し丑の刻に出発します……前日は早々に眠れたので、この日は是非とも黒部五郎岳でのご来光をと早出も早出。
小屋は完全に寝静まった様子ですが、眠れないのか暑いのか小舎から這い出してきた人が居ました。小屋内からは微かに物音も聞こえてくる。自分と同じで早出する人が居るのかもなーとか思いつつ出発進行。
黒部五郎カール経由で山頂を目指す。トラバースしていく過程で何度か沢を乗り越えたり遡上したりします。幽霊とかはどうでもいいですけど、水場が多く平坦な地形なので熊が居そうなのがなんとも……鉢合わせしませんように。
小屋から山頂までは2時間半の道程。長いには長いけどそこまできつくない登り……見上げてみると月が出ているものの、山頂の方は濃いガスが掛かったままでご来光は期待できず。
あまり早く着いてもガスの中だと仕方ないなーという事で小休止しようとザックを下ろし、沢水でタオルを濡らして顔を拭いたりしていたら、その隙にどこかに旅立ってしまった。メガネが。
よりによってこんな暗闇で失くすとは我ながらアホだなーと思いつつ30分程の決死の捜索活動。追いついてきたトレランの人にも協力して貰ったものの見つからず。
しゃーないかと、諦めて先に進もうとザックを背負おうとすると背中に違和感……写真のようにザックの横ポケット引っかかってました。一人、真っ暗闇の中大騒ぎして我ながらアホだなー。
カールから黒部五郎の肩まで標高300mくらいの直登が始まりますが、予定外に生まれた30分大休止のお陰で難なく登れてしまう……肩に登ると多少明るくなり雲も流れ始めていました。
これから雲が流れていくのでは? 期待できそうな空の動き。
黒部五郎岳の山頂は太郎平方面の縦走路から少し入った所にあります。普段であればこういう時おもおもザックはデポしていくのですが、今回は山頂で晴れるまで粘るつもりでいるので、防寒具だのお菓子だの入った全てを担いでいく。
少し雲が流れて遠くの空が……(まさかこれが黒部五郎岳におけるベストオブ展望になろうとは)。
標高が上がるに従ってガスは着実に薄くなっている……これは期待が持てる。足取り軽やかに山頂へ。
黒部五郎岳→赤木岳→北ノ俣岳
[5:18-5:55]黒部五郎岳
なんも見えませんでした。
30分程待機した中、唯一雲が薄くなった時の空。現場からは以上です。
微妙な気分のまま分岐へ戻ります。山頂では黒部五郎小舎から追いついてきて本日中に太郎平から折立まで下るという人と遭遇し、暫し雲の流れを見ては一緒に一喜一憂。不幸も他人と共有できればそれをネタに話せるので気分的には多少マシになるというもの。
気を取り直し太郎平方面に進みます。黒部五郎岳で一緒になった人とは暫く行動を共にしてましたが、自分の方はこの日はスゴ乗越小屋まで行かなくてはならないという事もあり、気持ち早足で歩いていたら以降会えず。
下り始めて暫くの所で青空が見えました。
一転してなだらかな尾根道。しかし雲は依然として多く先の様子は窺えない。
振り返ると黒部五郎岳に掛かっていた雲が取れ始めている……恨めしげな視線を送っておく。
太郎平方面の稜線。東の方に分厚い雲が流れると途端に薄暗くなる。
稜線上、小刻みなアップダウンはそこそこありますが、以降纏まった登りは薬師岳への登り返しを控えた薬師峠までありません。
[7:12]中俣乗越
山頂から400m程下り、黒部五郎岳~北ノ俣岳の最鞍部に当たる中俣乗越へ。ガスったり流れたりでまだ安定しない。
黒部五郎もガスを身に纏ったり脱ぎ捨てて裸になったりと忙しい。
少し進んで振り返るとくっきりと黒部五郎岳。暫く進むと再びガスに突入。
雲の動きに翻弄されていたら気付けば太陽は高い所に。
平坦なので池塘とか花畑もたまに。少し先で右に分岐しているなだらかな平原は、赤木平の支尾根。
稜線から北側の様子。雲は少しずつ、しかし確実に流れつつある。
進む先のガスも取れ始めました。いい傾向。
すぐ先に見えるのが赤木岳。一つ鞍部を挟んで北ノ俣岳が右にありますが、雲が間に滞留していて見えない。
昼寝でもしたくなるような長閑な雰囲気。黒部五郎岳の山頂でガス攻撃を食らってやる気喪失しかけていましたが、この開放感のある尾根道を歩いていたら些細な事と思えるくらいには回復してきた。
赤木平にぽつんと立つ変な岩。肉眼では小屋のようにも見えた。
お花畑な斜面。太郎平方面はまだ見えない。
赤木岳の登り……ピークは踏まず横に巻くように登山道が伸びています。この付近から太郎平をスタート人とすれ違う事が増える。軽荷で黒部五郎ピストンの人が多かった印象。
南側の雲が一瞬大きく流れました。雲が多いのは北アルプスだけなのか、他は雲が少なく相当遠くまで見渡せる。
船のように浮かぶ乗鞍岳が見えました。
赤木岳手前から振り返る。先程まで晴れていた黒部五郎岳方面の稜線に雲が不思議な形で乗っかっている……ちなみに初日に登った笠ヶ岳が頭だけ見えてます。
一方、雲が取れ始めた裏銀座方面の山々。祖父岳の右側に鷲羽岳が見えます。
[8:08]赤木岳
トラバース路の途中に赤木岳と記載された道標があります。
更に良く見えるようになった裏銀座方面。水晶岳~赤牛岳の稜線が次第に露わに。
次なるピークである北ノ俣岳へは緩いアップダウンを1回ずつ。歩きやすい稜線。
裏銀座の山々。鷲羽岳の右奥に見える山は何だろうと、調べたら大天井岳との事。
水晶岳と大天井岳。いろんな山が見え始めて楽しくなってきた頃。
北ノ俣岳→太郎平
[8:42-8:56]北ノ俣岳
北ノ俣岳はなだらかな稜線上にあり、気付いたら着いてた……みたいな感じで特に感慨もなく到着。
北ノ俣岳からの展望。黒部五郎岳方面の雲が再び増え始めて見えなくなった。
裏銀座方面の山々を望遠で。水晶岳、鷲羽岳、大天井岳など。雲ノ平の上の木道なんかも見えますね。
太郎平方面に向けて出発……なんだか雲が増えつつあり少し不安に。進む先の太郎山も大量の雲に覆われていて見えない。
太郎平方面のゆるやか稜線。奥には巨大な薬師岳の山体が壁のように立ち塞がる。
少し下った所から裏銀座の山々。
北ノ俣岳から下ってきた所を振り返る。起伏の少ない歩きやすい尾根道は延々と。
雲が動き、先程まで雲で覆われていた赤牛岳が見えた。中々いい感じのお山。
歩いてきた平坦な稜線。振り返るといつの間にか黒部五郎岳の雲が取れていました。
3時間歩いた程度なのに既にこの距離感よ……起伏が少ないから距離が稼げてしまう。
道の雰囲気と青空。
太郎平方面……こちらも殆ど平坦ですが少し下りを挟む箇所も。下りきったところは湿地帯になっていて小さな池塘が無数にある。
徐々にその巨大な姿を見せ始めた薬師岳と、赤屋根の目立つ太郎平小屋。
先程上から見えた池塘群の辺り。長閑な雰囲気。
北ノ俣岳方面。黒部五郎岳は再び見えなくなってしまった。間に雲が流れ込んできた為か。
太郎平に下る手前に太郎山のピークがあり、その付近からの展望。薬師岳が近付くにつれて大きく。
北ノ俣岳。こちらも依然として雲は多い。
太郎山から数分下った所に太郎平小屋があり、ここまで歩いてようやく本日の行程の半分です……長い一日だ。
太郎平→薬師峠→薬師岳山荘→薬師岳
[10:26-10:47]太郎平小屋
5年ぶりに来る太郎平。ベンチが全て埋まる程に賑わっていた前回と違い、今回はコロナ禍で人は少なく閑散としていて物寂しい雰囲気。
前回来た時はお昼のメニューでラーメン(行者にんにく入りの名物)とか生ビールとか売ってたので、今日は長丁場だから補給がてらに食べていこうかなとか考えていたんですけど、この日はやってなかった。ショックのあまり膝から崩れ落ちた……仕方ないので黒ビールを一本。
小屋には折立のキャンプ場が使用中止になったという旨の張り紙が掲示されていました。帰ってから調べてみるとその熊はまだ出没していて、駐車場の車が餌欲しさに壊されたりしているみたいです……人間であれば車上荒らしなんて逮捕で終わりですけど、熊は逮捕できないからなー。難しい問題。
話し声も至って少なく、静かな太郎平の雰囲気……いつの間にか薬師岳の雲が取れている。
太郎平からの展望。黒部五郎岳の雲は完全に取れていました。
裏銀座を望遠で。鷲羽岳(祖父岳の奥で雲に覆われて見えない)と三俣蓮華岳(同じく雲に覆われていて見えない)の間の少し窪んだ所に見えるのは先ほど見えた大天井に代わり表銀座の赤岩岳?
薬師岳方面へと進む。前回はテントに荷物の大半を置いて空荷で往復しただけなので楽勝でしたが、今回は荷物が桁違いに重いのでかなりの苦戦が予想される模様。
テント場である薬師峠までの木道。この微妙な遠さも懐かしい。
見る度に変わる鷲羽と三俣の間の山。西岳か北鎌尾根か?
薬師峠まで下る。下りきった所が最鞍部で、そこから3時間絶え間なく登りが続く……。
[11:07]薬師峠
前回この辺りに来た時に泊まった薬師峠のテント場。テント受付は14時からですが、そこそこに場所取りが始まってました……が、この感じだと埋まる事もなさそう。
ここから先は薬師岳を乗り越えた先のスゴ乗越までキャンプ指定地は無し。一歩を踏み出すには少しばかりの勇気と覚悟が必要だった。
初っ端から急登。というか最初の沢沿いの道が一番傾斜がきついです。
キヌガサソウ。7月の花ですけど一輪だけ咲いてました。
早々に樹林帯から抜けました。風が通らず暑い。
ガレ場の登り。あれだけ漂ってた雲はどこかに旅立ってしまったようで、薬師岳方面は鮮やか過ぎる青空。
湿地帯である薬師平に近付くと傾斜は少し緩くなります。
[11:44]薬師平
途端に木道が始まり長閑な雰囲気の湿原になった所が薬師平。奥に見える山は本日経由した北ノ俣岳。
ニッコウキスゲがそこそこ咲いていました。その先には登り始める前の時点では雲に覆われていて見えなかった三俣蓮華岳、双六岳の稜線が。
三俣蓮華岳と双六岳。黒部五郎岳の肩の左奥に見えるのは、初日やむなくテントを張った秩父平の上に生えてた秩父岩では?
薬師岳の山頂はまだまだ遠い。左に見えるザレたピークの向こう側の世界にあります。
ハクサンフウロとヤマハハコ。山座同定ばかりではなく、たまには花も愛でなくては。
急登を終えると薬師岳山荘までの区間は少しなだらかになります……それまでは空気の流れも悪く酷暑そのものでしたが、以降は風通しも良くそこそこ涼しい稜線歩きに。
手前に小さなピークがある所為か、意表を突いたかのように現れる薬師岳山荘。
[12:40-12:47]薬師岳山荘
2010年に建て替えて10年くらいしか経ってないのでそこそこ綺麗で立派な薬師岳山荘……しかしテント場はなく小屋泊のみの受付。5年前に来た時はご来光目当てにダッシュで登って、下りもさっさと駆け下りてしまったのであんまり記憶に残っていなかったり。
酷暑の急登で喉が干物になっていたのでジュースを購入。白玉あんみつが名物メニューなんですけど、この状態で食べたら喉詰まるので断念……CCレモンは400円したけど平地の5倍は美味しく飲めたのでコスパは良いです(???)
薬師岳山荘を過ぎれば薬師岳山頂までコースタイム1時間、まずはザレ場の上の避難小屋跡まで再び急登。
避難小屋跡までの急登。登りきった所が見えてる時ってすぐに辿り着けそうな気がするんだけど、実際は見た目以上に距離があって中々近付けない。山あるある。
小休止がてら振り返る。薬師岳山荘の屋根と奥には太郎平小屋。折立方面に続くくっきりとした尾根道が見え、その奥には有峰湖も。北ノ俣岳~黒部五郎岳の方も中々って感じ。
独特な形の黒部五郎岳。これを間近で見る事が叶わなかったのが心残り。
景色が良くて頻繁に振り返ったりしてるから中々先に進まない。
先程のザレ場を登りきった所、避難小屋跡に到着。薬師岳の山頂は左奥で、緩い稜線を少し進んだ先にありあmす。
避難小屋跡からの展望。山頂とほぼ標高は変わらないのでこの時点でも既に眺め良し……雲も流れてくれて色々な山が見えるように。正面に見える赤茶けた山塊は赤牛岳で、他色々と。
水晶岳の右に見えるのは常念岳。山頂に行くと水晶岳と重なって見えなくなってしまうのでこの場所限定。レアです。
左、針ノ木岳を中心とした後立山連峰の山々。赤沢岳、爺ヶ岳、スバリ岳、針ノ木岳、蓮華岳という並び。右、雲が流れ見え始めた槍ヶ岳。笠新道で死にかけてる途中で見た以来ですね。
などと道草食いながら山頂へ。
薬師岳からの展望
[13:50-14:22]薬師岳
5年ぶりの薬師岳登頂……空荷で登った前回とは比較にならないくらいにしんどかった。人気の山という事もあって多少は人居ますけど、やっぱり空いてますね。
展望。これから進む北側方面に雲が多い以外、概ね良いです。
少し広範囲にしたもの。北薬師岳との間はカール状に抉れている……金作谷カールというんだとか。
見える山を望遠で繋げてみたもの。錚々たる裏銀座の山々が素敵……普通であれば雲が多くなり空気も霞みがちになる8月の午後、これだけ見えればまあ満足。
上の写真の山名入り。裏銀座の野口五郎岳から北が今までピンとこなかったんですけど、今回でなんとなく把握できました。
針ノ木岳周辺。5年前登った懐かしき山々よ。
船窪岳と鷲羽岳。鷲羽の右の槍ヶ岳は再び見えなくなってしまった。
槍ヶ岳、雲ノ平の周辺。槍のガスが取れるのを待ってましたが結局諦めて先に進む事に。
進行方向の北薬師岳のガスが取れてきました……結構険しいような。
歩いてきた道、太郎平、北ノ俣岳、黒部五郎岳方面。こちら側は若干雲が多い。
山頂札と山頂に建つ社。ここも信仰の山で、古くは大峰山とかと同様に女人禁制だったとの事。信仰対象は言うまでもなく薬師如来。
少し下った所から。薬師岳の山頂までは賑わっていましたが、この時間帯こちらに進む人は皆無。スゴ乗越小屋まで誰とも会う事はなく一転して静かな旅路に。
さらば薬師岳、また会う日まで。
薬師岳→北薬師岳→間山
北薬師岳方面に進みます。正面のガスが掛かったのがそれですが、標高が薬師岳と殆ど変わらないような。
マークが多く不明瞭って程ではないですが、これまでの整備されきった道と比べると些かワイルド。
下ってきた薬師岳を振り返る。ザレとハイマツの稜線
そして北薬師岳方面。薬師岳登れば後は下り一辺倒って思ってたけど、結構アップダウンあるじゃん……。
道はそこそこ険しいですが、危険箇所っぽい所は特に無いです。
ザレ場のアップダウンを無心で繰り返していると北薬師岳が見えてきた。
[15:15-15:25]北薬師岳
予想に反して辛かった北薬師岳までのヤセ尾根歩き……地図を確認したら薬師岳から30分。大嘘だろ1時間近く掛かったぞ、と疑問に思い帰って調べたら50分に改訂されてました。
薬師岳を振り返る……望遠してみたら人の姿がまだ数人。右側にはその前に通った避難小屋跡も見えます。
北薬師岳からの眺め。薬師岳と標高が大して変わらないので展望も中々です。
望遠で繋げてみる。鹿島槍ヶ岳と五竜岳の雲が少し取れてきたのと餓鬼岳が見えるようになった以外は薬師からのものと変わらないかな。
そして次第に取れてきた槍ヶ岳の雲。
展望もそこそこに先に進みます。進行方向の雲はまだ取れていない。
岩と岩の間から赤牛岳。奥に見える2つのピークは餓鬼岳、唐沢岳。
少し進んだ先、2,832ピーク辺りから赤牛岳を中心とした展望。右の大きなピークが先程までいた北薬師岳で、すぐ左の肩のようになっているのが薬師岳。
行く方面が雲に埋もれててどこに向かってるのかよく分からないまま歩いていたんですけど、徐々に取れてきてなんとなく理解できるように。
取れた後の眺めが中々凄かった……これぞ極上の尾根歩き。
そして雲の中には今回の山行における最終目的の剱岳が。
歩いていて気持ちのいい稜線。右はアオノツガザクラ。
エンドレスに歩いていたい稜線ですが、流石に足も疲れてきたのでそろそろゴールしたい所。
水晶岳、鷲羽岳、祖父岳、三俣蓮華岳……そしてイワヒバリさんが数羽、辺りでうろうろしていた。
すぐ先の少し突き出たピークが間山。その先には翌日登るスゴノ頭、越中沢岳、鳶山と起伏のある稜線が続く。
間山→スゴ乗越小屋
[16:37-16:51]間山
間山に到着したのは流石に日も傾いてきた頃。当然誰もいません。
下ってきた道、北薬師岳、薬師岳方面を振り返る……山頂近くには池塘があり長居したくなる環境。
上の写真で見えた薬師岳の山頂を望遠で。流石にここまで遠いと人が居るかどうかは分かんないですね。
池越しに裏銀座の山々。こっち方面の雲は完全に流れちゃいました。
望遠で繋げてみたもの。天気は好転したものの、標高が下がり目線も下がったので見上げるような形になります。
右奥が初日登った抜戸岳。左のクリームパンみたいなのは三俣蓮華岳、双六岳の稜線。黒部五郎岳は薬師岳の裏側なので見えません。
槍ヶ岳と鷲羽岳。数日覆ってた槍の雲も完全に取れました……右は餓鬼岳と唐沢岳で、間には青い屋根の烏帽子小屋が見えます。
赤牛岳。薬師付近を歩いてるとやたら格好良く見える。あんまり行先候補に挙がらない山でしたけど、ちょっと行ってみたくなったかな。
こちらは後立山連峰の針ノ木岳方面。コの字で入り組んだ稜線なので織り成すピークも複雑。
後立山方面を望遠で。鹿島槍ヶ岳、五竜岳は辛うじて見えますが、爺ヶ岳以降の雲が全体的に多い。
立山、剱岳方面。雲で覆われているものの薄く、そのうち見えるようになりそうな予感はする。左側には笠ヶ岳からも見えた奥大日岳が見える。
少し望遠で。
剱岳単体。岩の殿堂。
間山山頂の雰囲気。そして西日差す方面の展望。
雲海なのか靄なのか。白山はまだこの地点だと死角になって見えない。
徐々に下がってきた太陽。長い一日の終わりは近い。
いい加減先に進もう……と思い一歩を踏み出しましたが、立山剱岳の雲が完全に取れてて再び足を止めてしまう。
雲が取れた立山、剱岳の全容。立山は雄山の上の建物とかも少し見えますね。いつの間にか、こんなにも近付いてしまった。
間山を少し下った所からの展望。この辺り、今回の登山の中では中々のお気に入りエリアでした。
下った所に間山池なる池塘があります……いい雰囲気。
間山池にある標識。
立山を見据えながらスゴ乗越小屋に下っていきます
スゴい乗り越しってくらいなので凄い下ります……小屋はその乗越のだいぶ手前にありますが、それでも結構な距離感。
スゴ乗越小屋を望遠で。テント場に幾つかカラフルなのが見えます。仲間がいる、そう思うと少しは足にも力が入る。
どんどん下っていく。眼下には黒部川……結構近いです。既に翌日登るスゴノ頭や越中沢岳より標高が低い。
越中沢岳の登り返しは中々やばいな……なんて事を思いながら平坦なハイマツ帯に入ると、程無くしてスゴ乗越小屋に到着します。
スゴ乗越小屋にて
[17:40-18:07]スゴ乗越小屋
なんとか18時前に到着。一日でこれだけ歩いたのは久々です。流石に疲労困憊。
普段だったらテントを張ってから悠々とビールを飲むんですけど、テント場が少し離れてるとの事なので移動前にビール。疲れてる時のビールは美味い……めっちゃ疲れてるからめっちゃ美味いです。
ビールを呷りながらぼんやり景色を眺めてたら陰影が深まってきました。流石に日が暮れる前にテントを張りたい、という訳で移動。
[18:15]スゴ乗越キャンプ場到着
上から見た時はそこそこ賑わってるように見えましたが、ぽつぽつある程度でガラ空きでした。
到着は遅く、多くの人はもう寝る準備してます。あんまりガサガサやると迷惑なので少し気を遣いながら食事を済ませ……ブヨ天国だったので早々にテントのファスナー下ろして中で食べました。
最後に見た夕空。明日以降もこの調子の天気でよろしく。
次回記事『立山連峰縦走その4』に続く。