山とか酒とか

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山とか酒とか

槍穂高連峰縦走その5(南岳小屋→中岳→槍ヶ岳→西岳→大天荘)

前回記事『槍穂高連峰縦走その4』からの続きです。

inuyamashi.hateblo.jp

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ジャンダルム越えやキレット越えといった難所を終え、以降は一転して気が抜ける行程……かと思いきや、前日に南岳小屋で早めの行動終了としてしまった所為もあり、結果的には全日程の中でも最も行程が長い一日となりました。南岳小屋を出発した後は御来光を楽しみつつ、正面に聳える槍ヶ岳を目指しながら中岳、大喰岳と3,000m級のピークを踏んでいく。約6年ぶりに訪れた槍ヶ岳では好天という事もあり、穂先からの展望は360度の絶景。以降は燕岳まで続く表銀座の稜線を進むべく東鎌尾根方面へ。水俣乗越、西岳と登り下りを幾度か繰り返しつつ宿泊地の大天荘を目指しました。

他の日程を見たい方は以下の記事よりリンクを辿って下さい。コース全体の軌跡もこちらに掲載しています。

【2021年9月】槍穂高連峰縦走についての情報と記録 - 山とか酒とか

目次

南岳小屋→南岳→中岳

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[4:44]南岳小屋出発

前日宿泊した南岳小屋を未明より出発します。難所らしき難所は粗方越えたので一安心ですが、前日槍ヶ岳まで行く予定がガスで気分が萎えて短縮としてしまったので、本日はその分多く歩くパワータイプな行程となります。奮起奮起。

予定としては大天井岳側にある大天荘、無理そうなら一つ手前の西岳止まり……後者だと翌日餓鬼岳方面に進むつもりである事を考えると行程として厳しいので、日の出を待たず若干早い時分での行動開始となりました。

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暗闇に包まれたままの南岳山荘。しかし薄雲漂う星空が見えており、前日のようにガスの中という訳では無さそう。小屋や他のテントも眠りに就いたままという訳ではなく、もぞもぞと蠢く気配がある。

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[4:52-4:56]南岳

未だ周囲が漆黒に覆われる中、南岳に登頂。南岳山荘から10分という至近にあります。足慣らしにもならない距離。

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ヘッドライトを灯しながら歩いていると、次第に東の空が明るくなり始めました。前日の朝はガスが濃くてやきもきさせられましたが、この日は特に問題なく御来光見物ができそうです。

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薄暗闇の中ですが、夜明けの足音が近付いてきた。

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遠くに見える山の稜線。八ヶ岳富士山、南アルプスと左右に大きく伸びており、それらを遮る雲の存在は皆無。暫くぶりの好天らしき好天にテンションも上がるというもの。

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槍ヶ岳の手前にはこれから乗り越えていく中岳の山体が見える。そして左に長々伸びた稜線の先には笠ヶ岳。どちらの方面も前日はほぼガスの中に溺れていましたが、この日は見え過ぎるくらいに鮮明。

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徐々に赤味を帯びてきた空。ぽつぽつと浮かぶ雲の陰影が鮮明になりつつある。

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じわじわ燃焼を始めた東の空。こうやってじっくり御来光見物できるのは今回の登山においては初めてかも。

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一際赤味の強い、恐らく日が昇ってくると思われる方角。その左側、シルエットとなった浅間山の稜線が一際強い存在感。

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時折御来光を楽しみつつ歩みも進めていく。道は岩のガレが続いているものの、傾斜は緩いので歩行は容易。

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思い出した頃に東の空。そろそろ日の出の時刻を迎えるかという所。

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蓼科山から八ヶ岳の方面を望遠したもの。最高峰の赤岳を始め、ピークの一つ一つまで細かく確認できるものの、標高の低い北八ヶ岳の辺りは若干雲に埋もれている。

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太陽の気配が強まってきた頃。日が昇ってくるであろう方向以外は未だ闇が深い。

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次第に鮮明になりつつある八ヶ岳南アルプスの稜線。富士山も麓から頂上まで雲一つなく、南アルプスの方もこの時点で主要なピークは殆ど確認できる。

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足を止めて眺めていると浅間山の右側、常念岳の奥の方の空が眩い程に輝いてみせた。

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深い窪みのような地平線上から引っ張り出されるかのように姿を現した太陽。一日の始まり。

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陽光を浴びて、静かに眠りに就いていた周囲の山々も否応無しに目を覚まし始める。

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御来光と周囲の様子。空の色が刻一刻と変化するこの一時、いつ見ても飽きないものです。

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少し引いて撮ってみたもの。まだ暗がりの残る空にぽつんと一つ、煌々とした光の塊が映る。

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朝日に照らされ、赤色に染め上げられた奥穂高岳方面の稜線。息を呑む程の美しさ。

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じわじわと高度を上げていく太陽を観察。空気中の水分に依るものか、次第に輪郭線は曖昧になってきた。

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全体的に明るくなった事で見えるようになった後立山連峰頸城山塊、志賀高原方面の山々。右側に見える岩菅山横手山は後々雲に埋もれてしまうので期間限定、要チェック。

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双耳峰が多く、なんだかトゲトゲした雰囲気の後立山連峰の山々。白馬岳の左側に位置する旭岳が無名ながらも存在感あるピークだなと見る度に思う。

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こちらは進行方向である槍ヶ岳方面。正面左に中岳、その右奥に大喰岳とピークを越えつつ進んでいく。際立った起伏も無く、のびのび歩けそうな感じの尾根。

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奥穂高岳から笠ヶ岳を挟んで槍ヶ岳方面。平坦な尾根道の道中という所ですが、視界を遮るものは少なく360度の展望が続く。

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山頂照らされた笠ヶ岳の奥には白山の稜線が。以前、一度登って以降は見る山として徹している山ですが、最近になってまた登りたくなってきた……もし行くとすればやはり別山方面からの縦走、ただ登って降りるだけでは勿体無い山です。

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こちらは南側、乗鞍岳御嶽山方面。手前には数日前に歩いた西穂高岳から間ノ岳、天狗の頭と続く岩稜帯が見える。この日は天気も良さそうですし縦走する方も多そうだなと。

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東側、朝焼け気味の空にぽつぽつと見える船のように浮かぶ山々。左が浅間山で右が美ヶ原浅間山は左に篭ノ登山、湯ノ丸山方面の稜線が伸び、美ヶ原は王ヶ頭山頂に林立する電波塔群も確認できる。その右奥には両神山らしき稜線も見えます。

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八ヶ岳方面の望遠です。蓼科山から北横岳麦草峠を挟んで天狗岳、硫黄岳、横岳、最高峰である赤岳編笠山よりも更に右側、低くなった所には金ヶ岳茅ヶ岳麦草峠の奥には奥秩父山塊も見えますが、最高峰の北奥千丈岳金峰山はこの地点からは見えず、甲武信ヶ岳付近のみ。三宝山甲武信ヶ岳木賊といったピークの並びが確認できます。

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南アルプス方面。こちらも壮観と言える程に端から端まで総じて見通せます。これまで甲斐駒ケ岳に隠れてしまっていた鳳凰三山が新たに見えるようになり、最高峰の観音岳の左側には地蔵岳オベリスクと思しき突起も見える。

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南側、奥穂高岳方面ですが、こちら側は先程乗り越えてきた南岳の山体が大きく、立ち塞がるかのように視界を覆う。奥穂高岳のピーク自体も見えており、右の写真の右側には山頂に建つ祠や方位盤、そして幾つかの人の姿が確認できます。

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これから向かう槍ヶ岳方面です。赤く染まる姿が美しい。望遠してみると狭い山頂は人の姿で埋め尽くされていた。

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お気に入りの笠ヶ岳白山……こちらも山頂に人の姿が。右肩の辺りに見える小屋が山頂直下に位置する笠ヶ岳山荘ですが、これだけ山頂と近いと御来光を見に行くのにも楽で良いですね。

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中岳、大喰岳、槍ヶ岳方面。左側に見えるピークが最初に乗り越える中岳ですが、登り返し自体は大した事は無さそう。道も若干ガレ気味ですが、難所続きだったこれまでを考えるとストレス無く進める。天気も最高。足取りも羽のように軽い。

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気付けば高い所にある太陽。手前には常念岳……もう少し時間をずらせばダイヤモンド常念が見えた所。

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中岳の登り返し。壁のようにも見えますが、道はジグザグに付けられており傾斜そのものは緩い。

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ガレ場の登り返し。浮石が多いので注意しながら進む……見上げれば月の輪郭線も未だ鮮明。

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悪天候時は道が分からなくなりそうな場所という事もあり、マーキングの類は豊富です。

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東の展望。常念山脈の稜線が左右に伸びていますが、本日中に目指したいのは左に見える大天井岳……距離としては谷筋一本挟んだ常念岳よりも遠い。

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一方、次第に遠のきつつある奥穂高岳方面。南岳、北穂高岳、そして奥穂高岳ロバの耳、ジャンダルムといったピークもこの時点では細かく確認できます。

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山頂が近付いてきた頃。頭上に広がるのは清々しい青空。空の色もなんとなく秋らしい気がする。

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ハイマツ茂る良い雰囲気の尾根道。季節柄か松ぼっくりが目立つ。

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ハイマツ尾根から穂高連峰乗鞍岳笠ヶ岳方面。今回の登山で最初に登った焼岳西穂高岳の右奥辺りに見えるようになりました……のんびり眺めていたい景色ですが、吹き付ける風が冷たく足早に通過。

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美しいフォルムの笠ヶ岳、そして白山。西側の雲が少しずつ湧き上がってきましたが、もう暫く持ちそうな雰囲気。

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笠ヶ岳白山。雲が増えてきた為か、山頂のみが照らされていた先程とは逆に山頂が陰っている。

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中岳山頂、少し手前から東側の展望。朝焼けの残滓漂う空の色が美しい。

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歩いてきた道を振り返る。中岳の標高は3,084mと南岳よりも50m高く、北穂高岳涸沢岳より少し低い程度。

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中岳の最後の登り。岩場という程でもない、何の変哲もないガレ場。

中岳→大喰岳

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[6:19-6:31]中岳

日も高くなった頃に中岳の山頂に到着しました。標高は前穂高岳に次ぎ、日本で12番目に高い山……ですが、主峰という訳ではないので粗末な看板が立つのみ。しかし正面に槍ヶ岳を臨むロケーションは中々のもの。

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こちらは反対側、穂高連峰方面。標高も3000を越えるとそれ以上に高い山は流石に少なくなり、景色の見え方も変わってくる。笠ヶ岳が低く見えるなんて機会は限られるでしょう。

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穂高連峰焼岳、乗鞍岳御嶽山と続く山の連なり。溶岩ドーム目立つ厳めしい山容の焼岳は低いながらも存在感がある。

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この頃になると槍ヶ岳山荘を出発した人とちらほら出会うようになり、これから向かう槍ヶ岳をバックに一枚撮って貰いました。

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少し進むと今度は裏銀座方面の山々が視界に広がる。こちらも北アルプスの主稜線ですが、どの山々も3000に満たない程度なので遠くの方まで見通す事ができます。

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望遠したもの。双六岳手前や黒部五郎岳から北ノ俣岳方面へと続く稜線を始め全体的に緩やかな印象ですが、薬師岳鷲羽岳水晶岳等の各ピークは切り立っていて雄々しい印象。

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黒部五郎岳を望遠で。去年登った時は完全にガスの中、御来光待ちで1時間山頂で粘ったものの晴れず、諦めて下ると途端にガスが抜けて落胆……という完璧とも言うべき敗北パターンでした。いつかリベンジしたいですけど地味に行きづらい所なので厳しい。

ちなみに右の写真の右端の辺りには北ノ俣岳の看板だか標識らしきものも見えています。

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薬師岳水晶岳をそれぞれ単体で。いつも思いますが薬師岳は山体そのものが大きくて迫力を感じさせる山だなと……左側かなり下った所に薬師岳山荘、手前に雲ノ平、更に手前の鞍部に三俣蓮華岳鷲羽岳の鞍部にある三俣山荘の建物が見えます。裏銀座なんてどこか遠くの山域のように思えていましたが、槍ヶ岳から割と近い所にあるので、槍ヶ岳が目前という状況では必然的に距離感も狭まる。

水晶岳も以前登った時はガスの中だったのでリベンジ候補の筆頭。赤牛岳が気になっているので、いつかセットで登ってみたいです。

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こちらは槍ヶ岳。これまで歩んできた険しい岩尾根の集大成とも言うべき鋭鋒。もう目と鼻の先という距離ですが、間にもう一つ大喰岳のピークを挟んでいる。

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槍ヶ岳の穂先と、その奥に連綿と続く後立山連峰の山々。白馬岳、鹿島槍ヶ岳爺ヶ岳と、なんだか似たような形のピークが3つくらい並んでいるように見える。

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槍の穂先を単体で。山頂に人の姿はありますが、先程の人集りを構成していた方々は既に降りてしまったのか、見た感じ疎ら。

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中岳の標識と背後に見える南アルプス富士山もまだまだ鮮明。

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大喰岳方面に進みます。槍の穂先の左手前、正面すぐという所に山頂が見えていますが、その間は多少落ち込んでいる。

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梯子を下って鞍部へ。急峻ですが数分程度の僅かな下りでした。鞍部から見上げる大喰岳の登り返しも大した事なさそう。

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鞍部から中岳を振り返った所。直下のみ急な岩場があります。

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こちらは大喰岳の登り返し。右肩の辺りから覗いているのは槍の穂先

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大喰岳と左側に双六岳黒部五郎岳、そして笠ヶ岳方面に伸びる稜線。展望が良いと足取りが遅々として進まなくなるのは相変わらず。

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最初の急坂を登りきった以降のハイマツ地帯。荒涼とした灰色の中、僅かに広がる緑色。

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大喰岳に登る途中から振り返り南側方面の山々。先程立っていた中岳の山頂は鞍部を挟んだ先で、傾斜が緩くスムーズに歩けるという事もあって既に結構な距離感。

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こちらは進行方向、大喰岳、槍ヶ岳方面。大喰岳の山頂一帯は緩い起伏が連続しており、一見するとどこが山頂なのか……槍の穂先のすぐ左側の所に看板が立っているのが見え、そう遠くない距離にある事が分かる。

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幾つかの小ピークを越えたり巻いたりして山頂へ。奥に見える槍の穂先とも着実に距離を詰めつつある。

大喰岳→槍ヶ岳山荘→槍ヶ岳

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[6:58-7:19]大喰岳

なだらかな起伏上にある大喰岳に到着。ここまで来ると槍ヶ岳まで登り下りを一度ずつ残すのみとなり、いよいよだなと思わされます。

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山頂から槍ヶ岳方面の展望。大喰岳北穂高岳に次ぐ日本では10番目の高さのピークですが、山頂が広々としていて高度感はそこまででも無かったり。より標高が上の槍ヶ岳が間近という事もあるかな。

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山頂からのほぼ360度展望。なだらかで、なんとなく長閑な雰囲気。

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これまで歩いてきた穂高連峰方面の稜線と南アルプス八ヶ岳方面の展望。南アルプス鳳凰三山から深南部、光岳を越えて池口岳まで……端から端まで見えると言っても過言ではないでしょう。

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ここでも撮って貰った。槍ヶ岳をバックに……とお願いするのも厚かましいと思い燕岳バックに。

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少し進んだ先からこれから向かう槍ヶ岳を臨む。右側に見えるのが翌日歩く予定である燕山荘から燕岳方面の稜線。今回、結局行けずじまいとなってしまった餓鬼岳、唐沢岳の稜線も一本向こう側に見えます。恨めしい。

その更に奥には頸城山塊が見えます。左の雨飾山から始まり金山、新潟焼山火打山妙高山、その手前に高妻山乙妻山と見えていますが、穂先に登る頃には雲が上がって見えにくくなってしまったので、ここまで綺麗に見えるのは期間限定。

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槍の穂先槍ヶ岳山荘を望遠で。増築に増築を重ねたその様は何やら凄みがあり、一見すると何かの要塞のようにも見える。

ちなみに小屋越しに見えているのは立山で、その右側に重なるかどうかという所に剱岳のピークも見えている。意外と近そうに見えますが30kmくらいは離れている。

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穂先のトップを望遠したもの。朝のピークタイムを過ぎた為か人の姿は少ない。

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槍ヶ岳方面に続くトラバース気味の登山道。以降は道も良くなり、すれ違う人も一気に増える。

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徐々に下っていく。小屋の下の付近に見えている均されたようなスペースが鞍部の飛騨乗越です。

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飛騨乗越を目前とした所。人の姿は多いですが、話してみると大喰岳ピストンの人、南岳手前から天狗原方面に下る人、南岳小屋から槍平小屋に下る人と各人各様……そうした中、奥穂高岳に向かう人も一組居り仲間意識が芽生える。

以降もちらほらありましたが、やはり地震後の道の状態が皆さん気になっているようで、大キレット方面に向かう方からは結構な頻度で話しかけられました。しかし地震前の道の状態というものを自分は知らないので、どう答えたら良いのか返答に窮する事もしばしば。

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[7:30]飛騨乗越

新穂高温泉方面の下山路の分岐点である飛騨乗越に到着。6年前の雲ノ平方面からの縦走登山の際はここから下山しました。今回は表銀座方面に向かうのでそのまま先へ。

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飛騨乗越から東側の展望……なんだか知らない内に随分と雲が増えました。高曇り気味なので展望は楽しめますが、ちょっと薄暗くなってきた。

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大喰岳方面を振り返る。槍ヶ岳の属峰のようなピークですけど、こうして鞍部から見上げると標高相応、立派な山に見える。

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飛騨乗越から槍ヶ岳山荘への登り返しです。ジグザグの九十九折の道で、その合間にテント場が設けられています。槍ヶ岳山荘のテント場は定員30張と小屋の規模の割にはキャパが圧倒的に小さく、シーズン時は午前中の内に埋まってしまうという事もあるとか。

ちなみに槍ヶ岳山荘から僅か20分下った所に殺生ヒュッテのテント場があるので、あぶれた場合はそちらへの移動を促されるとの話。

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登り返しを終え、小屋の建物と同じくらいの目線となりました。看板には穂高岳から9km……距離的には大して進んでおらず、これから向かう大天井岳と同じくらいだったりします。

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小屋の建物と槍ヶ岳。懐かしさに浸りながら一歩一歩と距離を詰めていく。

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小屋横から槍の穂先。登りも下りも人の少ない穴場的な時間帯。

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[7:42-7:50]槍ヶ岳山荘

約6年ぶりに訪れた槍ヶ岳山荘です。人の姿は多少見られるもののシルバーウィーク、飛び石連休の谷間の日と考えると空いてるなというのが第一印象。まあ空いているに越した事は無いんですが。

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とんでもなく渋滞していたら行くべきか悩んでいた所ですが、直下から見上げた限りではこの空き具合。荷物の大部分を置いて、ヘルメットを装着してから取り付き開始……6年前の時点ではヘルメットの装備もまだ一般的ではなく、普通にキャップで登ったなーなんて事を思い出したり。

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槍の穂先の登り。傾斜としては険しいですが、これまで通過してきた岩場と比べると足場やホールドもしっかりしているので、特に問題無く先へ進んでいく。

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場所柄岩場に慣れてない人も多く、途中で尻込みしている人もちらほら……目が合い、どうぞどうぞと先に促される。なんだかんだで浮石が多いので、落とさないように注意する。

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高度感はそこそこ。区間こそ短いですが、整備も行き届いていて楽しいタイプの岩場です……混んでさえいなければという条件が前提ですが。

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途中、梯子を登った所から小屋を見下ろす。剱岳とかと同様、登りと下りが別ルートでかち合わないので安心して先に進めます。

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穂先への登りも終盤戦といった所。ロープや鎖、足場が随所にありアスレチック的な雰囲気。

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山頂手前、最後の長梯子です。梯子や鎖場では前の人が通過を終えるまで待機しましょう。

槍ヶ岳からの展望

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[7:57-8:52]槍ヶ岳

槍ヶ岳山荘と同様、6年ぶりの登頂となる槍ヶ岳です。前回より多少天気が良い程度の違いで、大凡記憶に残るままの景色です……たかだか6年でそんなに大きく変貌していたらそれはそれで困りますが。

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山頂からの360度展望。標高は奥穂高岳に次いで日本で4番目、切り立った鋭鋒の上という事で視界が広く感じる。

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まずは南側、これまで歩いてきた穂高連峰方面の展望。小屋の屋根越しに笠ヶ岳奥穂高岳方面に続く稜線を臨む、ネットや雑誌等でよく見かける構図の写真。前回登った時はそれなりに雲が多かったのですが、今回は見えるべき山は全て見えているといっても良いでしょう。

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山名入りです。望遠ではないので主峰のみ記載。ざっとこんな感じに見えていますよ程度のもの。

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前の写真と大して差はありませんが、ちょっと引き気味に映してみたもの。すぐ手前に登り下りの梯子が見えている通り崖っぷちです。

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こちらは少し場所を変えて撮ってみたもの。尾根上を伝う東鎌尾根の登山道や北部、左側には高瀬川に注ぐ天上沢、真下には殺生ヒュッテの建物が見える。本日後半、大天荘方面に歩くコースの大半も見えてますね。

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遠くに見える山々を望遠してみました。西穂高岳から天狗の頭、ジャンダルム、ロバの耳、馬の背と越えてきた岩尾根が鮮明に見える。八ヶ岳南アルプス方面も非常に細かくピークが見えている。

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山名入りです。朝の時点では見えませんでしたが、八ヶ岳天狗岳越しに奥秩父山塊の最高峰である北奥千丈岳が見えるようになりました。中央アルプスは若干立て込んでいるので自信はないですが空木岳は見えていると思います……多分。

他、乗鞍岳より右側は標高が低い上に馴染みの無い山域で全然分からないです。参考程度に。

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奥穂高岳から西穂高岳、焼岳。奥には乗鞍岳御嶽山と続く。左端、北穂高岳の山頂に見える人の姿は十人以上、現在立っている槍ヶ岳と比べると随分と賑わってるように見えます。ジャンダルム、間ノ岳西穂高岳にも数人の人の姿が。

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西穂高岳、焼岳、乗鞍岳御嶽山のセット。西穂山荘のものか、焼岳の下の方に荷物を吊り下げたヘリの姿が見えます。

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富士山メインの写真は一枚は必要だろうという事で。右側の最も目立つピークは甲斐駒ケ岳で、その左奥には鳳凰三山。先程と同様に地蔵岳オベリスクが左肩の辺りに見えます。甲斐駒ケ岳の右側に見える高いピークは早川尾根方面のアサヨ峰。鋸岳は甲斐駒の手前側なので重なってしまい見えません。

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先程から幾度と無く目にしている笠ヶ岳白山のセットです。こうしてみると白山も南北に長い稜線だなと思わされる。

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更に望遠してみたもの。白山を構成する御前峰、剣ヶ峰、大汝峰といった細かいピークまで確認できます。その右側は雲に覆われていて見えませんが、左側には別山、三ノ峰、そこから大きく左に離れて野伏ヶ岳、大日ヶ岳といった並びが確認できます。百名山で有名な荒島岳はその間、雲が立ち込めている辺りにほんのり見えます

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次は方面を変えて裏銀座の山々。こちらの方面には槍ヶ岳より高い山は存在しないので、どの山も見下ろすような形に。全体的になだらかな山容ですが、右側手前の硫黄尾根の赤茶けた稜線が厳めしい。

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山名入り。こちらの方面も見えるべき山は全て見えているといった所。尾根上を伝う登山道も見える。

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こちらは北東側の展望。これから向かう表銀座方面の稜線を中央に、後立山連峰常念山脈を含めたもの。ちなみに北鎌尾根を登り詰めてきた場合、この祠の裏手に登頂するとの話。

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ちょっと引き気味に撮ったもの。こちらの方面も崖っぷちで高度感満載。

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裏銀座方面から奥穂高岳くらいまでの範囲を少し望遠してみたもの。大天井岳のピークを起点に始まり穂高連峰の裏側まで続く常念山脈の稜線も結構な長さ。

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北東方面の山を望遠で撮ったもの。中央に浮かぶ志賀高原の山々ですが、朝方の時点では岩菅山とか横手山も見えていたんですけど、どちらもすっかり雲に埋もれてしまいました。頸城山塊火打山も気付けば見えなくなってますね……とは言え、それ以外の方面は殆ど全ての山が見えていると言っても良いでしょう。

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山名入りです。ここまで多いと作成も一苦労でした。遠くに見えている山としては御荷鉾山系とか赤城山とか。赤城山から左側、若干四阿山に寄った所に皇海山らしきピークが見えている気がしますが、いまいち確証がないので記載していません。

剱岳のピークは立山富士ノ折立の背後に見えています。剱岳も富士ノ折立も標高は全く同じ2,999mですが、どちらのピークも標高が更に高い槍ヶ岳から見下ろす形となるので、遠い方の剱岳も見えるという訳になります。

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色々と立て込んでいる感じの後立山連峰を精査できるように望遠で撮ってみました。中央奥に見える白馬岳までのピークが概ね確認できますが、手前に伸びる針ノ木岳から蓮華岳の稜線が存在感がある。いつか裏銀座から縦走してみたいものです。

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山名入りです。記載していませんが、五竜岳の左側、雲が掛かっている辺りに唐松岳も一応見えています。

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頸城山塊を望遠で。実は今回の槍穂高の縦走の次に登ろうと決めていた山域だったのですが、天気が悪く今シーズンはお流れになってしまいました。新潟焼山の火山活動が再び活発化する前に是非とも行っておきたいんですけど……。

ちなみに手前には燕岳、餓鬼岳、唐沢岳と続く稜線も見えます。こっちも今回の登山の終盤に歩くところだったのですが悪天で無念のカット。前後に見える稜線、どちらも未練多く恨めしい。

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最後に山頂の雰囲気。混雑する事で知られる槍ヶ岳ですが、6年前に訪れた時も人の姿は少なく、個人的には静かな山頂というイメージを持っていたりします……そして今回も、そのイメージが崩れずに済む程度の空き具合。

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ここで撮って貰わなくてどこで? という場所でもあるので、居合わせた方にお願いしました。幾つか撮って頂きましたが、とりあえず後立山をバックにしたものを一枚。

槍ヶ岳槍ヶ岳山荘→殺生ヒュッテ→ヒュッテ大槍

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なんだかんだで1時間くらい居座っていました。名残惜しいですが、まだまだ行程も半分以上……というか2/3くらい残しているので下ります。

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急峻な下りですが区間は短い。

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適当に下って槍ヶ岳山荘へ。補助用の鎖も多く、登りと同様怖さを感じさせない下りでした。

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小屋の裏の方まで移動して、そこから先程まで居た槍の穂先を見上げてみた所。先日の地震で左に見える小槍が折れたなんて噂話が当時まことしやかに囁かれていましたが、帰宅後に調べてみても公式な情報は無く……。

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小屋付近から西側の展望。裏銀座面に続く西鎌尾根が中央真下の辺りから伸びています。前回登った時に辿ったコースですが、今回はそちらに向かわず反対側の東鎌尾根、表銀座方面へ。

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小屋の屋根越しに穂高連峰。良い陽気という事もあり、屋根の奥の方で布団を並べていました。

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[8:57-9:35]

槍ヶ岳山荘に戻ってきました。荷物を再セットしたり水を汲んだり売店で物色したりと、なんやかんやして態勢を立て直す。

右の写真の受付の下部に掲載されている中華ちまき弁当という文字に唆られましたが、これまで散々誘惑に負け続けているので今回こそはと耐える。

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西鎌尾根、表銀座方面に向かいます。以前は双六小屋方面から入って新穂高温泉に下ったのでこちら側は完全に未踏……ですが人気のコースなので道は良く人通りも相応に多い。

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普段であれば写真中央に見えるヒュッテ大槍までそのまま尾根伝いに進めるのですが、先日の地震で尾根道が崩れてしまったとの事で通行止め。しかし一旦右側に見える殺生ヒュッテに下り、そこから尾根上に登り返す事でコースに復帰できます。

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殺生ヒュッテの赤い屋根を目指して下っていきます。上高地方面、槍沢ロッヂ辺りに宿泊した人が丁度この辺りを通り掛かる時間帯のようで、すれ違う人の姿は多い。

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ある程度下った所から殺生ヒュッテ、常念山脈方面。左側に見える三角形が常念岳で、中央の平坦な山が蝶ヶ岳。次第に雲が上がりつつあるようで、背後に見える八ヶ岳富士山は既に埋もれつつある。

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振り返り槍ヶ岳です。最終盤、眼前に聳える槍の穂先を目指して登り詰めていく……というのも登山の展開としては良いでしょうね。

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殺生ヒュッテのテント場付近からの展望。テントの定員は80張りでキャパは大きく、一帯は広々としている。

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[9:58-10:08]

殺生ヒュッテに到着。槍ヶ岳山荘と比較するとこじんまりとした規模ですが、その分こちらは山小屋ならではの風情がありますね。

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小屋から見上げる槍ヶ岳と周辺の様子。素朴な小屋ですが小奇麗な感じです。

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殺生ヒュッテ以降はトラバース路を進みヒュッテ大槍方面に向かいます。こちらも表銀座方面に続くメインルートの一つなので道は良い。

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途中の展望。正面の稜線、残雪が見える辺りから大喰岳、中岳、南岳、北穂高岳と続き前穂高岳の辺りまで見えています。下の方の上高地方面に続く道沿いも紅葉が進んでいて良い雰囲気。

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ヒュッテ大槍方面に続くトラバース路。距離としては大した事はなく、10分歩いた辺りで小屋の屋根が視界に入りました。

ヒュッテ大槍→水俣乗越→ヒュッテ西岳

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[10:20-10:37]ヒュッテ大槍

尾根上に復帰した地点にあるヒュッテ大槍に到着。ベンチがあったので思わず小休止。

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ヒュッテ大槍付近から槍ヶ岳方面。稜線上にあるので展望が良く、まだ間近という所にある槍の穂先を仰ぎ見るようなロケーション。

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槍ヶ岳を望遠で。穂先は東西南北どの方角から見ても槍の形。どこから見ても同じ形の山というのは意外に稀有な存在。

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ヒュッテ大槍の建物から臨む槍ヶ岳。こちらも殺生ヒュッテと規模は同じくらいの山小屋。槍ヶ岳山荘を出発して以降は数十分間隔で小屋を見掛けましたが、この次の山小屋は水俣乗越から登り返した先のヒュッテ西岳で所要時間は3時間強と、若干間隔があります。

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北側の展望。槍ヶ岳から右側に向かって伸びているのが岩稜帯の難コースとして知られる北鎌尾根で、登る場合は眼下の天上沢の沢筋から取り付きます。奥の方には針ノ木岳から蓮華岳に伸びる稜線が見えますが、雲に埋もれつつあります。

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正面にこれから向かう西岳。そう遠くない距離に見えていますが、一旦鞍部の水俣乗越まで下ります。見た通り結構な大下り……の後の登り返しも結構な大上り。

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本日歩く大天井岳までの稜線と、翌日歩く燕岳方面の稜線が連なる様子。これまで難所をじわじわ進んでいくタイプの道が続いていたので、一転して体力勝負的な道程に若干適応できていない感じ。

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燕岳大天井岳のセット。こちらも今にも雲に飲み込まれそうな雰囲気。

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燕岳大天井岳をそれぞれ単体で一枚ずつ。燕岳の南側に位置する燕山荘は既に雲の中。

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痩せ尾根気味の東鎌尾根表銀座は全体通して歩きやすい楽なコース……と勝手に思っていたのですが意外にアップダウンが多く険しい。まあ鎌って言うくらいですし。

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雲に纏わり付かれた常念岳を臨む。その手前にはヒュッテ西岳のテント場、そのすぐ左に山小屋の建物が見えます。

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気付けば槍ヶ岳も随分と後ろ、見上げるような所にありました。またいつの日か。

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トラバース気味の道。崩落した山の斜面に橋が渡されています。地形的に険しいコースの割には人通りも多く、道が少し荒れ気味。

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基本的には両側が切れ落ちた痩せ尾根の上を進む道なので開放感があります。展望も雲が増えつつありますが、まだまだ十分楽しめる。

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東鎌尾根。ピンポイントで険しい所はありますが基本的には歩きやすい道。

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振り返り槍ヶ岳。岩肌剥き出しの穂先と北鎌尾根、手前の若干黄味がかった紅葉のコントラストが美しい。

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紅葉と槍ヶ岳。この記事のアイキャッチ用の写真として。

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少し下った所から再び槍ヶ岳方面。下る分には気楽ですが、上りだと水俣乗越から大槍まで2時間以上急登が続くので大変だろうなと思ったり……実際バテちゃってる人も見掛けました。

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幾つかの起伏を乗り越えていく所。正面右のピーク手前は落ち込んでおり、短いものの若干急峻なアップダウンを挟む。

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起伏手前の長梯子。高度感が無いので見た目程に怖くはないのですが、実質片側交互通行なので渋滞ポイント。向かい側から次から次へと人がやってくるので足早に進む。

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梯子を登りきった小ピークから西岳を臨む。2本の沢に挟まれた狭隘な稜線の上を歩く。THE尾根歩きって感じで好きな景色。

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振り返り槍ヶ岳と、本日スタートした南岳から続く稜線。気付けばこちら側にも雲が増えてきた。時々太陽を遮って辺りが薄暗くなる事も。

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[11:44-12:02]水俣乗越

槍ヶ岳西岳間の最鞍部である水俣乗越に到着。燕山荘や常念小屋からスタートした人が丁度到達する時間帯のようで、長い登り返しに備えて各々気合を入れている様子でした。

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紅葉越しに北側の展望。最鞍部という事で風の通り道となっており、心地よい温度の風が常に吹き付けている。

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望遠したもの。針ノ木岳方面の稜線は雲に覆われてしまったものの、見る角度が変わった事で高瀬ダムの湖面が山間に姿を表しました。左の方には裏銀座野口五郎岳も見えています。

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鞍部……という事は必然的に次は登りとなります。次のポイントであるヒュッテ西岳まで200m、西岳の山頂まで300m弱の標高差と、結構纏まった感じの登り返し。

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振り返り槍ヶ岳方面。遂に穂先にも雲が掛かり始めましたが……この時点で正午を過ぎているので持った方かな。午後に入ると雲が増えるというのは山の常識であり法則でありますが、この時期の北アルプスはその法則が特に如実に表れる気がします。

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色鮮やかな紅葉のトンネル。このくらいの標高では丁度盛りでした。

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ますます雲が増えてきた槍ヶ岳方面。穂先に雲が掛かるのも時間の問題といった所。

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こちらは西岳方面の登り返し。直下の辺りは岩肌剥き出しでかなり険しく見えますが、登山道は直登せず右肩にある小屋までトラバースするように通されているので一安心。

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少し進んだ所から再び西岳。上空に分厚い雲が立ち込めており、向かう先は薄暗い。

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北側の天上沢方面です。こちらの雲も増え、稜線上のピークは殆ど見えなくなりました。

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急登に四苦八苦していると、遂に背後の槍ヶ岳に雲が掛かってしまいました。来るべき時が来たという感じ。

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途中開けた場所がありました。絶景には絶景ですが……槍ヶ岳という唯一無二のシンボルを失ってしまっては物足りなさを感じる。

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西岳の肩に至る階段。鞍部からの標高差はそこそこありましたが、所々ガレ場がある以外は歩きやすく効率良く標高を稼げました。

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肩から先はヒュッテ西岳方面へトラバース路が続いています。登り一辺倒だった道も一区切り。

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道端に咲くヤマハハコ。殆ど高山植物の終わった時期としては珍しい、花らしい花。

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夏の終わりに咲くトリカブトすら殆ど終わってしまった季節、その中で唯一見掛けた貴重な一輪。

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進むにつれてどんよりしてきました……まだ正午近くとは思えない程に薄暗い。

ヒュッテ西岳→西岳→大天井ヒュッテ

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[13:03-13:21]ヒュッテ西岳

水俣乗越から1時間程度でヒュッテ西岳に到着しました。ここも殺生ヒュッテやヒュッテ大槍等と同様に細長い構造で、全体的な雰囲気が似通っています。最近の小屋の建物というものはある程度規格化されているのでしょうか。

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小屋からの槍ヶ岳方面の展望……もはやピークと言えるピークは何一つと見えませんね。ぼんやりと雲の動きを眺める程度の楽しみです。

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西岳の山頂はメインルートから外れているのですが折角なので立ち寄る事に。小屋から僅かに進んだ先に分岐があり、そこから片道15分くらいの登りです。

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西岳に登る途中、ヒュッテ西岳方面を振り返った所。奥に点在する均されたスペースがテント場で、時間に余裕が無ければここでテント泊の予定でした。今回は次のテント場である大天荘まで進めそうなので通り過ぎるのみ。

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[13:29-13:39]西岳

空荷という事もあり10分足らずで西岳の山頂に到着。展望は……晴れていれば間近に迫った槍ヶ岳の山容が迫力満点なんでしょうが、残念ながらその槍ヶ岳がどの方角にあるのか分からないレベルで見えない。

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西岳から南方面の展望。完全にガスで視界不良という訳では無いので一応満足しておきます。眼下に佇むヒュッテ西岳の建物の雰囲気とかもいい感じ。

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分岐に戻って先へと進みます。予定外に西岳の往復を挟んだら時間的余裕が無くなってしまったので足早に……とは言え本日既に8時間歩いているので疲労感もあり、そこまで飛ばせず。

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大天井ヒュッテ手前まで尾根筋に沿った道が続いていますが、岩岳の周辺では東斜面をトラバース気味に進んでいきます。無駄な登り下りが無いので効率は良い。

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先程の西岳山頂の時点では完全に埋もれていた常念岳ですが、少しだけ雲が流れてくれたお蔭で山頂が確認できました。殆ど僅かにですが。

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尾根道の様子。丁度この稜線上が周囲に立ち込めるガスの境目となっているようです。引っかかっているような状態なので、視界が雲に覆われたり抜けたりを幾度と無く繰り返す。

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岩岳手前からの展望。常念岳は再び雲の中の世界へ。とは言え青空が時々覗いているので期待しつつ進む。

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もう暫く続くトラバース路。この付近の紅葉は茶色がかっていて殆ど終わりかけといった具合。

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[14:40]赤岩岳

岩岳山頂看板がある地点に到着。実際のピークは若干西岳寄り、コースから逸れた稜線上にあります。

時刻は15時前。ヒュッテ西岳から大天井ヒュッテまで標準コースタイムで2時間半、まだ距離的に1/4くらいしか進んでいないので2時間弱といった所でしょうか。余裕無くなってきましたね。

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稜線歩きの途中。ガスで視界を奪われる事もしばしば。

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道端に残るチングルマの綿毛。花はもとより綿毛すら殆ど見掛けなかったので、こちらもまた貴重な一輪……花じゃなくて種子なので輪ではないのかな。

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何も見えない中での稜線歩き。迷うような道では無いですがテンション低下のデバフがしんどい。

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暫しガスの中を泳ぐ。マイナスイオンたっぷり意気消沈。

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途中に立つビックリ平の看板……由来が気になりすぎる。何もないと分かっていても、思わず辺りを警戒してしまう。

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ビックリ平からの展望未満の展望。急に雲が流れて大天井岳方面の稜線が、みたいなサプライズ的ビックリを期待しましたが……。

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ビックリする程ではありませんでしたが、ちょっと粘ったら少しだけ流れてくれました。ちなみに正面に見えるのは大天井岳ではなく牛首展望台のピーク。

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鞍部まで下ります。このぐらいの標高になると紅葉も見頃に……という事は同じく見頃だった水俣乗越と標高は変わらないという事になりますね。後々の登り返しを思うと軽く憂鬱に。

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鞍部からは大天井ヒュッテまで標高差200mの登り返しです。ここも傾斜が緩くて歩きやすく、数字程の苦労は感じませんでした。

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しかし標高を稼いでいくにつれて再びガス立ち込める世界に。写真は殆ど大天井ヒュッテの目前という所ですが、何一つ見えない。

大天井ヒュッテ→大天荘

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[16:19-16:32]大天井ヒュッテ

大天井ヒュッテに到着。通りがかった際、小屋番の人が外に出て宿泊受付を行っていました。良い感じの時分なので自分の方も今日はこの辺で……としたい所ですが、生憎この小屋にはテント場が無いので予定通り大天荘まで移動する必要があります。

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大天井ヒュッテを背中に先へと進みます。完全にガスの中で何が何やらという感じですが、何も考えずに歩ける程度には道の状態は良いです。しかし大天荘大天井岳を回り込んだ裏側にある上に登り基調……。

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燕岳方面の分岐路です。どちらも大天井岳の山頂を迂回するコースで、山頂に至るコースはピーク南東側の大天荘から伸びているのみです。

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山肌に無理矢理拵えたような道が続きます。道そのものは歩きやすいですが落ちたら助からないタイプ。先日の地震でも少し崩れたらしいです。

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大天井ヒュッテから大天荘までの道は巻道ながらも200m以上の登り返しとなるので、長い行程の一日の最後の最後としてはしんどい区間でした。

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ようやく稜線が見えてきた頃。流石にバテてきてコースタイムもオーバー気味に。

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[17:18]大天荘到着

大天荘のテント場に到着。既に日没近くなり、シャッタースピードの遅さも気になる程度には薄暗くなってきました。

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テントを張るにも完全に暗くなった中では色々と面倒なので、受付前に高速で設営……そうした最中にテント場からの展望。まだまだ雲が多いかなーと思いつつも、流れてくれる兆しはある。

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ペグを打ち付けたりしている間に少し流れてくれましたが残念、時間切れです。微かに夕焼けっぽい空が見えただけでも満足としておきましょう。

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辺りが完全に暗くなった後、ようやくテントの受付へ……のこのこ出向いたら到着が遅いとのお咎めのお言葉を頂く。最近そんな風にド正論で注意してくれる小屋も少なくなったなと思いながらも反省しておく。

ちなみに本日南岳から来た人は自分一人のみとの事でした。そう言えば今日は誰にも追い抜かれる事が無かったなと。

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かなり寒々しいですが、お気に入りのエビスプレミアムエールが販売されていたので一本購入。生ビールも扱っていましたが、そちらはコロナの問題もあって宿泊者のみの提供との事でした。ぐぬぬ

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本日の夕食の献立はカレーライスです。加えてジャーキーとポテトのセット。炊き込みご飯とかよりはワインに合うと思うけど、カレーとの組み合わせも正直微妙な所。

ワインはやっぱりビールや日本酒より料理に合わせるのが難しい。次回は是非ともバゲットフリーズドライビーフシチューを持参で……なんて取り留めもない事を考えながら夜は更けていく。

次回記事『槍穂高連峰縦走その6』に続く

inuyamashi.hateblo.jp