
自宅の晩酌用に清水酒造の【亀甲花菱 無濾過中取り純米生原酒 美山錦 埼玉G酵母】を調達しましたので、甘口辛口などの味の解説やレビューをざっくばらんに書き殴ります。皆さんの日本酒選びに1ミクロンでもお役に立てますと幸いです。
前回の記事です→『001|飛鳥井 生酛づくり純米無濾過原酒』
お酒のレビュー
概要と経緯
いつも行くN酒店にて。入るなり店主のおじさんから「今日はどういうのがいい?」と尋ねられる。行ったり行かなかったりの頻度だけど、最初に行ってからもう10年近くだから完全に顔は覚えられている。
犬山「前回の飛鳥井がドライ傾向だったから、今回は趣向を変えて甘さが際立つ銘柄がいいかな」
店主「姿のヤマタノスガタとかどう? 甘めで華やかで飲みごたえもあると思うよ」
軽妙なヤマタノオロチのイラストがプリントされたヤマタノスガタ……姿は日本酒飲み初めの頃から気に入っていて、今でもコンスタントに飲んでる銘柄だったりするものの。
犬山「姿もいいけどねー。この紫宙って銘柄は飲んだ事ないんだけど、これの秋酒ってどんな感じ?」
店主「これは綺麗な感じかな。バランス良くてうまいっすよ。初めてなら尚更おすすめ」
などと質問を続けながらも決め倦ねる。その間に他にお客さんが2組ほど入ってきて、邪魔にならないような場所で腕組みして暫く冷蔵ケースを眺めていた。買い物では割と即決しがちだけど、お酒を選ぶ時は極端に優柔不断になる自分。
ふと片隅に亀甲花菱の瓶を見つける。美山錦と書かれたものが一種類。亀甲花菱は一時期よく飲んでいて、埼玉屈指の少量生産銘柄というのが地酒らしい地酒を求めていた当時の自分には凄く惹かれた。(今は大手中堅も結構飲むけど)
最後に飲んだのは6~7年前くらいだからかなりご無沙汰。今回はこちらの亀甲花菱に加え亀齢(『010|亀齢 純米 クラシック』で紹介)と伊根満開(『013|伊根満開 古代米酒』で紹介)も購入。
本日調達したお酒。
— 犬山 (@Urayama_City) September 8, 2025
亀甲花菱 無濾過中取り純米生原酒 美山錦(清水酒造@埼玉)、亀齢 純米 クラシック(亀齢酒造@広島)……四合瓶の伊根満開はプレゼント用。
亀甲花菱かなり久しぶりなので楽しみ。 pic.twitter.com/maMZnLZc3T

過去に飲んだ亀甲花菱を写真フォルダの中から漁ってみると何枚か出てきたものの、全て今回選んだ美山錦だった。山田錦や雄町もあるらしいのでいずれは試してみたいと思うものの……いつもコスパの良い美山錦のG酵母を手に取ってしまう。次こそは。

ちなみにですが、亀甲花菱を醸す清水酒造がある埼玉県は実は全国屈指の酒どころ……と言うと、意外に思われる人はかなり多いかもしれません
実際、都道府県別の出荷量を見てみると、灘を抱える兵庫県が全国1位、伏見を抱える京都府が2位、米どころ酒どころの新潟県が3位で、その次の4位に埼玉県が食い込んでます。(国税庁:酒類製造業及び酒類卸売業の概況)
傾向としては、大手メーカーを多く抱える灘や伏見など兵庫や京都と違い、埼玉は中小規模のメーカーが満遍なくあるというのが特徴。銘柄で言えば花陽浴、五十嵐、鏡山、神亀辺りは界隈ではよく知られたものと思います。(最近では文楽とかも)
清水酒造もその酒蔵の中の一つですが、その中でも特に規模の小さい、いわゆる家族経営の地酒蔵として酒好きから知られています。流行りのお酒を追うのもいいですが、こういう少量生産の地酒らしい地酒をこれからもメインに飲んでいきたいですね……。
味覚の傾向

今回も例によって、自分が飲む前に家族にレビューしてもらう。
家族「うまい! THEうまい酒って感じ」
漠然とした表現だけど、なんとなく言いたい事は分かる。
犬山「甘いって事?」
家族「そう! けどさっぱりもしてる」
さっぱり……以前飲んだ亀甲花菱の美山錦の同一銘柄(G酵母)は結構なこってり系だった気がする。甘さもあるもののアルコール感由来の辛さもそこそこあったりして複雑な味わいという印象だった。
実際に飲んでみる。かなり甘めで濃いめ。だけど確かに後味は妙にさっぱりしてる。かと言って余韻が全く無いわけではなくノビもしっかりとある。美山錦の60だからか吟醸感はそこまで無いものの、また違った風味の華やかさというか、甘いマロンのような不思議な芳香。以前の力強い亀甲花菱も良かったけど、これはこれでかなり完成されている気がする。
変化が気になったので調べてみると、4年くらい前に生産体制が変わった(社長杜氏に切り替え)と知って、なるほどと腑に落ちた。同じ銘柄で味の傾向がガラッと変わった時はこのパターンが多い。

※数値が高ければ味が優れているという訳ではないのでご注意下さい
料理との組み合わせ

今回は鰹のタタキと合わせてみました。甘く伸びるタイプですが、後味さっぱりしているので食中にも結構いい感じ。鰹のような味の濃い魚と抜群の相性かと言われるとかなり微妙な所ですが(酔鯨の吟麗のような濃醇辛口酒が合うと思う…)、鰹の味の濃さでお酒の甘味が引き立つのでこれはこれで有りかなと……50点の組み合わせ。個人的には奥の白エビのかき揚げの方がこのお酒に合った気がします。(こっちは70点くらい)
スペック一覧表
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 蔵元 | 清水酒造(埼玉県加須市)→(公式HP無し) |
| 使用米 | 美山錦 |
| 精米歩合 | 60% |
| 日本酒度 | 不明 |
| 酸度 | 不明 |
| アルコール度数 | 17度 |
| 種別 | 純米酒(生原酒) |
| 購入価格(税込) | 3,223円(1,800ml) |
買えるお店の紹介(あれば)
公式サイトを持たない清水酒造の亀甲花菱ですが、Amazonや楽天で扱っている所があるので紹介します。美山錦ではない他スペックも含め、記事読んで気になった方は挑戦どうぞ。
※流通量の少ない地酒なので、品切れ&リンク切れの際はご容赦下さい。
次回のお酒はこちら→『003|冨玲 純粋清酒(上撰)』
