
自宅の晩酌用に梅津酒造の【冨玲 純粋清酒】を調達しましたので、甘口辛口などの味の解説やレビューをざっくばらんに書き殴ります。皆さんの日本酒選びに1ミクロンでもお役に立てますと幸いです。
前回の記事です→『002|亀甲花菱 無濾過中取り純米生原酒 美山錦 埼玉G酵母』
お酒のレビュー
概要と経緯
いつものN酒店にて。この時は確か大治郎(『006|大治郎 渡船二号 生酛純米生酒』で紹介)を買った時だと思いますが……。
店主「こんど、扱ってる蔵元の普通酒とかも置いてみようと思うんだよね」
犬山「なにそれめっちゃ面白そう……普通酒でもモノによってだいぶ味変わったりするよね」
店主「そうそう。あと、最近は地酒らしい地酒ってこういう地元消費の言うんじゃないかと最近は思っててね。売れるかどうかはわかんないけど、お酒も次のシーズンから値上げの嵐だから、バリエーションとして手頃な価格帯のものも揃えておきたいと思って」
なんでも、米の価格高騰に伴ってこれまで酒米を作っていた農家の飯米への転作が増えて、来期は酒米不足→飯米レベルの価格高騰となるのだとか。恐ろしい話。
必需品である飯米ならいざしらず、お酒は嗜好品なので値上げしたら控えたり焼酎などに少なからず流れたりするでしょう。実際、純米生原酒みたいなのが一升4~5000円がボリュームラインみたいになれば、自分もその辺りのお酒の購入頻度は間違いなく落ちると思いますし(逆に剣菱の頻度が増えそう)……もとより、安いお酒でもそれはそれと楽しめるタイプの人間なので。
という訳で暫くしてからお店に行ってみると、新しく設けられていた普通酒……というか定番酒(レギュラー品)のコーナーが。どれも並んでいるお酒は2000円程度と手頃な感じ。
犬山「黒松仙醸の本醸造……このSGというのは姿、プレミアムSは辻善兵衛……南部関というのは?」
店主「酉与右衛門(川村酒造店)の所のレギュラー品。京の春の普通酒も入れたんだけどね。それはもう売れちゃった」
というと意外と他の客にも受け入れられているらしい。この物価高、懐が寂しいのは誰も一緒という事でしょう。
犬山「しかし、どこもよく知ってる銘柄だから見てるだけで面白いね……んで、せっかくだから一番特徴的というか個性的なのを買いたいけど」
店主「そりゃ梅津の冨玲がダントツ」
と言って勧められたのが、この【冨玲 純粋清酒】。アル添無し一部等外米使用の普通酒)でした。梅津酒造のお酒は以前何度か飲んでいたものの最近はあまりだったので……加えて今回レギュラー品では辻善兵衛のプレミアムSも併せて購入。(後者の方は『009|辻善兵衛 プレミアムS』で紹介)

製造元の梅津酒造と言えば、流行りに抗うかのような独自路線的なお酒を作ってる所で有名な所。よく飲んでいたのは笊シリーズという超濃厚な生酛酒で、他にはあまり無いタイプの辛口酒、個人的にかなり気に入っていました。(もちろん今でも)

冨玲を醸す梅津酒造は鳥取県の北栄町……名探偵コナンで有名な町ですが、まだ行った事無いですね。近くの倉吉は2~3回はうろうろした事あるのですが。酒蔵では見学の受け入れもしているとの事なので、いつかは立ち寄ってみたいです。
写真はその近くの大山(伯耆大山)で、地図を見るとおそらくはこの大山の伏流水を仕込み水としている感じ。大山は2021年、まだ雪が残る4月に登りましたが、今の所記事にはできてないので……こちらもそのうち。

大山の山頂近くからの展望も載せておきます。こっちは北西方向、米子の市街地とか弓ヶ浜半島の方角なので、酒蔵がある辺りとは違いますが。


一番最近この辺りに行ったのは2023年の西中国山地の登山旅行で、この酒造の近所?の倉吉を巡る日もありました。倉吉は倉吉で中心市街地に此君と元帥をそれぞれ醸す2軒の酒造がありますが。
鳥取は酒造そのものはそこまで多くはない県ですが、その分他とは一線を画したような個性派なお酒が沢山ある印象の地域です。今回の冨玲もそうですが、此君とか千代むすび、山陰東郷辺りも中々だと思います。酒米も強力米っていう県独自の変わったものもありますし。
お酒要素抜きにしても、山陰のこの辺りの雰囲気は落ち着いていて好きなので、また機会があれば行きたいですね。
味覚の傾向

まず自分が飲むより先に家族のレビュー。(恒例)
家族「……?(無言のまま、再び盃を呷る)」
犬山「どしたん?」
家族「飲んだ事ないタイプ。不思議な味」
犬山「甘辛はどう? 辛口?」
家族「たぶん辛口……甘くはない。辛いと言えば辛いけど、珍しい味かも」
自分も飲んでみる。甘さが殆ど無いので辛口と言えば辛口なんですが、それより印象的なのが独特の風味。熟成感ともまた違う不思議な余韻と言うか、ゴワゴワしているのに嫌味ではないというか……。
すぐ思い出したのが、以前飲んだ同じ梅津酒造の笊シリーズ。同じ辛口でも味わいの傾向はかなり違いますが、風味というか含み香がかなり似ている。ただ、酒質が超濃厚な笊と比べるとこちらはかなり軽快なので、その分その風味が前面に現れている感じ。
普通酒ながら強烈に個性的で面白いお酒でした。梅津酒造には是非ともこのまま独自路線で突っ走って欲しいですね。

※数値が高ければ味が優れているという訳ではないのでご注意下さい
料理との組み合わせ

料理とのコラボ、今回はお刺身と雲白肉です。切れ味が抜群なお酒なので、食中には基本なんでも合う感じ。中華料理のような味の濃い料理にも全然負けない風味で、雲白肉とは85点の組み合わせ。お刺身は75点くらい。
食中酒として、最初はこのお酒で~って感じで飲んでたらすぐに一升瓶が空になってしまいました。
スペック一覧表
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 蔵元 | 梅津酒造(鳥取県東伯郡北栄町)→(HPリンク) |
| 使用米 | 山田錦 |
| 精米歩合 | 80% |
| 日本酒度 | +10 |
| 酸度 | 2~2.5 |
| アルコール度数 | 15度 |
| 種別 | 普通酒 |
| 購入価格(税込) | 2,420円(1,800ml) |
買えるお店の紹介(あれば)
Amazonと楽天に同じスペックのものを扱うお店があったので紹介致します。一風変わった日本酒(辛口酒)を飲んでみたい方はお試し下さい。
※流通量の少ない地酒なので、品切れ&リンク切れの際はご容赦下さい。
次回のお酒はこちら→『004|桂月 CEL24 純米大吟醸50 生酒』
