山とか酒とか

登山やお酒を始めとした趣味全般を雑多に、また個人的に有用だと思った情報を紹介しています。

氷ノ山方面登山その2(兎和野高原→十石山→野間峠→鉢伏山→高丸山→大平頭避難小屋)

この日は兎和野高原から取り付き、氷ノ山、鉢伏山を目指して雪が残る稜線を延々と歩いた一日でした。

前日の宿泊地である兎和野高原で初っ端に入り組んだ道に迷いつつ十石山、瀞川山と登り進めますが、稜線上を通過する林道に辿り着いた地点で濃いガスの中。

腐った雪で埋め尽くされた林道歩きの苦痛も相まって撤退も頭を過りますが、野間峠に辿り着きハチ北スキー場の敷地内に入った頃には一転して晴れ模様になり、鉢伏山に到着する頃には360度の展望が臨めるまでに回復。

以降はそのまま稜線伝いに高丸山と辿り、その途中の大平頭避難小屋にてロケーションの良さに惹かれ早々の行動終了となりました。

氷ノ山方面登山その1」の続きの記事となります。

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他の日程を見たい方は以下の記事よりリンクを辿って下さい。コース全体の軌跡もこちらに掲載しています。

【2022年4月】氷ノ山方面登山についての情報と記録 - 山とか酒とか

登山の以外の旅行の日程は以下に掲載していますので、山の記事を読み飽きた際はこちらもどうぞ。

【2022年4月】北近畿登山旅行 - 山とか酒とか 

目次

今回歩いたルートです。

兎和野高原→十石山→瀞川山分岐

[5:25]兎和野高原出発

この日はまず兎和野高原から十石山方面に稜線上を目指して登っていく……予定なんですが、敷地内には遊歩道が迷路のように張り巡らされており、真っ暗闇という事もあって初っ端から迷う……この時うろうろと行ったり来たりしている様はGPSのログにも現れています。

最終的にはGPSを頼りに進んでいく事にしましたが、遊歩道が登山道扱いされておらずデータとして入ってないので、以降も何度か別の道に迷い込む。

暗闇の中を彷徨っていたら次第に辺りが明るくなってきました……途中、兎和野高原の南側に位置する木の殿堂を掠めていく。安藤忠雄設計の円形リング状の木造建築物で、内部は木と人との係わりをテーマにした博物館となっているらしいです。

1時間以上費やし、ようやく十石山方面のハイキングコースの登山口に到着しました。以降の登山道には瀞川山を十合目とした合目標識が設置されており、ここでは二合目と記載されている。

登山口を出発するも早速道が埋もれていますが、道筋は分かりやすく特に問題なく辿っていける。程無くして三合目の標識が。

途中で十石山の中腹をトラバースしていく箇所があるのですが、その途中で難所が2箇所……1箇所目は薄い雪板のスノーブリッジと化している箇所ですが、こちらはブリッジを破壊して足場を作り難なく突破。

2箇所目は急峻な雪渓で、アイゼン装備でも少し怖い程の斜度。こちらは数メートル程下った所が若干傾斜が緩そうに見えたので、雪渓の前後で藪を掻き分けて登り下りする事で通過できました。

難所を越えて以降は歩きやすい道となりますが……行く先にガスが立ち込めていてテンション低下。比例してペースも下がる。

[7:07-7:13]十石山

十石山に到着。広々とした山頂で道筋が読みづらいので、この付近では適当に当たりを付けて歩いていました。標高が上がるにつれてガスも濃くなり薄暗くなってきた。

雪が消えたり現れたりと、アイゼンを付けるべきかどうか迷う道。十石山の山頂から一旦外していましたが、右のトラバース手前で再び装着しました。

六合目に到着。看板は半分くらい埋もれています。ガスの濃さに加えて雪の深さも徐々に増してきた。

ガスで薄暗く道も見当たらない、なんだか不安な気分にさせてくれる樹林帯の登り坂。

林道合流手前で七合目の標識。こちらも半分くらい雪に埋もれている。

[8:04]兎和野高原方面歩道入口

坂を登りきった所が稜線上で、但馬アルペンロードという林道に合流します。以降は林道沿いに鉢伏山のすぐ手前まで歩いていく事になるので、予定の計画段階では楽に進めるのではと考えていたのですが、実際に来てみるとこの積雪量が故のツボ足地獄。ガスの濃さも相変わらずで気分も萎え萎え。

4月にしてこの雪の深さ。林道上は周囲が木々で囲まれていて中々溶けない為か特に残雪が多かった。

偶に尾根を外れる箇所もありますが、林道なので道そのものは分かりやすい。

林道らしく所々でカーブミラーが設けられています。無雪期はそれなりに車が通るのでしょうか。

瀞川山分岐→野間峠→鉢伏山

[9:05]瀞川山山頂すぐ駅

瀞川山の取り付きに到着。前情報では展望の優れた山との事でしたが生憎この天気。登った所で何も見えないだろうとスルーして先に進む。

以降は南側の斜面に沿って道が続いています。日が当たる為か雪の量は幾らか少なくなる。

雪道が途切れて路面が現れる所も幾つか。楽といえば楽なんですが、その前後で段差があるのでノーアイゼンだと気を遣う。

再び雪に埋もれた林道風景……心なしかガスが若干減っているような。

[10:09-10:31]野間峠駅

ハチ北スキー場のゲレンデの掠めた所にあるのが野間峠駅。先程の瀞川山の所もそうですが、林道上の散策の基点となる場所は駅と名付けられており、以降もハチ北展望駅、氷ノ山展望駅と続いている。

ここから先は鉢伏山へ標高差300m程度の急峻な登り……という事でアイゼンを装着していると、雲が流れてゲレンデの下の方の様子が見えたり見えなかったり。ここに来て天気が好転しつつあるようです。

暫く様子を眺めていると遂には頭上に青空が。それも一過性のものではなく、全体の雲が瞬く間に流れていく。

これまでガスの中歩いてきた瀞川山方面の林道を振り返る。修行のような道程でしたが、展望さえ良ければまた印象が違ったのでしょう。

これから登ろうとしている鉢伏山も見えてきました。山の斜面がスキー場のゲレンデとなっていて、リフトが山頂まで続いているのが見える。

雲が取れた鉢伏山の全容。山頂近くは木々が少ない為か、意外に雪がない箇所も多いようです。

野間峠駅からゲレンデを見下ろす。クローズを2日後に控えたシーズン最終盤で雪質も相当にアレでしたが、駆け込み組が多いのか滑っている人の姿はそれなりに見掛けました。

午前中のガス溜まりからは想像も付かない程の快晴……となると今度は雪面の照り返しによる暑さが顕著に。

スキーのコース上を歩いて山頂を目指していきます。傾斜がキツい上、雪面が日に当たって柔らかくなってきて思うように進めない。

山頂は目と鼻の先という所ですが、コースは右側から大きく回っていく形となっているので、まだ少なからず距離がありそう。

下ってきた道の様子。一歩一歩が重いので中々進まない。

ゲレンデの風景。スキー場のゲレンデ遡行は登山においては偶にありますが、この山域ではメジャーではないのでしょう。滑っている方から頻繁に声を掛けられる。

ガスの中でなんだかよく分からない内に通過した瀞川山方面の山並みの全容が窺えるようになりました。中央の右側半面が森に覆われた三角形が瀞川山で、十石山はその右背後かという所。写真右奥には前日越えてきた但馬中央山脈妙見峠も見えます。

山頂までもう少しという所。このもう少しが意外に長く、それでいて傾斜が一番キツい区間でもありました。

急坂を登りきった所から振り返ると、これまで見えていなかった氷ノ山扇ノ山等、雪化粧を纏った山々が見えるように。

鉢伏山→高丸山

[11:32-12:20]鉢伏山

ゲレンデを登りきった所が鉢伏山の山頂で、こちらも一帯がスキー場の敷地となっており、リフトの降り場がすぐ側に設けられています。つまりスキー場が営業している冬季期間はリフトだけで登れてしまう山という事でもある。

山頂看板には気温表示板の他、ハチ~ハチ北スキー場という別の看板が立てかけられている。ハチ北スキー場はこれまで歩いてきたゲレンデのスキー場で、鉢伏山の北斜面に広がっている。一方でハチ高原スキー場とはこれから向かう南斜面にあり、こちらは3月末に既にクローズ。故にその方面はポールで封鎖されていましたが、両方のスキー場が営業している時期、この山頂はその接続部となり往来も可能となるようです。

山頂から南側180度くらいの展望。左がハチ高原スキー場で、右がハチ北スキー場。中央のネットの先がこれから向かう氷ノ山方面の稜線で、氷ノ山そのものは左のリフト降り場の右奥に見えています。

こちらは北東方面の展望。左に見えるのが瀞川山方面の稜線で、これまで歩いてきた林道の道筋も確認できます。その右奥には妙見山、蘇武岳、三川山但馬中央山脈の稜線が見えている。

一つ前の写真を少し引いた所から撮ったもの。麓に見える谷合の家並みはハチ北温泉の民宿街で元々は大笹という名の集落でした。温泉地としての歴史は比較的新しく、ハチ北スキー場が開業した昭和中期にリゾート開発の一環でボーリングによって掘削された。ラジウムを含む放射能泉で湯治向けの泉質ですが、開湯が新しいので湯治宿のようなものは無いらしいです。

山頂から北の方に進んでいくと氷ノ山方面に視界が大きく開けます……この展望だけでも大いに満足という所。撤退しなくて良かった。

崖っぷちから氷ノ山方面の展望。直下にはハチ高原スキー場のゲレンデが広がっていますが、こちらは既に営業していません……クローズ後も雪は多く残るものの、日当たりの良い所は融雪が進みマーブル模様となっている。

東側には鉢伏山ケルンという小高いピークがあり、広々とした鉢伏山の山頂よりも展望が良さそうです。そう遠くない距離なので寄ってみる事に。

同方面を少し広い範囲から。左から但馬中央山脈、鉢伏山ケルン、氷ノ山といった並びです。

ケルンへ向かう途中から氷ノ山方面に続く稜線と、斜面に広がるスキー場のゲレンデを見据える。稜線上は雪が溶けている箇所も多いですが、氷ノ山近くは流石に雪が深そうに見える。

鉢伏山ケルンの下には社が置かれていました。龍宮神社奥宮で、戦後に大本教霊場として開設された。現在でも麓のハチ北温泉にある龍宮神社と併せて定期的に祭典が行われるという。

ケルンからの展望……右側すぐの所に見えるのが先程まで立っていた鉢伏山です。やはりというか、こちらの方が山頂が狭い分視界が広いです。

望遠ではないので大雑把ですが山名入り……というか位置関係。高丸山、大平頭、赤倉山、氷ノ山と後に辿っていく稜線が概ね見えています。

氷ノ山から左側、但馬中央山脈、播但国境付近の山々等をメインにした望遠写真。

方面が異なる為、こちらも山名入りを作ってみました。しかし時間帯は既に正午という事で、遠くの山は霞んでしまって見えず。

ケルンから鉢伏山に戻ってきた後は尾根伝いに氷ノ山方面に向かいます……が、登山道が伸びているであろう方面はネットで覆われており、どうやって進むべきか暫し悩む。既にクローズしているハチ高原スキー場のゲレンデを一旦下った後に登り返せば尾根上には復帰できそうですが、どうせなら稜線に沿って歩きたい。

見渡してみると一箇所、ネットが弛んだ所を発見。そこを跨ぐ事で先に進む事ができました。

鉢伏山からの出発直後の道の様子。西側斜面という事で日が当たるのか、大部分で夏道が出ていました。

階段を下って高度を下げていく。雪解け水が窪みに溜まっている。

階段を下りきった所にトラバースする箇所があり、その部分には雪が残っていました。しかし道は概ねフラットでアイゼン使わず進める。

雪に覆われながらも道筋は明瞭。シーズン時であればそれなりに通行量の多いハイキングコースのようです。

高度が下がり次の登り返しが見えてきた所。ようやく尾根歩き感が出てきた。

今しがた下ってきた鉢伏山方面の登山道を振り返る。トラバース箇所を除き、それなりに急な下り坂でした。

尾根道を覆う残雪。ここ暫くは歩かれていないのでしょうか、足跡らしき物は見られない。

少し開けた所から鉢伏山。降りてきたばかりで、まだそこまで距離は感じさせない。

こちらはまだまだ距離を感じさせる氷ノ山方面。眼下に広がるのはハチ高原スキー場で、先程通過したハチ北スキー場も併せて関西では最大規模のスキー場とされているらしいです。

氷ノ山、赤倉山、大平頭といった、これから歩いていく山々の並び。遠いには遠いのですが、間の起伏はそこまででもない。頑張ればこの日の内に歩けてしまいそうな雰囲気でもある。

階段越しの氷ノ山。均衡が取れた美しい山容です。

午前中のガス溜まりからは想像も付かない開放感。スキー場のゲレンデを横に掠めていくので人工物は目に付きますが、目の前に氷ノ山を見据えたロケーションは言う事なし。

鉢伏山から見た時もそうでしたが、稜線上には殆ど雪が残っていませんでした。

次第に距離が大きくなる鉢伏山

ハチ高原スキー場と氷ノ山方面の山々。ペンションや民宿が立ち並ぶ麓のハチ高原も近くに見える。

既にオフシーズンとなっているスキー場のゲレンデの横を歩いていく。右奥に見えるピークが次に登頂する高丸山です。

高丸山へのごくごく短い登り返し。この辺のコースは散策路のように整備されていました。

高丸山→大平頭避難小屋

[13:13-13:35]高丸山

鉢伏山から所要1時間足らずという所で高丸山に到着。大して進んでいませんが、ここも展望が良さそうなので休憩としました。

高丸山の山頂越しに鉢伏山。ハチ北から登った際には雪山のように感じられた鉢伏山も、南側から臨むと山肌に殆ど雪も残っておらず印象も随分変わる。

鉢伏山の山頂からはあまり見えなかった、扇ノ山方面の展望も開けていました……左側、左右に続いている稜線から一本奥に見えるピークが扇ノ山です。正面の麓の家並みは美方高原小代の集落。

こちらは氷ノ山方面の展望……大平頭への登り返しが近付いてきました。麓にはハチ高原、更に下にある大久保集落も見え、いずれも民宿を始めとした宿泊施設が多く立地する。氷ノ山鉢伏山を周回する際の基点となる場所でもあるようです。

氷ノ山の山頂部を望遠してみました。山頂には三角屋根の氷ノ山避難小屋が立っており、遠目にもよく見える……望遠してみるとすぐ側に人の姿らしきものが見えましたが、後程これは山頂看板であった事が判明。

高丸山からの下り。もう暫くの間、なだらかな尾根歩きが続きます。

よく整備された階段を下っていく。

[13:40]小代越

下りきった所が小代越の分岐で、その名前の通り小代方面の林道とハチ高原方面の登山道が分岐する峠のような場所です。ここまで下ると麓も近く、40分程下ればハチ高原に辿り着けてしまう。

小代越高丸山鉢伏山氷ノ山の縦走路上は指導標も多く、案内は充実している。

暫く雪が少ない道が続いていましたが、大平頭に近付くにつれて再び雪の量が増してきました。

一体いつから現れたのか、氷ノ山山頂まで何キロメートルという道標……5.5kmと大した事無さそうですが、背後に聳える氷ノ山は数値以上の距離を感じさせられた。

ちょっとした雪庇越しの鉢伏山。こちらも随分と遠くに見えるようになってしまった。

残雪の上を歩いたり夏道を歩いたり。

冬から春への移り変わりとも言える景色……そうこうしている内に大平頭の登り返しが目前という所まで迫ってきた。

少し歩いただけでカウントダウン標識が500m進みました。500m刻みに設けられているのかな……と思いきや、以降暫くの間は雪に埋もれているかで見つけられなかった。

[14:09]大久保分岐

登り返し直前の鞍部に到着。雪の中に指導標が立っており、ここからは先程高丸山から見下ろせた大久保集落へ続くコースが分岐しています。

分岐周辺の様子。ここから大平頭までは300m程度の登り返しですが、等高線がかなり密なので急登を覚悟しつつ進む。

ほぼ地図通りの急な登り坂が続く。雪もこの時間帯はかなり腐っていて、三歩進んで二歩下がるの状態。キックしながら強引に登っていく。

いつしか背の高い木々の樹林帯に入っており雪も深まっています。この区間の急登が今回の登山においての一番の傾斜でした。

急な登りを終えた所で案内プレートを発見。以降は広尾根となっていて、進むべき道は完全に雪の下という状態。

木の枝越しに氷ノ山が見えました。知らぬ間に距離を稼いでいたのか、随分と近くにある印象。

こちらは鉢伏山。この近辺が鉢伏山氷ノ山の中間地点で、実際どちらの山も同じぐらいの距離に感じる。

夏道は完全に消失しているので、それっぽい所を適当に歩いていく。右の写真は大平頭以降続く稜線。

雪の斜面を登っていると、堆く積もった雪壁越しに大平頭避難小屋の屋根が見えてきました。

大平頭避難小屋と周辺の散策

[15:01]大平頭避難小屋到着

稜線上、支尾根との付け根のような所に建つ大平頭避難小屋に到着……この時点で時刻は午後3時を回った所。氷ノ山の山頂までは標準コースタイムで3時間弱で少し厳しいものの、次の避難小屋がある氷ノ山越までは1時間半。

日が長い季節なので特に問題なく辿り着けそうですが、到着後に雪を溶かして水を作ったりする事を考えるとこの日は早めの行動終了としたい所。それに加え、この氷ノ山をバックにした小屋というロケーションが素晴らしくて、先に進もうとする気はいつしか霧散していました。

大平頭避難小屋の建物。豪雪地帯故のものでしょう、高床式で鋭角の三角屋根が印象的。

案内板が掲げられていました。これまで歩いてきた鉢伏山からのルートは緩やかなファミリールートで、これから向かう氷ノ山方面のルートは急峻な健脚者向きルートらしいです。

ここでの小屋泊の決め手となった大平頭避難小屋越しの氷ノ山。ぼんやり眺めているだけでも至福というもの。時期的に虫が全く居ないというのが良いですね。

早々に行動終了としてしまいましたが、せっかくなので近くの大平頭のピーク上まで登り詰めてみる事に。登山道が存在しないので夏場は藪に覆われてそうですが、この時期は雪が覆っているので容易に到達できる。

大平頭のピークへの登りの様子。ツボ足ですが膝下程度なので難なく進める。

三角点の先端らしきものが見えている所に到着……ここが大平頭のピークでしょう。

ピーク上は視界が開けており、ほぼ360度の展望が臨める……特に鉢伏山方面が開けており、本日歩いてきた稜線が瀞川山まで見通せる

少し引いた所からの展望。崖っぷちが雪庇になっていて怖いのであまり近付けない。

氷ノ山の山頂の望遠……距離を詰めたので先程以上によく見えます。小屋隣の看板はこの時点でも人の姿と誤認しており、避難小屋に一人というのも気楽でいいけど、久々に誰かと居合わせて山の話をするのも良かったなー、なんて事を当時思ってました。

こちらは鉢伏山とその山頂の望遠。山上の避難小屋、リフト施設やケルンもよく見える。

まさに山村と行った風情の美方高原、小代方面の展望。集落近くには棚田が見え、そこから一段上がった山の尾根上にはこの地の名産である但馬牛の放牧場が広がっている。

一通り景色を堪能して避難小屋に戻ってきました……展望の中でも、正面に氷ノ山を臨めるこちらの方面はやはり格別。

小屋に戻ったら早速水作りです。若干泥混じりの雪ですが時短とガス節約の為、煮沸はせず溶け切った時点で濾過器に通す。そんなこんなで2リットル程製造。

避難小屋の窓から見える氷ノ山。水を作ったり夕食の準備をしたり、小屋内で湿ったテントを干したりしている内に赤味を帯びていました。

氷ノ山を眺めながら地酒を呷る。至福を超越した何か。

本日のメニューです。前日同様に佃煮セット……加えて、つまみはフライドポテト(じゃがビー)にサラミと、そこはかとなく洋風寄り。アルファ米のパエリアはお湯で戻しただけでは食感がアレですが、油を敷いたフライパンで軽く炒めて水気を飛ばすといい感じになりました。

密に重なる木の枝越しの日没。ここ数年、山でのテント泊が続いていて食傷気味だったので、久々の避難小屋は中々に新鮮な気分。ラグジュアリーで快適な一夜を過ごせました。

次回記事『氷ノ山方面登山その3』に続く

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