大菩薩嶺から雁ヶ腹摺山その2(牛奥ノ雁ヶ腹摺山→黒岳→大峠→雁ヶ腹摺山→姥子山→金山峠→遅能戸バス停)
2日目となるこの日は引き続き大菩薩連嶺の縦走がメインの1日でした。前日行動終了となった牛奥ノ雁ヶ腹摺山を出発した後は南進して黒岳、そこから山域屈指の展望地として知られる白谷ノ丸を往復。その後は黒岳付近の分岐に戻り、そこから大峠、登り返して旧五百円札の富士山の撮影地で有名な雁ヶ腹摺山に登頂。その後は同じく富士山方面の展望地である姥子山を経由しつつ金山鉱泉に下山、遅能戸バス停の到着をもって今回の登山を終えたのでした。
『大菩薩嶺から雁ヶ腹摺山その1』の続きの記事となります。
今回の登山(全日程)のGPSログです。
牛奥ノ雁ヶ腹摺山→黒岳
牛奥ノ雁ヶ腹摺山の山頂から東の空。こちらの方面の展望は木々が多いですが、樹間からは徐々に赤味を帯びつつある地平線が見えました。
樹間からの日の出。この日は前日とは打って変わって雲一つ無く、好天が期待できそうな感じ。
日の出の望遠。手前に見える山は扇山すぐ北に位置する権現山です。
こちらは朝日に照らされてピンクがかった富士山。
日の出見物を終えたら朝食、メニューは袋麺のトムヤムクンヌードル。山に持っていけるようなインスタント麺は種類が限られていて飽きるので、最近は輸入物に手を出してしまいがち。こちらは朝食には良い感じのサイズ感でした。
[7:01]牛奥ノ雁ヶ腹摺山出発
のんびりと身支度をしていて、いざ出発という頃には既に日も高くなっていました。
牛奥ノ雁ヶ腹摺山から富士山方面の展望。前日は雲が多かったので遠くまで見通せませんでしたが、この日はその奥の丹沢や箱根、愛鷹山辺りも見えました。
少し引いた所からの展望。西側は木々が多いながらも甲府盆地が見え、その奥には稜線上が雪で白くなった南アルプスが見える。
樹間からの南アルプス。この日は空気が澄んでいるのか遠くの山々も鮮明に見えました。
少し歩みを進めると八ヶ岳が見える所も……こちらもくっきりで、赤岳や権現岳といったピークの一つ一つが細かく見えます。
牛奥ノ雁ヶ腹摺山少し先の展望地からの眺め。南アルプスから奥秩父山塊まで見渡せる。
同方面の望遠。南アルプスも南部の聖岳、赤石岳、悪沢岳や北部の白根三山といったピークが細かく見えています。流石に薄いですが、南アルプスと八ヶ岳の間には乗鞍岳らしき白い稜線が見えますね。
富士山を眺めながらの展望の良い道。まずは正面の黒岳を登り、その後は若干左に離れた所にある雁ヶ腹摺山に登る。
黒岳の登り返し。見た目通りの緩やかな傾斜です。
笹原越しの黒岳。最鞍部となるこの場所には賽の河原の地名がある。
樹林帯となる黒岳の登り返しからこの日の出発地である牛奥ノ雁ヶ腹摺山を振り返る。
手前のピークに乗った所からは富士山が再び見えました。青空と白い雪とのコントラストが美しい。
緩い傾斜の尾根道を進んでいく。
樹林帯の中を歩いていると雁ヶ腹摺山へと通じる大峠方面のコースとの分岐に到着しました。ここから一旦黒岳、白谷ノ丸へ向かいますが、大峠方面には後程向かうので荷物はこの場に置いておく事に。
同方面の望遠。まだ3000m級の高山には雪が多く残る季節でした。
黒岳→白谷ノ丸→大峠
[8:27-8:37]黒岳
分岐から少し進んだ所で黒岳の山頂に到着。前日登った大菩薩嶺と同様、山頂からの展望の無いピークです。
黒岳山頂一帯の雰囲気。周囲は背の高い木々に覆われている。
展望地として有名な白谷ノ丸方面に進みます。区間は短いながらも、黒岳からは結構な下り坂
[8:58-9:08]白谷ノ丸
樹林帯を抜けて視界が広がった所が、この山域屈指の展望地である白谷ノ丸です。奥多摩から丹沢、富士山、南アルプスと広い範囲の山々が見えます。もう何度と訪れているピークですが、ここまではっきりと見通せたのは初めてかも。
山名入りの写真です。ここまで見える山が多いと書くのも一苦労。
同方面の山名入りです。南アルプスの南北、端から端までの山々が見えている。
南アルプス方面を更に望遠してみたもの。乗鞍岳もそれなりにはっきりと見えます。
何度来ても良い場所ですが母親は初めて来るという事で、屏風となった南アルプスを背後に記念写真を撮って頂きました。
白谷ノ丸から再び黒岳の山頂に戻り、荷物の待つ先程の分岐へ。ここからは大峠まで標高差400m以上となる大きな下りが始まります。
奥秩父らしい苔生した斜面の中を歩く。以前4月下旬に通った時は雪で道が埋もれていたのでスパッツとアイゼンも用意してきたのですが、完全に消失していました。
道沿いに群生するドウダンツツジ。ちょうど見頃でした。
こちらもドウダンツツジ。広い範囲で咲いており、暫く写真撮影タイム。
赤岩ノ丸のピークが近付き、傾斜が緩くなってきた頃。大峠はまだ遠い。
途中、富士山の山裾越しに愛鷹山が見えました。先程白谷ノ丸からも見えましたね。
大峠が近付いてきた頃。同時に雁ヶ腹摺山の登り返しも間近に見えてきた。
次なるピークである雁ヶ腹摺山を見上げるような形になってきた頃に、若干辺りも開けてくる。そこから更に少し進んだ所で大峠に到着となります。
大峠→雁ヶ腹摺山
[10:57-11:22]大峠
大峠はちょっとした展望地になっており、ここまで車で入れるので登山目的ではない観光客の姿も見掛けました。
割と頻繁に訪れている所ですが、ここに前回訪れたのは2022年の3月の滝子山からのトレーニング登山。大菩薩嶺を目指したものの途中から緩んだ雪道となり普段以上に苦戦し、黒岳から大峠を経由してハマイバ前のバス停に下山しました……バス停までの舗装路歩きの長さが強烈だった記憶があります。
今回は大峠を越えて雁ヶ腹摺山に登り返します。黒岳からのコース終端部の向かい側からそのままコースが続いています。
雁ヶ腹摺山方面へのコースの様子。登山口から暫くの間は山腹を巻くようにコースが続いている。大峠に車を置いて往復する登山客が多いので、先程までの道と比べると俄然歩かれている感じ。
途中で御硯水の水場がありますが、閊えていて水が止まっていたので挿し直しておきました。
傾斜の緩いトラバース路が続く。
やや斜度が急になってきた所。足元にはキンポウゲが咲いていました。
トラバース区間が終わり、以降は雁ヶ腹摺山の山頂まで直登に近い道となります。
雁ヶ腹摺山までの登りの様子。急登の中で少し岩も出てきた。
大峠以降暫くは展望がありませんでしたが、途中で振り返れば富士山が。
急登と富士山。
山頂手前の少し開けた所からの展望。富士山が見える他、右側には先程登頂した黒岳や白谷ノ丸の笹原が見えます。
同方面の望遠。黒岳から白谷ノ丸、大蔵高丸、ハマイバ丸、大谷ヶ丸、滝子山と大菩薩連嶺上のピークが続いているのが見える。
雁ヶ腹摺山→姥子山
[12:39-13:08]雁ヶ腹摺山
今回のメインの一つである雁ヶ腹摺山に到着。ここも何度か訪れているピークですが、今回行き先に選んだのは母親のリクエスト。
前回訪れたのは3年前、山頂東側に伸びる楢ノ木尾根からアプローチしました。破線コースでしたが、日帰りのトレーニングには良い歩きごたえのあるコースでした。
こちらが旧五百円札で有名な山頂からの富士山方面の展望……とは言うものの、狭い一角を除いて周囲が木々に囲われているので、意外と開放感が無かったりします。
ただ、周囲の木々が額縁のようでもありこれはこれで趣深いような気も。
山頂直下の笹原と富士山。
少し下った所から同方面。姥子山方面に続く道は富士山に向かうような形で伸びている。
すぐに樹林帯に入ります。斜度はそこまで急ではなく歩きやすい下り坂です。
白樺平の分岐から更に下っていく。
林道と合流しました。この合流地点から姥子山方面のコースが分岐しています。姥子山も何度目かですが、開放感のある展望で個人的に好きなピークです。帰宅のバスの出発まで余裕がないですが、ここまで来たなら……と立ち寄る事に
林道の分岐から姥子山の山頂までは割と急峻な上り下り。大月市が選定した秀麗富嶽十二景の一つである事から、それなりに歩かれています。
足元に色鮮やかなイワカガミが咲いていました。山の花が楽しめる季節となってきたようです。
姥子山→金山峠→遅能戸バス停
[14:14-14:18]姥子山
姥子山に到着。姥子山は西峰と東峰の2つのピークがあり、こちらは山頂然とした東峰。背後には先程登った雁ヶ腹摺山が大きく聳えています。
姥子山からの展望。限られた方面の展望しか無かった雁ヶ腹摺山と比べると、こちらは開放感があります。
富士山方面の望遠。姥子山が今回の登山においての最後のピークとなりますが、この日は最後まで富士山が見えてくれました。
林道に戻り、暫く進んだ所から下山する金山鉱泉方面のコースを進みます。
道端に咲くミツバツツジ。
以降は麓まで纏まった下りとなります。所々で結構な斜度の急坂も。
ふと開けたスペースに出ました。以前このコースを歩いた時は終始鬱蒼とした道だったので、割と最近になって開かれた伐採地のようです。
伐採地からの展望……正面に見えるのは高畑山の辺り。この付近は道が錯綜気味で少し分かりづらい。
伐採地の上部に立つ指導標に従って進みます。
厄介だったのが、伐採地すぐ下部のこのトラバース路……粘土質で物凄く滑ります。前回歩いた時はここまで歩きにくい道ではなかったのですが。
足を滑らせたら……と恐怖しつつ下部の林道に到着しました。一般コースの道なので最低限歩きやすく整備して欲しい所。
暫くは林道に沿って進んでいく。
沢を渡るポイントが百間干場。そこから再び山道に入り少し登り返す。
[15:33-15:39]金山峠
尾根上に復帰した先の鞍部が金山峠です。ここから沢沿いに金山鉱泉に下るコースもありますが、道があまりよろしくないという事で少し先に進む事に。
尾根伝いに進んでいきますが、コースは若干トラバースするように取り付けられている。
少し先の分岐から先程とは別の下山コースを下っていく。この辺りから見えた富士山がこの日のラスト富士山。
金山鉱泉方面に続く下山道は暫くは尾根伝いに進んでいく。ここも全体的にトラバース気味にコースが取り付けられている。
尾根の終端部からは九十九折の急坂が始まります。付近には色鮮やかなヤマツツジが咲く。
急坂を下っていると麓の沢筋が見えてきました。最下部からは橋で対岸側へ渡る。
[17:01-17:15]金山鉱泉
金山鉱泉に到着。その名の通りかつては山口館という温泉旅館がありましたが今は跡形もありません。ここからはバス停まで舗装路歩きとなります。
舗装路歩きの最中。道沿いに咲く藤の花が見事でした。
藤の花の望遠。
暫く歩いてくると廃屋が幾つか見えてくる。人里は近い。
[18:02]遅能戸バス停到着
西奥山集落の北端に位置する遅能戸バス停に到着。このバス停の到着をもって今回の登山のゴールとなりました。
その到着10分後に大月駅へ向かう最終バスが入ってきました。間に合わなかった場合は駅まで歩き通すつもりでしたが、上手く乗り継ぐ事ができて何より。
大月駅に到着。ここからはいつものように中央線で帰宅。
今回は1泊2日の軽い登山でしたが、実際に歩いてみると結構骨太のコース。付き合ってくれた母親に感謝でした。