山とか酒とか

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西中国山地登山旅行6日目 雨中の倉吉観光

西中国山地登山旅行6日目は鳥取県中部の倉吉の観光に終始した一日でした。この日も移動手段は専ら自転車で、駅前の観光案内所のレンタサイクルを利用。そこから国鉄倉吉線廃線跡を辿って旧打吹駅の跡地に建つ倉吉線記念館、白壁土蔵の景観で有名な打吹玉川、桜の名所である打吹公園打吹城、市内最古の商家建築である倉吉淀屋(旧牧田家住宅)と一通り観光。その後は倉吉駅に戻り山陰本線鳥取、豊岡、福知山とひたすら東に進み、この日の内に京都まで移動しました。

前回記事『西中国山地登山旅行5日目』からの続きです。

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他の日程を見たい方は以下の記事よりリンクを辿って下さい。

【2023年3~4月】西中国山地登山旅行 - 山とか酒とか

目次

倉吉その1 倉吉線と打吹駅

この日はレンタサイクルを利用した倉吉市内の観光がメインなので、その営業時間に合わせた9時頃にスタート。旅行中や登山中は早朝から動き始める事が多いので、この時間帯からの行動開始は体感的にだいぶ遅め。

懸念していた雨については本降りになるのが午後からとの事なので、午前中は観光くらいはできるだろうと考えていたものの、雲の様子からしていつ降り出してもおかしくないような感じ。とりあえず雨具持参で自転車を借りに向かいます。

倉吉駅の駅横の観光案内所へ……隣接するお土産物屋の名前は駅ヨコと潔さを感じさせるネーミング。

レンタサイクルはミニベロでした。漕いでいて疲れるので苦手なんですが、変速機が付いているのでまだ良い方かなと……。

他、倉吉市とコラボしているコナミによるひなビタ♪というコンテンツのラッピング仕様の派手なものがありましたが、流石に1人で漕ぎ回す勇気はないので一般仕様のものを……ひなビタ♪といえばBEMANIシリーズへの楽曲提供をしてるので、beatmania2DX(弐寺)を細々と続けている自分としては名前だけは辛うじて知っていますが、調べてみた所、倉吉市をモチーフとした街を舞台にしたお話らしいですね。

倉吉駅から南側に進み始めると、程なくして意味ありげな細い敷地を横切ります。こちらはかつて倉吉駅から倉吉中心市街地に立地する打吹駅を経て蒜山の北側山麓部にある山守駅まで延びていた国鉄倉吉線廃線跡です。今回はこちらの廃線跡に沿って倉吉の中心街に進んでいきます。

途中の水路沿いの風景。既に桜は散り始めている。

今回はこちらの和菓子屋、石谷精華堂にてお土産を購入しました。打吹公園だんごという餡団子が名物らしいのですが、そちらは東京でも買えるらしいので別のものを……何やら色々なコンテンツとコラボしているようで。

その店舗横には打吹公園だんごをモチーフにしたと思われる建物がありました。

倉吉線廃線跡。市内を縦断する一級河川天神川を渡った先の区間は遊歩道として整備されている。

廃線跡を進んでいくと広場が見えてきました。こちらがかつて倉吉駅を名乗っていた事もある打吹駅の駅跡地となります。桜が植えられており、ちょっとした公園のように整備されていました。

駅跡に置かれた蒸気機関車、C11-75。倉吉線への入線経歴は無いようですが、同線では同形式であるC11が走っていたようです。

見た感じかなり痛みが進行している様子で、訪問時はそのうち解体されてしまうのではと思ったのですが、この訪問後に修繕の為のCFで1000万円が集まったようで、当面は安泰かなと思われます。

駅跡には倉吉線鉄道記念館という倉吉線に纏わる施設があるので立ち寄りました。

館内の様子。倉吉線に関する資料が展示されている他、構内での貨車の入れ替えに使用していたディーゼル機関車が保存されています。

展示物の中には当時この場所に存在した打吹駅の現役時代の写真がありました。倉吉中心市街地に面したと所に位置していた打吹駅でしたが、列車本数が少なく利用者はあまり多くはなかったという。(手持ちの資料である国鉄全線各駅停車を確認した所、末期の昭和58年における一日の乗車人員289人で、隣駅の上灘駅や西倉吉駅よりも少なかった)

倉吉その2 倉吉白壁土蔵群(打吹玉川)

倉吉線鉄道記念館の内部を見終えた後は倉吉中心市街地と向かいます。ちなみに両側に歩道が整備されたこの通りは、かつて打吹駅から真っ直ぐに伸びていた駅前通りでした。

その駅前通りから1本入った道にある、写真右手に見える建物が赤瓦一号館。かつての醤油蔵の建物で、現在は改装されて土産物屋として活用されているという。

赤瓦~号館はこの近辺に残る古い建築物(でないものもある)の呼称で、欠番はあるものの十八号館まであるという。

赤瓦三号館の所で玉川沿いの道と合流しました。こちらはメインストリートの1本裏手の道で、重要伝統的建造物群保存地区に指定された打吹玉川の中心部にあたります。一般的には倉吉白壁土蔵群等とも呼ばれ、水路沿いに白漆喰の土蔵が立ち並ぶ景観がその由来となります。

実はこの辺り……何年か前に1度訪れているので2度目だったりします。当時は今回ほど時間が取れていなかったので、この打吹玉川の周辺を少しだけ散策した程度でした。

玉川沿いの風景。水路を挟んだ左側に白壁の土蔵が立ち並び、その間に石橋が通されています。

一番手前の石橋を渡った先が赤瓦三号館で、後程向かう元帥酒造の裏側となります。現在は中野竹藝という市内にある竹細工の工房のミュージアムショップとなっていますが、構造的に元々は酒造の建物だったと思われます。

玉川沿いの道を進んでいきます。こちらも後程立ち寄る桑田醤油醸造の裏手にあたります。天気の関係で全体的にくすんで見えますが、これはこれでしっとりしていて良い雰囲気かなと。

玉川に沿って更に進む。保存地区から外れたのか急に雑多な雰囲気に。

玉川沿いの道に面した大蓮寺。メインストリートの方から灯籠が続く参道が伸びているものの、現在は檀家以外は立入禁止との事でした。

こちらは高田酒造の裏手の辺り。水際に柳という如何にもな感じが良い。

玉川沿いの風景。黒い板張りと白漆喰のコントラストが良い。

更に西側に進み、そこから表通りに入った所の西町の界隈に建つのが旧豊田家住宅。こちらは呉服商を営んでいた商家の建物で明治時代の建築との事。内部では倉吉に纏わる歴史講談が楽しめるという……こちらは後程回った倉吉淀屋の後に立ち寄る予定だったのですが、残念ながら時間切れに。

メインストリートを東側に向けて進んだ辺りは西仲町と呼ばれるエリア。そこに建つのが此君の銘柄で知られる高田酒造です。前回この地を訪れた際は、こちらの酒蔵に立ち寄ってお酒を調達しました。

店先に並べられた此君。当時飲んだ純米吟醸無濾過原酒は非常に重厚かつ個性的な味わいで面白かったので、今回は是非ともそのスペック違いを……と考えていたのですが、残念ながらこの日は定休日で扉は固く閉ざされていました。

此君は割と知る人ぞ知る銘柄なので、都内で扱ってる店も1店か2店しか知りません。何かの用事で大塚に行った時にでも買いたいですね。

大蓮寺の参道入口をそのまま通り過ぎ、駅前通りを横切った先が仲町となります。

仲町の雰囲気。先程の玉川沿いの白壁土蔵群の表通り側となります。こちらにも元帥酒造という酒蔵がありますが、この日は此君の方を買うつもり満々だったので少し悩む所……。

元帥酒造から更に東側に進んだ所が魚町。古くからの商店街のようで、看板建築のような建物も中には。

丁字路の角に建つのが赤瓦十三号館。元々は銀行の建物で、現在は白壁倶楽部というレストランの建物として使用されています。

打吹玉川の街並みの見物は一通り終えた後は幾つか買い物を済ませた上で打吹公園へ向かうつもりでしたが……先程通り過ぎた元帥酒造に戻ってきました。やはり折角の酒蔵という事で立ち寄る事に。

こちらの酒蔵、現在は製造設備に当たると思われる部分が赤瓦三号館として竹細工の店が入っているので、当初は自醸していないのかなと思っていました。しかし酒蔵の方の話によると、製造については市内の駄経寺町にある自社工場の方で行っているようです。

元帥酒造の店内の様子。銘柄としては主要の元帥の他に白壁土蔵赤瓦という、それっぽいものもありました。それらを含めて基本的に常温酒主体のようですが、小さいながらも冷蔵ケースが置かれており、そこには幾つか生酒も入っていました。

試飲については今回は自転車なので無理ですが可能か一応聞いてみた所、コロナ禍以前は対応していたのですが……との事でした。コロナも収まった現在(2024年3月)は再開されているかもしれませんね。

さて、折角色々とお話を伺ったので何か1本と見繕ってみますが、まず冷蔵ケースの生酒に目を向けてみる。五百万石50%磨きの『純米吟醸生酒』は中々いい感じですが、四合瓶で2300円というのはスペック的に少々お高い。次に前面に置かれている『原酒』と『にごり酒』の方は値段も手頃。にごりの方にも惹かれましたが、ここは前者の原酒の方を選びました。

購入したお酒を店先で撮影。商品名は『元帥 昔ながらの原酒 生』というものらしいです。味覚面での革新が続く日本酒において、逆にレトロを標榜しているお酒というのは結構珍しい……これはこれで楽しめそうです。楽しみにしていた此君が買えなかったのは少々心残りでしたが、こういう大都市圏では流通していないような面白そうな1本が手に入ったので満足でした。

さて、そんな店先にはレンタサイクルの所でも触れたひなビタ♪の立ちパネルが……この店もそうですが、メインストリートの殆どの店で関連のパネルや小物が展示されています。コンテンツの開始から10年、倉吉市とのコラボを始めてから6年が経過しているらしく、既に深く根付いているようにも見えました。

お買い物2軒目は元帥酒造と同様に西仲町に建つ桑田醤油醸造へ。先程裏手の玉川沿いを歩いた際、白漆喰の白壁が続いていた辺りです。

桑田醤油醸造の店内の様子。醤油アイスクリームなんてものもあるようで大半の方はそちらの方が目当てのようでしたが、こちらは醤油に一直線。味見コーナーもあるようで一通り試してみましたが、西日本らしく甘めのものが多い様子でした。

甘いものも普通のものもどちらも欲しかったので、ここでは再仕込み醤油(甘い)と木桶仕込みの生醤油(甘くない)を1本ずつ購入。

次なる買い物は少し離れた所にあり、後程向かう打吹山の山際に沿って西へと進んでいきます。

中通りがかった満正寺円形劇場くらよしフィギュアミュージアム倉吉市は市内にグッドスマイルカンパニーというフィギュアブランドの工場があるらしく、フィギュアの街としてもアピールしているようでした。

こちらが今回味噌を調達するヒシクラ。味噌だけではなく醤油も製造する、鳥取県内ではそこそこ大きめのメーカーのようです。煉瓦の煙突が残っていたりと、建物もなんだか味がある。

販売設備は無いのかなと辺りはうろうろしてみると事務所のような所を発見。目当ての味噌はこちらの方で問題なく購入できました。

ここで購入した味噌『蔵よし』は麹歩合が高いのか、上品でとても美味しかったのでリピート候補だったのですが……なんとこの訪問後の2024年1月に廃業。残念ながら1度きりで思い出の中の味となってしまいました。

倉吉その3 打吹公園と打吹城跡

味噌の調達を終えた後は再び東側に戻り、勝入寺の境内から打吹公園へ。

打吹公園の園内の様子。桜の名所という事で屋台も出てましたが、雨が降っているという事もあって人っ子1人いません。

公園内の東屋にて雨を凌ぎつつの荷物整理。醤油に味噌と土産の和三盆しょこら。

雨の中ですが、折角なので打吹山の山頂に登ってみる事に。当然自転車では登れないので、邪魔にならない所に止めておく。

公園内に鎮座する鎮霊神社とその境内。

鎮霊神社の境内から遊歩道が伸びているので、そちらを辿って山頂を目指していきます。

遊歩道の様子。この天気なので全体的に薄暗い。

途中で展望台があったので寄り道してみる事に。

展望台からの眺め。全体的に木が茂っていてあまり見通せませんが、正面が倉吉中心市街地で、右奥の開けた所が倉吉駅がある上井町の辺りとなります。

展望台から打吹山方面に進んでいく。途中で展望がある箇所もちらほら。

更に少し進んだ所には櫓を模した展望台がありました。こちらの方が景色は良さそうですが、ひとまず先に山頂を目指す事に。

山頂手前の道は若干山道っぽいです。道中のツツジが色鮮やかで綺麗でした。

打吹山の山頂及び山腹にはかつて打吹城という山城があり、室町時代に当時の伯耆国の守護であった山名氏によって築城されました。戦国時代に入ると尼子氏、毛利氏、南条氏と城主は移りましたが、江戸初期の一国一城令で廃城。現在の倉吉の町はその城下町として整備されたのが始まりとされ、中心部を流れる玉川も元々は外堀として築かれたものとされています。

道中には案内板にもある備前を始めとした、曲輪等の防衛の為の設備が遺構として残っています。

ツツジ咲く山頂への道の様子。

打吹山の山頂に到着しました。打吹城の本丸にあたる場所で広々としています。

打吹山山頂の様子。

少し先に進んだところで打吹城の名が刻まれた石碑がありました。

山頂から先程の櫓型展望台に戻ってきました。

展望台からの眺め。倉吉の市街地が木々の合間から僅かに見えます。

倉吉の市街地の望遠。左の写真の中央の開けた辺りが最初に立ち寄った打吹駅の跡地です。

打吹公園の東屋に戻ってきました。園内の桜は見事ですが、相変わらず人の姿はない。

公園内から東側に降りた所にあるのが羽衣池

羽衣池とその周辺の様子。散った花びらが池に浮かんでいる。

倉吉市役所の本庁舎の向かいから打吹公園の入口へと移動しました。

倉吉その4 倉吉の古い商家(旧牧田家住宅)

一旦、打吹玉川の町中を抜けて倉吉淀屋(旧牧田家住宅)へ。倉吉に存在する最古の商家建築とされており、内部の観覧が可能という事で入ってみました。

内部には土天神と呼ばれる粘土製の天神像が並べられていました。3月3日はといえば女の子に雛人形を送る習慣がありますが、倉吉ではその同日に男の子に土天神を送る風習があるという。

展示されている土天神の種類は新しいものから古いもの、絢爛なものから質素なものまで様々でした。

床の間の土天神と掛け軸。

こちらは御殿飾りの雛人形です。京都御所の紫宸殿を模したもので、京阪神及び西日本で流行ったタイプ。最近では段飾りが主流となり殆ど見られないようです。

内部の様子。近く復元工事が行われたようで全体的に整然としていました。

室内から庭園を臨む。

縁側と庭園。

展示物の中には新しい倉吉名物であるフィギュアがありました。鳥獣戯画をモチーフとしたものは少し欲しいなと思ったのですが、調べてみると5,000円近くするらしい。

倉吉淀屋を後にします。案内員の方による解説が非常に丁寧で、中々面白かったです。

倉吉淀屋の見物を終えた時点で時間切れとなったので駅へと向かいます……そのすぐ近くには何やら木造の古びた銭湯が。

銭湯は付近の出雲大社倉吉分院に因んだ大社湯という名で。明治後期の建築との事。通りがかった時点では既に閉業していましたが、2022年までは営業していたようです。

大社湯の裏手の道を進んでいきます。昔ながらの食品サンプルが並ぶ洋食屋なんかがあったりしてレトロな雰囲気。

駅前通りまで戻ってきましたが、辺りに焼いた魚の香ばしい匂いが……その香ばしさの元を辿ってみると、松本魚店という焼き魚や煮魚が並べられた店がありました。

看板には鮮魚とありますが、現在では調理した魚のみを扱っているとの事。旅行中は刺身を食べる事が多いですが、偶には焼き魚も良いなという事で今回のつまみはこちらのお店で調達する事に……人気店のようで、この雨の中でも絶え間なく買い物客の姿がありました。

最後に倉吉観光のハイライトである打吹玉川の街並みを一枚。2回目の訪問となる今回は半日費やしたので色々と回れましたが、それでもまだ回りきれてない感があります。3回目がありましたら蒜山山辺りと絡ませてみたいです。

倉吉線廃線跡に戻ります。途中、なんだか味のある横道を通る。

往路と同様、廃線跡を経由して倉吉駅へ。

橋の上から天神川を眺める。川面は雨で波立っている。

観光案内所にて自転車を返却した際に見つけた冊子。鳥取県ポケモンとコラボをしているようで、県内にあるポケモンの絵が描かれたデザインマンホールを巡る『ポケふたスタンプラリー』なるイベントが開催中でした。

スタンプは該当のマンホールの近くの施設で押せるようで、その個数によって抽選で記念品が貰えるとの事。倉吉市ではスタンプは先程の観光案内所に置かれており、マンホールはこの駅前のロータリーにあるというので実物を確認しに行きました。

駅前ロータリーに件にマンホールを発見。数あるポケモンの中でも鳥取県ではサンドを推しているようで、県内のマンホールは全てサンドがデザインされているようです。鳥取県といえば鳥取砂丘。砂といえばサンド……という事でしょうか。2018年から観光大使を務めているらしいので、既に勤続5年といった所。

【移動】山陰本線を乗り継いで倉吉から京都へ

倉吉観光を終えた後は移動。本日の最終目的地である京都まで270kmにも及ぶ長い列車旅となります……その第一列車である鳥取行き普通列車は既にホームに停車していました。

対向からやってきた特急スーパーまつかぜを見送る。

倉吉駅横の土産物屋で購入した駅弁。大山おこわ……というので米子駅の駅弁のようです。加えておつまみとして豆腐ちくわを追加で調達しました。

倉吉駅の次の駅である松崎駅で列車交換。駅前すぐの東郷池の湖畔に東郷温泉という温泉地があり、以前日帰り入浴した事があります。

この駅で対向してきた米子行きの普通列車は、この線区にしては少々長めの4両編成でした。

少し先の青谷駅で再び列車交換。旧青谷町の中心駅ですが昨年無人化されてしまったようです。ここも以前降りた事があり、その時は中心市街地の西本酒造場という酒蔵で『美人長』という銘柄を購入しました……この沿線は割と歩いた事がある街が多いですね。

青谷駅のホーム。日本海側という事で奥のホームには除雪車が止まっていましたが、今シーズンはもう出番が無さそうです。

鳥取まで移動しました……ここは去年の氷ノ山登山の帰りにも乗り換えで訪れましたね。近代的な雰囲気の高架駅ですが、入ってくる車両は国鉄感が満載。

鳥取からは浜坂行きの列車に乗り込み、終点の浜坂駅にて乗り継ぎ。浜坂と言えばカニという事でホームにはカニの看板が。

浜坂駅の駅舎と駅前。駅前通りはちょっとした商店街となっていますが、既に18時を過ぎているという事で開いている店は少ない。駅もこの時間帯は無人となっていました。

乗り継ぎ時間待ちで駅前を歩いていると松岡月見堂という雰囲気良さそうな和菓子屋が……そういえば今回の旅でまだ和菓子は食べてないなという事で立ち寄る事に。ケーキを始めとした洋菓子も扱っていましたが、今回はひとまず和菓子を購入。

乗り継いだ先の豊岡行きの列車にて先程購入した和菓子を開封。桜餅に煉切、それと店おすすめという栃餅……関東人ゆえに道明寺の桜餅は中々食べる機会がないのですが、割と好物で何かと選んでしまいがち。上品な味わいの煉切も特有の滋味がある栃餅も含め、どれも美味しく頂きました。

乗車時間が1時間以上と少々長い上、車内は自分を含めて3人のみという空気輸送ぶりだったので、ここで倉吉で調達した酒と肴を堪能することにしました。

まずは元帥酒造で購入した日本酒、『元帥 昔ながらの原酒 生』を開封してみます。こちらは生というシールが貼られていましたが、調べてみると生酒ではなく生詰め(1回火入れ)との事でした。常温で売られていたので生酒という事は無いと思っていましたが。

しかし何が昔ながらなんだろうか……と疑問を持ちつつ背面ラベルの原材料表示を見てみるとすぐに納得。醸造アルコールに加えて糖類まで入ってます。なるほど、これは確かに昭和のお酒ですね。

さて、味わいに関してはアルコール度数が19度あるのでインパクトあります。確かに昔ながらのお酒というイメージも感じられるのですが、甘辛の抑揚もはっきりしているので悪い意味での古臭さのようなものは無く、むしろ全体的に洗練されている印象を受けました。

ここ暫くは賀茂鶴、月山と今どきのお酒が続いていたので、こういった地酒らしい地酒は却って美味しく感じられました……こういうお酒は旅行中1本は欲しい所です。

こちらは松本魚店で購入した焼アジ。ショーケースに入っていた時はそこまで大きく見えなかったのですが、実際広げてみると中々のサイズ感です。この頃になると当然冷めているのですが、炭火で焼かれているので香ばしく食感もパリパリでした。これで250円は安い。

倉吉のお酒に倉吉の魚(かどうかは分かりませんが)という最強の組み合わせ。元帥は度数が高いという事もあって単体で飲むには若干キツさが感じられましたが、食中酒、取り分け魚とは最高の相性でした。

とうふちくわと前日購入した『月山 特別無濾過生原酒』。そうこうしていると豊岡駅までの1時間はあっという間に過ぎていった。

豊岡駅にて乗り継ぎとなります。ここから先は新し目の電車となるので、近畿圏に入ったな……という感じを覚えます。

乗り継ぎ先の電車は、この付近の鉄道網の要衝となる福知山駅より先の園部駅まで直通する結構な長距離鈍行。距離にして100km越え、所要時間も3時間弱とこの日一番のロングラン列車です。

車内は例によってガラガラだったので、発車早々日本酒を3種類並べての飲み比べ大会。

ここで温存していた駅弁、大山おこわ弁当を頂きました。山の幸が豊富に入った弁当で、味も全体的に染みているのでお酒ともよく合いました。

園部行きの電車は福知山駅にて20分ほど停車。ここから福知山線大阪まで向かう事も可能ですが、今回はそのまま山陰本線を乗り通して京都まで向かいます。

ラストの乗り継ぎ駅である園部駅です。ここで京都行きの電車に乗り込みましたが、最終電車という事もあってか車内は意外と混雑していました。

次回記事『西中国山地登山旅行7日目』に続く

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