
自宅の晩酌用に土田酒造の【シン・ツチダ】を調達しましたので、甘口辛口などの味の解説やレビューをざっくばらんに書き殴ります。皆さんの日本酒選びに1ミクロンでもお役に立てますと幸いです。
一つ前の記事です→『020|郷乃誉 生酛 純米大吟醸酒 無濾過』
お酒のレビュー
概要と経緯

日本酒を飲んでいると、ここの酒蔵は流行りに囚われず独自路線で進めているなーとか、ここのお酒は唯一無二だなと感じる事がちらほらあったりするのですが……今回のシン・ツチダを醸す土田酒造もそういったお酒を作る異端児的な酒蔵。全量純米、全量生酛造り、基本低精白が中心、味わいの傾向としてはアミノ酸たっぷりの濃醇なものが多くを占めています。
そういった土田酒造のお酒はどれも特徴的で個人的にはかなり好きなんですが、自分以上に家族が推していて、2年前の2023年の上州武尊山登山(記事未作成)の際に酒蔵に立ち寄って初めて飲んで以来惚れ込んで、そこそこコンスタントに買っているという次第。
以降何年かは、都内の大手酒販店の一つである四ツ谷の鈴傳までわざわざ買いに行っていたのですが、つい最近になって隣町のリカーショップA(自転車で行ける距離)で取り扱いがあると知ってからは購入頻度が増えました。
お彼岸の墓参りで都心の方に出た際に購入したお酒、シン・ツチダ(土田酒造@群馬)
— 犬山 (@Urayama_City) March 19, 2025
土田酒造は以前、上州武尊山に登った際に立ち寄った事がある。色々試飲したけど、どれも独自路線的な傾向のお酒で面白かったので、また何かしら飲みたいなーと思ってたら四谷の鈴傳で発見。https://t.co/wBhRFFvrfu pic.twitter.com/b7hupOHb5Q

前述の通り土田酒造に訪れたのは上州武尊山の登山の際。上越線の沼田駅から川場村内までバスで移動し、そこから登山口である川場谷野営場まで歩いていく時の事。ちょうど降りたバス停の近くに酒蔵があるという情報を事前に得ていたので、今回の登山酒はそちらで調達しようとの目論見。
ネットでざっと調べてみると内部には大々的な試飲ブースがあって、大型の観光バス等が立ち寄れるような雰囲気の所という事。なので割と万人受けしているものを作っているか、もしくは流行りのフルーティ系か……みたいな考え。
バス停を降りて少し歩いた先にある土田酒造の敷地に入ると公園のように広々としており、その中に前情報通りのショップ&試飲ブースが試飲ブースも1つだけではなく複数並んでいて大人数を捌けるようなシステム。


その後は店員の方に声を掛けて試飲ブースへ。ブースのガラスかアクリルの部分には甘辛の度合い別に種類が貼り付けられている……その種類がやけに多く、その数ざっと18種類。この時点でちょっと普通の酒蔵じゃないなと感じ始める。名前もよくある純米酒、純米吟醸酒、みたいな型に嵌ったものではないし。
当然これだけ種類があったら何から飲んだら分からないのでおすすめを店員に訊ねると……。
店員「辛口と甘口どんなお酒が好みですか」
犬山「自分は辛口甘口どっちも好きですね。いろいろな種類を並べて飲むタイプなので……」
店員「じゃあ一通りお出した方がいいですねー」
これから登山というのに、この表にあるものを一通りとは戦々恐々……とは言えこの日は登山口までの舗装路歩きのみだったので、多少は千鳥足になってもなんとかなるとは思うけど。
いざ試飲となり最初に紙カップに注がれたのは、この記事のシン・ツチダ。説明によると、これが今の(新しい)主流という位置付けで作っているお酒との事。
味の詳細については後の味覚の傾向の所で記述するものの、その主流と思われるものを飲んでみてやはり普通のお酒ではないなと感じた。甘酸っぱいお酒が好きな家族は「これ凄く美味しい!」といきなりの高評価。
犬山「風味的にこれは山廃か生酛ですか?」
骨太な乳酸を感じて尋ねてみると……。
店員「はい。ここのお酒は全量生酛造りなんですよ」
犬山「そりゃ珍しいですね」
家族「珍しいの?」
全量純米の酒蔵は今時は割と見かける気がするものの、全量山廃とか全量生酛はそこまで多くはない。あったとしても全国に数軒レベルだろう。(調べてみると他に香住鶴とかもそうらしい)
その後は続々と個性的なお酒が出てきて、家族と2人ですごいすごい言いながら飲んでいた。そして暫くしてバスツアーの団体客が入ってきて店員の方がちょっと忙しそうになってきた所を15種類ほどで切り上げ……そうでもしないと延々と飲み続けてしまいそうだったので。

試飲した上で登山酒として選んだのは、【Tsuchida F】という試験醸造酒的なお酒。更には、これから山登りというのにガラス製のお猪口(土田酒造デザイン)を買ってしまった。それだけ2人してここのお酒が心底気に入ったという事でもあったり。


その後は川場谷野営場まで千鳥足で移動してテントを張り、夕食時に早速開栓&グラスも使用。試飲時に単体で飲んでも十分美味しかったですが、食事と合わせた【Tsuchida F】の味わいはまた格別でした。
味覚の傾向

今回も例によって家族からのレビュー。
家族「土田酒造のイメージの味。甘酸っぱくて濃くて好き。選んでよかった」
犬山「シン・ツチダだと試飲の時に飲んでるよね。2年前だから流石に覚えてないか」
家族「覚えてない。けどこんな感じだったと思う」
自分も暫く振りの土田酒造のお酒を飲んでみる……その前にグラスを観察してみると、紹興酒かと思うほど色が濃い。 BYを確認してみると製造から2年が経過していて瓶内熟成が進んでいるようだった。
土田酒造のお酒は蔵元含めた色々な所が熟成を推奨する程の熟成酒向け。とは言え何年もお酒を保管するとなると家庭では中々難しいのですが、こうして労せず2年物のビンテージが手に入ったというのは運がいいというべきか。
御託はそこそこに味の方ですが、やはり中々の甘味酸味。けど熟成による作用か円熟味が増して全体的にうまく纏まっている印象(試飲時に飲んだ時はもう少し尖っていた気がする)。熟成感は一般的な紹興酒程には至らないものの、剣菱や菊姫の山廃純米よりは勝る。とは言え調和は取れていてむしろ深みが増す要因となっている。完成度の高いお酒でした。

※数値が高ければ味が優れているという訳ではないのでご注意下さい
料理との組み合わせ

非常にこってりしたタイプのお酒なので、ウイスキーのように単体で呷って楽しむのが無難ではありますが、酸味が結構あるので個人的には料理にも合わせやすいかなと思います。
今回はちょっと重めにエビフライやじゃがいものフライ等の揚げ物系と合わせてみる。相性はエビフライ75点、じゃがいも70点程度とそこまででもありませんが、お酒と料理どちらもその垣根を越えない楽しみ方であれば十分かと思います。
スペック一覧表
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 蔵元 | 土田酒造(群馬県利根郡川場村)→(HPリンク) |
| 使用米 | 群馬県産飯米 |
| 精米歩合 | 90% |
| 日本酒度 | -11~15 |
| 酸度 | 3.6~4.2 |
| アルコール度数 | 16度 |
| 種別 | 純米酒 |
| 購入価格(税込) | 3,575円(1,800ml) |
買えるお店の紹介(あれば)
Amazon、楽天ともに取り扱いがありましたので紹介致します(四合瓶は楽天のみ)。ひたすら甘味酸味があって特徴的なお酒が飲みたい人には特におすすめの銘柄で、普通の日本酒に飽きたら是非ともチャレンジしてみて頂けると幸いです。人によっては従来の日本酒の概念崩れますので。
※流通量の少ない地酒なので、品切れ&リンク切れの際はご容赦下さい。
次回のお酒はこちら→『022|菊水 ふなぐち スマートパウチ』

