
那須岳から二岐山にかけての縦走登山の3日目は、那須連山から二岐温泉までのアプローチと二岐山の登頂がテーマの一日。前日行動終了となった甲子山では当初ガスの中で雨も少なからず降っていたものの、出発する頃には雲も流れて展望を堪能できる程度に回復。稜線上を甲子峠まで下った後は大白森山、小白森山と意外にもよく整備された道を進むも、やはりこの日は雲が多く全体的に展望はいまいち。二岐温泉への下山後は天気の都合上この日の内に二岐山への往復登山をする事になり、下山してきたのは完全に日も落ちきった頃でした。
『那須岳から二岐山その2』の続きの記事となります。
他の日程を見たい方は以下の記事よりリンクを辿って下さい。コース全体の軌跡もこちらに掲載しています。

今回歩いたルートのGPSログです。
山行記録
甲子山からの展望

[6:44]甲子山出発
本日は甲子山からのスタート。目が覚めた時点ではガスで真っ白な上に雨も降っていたので「この日は二岐温泉までだからゆっくりでいいかー」という気分になり、出発は遅め……なので今日は終始雨の中の登山になるかなと思いきや、いざ出発する頃には雨も完全に止んでガスも抜けてきました。
とは言え天気予報ではこの日は終日曇り&一時雨との事なので、あまり期待はせず進む事に。
前日も見えた西側、甲子旭岳から大白森山にかけてのパノラマ展望。頭上の雲が重々しいですが、十分展望として楽しめる。
同方面をやや望遠気味に撮ったもの。遠くの空は明るいので、雲が多いのはこの辺りのみなのかも。
北方向、大白森山の山体の左側に見える青い稜線は前日も見えた吾妻連峰と磐梯山。空気は澄んでいるのか、前日以上に鮮明に見えました。

その更に左側、やや遠くに見える稜線はこの年の6月に登ったばかりの飯豊連峰。大日岳から飯豊本山までくっきりと。こちらに関しても前日よりも鮮明に見えてるかも。
再度、大白森山から西側にかけての展望。朝時点では丸一日展望が全くない事も考えられましたが……スタートからこれだけ見えれば十分過ぎるくらい。
こちらは反対側、前日ピストンで登った甲子旭岳方面。南側はよく見えているものの、北側は全体的に雲が多く、その左背後に見えるはずの那須連山も大半が雲に埋もれている。
甲子旭岳を単体で。標高は甲子山より300m近く高いので、殆ど見上げるような形です。甲子旭岳が意外と高いと言うより、甲子山が意外と低いのかも……。

甲子旭岳と山座同定板。
甲子旭岳と周辺の山々。左背後の那須連山は赤面山から三本槍岳が辛うじて見えるか見えないかといった所。
出発前に甲子山の山頂一帯を一瞥。甲子旭岳は身支度をしている間に雲の中に埋もれていました。

一方、これまで雲の中だった東の空でも日差しが差し込む所もあったり。完全な曇天という訳ではなさそうです。
甲子山→甲子峠→大白森山


甲子山の山頂を出発すると、いきなりロープ場の急斜面の下り。落ち葉が堆積していて滑りやすいので慎重に降る。
下りの途中から開けた方面。山肌には所々で陽光が当たっていて明るくなっている。


[6:57]甲子温泉分岐
少し降ったところで甲子温泉方面の分岐があり、そこから甲子峠方面へ。暫くはスタートの甲子山の中腹をトラバースする形でコースが続いています。比較的よく歩かれているのか、この辺りの道はかなり良い。


トラバースから稜線上に復帰した所でガスの中へ。そのすぐ後にガスは抜けて頭上に青空が見えたりと、なんだか安定しない天候。
途中の開けた所から甲子山、甲子旭岳方面の展望。正面すぐ左側のピークがスタートの甲子山ですが、甲子旭岳はその右奥で山頂部の大部分が雲に埋もれている。

反対側、これから登る大白森山方面。こちら側は比較的雲が少なく青空も見えています。

大白森山と紅葉。紅葉はこの辺りは見頃と言っても良さそうでしたが、曇り空だといまいち鮮やかに見えず。

フラットな樹林帯の中の道。葉の大部分が落ちているからか、曇り空の割には明るい雰囲気でした。
甲子峠手前のピークからの展望。地図には甲子峠展望台と表記されています。雲は多く全体的に薄暗いものの、周囲の山を見渡せる程度には好天でした。
やや露出を上げ気味で撮ってみたもの。山肌の紅葉が色鮮やか。
ピークから少し進んだ所から大白森山方面の展望。その手前の鞍部が甲子峠となります。


[7:59-8:02]甲子峠
甲子峠に到着。大白森山の登山口的なポイントで広々としていますが、通じる林道が車両通行止めという情報もあり、現在は甲子温泉もしくは二岐温泉からの往復という形でのアプローチが一般的らしいです……ここから大白森山までは標高差240m程度のそこそこ纏まった登り。


大白森山方面のコースは暫くは緩い登りで歩きやすい。ヤマレコやヤマップ等の記録であまり見かけない山なので多少荒れているかと思いきや一般登山道同然のレベルに整備されていました。

足元には北アルプスの薬師岳の手拭いが落ちていました。風で飛んでしまいそうなのでその後木に括り付けておいた。


歩きやすい道だなーと思って歩いていると、途中の枯れ沢のような所から一転して険しい岩場の急登に。テント装備だとちょっと面倒なタイプの道……とは言え、登りであればロープを頼らずに済む程度。


急登の区間は短く、程なくして緩めの傾斜の笹道に。その後、大白森山の山頂方面の分岐に到着。山頂はコース上から分岐を少し入った所にあるようでした。
大白森山→一杯山→小白森山→小白森山登山口

[8:54-9:14]大白森山
本日前半部のメインであった大白森山に到着。甲子峠の展望台から見た時は山頂に雲は無かったのですが、登っている間に視界ほぼゼロに。無念。
ガスに包まれた山頂の様子。開けた山頂なので晴れた時の展望は良さそうですが。
ガスが少しだけ流れ、東側に続く尾根がちょっとだけ見えました。それだけ。


分岐に戻り、縦走路を引き続き小白森山方面へと進みます。雨上がりだからか泥濘んでいて若干歩きにくい所はあるものの、前日の坊主沼辺りよりは道は良いかなーという印象。

木々が途切れた所からは、今回の登山における終盤のメインである二岐山が見えました。結果的にこの日登ってしまったものの、予定では翌日の朝一で登るつもりだったので、この時はまだまだ遠くにあるなぁみたいな感じで呑気に眺めていた。


大白森山から小白森山にかけても比較的歩きやすい道が続く。この辺りも所々開けていて、晴れていれば展望は良さそう。


正面に見えるのは小白森山。緩いアップダウンを繰り返しながら進んでいくと紅葉が鮮やかな箇所が。

[10:02-10:16]一杯山
一杯山と思われるピークに到着……山頂看板といった類は無いものの展は若干開けており、先程登った大白森山が樹間から見えます。山頂の雲は抜けつつあるようでした。
少し位置を変えて大白森山方面。その先にあるであろう那須連山や甲子旭岳といった山々は厚い雲の中。
反対側の小白森山方面。こちらは青空が時々広がる程に晴れていて、先にある小白森山にも陽光が注いでいます。

一杯山や小白森山の前後は時々急峻な箇所もありますが、問題なく歩ける程度の道。
一杯山から小白森山にかけての道の様子。正面に見える小白森山の紅葉が日が当たり鮮やか。


小白森山までの登りは鞍部から100m程度でしたが若干急峻でした。

道の上の赤味が鮮やかな紅葉。ドウダンツツジっぽいですね。

登ってきた道を振り返った所。再びガスが流れ込んできて先程の一杯山も見えなくなってしまった。

[10:55-11:10]小白森山
急登を登りきって小白森山に到着。かつて山頂看板か指導標でもあったような棒が残っています。
小白森山からの展望……というよりは山頂一帯の様子。周囲の木々が高く見通しは悪い。地図には展望良しと書いてあるので、昔はここまで茂って無かったのでしょうか。

小白森山から二岐温泉方面に下ります。正面のガスの中に見えるのは二岐山。既に谷を一つ挟んだ先という距離にあるので近い所に見えました。


二岐温泉から往復する人がそれなりに居るのか、小白森山の山頂直下の急坂を除いて道は良い。

地図上で難所とある蟻の戸渡り。風化が進んだ痩せ尾根の上を歩く区間……横から見ると結構怖そうですが。

蟻の戸渡りを正面から。意外と道幅が広いので特に問題なく歩けます。雪がある時期は少し怖そうですが。


蟻の戸渡り以降も暫くロープの張られた区間が続きますが特に問題のない道。


ある程度進んだ所で、尾根上を外れて二岐温泉方面に下降します。

二岐温泉の登山口手前の所で見かけた、やけに形の良いキノコ。
小白森山登山口→御鍋神社→二岐山登山口


[12:52]小白森山登山口
二岐温泉に下山しました。ここで大白森山の山頂ぶりに電波が入ったので天気予報を調べてみると、二岐山登山を予定している翌日は朝から完全に雨……なのでカットしてこのままバスで帰ろうとも思ったのですが、幸いこの日は日没少し後の17時頃まで天気が持ちそうなので、急遽それまでに二岐山往復を済ませる事に。
行程としては、二岐温泉から二岐山の男岳を経て女岳まで往復するという形。二岐温泉から登山口まで1時間、そこから男岳の山頂まで2時間、更に女岳の山頂まで20分というコースタイムなので、この地点からかかる山頂までの所要時間は3時間半程度。現在時刻は13時で日没が16時半頃なので、つまりはちょうど山頂で日没を迎えてしまう事になりますが……三百名山で道も良さそうなので、暗闇でも特に問題なく歩けるだろうと判断し出発。

まずは二岐山(男岳)の登山口までそこそこ距離のある林道歩きです。三百名山という事でやはり人気があるのか歩いている最中にも車の往来が何台かあり、徒歩で下っている人ともすれ違い。「今から登るんですか?」と驚かれる。


林道を暫く進む。砂利道ですが道幅はそこそこ広めです。


橋を渡る箇所からの紅葉。

橋の上から下を流れる沢を眺めた所。林道はこの沢に沿って続いている。

橋を渡った先は九十九折の道となっていて、地図上でその箇所に水場マークがあります。適当な沢の水を汲んでも良かったですが、せっかくなのでこちらで汲んでいく事に。

九十九折のヘアピンの先を少し入った所に沢があったのでこちらで汲みました。水量も豊富かつ、すぐ上の所から湧き出しているようで味はまずまずでしたが……。


先程の沢から林道に復帰して少し進んだ所に再び小さな沢。ペットボトルの先端を加工したような注ぎ口がセットされているので、こちらが正式な水場だったのでしょう……汲み直すのも面倒なので先へ進みます。

ヘアピンを越えた先の林道。時折日差しが差し込む事もあり、数時間後に雨が降るとは思えない雰囲気。


先に進むと看板があり、そちらに登山者向けの広々とした駐車場がありました。10台以上が止まっていましたが、時間帯的に既に下山して帰宅準備をしているような人も多い。


駐車場から先に進んだ所には鳥居が立つ脇道があり、その先を進むと御鍋神社があります。二岐山の往復に際しては荷物を置いて軽荷で向かうつもりですが、夕方から雨予報なので、荷物が濡れないように神社の軒下を借りようという考え。


[14:06-14:20]御鍋神社
御鍋神社に到着。徒歩でしか到達できない山中にあるにしては大ぶりの社殿があり、そちらの庇の下をお借りする事に。社殿の前の2本の御神木が立派で、社殿以上に存在感があります。
神社の由緒としては、平安時代中期の平将門の乱以降、平将門の妾である桔梗の前とその一族がこの地に隠れ住んでいていたものの、残党狩りから逃げる際にこの地に大鍋を一つ残して姿を消し、その大鍋を祀って建立したのが発祥。

その御神体の大鍋かは分かりませんが、庇の下には大鍋が吊るされていました。
二岐山登山口から二岐山往復


[14:30]二岐山(男岳)登山口
御鍋神社に荷物の大半をデポして、身軽になった状態で二岐山の登山口へ。入口には何故か鹿か何かの頭骨が置かれていて、なんかのRPGのダンジョンの入口のような雰囲気が。
ここから二岐山の男岳の山頂までは登り2時間、標高差にして500m……初日の黒尾谷岳の登りに次ぐ長さですが空荷なのでだいぶ気楽。ただ、時間的に日没が近いのでどれだけ巻けるかが重要。


登山口を出ると初っ端から結構な急登……八丁坂というらしいです。斜度は厳しいですが空荷なので、やはりそこまで苦労しない感じ。


徐々に斜度が緩くなってきた所の風景。二岐山の山頂までは基本ずっと樹林帯の中で展望はありません。

[15:05]ブナ平
途中のブナ平に到着。二岐山の男岳側はコース上に急登が2箇所あり、その間のブナ平付近は比較的長い平地歩きとなっています。楽といえば楽ですが、この辺りは特に熊の出没率が高いという事で警戒気味に進む。(実際、復路で熊っぽい何かが)


ブナ平付近の平坦な道を進んでいく。地面がぬかるみ気味で若干歩き辛い。

2箇所目の急登に差し掛かった所に男岳坂の看板が。以降、暫くはトラバース気味に登り、途中から山頂に向けて直登するという形になります。


前半部の急登もそうですが、一つ一つの段差が大きめなので若干歩きにくい所はあるかも……とは言え、流石は三百名山とも言うべき明瞭な道なのでスムーズに進んでいく。

[15:49-15:55]二岐山(男岳)
二度目の急坂を登りきった所で二岐山の男岳の山頂に到着。二岐山にはその名の通り男岳と女岳の2つのピークがありますが、こちらの男岳の方が標高は上で山頂も山頂然としているので、三百名山ハンターの人はこっちだけ登る人も多いとか。
ただ、二岐山っていうくらいなので女岳の方にも登っておかないと自分としては心残り……という訳でそちらにも向かいます。日没(と雨予報の時間)が近いので時間との勝負。
二岐山(男岳)からの展望。日没間近という事もあって全体的に陰影が濃く薄暗いですが、完全なガスの中という訳ではなかったのが幸い。


麓の町並みの望遠。左は会津田島、右は会津下郷の周辺です。少し前まで那須の山を歩いていた、気付けば会津に踏み込んでいた。
二岐山、男岳の山頂の全景。そこそこスペースのある山頂でした。
男岳から女岳へ出発。女岳は男岳より40mほど低く、やや下の方に見えています。
男岳から女岳に向かう途中からの展望……右側の少し低い所に見えるなだらかなピークが女岳です。登山口付近ですれ違った人からはガスで何も見えなかったと聞かされていたので展望に関しては期待していなかったのですが、これだけ見えれば十分過ぎる程。


男岳と女岳の間は意外と大きく落ち込んでいて、短い距離の間に90m下って50m登るという形。特に女岳の登りはやや急峻で、途中にロープが設置されていました。

[16:10-16:22]二岐山(女岳)
二岐山のもう一つのピークである女岳に到着。こちらは男岳と違って展望は無く、山頂も登山道の途中のような雰囲気。
女岳の山頂一帯の様子。高い木々に覆われて鬱蒼としている。


日没が近付いてきたので急ぎ下山します。まずは再度、男岳の登り返し……空荷とは言え、この登り下りの繰り返しは意外ときついかも。
先程も眺めた、男岳の山頂直下の展望。薄暗くなってきました。

[16:40]二岐山(男岳)
二度目の男岳への登頂。17時から雨予報という事で雲が増えつつあるのか、展望も先程よりは臨めず……そのまま素通りして下り始めます。


下り始めて暫くの間は薄明るかったのでそのまま下っていましたが、足元が見えなくなってきたので途中からヘッドライト装備。


[17:43]二岐山(男岳)登山口
すっかり真っ暗になったブナ平の手前で熊らしき雄叫びのような鳴き声&ガサガサに遭遇、以降は時折ホイッスルを吹きながら下山。暗闇で足取りに少々難儀しましたが、山頂から1時間ほどで下る事ができました。

荷物の置いてある御鍋神社へと向かいます……暗闇の中ぽつんと立つ鳥居というロケーションはさならがら異世界への入口。

[17:55]御鍋神社到着
御鍋神社に到着。荷物は回収したものの……これから二岐温泉に戻っても本日中のバスは無いので、この付近で行動終了とする事に。神社に隣接して沢が流れていて、その岸辺にフラットな平地が広がっているので、そちらで野営としました。

夕食……というよりつまみと日本酒の風景。翌日に予定していた二岐山を前倒しで登ってしまい後は帰るだけという事で、思いっきり気を抜いての寛ぎモード。

この鮭カマ塩焼きが絶品でした。ややオイリーで味が濃いのが、味わい深くキレがある東力士の極雫にとても良く合う……。
『那須岳から二岐山その4』に続く
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この日の夕食に食べた鮭カマ塩焼きを紹介。個人的に、山でお酒に合わせる為のおつまみは缶詰が多いのですが、こちらの缶詰は食べごたえがあって中々でした。(お酒が進みすぎて手持ちの東力士を二合分飲んでしまった)

























