前回記事『尾瀬方面登山 登山口までの道程』からの続きです。
登山の実質的な初日。暗闇の中、滝沢登山口から未明の内に出発し駒の小屋にてご来光を拝む。そこから先は雪が薄く降り積もった初冬の尾根道。会津駒ヶ岳、中門岳と、なだらかで湿原の広がる稜線を往復。駒の小屋まで戻り今度は尾根伝いに南下、大津岐峠、大杉岳と長い尾根道を御池まで下る……が、御池ではテントが張れないので更に裏燧林道を通って尾瀬ヶ原の見晴までその日の内に歩き通しました。
他の日程を見たい方は以下の記事よりリンクを辿って下さい。コース全体の軌跡もこちらに掲載しています。
【2020年10月】尾瀬方面の登山についての情報と記録 - 山とか酒とか
目次
滝沢登山口→駒の小屋
この日は早立ちの為に午前1時に活動開始……そして作った朝ごはん。
身体が冷えている山の朝は温かいものを食べたいのでカップヌードル派。特にカップヌードルリフィルが嵩張らずゴミも少ないので重宝しているんですが、ラインナップ少なくて飽きるんですよね。他メーカーでも似たようなの出してくれればいいのに。
[3:00]滝沢登山口出発
まだ車中泊の人が寝静まる中、テントを撤収してGPSの記録見たら3時ジャストでした。この時期の日の出は6時、つまり3時間真っ暗闇の中を歩く事になる。
会津駒ヶ岳への登り。流石は百名山とも言うべきか暗闇でも歩けるくらいには道は良いです。道標もかなり多い。
道の上に雪が見え始めた頃、空が明るくなり始めました。終始ぐずついていた前日の天気とは打って変わってこの日は期待できそう。
夜と朝の狭間の空の色。闇夜の中の心細さを霧散させてくれる、一日の間でも特に好きな時間帯。
朝焼けの空と雲海。右奥に見えるのは那須連山で、三本槍岳、朝日岳、茶臼岳と並んで見える。少し離れた左側には二岐山の双耳峰。
辺りが明るくなってきた頃、最初の目的地である会津駒ヶ岳の山頂が見えてきた。起伏は少なく、なだらかな丘のような雰囲気。
山頂付近は平坦なので意外と雪がありました。新雪なのでアイスバーンにはなっておらず、木道上でもそこまで滑らない。
道の様子。中央左に駒の小屋、右側に会津駒ヶ岳という位置関係。
平ヶ岳を単体で。名前の通り平坦だから雪が積もりやすいのかな。標高は2000と少しで、これから登ろうとしている会津駒ヶ岳と同じくらい。
御来光が始まり小屋の手前でスタンバイ。前回の登山では目にする機会は無かったので、6月登った谷川連峰以来かな。
燧ヶ岳と御来光。燧ヶ岳の双耳峰はこれから延々と目にする事になります。
[6:03-6:27]駒の小屋
3時間の登りを終えて駒の小屋に到着。御来光を眺めつつ、小屋下のベンチにザックを置いて荷物整理。ここから会津駒ヶ岳、中門岳方面は飲料とお菓子を突っ込んだ程度のサブザックで向かいます。
ベンチ近くの池塘越しの御来光。氷点下まで下がったのか池塘には薄氷が張っていました。
池塘一帯の雰囲気。駒の小屋に泊まった人が何人か御来光を眺めに外に這い出してきていた。
駒の小屋と池塘の位置関係。池塘を挟み込むように木道が敷かれている。
うろうろしている間にだいぶ高くなってきた朝日。
小屋前のベンチから朝日。丁度高原山の辺りから日が昇っていました。左奥には那須連山、右奥には男体山女峰山を始めとした日光連山の山々が見える。
朝日に照らされて明るくなってきた池塘周辺。
池塘越しに駒の小屋。素泊まりオンリーですが、既に軒並み閉鎖状態の尾瀬の小屋と違って晩秋のこの時期でも開いていました。10月いっぱいまでは営業しているような雰囲気でしたね。
駒の小屋→会津駒ヶ岳→中門岳
もう目と鼻の先に見える会津駒ヶ岳へと出発。重量1/10以下のサブザックとなり足取り軽やかに向かう。
途中の展望。燧ヶ岳、至仏山、上州武尊山など著名な山の数々。こういう景色が見たいから山に登っている。
陽光と展望。日光連山もそれなりに近く存在感がある。
中でも一番目立つのは燧ヶ岳です……均衡の取れた形の双耳峰が美しい。これから歩く御池方面に延々続く稜線も中々良い感じ。
立ち昇る朝日。前日のものでしょうか、付近の樹木には僅かに霧氷が付着していました。
山頂手前の開けた場所から南側方面の展望。山頂からの展望は樹木に遮られて見づらいので、南方面はここから眺めるのが一番良かった。
山名入り。遠くの山が見えそうな西側は木が茂っていてそこまで展望が利かなかったり。
日光連山、日光白根山方面の望遠。男体山や日光白根山といった山は雲がかかっている。
赤城山を望遠で。色は薄いですが距離は近いので黒檜山、地蔵岳から鈴ヶ岳までの各ピークがよく見える。
燧ヶ岳に並んで存在感があるのが平ヶ岳。谷を挟んで反対側の山という事もあって距離的に近く、その分大きく見える。
[6:44-6:55]会津駒ヶ岳
会津駒ヶ岳の山頂に到着。しかし周囲は木々が茂っていて展望は意外とそれ程でもなかったり……スペース自体もそんなに広くはないです。まあ木々の合間から見える燧ヶ岳というのもこれはこれで。
北側に降り始めた所からの展望。牛の背のようになだらかな稜線が中門岳方面に続いています。これは極上の稜線歩きが期待できそう。
遠くに見える山を望遠で。開けていますが東北方面の山には雲が掛かっています。越後三山は平ヶ岳同様に距離も近く威圧的に見える。
西側、志賀方面から平ヶ岳、妙高山、越後三山等の山々。越後三山の一つである八海山は低くて見えませんが、裏越後三山の荒沢岳は越後駒ヶ岳の左手前の辺りに見えていたり。
100km離れてる割には意外と明瞭に見えた妙高山と火打山。妙高は黒いですが火打は白く雪が積もってる。その左後ろには白馬岳とか北アルプス方面の山々も。
こちらは南側、燧ヶ岳方面。日光白根山の雲は若干流れつつあるかという所。
何度も撮ってしまう燧ヶ岳。この山域のシンボル的存在。
先程まで居た会津駒ヶ岳を振り返る。傾斜は緩やかでスキー場のゲレンデみたいな雰囲気。
北方面の山々。雲は少し流れつつあり間には雲海が……しかし見えるはずの飯豊連峰はこの日は殆ど見えませんでした。せいぜい御神楽岳辺りまでかな。
シャーベット状の池塘と燧ヶ岳。
尾根道を歩いていきます。会津駒ヶ岳以降は殆ど木道で、急な傾斜は無く歩きやすいです。
道沿いには池塘が多い。初夏の花の時期に来るとまた違った印象を受けそう。
中門岳は平坦な道を1時間弱進んだ先なので、歩いた時間の割にはそこそこ距離感あります。
初冬らしい、薄く雪の積もった尾根道。一応上着を着込んでいますが、日差しがあるのでそれが不要なくらいには温かい。
雪に埋もれた木道と池塘。
湿原越しに奥に見える山。中央左に御神楽岳が薄く見える。遠くの山は依然として見えない。
池塘と越後三山方面。手前の荒沢岳は中々険しそう……機会があれば登ってみたい山。
道の様子。手前の黒い尾根が会津駒ヶ岳から会津朝日岳方面に延びる主稜線ですが、歩ける道はありません。
池塘。奥に見えるのは那須連山でその左手前にはやや平坦な七ヶ岳の稜線が左右に伸びる。
一際大きな池塘。こちらも凍結しています。
朝日と池塘。朝日に照らされて磨りガラスのように反射している。
少し進むとだだっ広い所に出ました。中央には大きな池があり、中門大池という名前との事。
中門岳の看板とサファイアブルーの濃い中門大池。ここも薄く氷が張っていて、陽光が反射して宝石のように美しい……中門岳のピーク自体はここから少し先にあります。
中門大池付近の雰囲気。ベンチが設置されていて休憩ポイントとなっています。
池越しに平ヶ岳、そして西に見える山々。
池の地点で折り返す人が多いのか以降はトレースが薄くなりますが、木道があるので流れでそのまま中門岳の山頂へ向かいます。
那須連山とその間に滞留する雲海。右側には荒海山。木道は雪に埋もれがち。
中門岳→駒の小屋
[7:43-8:06]中門岳
中門岳のピークはこの辺りかなーって辺りに到着。看板とかは特にありませんがベンチが設けられています。
ここも例によって平坦で、中央に池塘があります。木道がそれを囲うように敷かれている。
ほぼ360度の展望。だだっ広い湿原となっています……東側の展望は良いですが、西側は木が茂っていてあまりよく見えない。
北側の山々。開けていますが雲が多く遠くの山があまり見えないので、山名入りを作る程でも無いかなーと思ったり。
望遠で。左側に見える浅草岳は壁のように聳え立つ感じが格好いいですね。前回の立山からも見えた、その左奥に見える守門岳は上に雲が蟠っている。
何度か撮っている二岐山、那須連山、七ヶ岳、荒海山方面のお山たち。雲海の中に島のように浮かぶ小さな山が良い感じ。
御神楽岳とかの辺りを望遠で。その右側には飯豊連峰が見えるはずですが、それっぽい稜線はこの日は見えませんでした……。
会津駒ヶ岳は左側の一際高いピーク……結構歩いてきたなという印象。
会津駒ヶ岳の単体とその望遠。なんとなく雲取山の山頂近くとか、それっぽい雰囲気。
陽光に照らされる池塘……いい雰囲気。陽気があって暖かいので昼寝をしたい気分。
凍った水面に反射される陽光。もう少し遅くなると池も雪に埋もれてしまうので初冬ならではの風景ですね。
薄く張った氷の様子。
木々の合間から北アルプス、巻機山、火打山とか。雪倉岳~白馬三山の稜線がそこそこ明瞭に見えますね……巻機山方面の稜線の左に見えるのは唐松岳かな、山の形的にも。
池塘越しの中ノ岳。流石は越後三山最高峰という事で雪の量も段違いに多い。ちなみに写真を拡大するとピークの右側に避難小屋の建物が微かに見える。
会津駒ヶ岳方面に踵を返します。ここまで駒の小屋の付近に居た人を除いて誰ともすれ違いませんでしたが、この付近から滝沢登山口から登ってきた日帰りの登山者の方の姿が増え始める。
同じ道ですが会津駒ヶ岳を目指して歩くのは中々楽しい。同じコースでも二度楽しめるタイプの道。
南側の展望。日が高くなり山の色合いも変わってきました……この時点で至仏山の右側に浅間山が見えている事に気付く。
会津駒ヶ岳の直下に戻ってきました。展望がそこまでよろしくないピークに二度登るのもアレですし、帰路は駒の小屋方面に続くトラバース路を経由して戻ります。
トラバース路は西側の視界が開けてていました。燧ヶ岳を眺めながら進む。
この付近は特に平ヶ岳、越後三山の辺りが綺麗に見えました。中腹に広がる赤みを帯びた紅葉も良い感じです……山の上はすっかり冬ですが下の方はまだまだ秋が残っている様子。
平ヶ岳と越後三山を望遠で。やや遠いながらも、山の形が特徴的な岩菅山や苗場山がはっきりと判別できます。一方、谷川連峰の辺りは標高が低い上に深く入り組んでいていまいち分かりづらい。妙高山、火打山も相変わらず見えます。
越後三山方面を単体で。八海山の最高峰である入道岳っぽい黒いピークが中ノ岳の右の鞍部に見えますね。切り立った荒沢岳も中々良い……好きな山域ですけどキツいので登るのは覚悟が必要な、そんなお山たち。
越後駒ヶ岳の右下の湖は奥只見湖。見えるのは南端の一部分のみで大部分は周囲の山に隠れています。
『恐怖!すべりすぎる木道』……おどろおどろしいフォントのテロップが飛び出してきそうなフレーズ。必ず転びますとの事でしたが、雪が積もっている上スパイク付けてたのでなんともありませんでした。ズルしてすみません。
小屋の方に近づくとヘリが近辺をうろうろしてました。小屋仕舞いの時期が近いからか荷降ろし的なアレでしょうか。
駒の小屋の手前まで下ってきた所。中門岳までの稜線と比べると雪も少ない。
何やら急に人の姿が増える。どうやら会津駒ヶ岳だけ登って帰る人が多いようです。こんだけ天気良いんだから、展望がそこまででもない会津駒で打ち止めにせず足伸ばせばいいのに……って言いたくなるのは余計なお世話ですね。価値観やモノの考え方は人それぞれですし。
駒の小屋→大津岐峠
[8:59-9:23]
二時間と少し振りに戻ってきた駒の小屋、小屋前の池。気温も高くなり、朝登ってきた時と比べると印象にも若干の変化が。
駒の小屋の様子。食事の提供のない素泊まりオンリーの小屋なので、避難小屋のようにこじんまりした造り。
小屋前にはジュースやビールが並べられていました。ほかTシャツや登山バッジなど一通りのものが売られてます。
小屋前の様子。滝沢コースから登ってきて休憩している人が多い。風も凪いでいて緩い空気。
久々に山バッジ買いました。地味に集めてるんですけど、タイミングが合わなかったりして中々買えない事が多いです。次の日に登った燧ヶ岳も小屋が閉まってて買えなかったですし。
小屋前から眺める池塘と会津駒ヶ岳。良い感じのロケーショの小屋です。実際行く前はこの辺りでテント張れたらなーとか思ってましたが、どう見ても張れるスペース無いし仕方ないね。
大津岐峠、御池方面に向かいます。大津岐峠からキリンテに下る人は多いらしく、分岐までは人通りもそこそこあります。
御池まで続く尾根道。基本開けていて展望が良い道。
燧ヶ岳方面に延々と続く稜線。景色は良いのですが、この日の内にあの裏側にまで行くと考えると足取りも重くなる。
日光連山と日光白根山。男体山と日光白根山の雲がいつの間にか取れてました。
燧ヶ岳を眺めながらの尾根歩き。歩きやすい道ですが小さなアップダウンが断続的にある。
燧ヶ岳と右に至仏山。燧と至仏の間には尾瀬ヶ原が広がってますが流石に見えませんね。
谷合の様子。福島の山中で中央分水嶺という事もあり、海から遠く山深い。
駒の小屋を下り始めて暫くは道上に雪が残っていますが、標高が下がるに従ってそれも減ってきました。
尾根道と谷合。谷が見えるとつい写真撮ってしまう習性がある。
所々紅葉で色付いている尾根。次のポイントである大津岐峠は、峠という割にはピークの近くにあるので鞍部から多少登り返します。
越後三山方面の展望も偶に見える。
平ヶ岳~越後三山の稜線。あと火打山。雪を被っている山は映えますね。
地図上では平坦っぽいのに地味に続くアップダウン。ハシゴがある所もある。
会津駒ヶ岳方面を振り返った所。
すっかり雲の取れた日光白根山とその一帯の山々。
望遠で日光白根山。個人的に敢えて登らず取ってある山の筆頭ですが、そろそろ頃合かなーとか思っていたり。
谷合から見える山。正面奥が今朝方朝日が昇ってきていた高原山。左には那須連山。
頭だけ出ている二岐山を望遠で。手前の平坦な山は七ヶ岳で、山麓にある会津高原たかつえスキー場も見える。
湿地帯もあります。これまでずっと雪の中だったので、ようやく湿原らしい景色に出会えた……そんな気がする。
山と紅葉。正面奥が帝釈山で、左が高原山。
小さいピークを乗り越すと赤茶色に紅葉したエリアが……大津岐峠はそれを登った所にあります。
前の写真から見えた紅葉した所。ここも湿原となっていて小さな池塘があります。
西側の展望も良く、平ヶ岳、越後三山といった山々が。
中ノ岳を望遠で。越後駒ヶ岳は雲で隠れてしまいました。
堂々たる貫禄の平ヶ岳。平ヶ岳見ると以前どうしようもない天気の時に登った事を思い出してしまう。もう一度登りたいですがテントも禁止と明文化されているので、麓からのロング日帰りをまた同じように……と思うと悩みますね。
朽ちた木道の登り坂。
大津岐峠→電発避難小屋→大杉岳→尾瀬御池
[10:34-10:51]大津岐峠
ひと登りした所で大津岐峠に到着。檜枝岐村市街地の上流部に当たるキリンテ方面に下山される方が数人いらっしゃいました……自分はもう少し、というかまだまだ尾根を歩きます。
殆どピーク上なので展望は開けています……心なしか燧ヶ岳が近付いた気がする?
小休止して出発です。雲が少し増えてきたかなって感じですけど、天気が崩れる事はなさそう。
燧ヶ岳を横目に。手前に延びている稜線を進んでいく。その右側の山が御池に下る手前のピークである大杉岳です。
燧ヶ岳を単体で。急峻という事もあってか、会津駒ヶ岳と違い雪は殆ど残っていない様子ですね。
進んでいく。御池方面に下る人はそこまで多くないようで道も若干細くなってきた。
山と紅葉。幻想的で浮き世離れした風景。
雲は少なからず漂っているものの、日光連山や日光白根山の姿はまだ見えます。
大津岐峠を振り返った所。なだらかな稜線歩き。
稜線と青空と程よい塩梅に雲。
燧ヶ岳を見据えて電発避難小屋方面。ここから先は若干起伏が激しくなります。
次のポイントである電発避難小屋は少し下って奥に見えるピークを乗り越えた先。鉄塔の立っている付近にあります。
鉄塔付近を望遠で除いてみると人工衛星みたいな形の避難小屋が見えました……右に見える黒い点々は鳥です。
おなじみ谷合と紅葉。
標高が下がり植物も少し茂ってきたかなという道を歩く。大津岐峠も振り返れば既に遠く。
先程見えたピークへの登り坂。見た目以上に傾斜が急で手を使って登る必要がありました。
登った所からの展望。正午近くなり雲が増えてきましたが那須連山はよく見える。
先程見えた鉄塔……近くで見ると大きい。
[12:03]電発避難小屋
ピークを少し下った所が電発避難小屋。高床式なのは積雪期も使用するからか。近くに電気会社の巡視路があります。
避難小屋周辺の雰囲気。なんというか、秋らしい青空が広がっている。
燧ヶ岳方面へ……次は大杉岳への登り返しです。
越後三山方面を振り返ると先程は越後駒ヶ岳と重なっていた荒沢岳が単体で見えました。ギザギザで見るからに険しそう。
電発避難小屋以降は一転して木々の多い道に……道はしっかりしているので歩きやすいですが。
正面の鬱蒼とした山が大杉岳。そこから御池に下れば燧ヶ岳の麓なのでだいぶ近付いてきた印象がある。
燧ヶ岳と茸。前日は雨だったので結構生えてる。小ぶりで美味しそうだけど食べられるかどうかは謎。
木は多いけど樹林帯とは言えない程度の道。空が広く雰囲気は明るい。
本日何度目だよってくらいの湿原。花の時期だったら毎回写真撮る為に足を止めてただろうから、見晴まで辿り着けなかった自信ある。
[13:15-13:26]大杉岳
展望の利かない樹林帯の中、大きく傾いた標柱を発見。あまりピークっぽさはないですが、ここが大杉岳の山頂らしいです。
一際存在感のあるプレート。手に持ってる錫杖みたいなのは何だ?
御池に下ります。気付けば燧ヶ岳も写真に全容が収まらない程に大きくなってました。日光白根山はまだ見えますが日光連山の方は雲に埋もれたかな。
落ち葉で滑りやすく地味に歩きにくい下り坂。滑りながらさくさく下ると舗装路が見えてきました。
登山口に到着。とりあえず一区切り、会津駒ヶ岳からは下山という事になるのかな。
御池の施設がいろいろ建っている辺りまで国道上を少し歩きます。かなりひょろい道ですがれっきとした国道ですよ。
尾瀬御池→裏燧林道→見晴
[14:11-14:45]尾瀬御池
急に開けた所に出ました……ここが尾瀬の北側の玄関口である尾瀬御池。
御池周辺の雰囲気。奥の宿泊施設である御池ロッジはコロナでお休み。手前のビジターセンター兼土産物屋である山の駅御池が営業している程度。シーズンオフも近いという事で人気は少なく閑散とした雰囲気でした。
下ってきた直後は身体が火照っていたのでジュースとアイスで涼を得る……気温一桁しかないのですぐ身体が冷えて寒くなった。後悔。
既に日も傾き始めた時間帯。この御池でゴールなら良かったのですが、ここではテントが張れないのでこれから4時間歩いて尾瀬ヶ原の見晴に向かいます……しんど。
向かう先である裏燧林道や燧ヶ岳方面の登山道は建物の反対側、駐車場の奥にあります。案内図を見ないと分かりづらい。
入って暫くは遊歩道っぽい道が続く。途中の上田代の辺りまで御池周辺の散策路となっているようです。
すぐに御池田代に出る。田代とは湿地帯を指す一般名詞(元来は山間の水田の意)で、ここから暫く幾つかの田代を横切っていく。
御池田代を振り返る。意外と登りがあり長丁場の日の終盤の疲弊した足には堪える。
何の変哲もない階段ですがこの頃になると流石にしんどい。
姫田代。他と比べると控えめサイズの田代。
姫田代を振り返った所。この辺りも花が見頃の頃に来た方が絶対に楽しい。
[15:31]上田代
こちらは上田代。他と比べると若干ラージサイズ。そんな田代。
少し進んだ先にベンチがありました。薄暗くなってきましたが先はまだ長い……とてももたないので小休止。
夕暮れ時の平ヶ岳。進むに従って方向や目線の高さが変わったからか、少し印象も変わったようなそうでもないような、そんな気がする。
越後三山方面。角度が変わり荒沢岳の稜線が越後駒ヶ岳の右側に出てきた……こちらはだいぶ印象が変わった。
上田代を過ぎた後も幾つか中小規模の田代を越えていく……ちなみに左に見えるのは先程乗り越えてきた大杉岳。
ますます辺りが薄暗くなってきた……右写真はおそらく浅草岳方面かというもの。
暗がり田代。
木道とサルノコシカケ。裏燧林道は御池から尾瀬ヶ原に出る際のメインルートですが、流石にこの時間歩いている人はいないです。上田代の辺りですれ違った人に「今から見晴行くの!?」と驚かれたくらいですし。
16時を過ぎた頃ですが辛うじてまだ空は明るいです。
[16:39-16:44]裏燧橋
渋沢を越える裏燧橋に到着……下流には渋沢大滝があります。頑強な作りですが歩くとそれなりに揺れます。落下防止用のワイヤーは積雪に備えて既に撤去されていたので結構怖い。
17時も目前、日没も過ぎ空の色も暗くなってきました。
[17:23-17:28]三条ノ滝分岐
日本の滝百選に定められている三条ノ滝の分岐。早く着いたら寄ってみようかなとか思ってましたが時間的にまるで余裕が無かった上、そもそも今シーズンは既に鎖が外されて通行不能との事でした。
段吉新道を進み元湯山荘や温泉小屋などの小屋が並ぶエリアに。以降は尾瀬ヶ原の中を歩きますが、こうも真っ暗だと尾瀬に来たって実感が全く湧かないですね。
[18:55]見晴到着
東電小屋の分岐を少し進んだ所で見晴方面に少し明かりが見えたので小屋はまだやってるのかなーと思いきや、いざ着いてみると既にどこも営業終了。幾つかある明かりの灯っている小屋は、小屋仕舞いの為のスタッフが残っているだけという雰囲気でした……そんな中、弥四郎小屋前の弥四郎清水は潤沢に流れていました。通年流れてるのかな。
ようやくテント場に到着。受付のある燧小屋が仕舞っていたので申し込みができず、ほぼ野良テントに。しかし流石は正規のテント場という事でペグがストレスフリーに刺さります……居心地のいいキャンプ場でしたが、もう時間的に遅いので飯食ってさっさと就寝、お疲れ様でした。
しかし、未明の3時から夜の19時まで歩くという途方もなく長い行程……日帰りならともかく、テント装備では一日あたりに歩く距離は最長だったかも。そんな事を考えながら微睡んでいき意識は途切れました。
次回記事『見晴から燧ヶ岳・尾瀬沼周回』に続く。