山とか酒とか

登山やお酒を始めとした趣味全般を雑多に、また個人的に有用だと思った情報を紹介しています。

見晴から燧ヶ岳・尾瀬沼周回(見晴→柴安嵓→俎嵓→尾瀬沼→見晴)

前回記事『会津駒ヶ岳から御池・尾瀬ヶ原』からの続きです。

inuyamashi.hateblo.jp

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二日目のメインは燧ヶ岳の登山。前日泊まった見晴のキャンプ場から見晴新道を経て双耳峰である燧ヶ岳の山頂の柴安嵓、俎嵓に登頂。天気は高曇り気味ながらも前日以上に遠くの山々が見え、飯豊連峰浅間山八ヶ岳、果ては富士山まで見えるという完璧な展望でした。しかし山頂でスマホの電波が入り天気予報を確認した所、翌日以降の天候悪化が判明。至仏山上州武尊山の登山はお流れになる事が確定してしまい落胆&消沈……その後は尾瀬沼を周回し見晴に戻りました。

他の日程を見たい方は以下の記事よりリンクを辿って下さい。コース全体の軌跡もこちらに掲載しています。

【2020年10月】尾瀬方面の登山についての情報と記録 - 山とか酒とか

目次

見晴→見晴新道→柴安嵓(燧ヶ岳)

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[4:54]見晴出発

当初は4時出発の予定でしたが、前日テントを張り終えたのは19:30頃、食事を終えて寝袋に入ったのは21時前と遅く、しかも長時間歩行の疲れが残っていたのでとても起きられずこの日1時間の寝坊……とは言えこの日は荷物の大部分はテントに置いてサブザックでの行動なので挽回は容易でしょうが。

この日は燧ヶ岳登山が目的の一日。テント場から尾瀬沼方面の道を進み見晴新道の分岐に入ります。指導標にあるように山頂までの距離は3.5kmとの事ですが、標高差は1000m近く登りのコースタイムは4時間を越えるという、程々にロングな登り。

f:id:SISIS:20201107001544j:plain少し進んだ所。寝坊したとは言え5時前にテントを後にしたので、辺りはまだ暗澹たる闇の世界……歩き始めは緩めの傾斜ですが、急峻な独立峰なので山頂に近付くにつれて徐々にきつくなってくるタイプの登りです。

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合目表示がありました。この見晴新道、つい数年前まで道が崩壊し不通状態になっていたという事もあって道の状態はあまり期待してなかったのでしたが、思ったよりも整備が進んでいて歩きやすい印象の道でした。

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4合目の頃に辺りが明るくなり始めてヘッドライトは御役御免。以降は地面に雪が現れる事もしばしば。

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6合目……思った以上にいいペースで進める。前日のようにテント担いでいたらこうは行かない。

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これまで鬱蒼とした樹林帯の中で展望は皆無でしたが、ふと振り返ると何やら目立つ山が……燧ヶ岳とは尾瀬ヶ原を挟んで反対側に聳える至仏山です。

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若干道上に雪が増えてきた。歩行に支障が出ない程度の量なので特に気にせず進みます。

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早くも残り0.8kmの地点……時刻は7時を過ぎた辺り。コースタイム4時間強とあったのでもう少し難儀するかなと思ってましたが、この分ならスムーズに登れてしまいそうです。

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振り返ると至仏山、上州武尊山、そしてその間には浅間山も。好天だった前日に引き続き、この日の展望も期待できそうですね。

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燧ヶ岳の登りも大詰め。傾斜が急になり険しい登りになってきました。とは言え難所らしき所は特には無いですが。

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突如周囲の木々が無くなり、燧ヶ岳の最高峰である柴安嵓の山頂が見えてきました。

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ラスト1合の地点にやってきましたが……この付近から展望が開けて、足を止めて写真を撮ったりなんだりで進みも遅くなる。

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文句なしの快晴という感じではありませんが、高曇りで相当遠くの山が見える……箱庭のように小さく収まっている尾瀬ヶ原が視界に入った時は思わず唸った。

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左端に皇海山袈裟丸山から右端の岩菅山までの範囲の展望。赤城山、上州武尊山至仏山谷川連峰の細かいピークが確認できる他、上州武尊山の背後には八ヶ岳蓼科山の稜線。その左には南アルプス白根三山。その更に左の左右に長く延びた奥秩父山塊は右に御座山から金峰山北奥千丈岳甲武信ヶ岳の辺りまで明瞭に見えます。赤城山の右側には200km近く離れている富士山もくっきりと見えますね。

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南アルプス方面の稜線は山頂に登ると少し霞んでしまったので、ここから見た時がベストでした。白根三山の左側には荒川三山と思しき白いピークも見えます。アヤメ平の湿原や赤城山地蔵岳の上に建つ電波塔群もよく見える。

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上州武尊山とその右後ろに見える山。蓼科山から北横岳辺りまで延びる北八ヶ岳の稜線です。

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至仏山の左側に見えた浅間山です。100km近いので結構距離がありますが、最高地点と前掛山のピークがそれぞれ判別できる程度には見えていますね。右側には黒斑山と、以前登った事のある篭ノ登山西篭ノ登山、東篭ノ登山、水ノ塔山の3つのピーク……左側に見える低い山は浅間隠山でしょうか。

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目を引くのはやはり至仏山との間にすっぽりと収まった尾瀬ヶ原。薄い朝霧のようなものが立ち込めていてまだ少し薄暗いですが、無数の池塘、河川に沿って発達している拠水林の存在等を俯瞰できます。

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西側。岩菅山、苗場山北アルプス方面の山々。白馬三山から更に南に続く後立山連峰の稜線も薄く見えますが、流石に判別できる程ではないです。谷川連峰方面は背後の山々より低いながらも鮮明に見え、苗場山の左手前に朝日岳谷川岳一ノ倉岳との間には万太郎山仙ノ倉山のピークも確認できます。左奥に延びているのは白砂山横手山草津白根山方面の稜線。

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前日以上に鮮明に見えた白馬三山を望遠で。白馬岳の右手前の黒い台形の稜線は高妻山と乙妻山です。右端のなだらかな雪山は雪倉岳かなと思ってましたが、肩がある山の形的に朝日岳っぽいかな。となると雪倉岳はその左側のピークでしょう。

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少し登った所から似たようなアングルで。視野が広がり尾瀬ヶ原の手前側や妙高山火打山巻機山等も見えるように。

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見晴の小屋群まで視界に入るようになった尾瀬ヶ原。そして巻機山方面の山並み。巻機山の一等三角点のある割引岳は手前の最高峰と完全に重なってしまうので見えないようです。そこから右側に続く雪の少し付いた稜線は小沢岳下津川山方面の稜線。巻機山の左手前には切り立った形の景鶴山も見えます。

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景色を眺めながら進む。急な坂ですが、事ある毎に足を止めて写真撮影タイムに入ってしまうので疲れないです……今度は平ヶ岳も見えてきましたね。

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南側も開けてきました。日光白根山、日光連山方面の山々。この日は雲が掛かっておらず男体山、女峰山等のピークもよく見えます。

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富士山を最大望遠で。非常に薄い……しかし一際存在感がある日本一の高峰。

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遂に北側の越後三山も見えてきました。平ヶ岳、中ノ岳、越後駒ヶ岳荒沢岳と迫力のある山が並ぶ。中ノ岳の左側には八海山の入道岳八ツ峰のギザギザも見えますね。

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やや広範囲での望遠。前日越後駒ヶ岳と重なっていた荒沢岳が右に大きく移動しており、全体の印象がかなり異なる。右側に見える守門岳も山体が大きく中々かっこいい。中央奥に薄く見える山は弥彦山。そんな海の近くの山が見えるものか……と思いきや意外と100km離れていないという事実。

ちなみに守門岳の更に右側の鞍部越しには新潟市の市街地が微かに見えている。その中で一際高く白い建物がありますが、おそらく高さ140mの万代島ビル

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9合目を過ぎて展望が開けて以降、景色ばかり眺めて牛歩状態となり全然進めない……山頂はすぐそこという所に見えているのに。

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山頂に立つ直前、尾瀬沼が見えてきました。山と湖……最高の展望。

柴安嵓(燧ヶ岳)からの展望

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[7:44-8:45]燧ヶ岳(柴安嵓)
ようやく柴安嵓の山頂に到着。9合目から程近い距離ですが、やけに時間がかかりました。 

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360度のパノラマ。独立峰という事もあり流石の展望。

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少し引いて撮ったもの。山頂はかなり広いですが誰もいない……しかしこんな凄い展望にも関わらず、1時間の滞在中完全に貸切状態でした。前日の会津駒ヶ岳はそれなりに人の気配があったのに。

東~南側に見える山

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まずは南側に見える山々をクローズアップ。右側には日光白根山皇海山、左には日光連山である男体山、太郎山等の山々。眼下には尾瀬沼が広がりその湖畔には長蔵小屋などの建物群も見えますね。

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南側180度くらいに見える山々。日光連山の裏側は関東平野となり以降は高い山はないので、見える山も他の方面と比べると幾分かシンプルです。

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山名入り。秩父北アルプス等、方面によっては他で撮ったものの方が鮮明だったりするので併せてご覧ください。

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日光連山を望遠で。女峰山、小真名子山、太郎山、大真名子山男体山という並び。大真名子山は太郎山の右側に頭だけ出ています……この付近の山と言えば男体山くらいしか登った事ないので、いつか改めて登ってみたい所。まずは女峰山登りたいですね。

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女峰山、太郎山方面を更に望遠したもの。

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男体山を単体&望遠で。均衡が取れた形で、これ程までにない台形って感じの山。

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日光白根山とか皇海山方面の山々。流石は関東最高峰の山という事で一際高く存在感がありますね。

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双耳峰である燧ヶ岳のもう一つのピークである俎嵓を見据える。標高は殆ど変わらないですが、柴安嵓の方が10m高いので山頂扱いされています。

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俎嵓の山頂を望遠で。標柱的なものが立っているのが見えますが……向こう側にも人の姿はありません。寂しい。

南~西側に見える山

f:id:SISIS:20201107001838j:plain上越国境の山や諸々アルプスが聳える西側には多くの山々が見えます。まず至仏山が大きく、その右側には志賀方面の山が細々と……上越国境の朝日岳谷川岳から白砂山方面に複雑に織りなす山並みも細かく見える。そして存在感があるのは平ヶ岳、越後三山の近場で雪を被った連中。

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山名入り。若干粗く特定できなかったものも多少あるので更に望遠したものを次に。

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赤城山から巻機山辺りまでの範囲。このくらい望遠すると北アルプス立山立山谷川連峰の細かいピークの一つ一つも特定できるんじゃないかと思います。奥秩父山塊の稜線も明瞭そのもの。

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山名入り。南アルプス方面は相当薄いので参考程度にご覧下さい。農鳥岳(西農鳥岳)の左側に見えるのは先程も見えた荒川三山かと思いますが、薄いので敢えて記載していません。

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赤城山とその右奥に堂々たる富士山。若干雲が増えつつある。

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赤城山から右側、遠いながらも稜線が鮮明に見える奥秩父山塊の山々。富士山と奥秩父古礼山の中間に小さく見えるピークは唐松尾山でしょうか。では富士山の左に見えるのは雲取山? 推理しているだけで楽しい。

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上州武尊山を単体で。距離が近いという事もあり、剣ヶ峰付近の鋸のように険しい地形もよく見えますね。背後の八ヶ岳は遠くシルエット状になってしまいますが明瞭で、蓼科山から編笠山権現岳辺りまでの殆どの山々を見通せる。

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至仏山の左後ろに見える山。浅間山黒斑山、篭ノ登山、湯ノ丸山など。左の小さなピークは浅間隠山。前回の立山連峰、前々回の谷川連峰でも見えましたが、低いながらも存在感のある山。

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尾瀬ヶ原方面の展望。広大な尾瀬ヶ原ですが、こうして見ると山や樹海の間に至極コンパクトに収まっているように思える。

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至仏山尾瀬ヶ原。望遠すると湿原に張り巡らせた木道もよく見える。

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至仏山の右奥に見える山々。左に至仏山の山頂四阿山志賀高原、谷川、苗場、そして妙高火打方面。この付近が一番入り組んでいて難易度高いです。

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更に望遠、岩菅山から右奥に見える北アルプス後立山連峰の稜線をクローズアップしてみました。北アルプスの山々に関してはこの写真が特に判別しやすいかも知れません。

よく見てみると立山の奥の立山連峰……五竜岳と近く判別しづらい剱岳はともかく、真っ白な立山は存在感ある。白馬岳手前の高妻山&乙妻山も明瞭。

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苗場山妙高山火打山……苗場はどこから見ても分かる山の形ですね。苗場の左後ろに双耳峰のように立っているピークがありますが、その右側のピークが五竜岳で、左のものが一つ谷を挟んだ奥の剱岳です。

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なだらかな形の巻機山から右側に続く尾根。登山道の整備は無くネームバリューは乏しいながらも、小沢岳、下津川山、本谷山などの存在感のあるピークが続く。左下の露出した岩のピークは尾瀬ヶ原に面した景鶴山

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平ヶ岳から越後三山、荒沢岳方面に延びている山々。苗場山程ではないにせよ、だだっ広い山頂の平ヶ岳……前日と比べると雪の量が減った気がする。溶けたのかな。

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平ヶ岳の山頂を望遠で。日帰りでしか登れない山とするには少々勿体無い気がする。

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越後三山荒沢岳のみに絞って撮ってみたもの。こうしてみると中ノ岳手前にある主稜上の兎岳から支尾根となって荒沢岳方面まで延びる稜線は相当長く見える。ちなみに中ノ岳の山頂のすぐ右にはかつて宿泊した中ノ岳避難小屋の建物も見えてます。八海山八ツ峰の岩場も多少見えてますね。

北側に見える山

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最後は北側、前日歩いた会津駒ヶ岳方面の稜線を見据えてみる。急峻ではありませんがどっしりとした重量感のある山体に思える……こちらの方角も山々が非常に複雑に入り組んでますが、知らない山が多いのでいまいちピンと来なかったり。

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望遠で見える山々。雪を被った飯豊連峰を筆頭に、吾妻連峰那須連山と横に長い稜線が幾つか見えます。守門岳、浅草岳も中々いい形。

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山名入り。飯豊連峰もただうっすらと見えるだけではなく、杁差岳から飯豊本山に至るまでの主要なピークが粗方判別できる程度には鮮明に見えている。磐梯山吾妻連峰東吾妻山の手前に三角形の山の形が。中でも最も遠くに見える山は蔵王連峰で、最高峰の熊野岳から地蔵岳、刈田岳と緩い稜線が左右に延びている山の形は写真の稜線と合致しています。

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会津駒ヶ岳の稜線とその奥に見える稜線。福島、山形との県境にある飯森山との事。初耳のお山でしたが山頂に一等三角点があるらしい。

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弥彦山方面を撮ったもの。少し右側に見えるのは角田山。米どころの越後平野が手前の山との間に左右に細く延びています。

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奥只見湖の奥に見えるのは守門岳8月に登った立山からも見えましたが、一際目立つ山ですね。

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守門岳より右側、浅草岳から御神楽岳方面の展望。雲海が広がっているのは田子倉湖の方でしょうか。御神楽岳の左奥に高く聳えている二王子岳も相当に気になる。

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飯豊連峰から会津駒ヶ岳の山頂方面の望遠。飯豊との間には名も知らぬ小さな山が雲海に浮かぶ島のようにぽつぽつと。

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飯豊連峰を単体で。くっきり見えますが100km離れています。朝日に照らされる白銀の稜線が美しい。6年前に伯父と登ったのが懐かしい……確か、今使っている赤いザックに新調したのと同時に登った山だったように思う。今やザックも自身の身体も色褪せ草臥れつつありますが、思い入れある山なので機会があればまた登りたいですね。

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蔵王連峰吾妻連峰安達太良山方面の望遠。ここまで望遠すると遠くに見える蔵王も多少は鮮明になり右側に屏風岳方面へ延びる稜線が続いている事が分かります。吾妻連峰の手前の磐梯山安達太良山の山頂に当たる乳首山もそこそこ分かりやすいですね。

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安達太良山の右に見えるのは那須連山です。そんなに大きくはない山域だと勝手に思っていましたが、意外にも吾妻連峰と同じくらいに横に長く見える。

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那須連山の望遠。こちらは近いという事もあって山肌の色とかもなんとなく見える。三本槍岳から左に落ち込んでいるのが大峠で、その左側の三倉山の稜線に続いています。

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俎嵓の奥に見える七ヶ岳高原山。高原山に関してはあまり馴染みがない山でしたが、今回眺めていて俄然興味が湧いてきました。そこまでキツい山でもないみたいだし残雪期の足慣らしにでも行ってみようかな。

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燧ヶ岳の山頂標識……展望も一周した所で下山します。結局誰一人と登ってきませんでしたね。

柴安嵓→俎嵓

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俎嵓を見据えて下っていきます。結構登り返しがきつそうに見えますが、山頂間の所要時間は20分程度との事。実際見た目程には時間は掛かりませんでした。

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前日の日中に溶けたのが朝凍ったのかな。あまりにも立派な氷柱。

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程なくして鞍部に下りました。上り下りの傾斜自体は大した事ないです。

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少し歩いた所から柴安嵓を振り返る。ここだけ見ると尾根のようにも見える。

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俎嵓への登り。見事に凍結して滑りまくり……とは言えこの区間だけアイゼン付けるのも面倒なので、灌木を掴みながら強引に登っていく。

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[8:57-9:36]俎嵓

短い上りを経て俎嵓に到着。こちら側のピークには社のようなものが建っています。

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360度展望。尾瀬ヶ原柴安嵓の山体に隠れてしまった代わりに尾瀬沼がよく見えるようになりましたね。しかし本当に人がいない……とか思っていたら下山する直前に御池方面から一人登ってきました。

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眼下に尾瀬沼。隅から隅まで見えます。奥には日光連山日光白根山等の高峰が壁のように聳える。

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尾瀬沼日光白根山。足元に雪が少し残っていますが量は少ない。

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湖左側の長蔵小屋尾瀬沼ビジターセンター等が立ち並ぶ一角と、右側の沼尻の付近。どちらも湿原となっている。

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尾瀬沼と山頂の社。吹雪いたのか雪が少しへばりついていました。

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北方面の展望のパノラマ。一応繋げてみましたが、見える山は柴安嵓からのものと大差ないです。変化は少し雲が上がってきたという程度かな。

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平ヶ岳、越後三山、奥只見湖、守門岳、浅草岳方面に絞ってみたもの。

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平ヶ岳柴安嵓の山肌……僅かに雪が付着していますね。

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奥只見湖守門岳、浅草岳。浅草岳の左奥に見えている山は粟ヶ岳

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会津駒ヶ岳方面の展望。燧ケ岳から延々と尾根続きになっているようにも見えなくもない。

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檜枝岐川の谷合の様子。下に見える湿原は熊沢田代の側にある東田代。檜枝岐村の市街地は見えませんが、市街地より上流にあるミニ尾瀬公園の大きな駐車場が見える。

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こちらの谷合は只見川、奥只見湖方面。右の拡大した辺りはおそらく小沢平の分岐付近だと思います……紅葉が美しい。

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飯豊連峰を望遠で撮ったもの。柴安嵓で撮った時から少し雲が移動したのか、左の二王子岳まで稜線が続いているのが見えるようになりました。

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蔵王吾妻連峰那須連山とかのお山たち。

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雲に飲まれつつある高原山

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柴安嵓の山体によって少々見辛くなってしまった尾瀬ヶ原。これはこれで変化があって良いものです。至仏山も見えますし。

さて明日はその至仏山に登るぞーと意気込んだものの、天気予報を見てみると翌日以降の天気が崩れる事が判明し、結局登れずじまいになってしまいました……消沈。

俎嵓→尾瀬沼ビジターセンター

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とぼとぼ下山します。眼下の尾瀬沼を目指して下っていく。

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尾瀬沼方面の登山道。当初の予定では高速で下山して見晴に戻りテントを回収、その日の内に至仏山の麓に当たる山の鼻まで移動する必要があったのですが、翌日以降の予定がふいになった事でその必要もなくなり……適当に下る。

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空荷での下山は迅速そのもの。早くも8合目です。

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[9:53-10:05]ミノブチ岳
8合目の近くにこんもりとした丘がありました。特に標識とかありませんが、ここがミノブチ岳のピークかなというもの。柴安嵓、御池岳、俎嵓と燧ヶ岳のピークがそれぞれ並んで見えます。

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南側の展望が良いです……尾瀬沼はまだ距離がある様子。

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尾瀬沼を望遠で。周囲に街のようなものは見えず、浮世離れした雰囲気がある。

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長英新道経由で下ります。下り始め、凍結した階段があり少し怖かった……キックステップで氷を砕きながら降りました。

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ふと見えた檜枝岐村の市街地方面。上流域の家並みが少しだけ見えるかなという程度。

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早くも木が茂ってきた。ここから先が長く、4km弱延々と緩い下り坂を歩いていく事になる。

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おそらくマルバダケブキの綿毛……この冬を目前とした季節、花咲かせてる高山植物を見かける事はゼロでした。奥に見える山は女峰山

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尾瀬沼に向かって着実に高度を下げていく。

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途中から樹林帯の道となりました。平坦ですが泥濘が非常に多くて歩きづらい道。

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美味そうな茸。焼き立てのクッキーみたいな色してる。

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小さな茸。鬱蒼とした道なので茸があちこち生えてました。

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[11:33]長英新道分岐

殆ど小走りだったので早々に下山。尾瀬沼の外周の木道に合流しました。

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尾瀬沼の周囲の岸辺には大小の湿原が広がっています。ここもその中の一つ。

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今しがた下ってきた燧ヶ岳を見上げてみる。つい2時間前までその上に立っていたとは思えない程の高度差と距離感。

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湿原から尾瀬沼方面。尾瀬ヶ原とはまた違った雰囲気で好きです。

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尾瀬沼ビジターセンター方面に向かいます。その手前で大江湿原を横断する。

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大江湿原。初夏ともなれば水芭蕉を始め色とりどりの高山植物が見られるのですが、今の時期は稲藁のような色の枯れ草しか生えていません。

尾瀬沼ビジターセンター→三平下→沼尻

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[11:48-12:18]尾瀬沼ビジターセンター

ビジターセンターとか長蔵小屋とかキャンプ場がある一帯に到着……正式な地名は何ていうんでしょうか? 一帯では幾つかの建物の建て替え工事が行われているらしく、頻繁に資材運搬のヘリが発着していました。客が少なくなった今のうちにという事かな。

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長蔵小屋の建物とビジターセンター内部の様子。尾瀬の建物は軒並み閉鎖されていましたが、観光案内所であるビジターセンターのみ開いていました。

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湖畔の方に出てみます。湖越しの燧ヶ岳が良い感じ。

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木々の合間から燧ヶ岳。山自体、湖から程近い所にある。

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元長蔵小屋。かつて使われていた宿泊棟らしいです。シーズン中であればコーヒーが飲めたりするとか。

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再び湖畔へ。季節的な事もあってどこか物寂しい雰囲気がある。

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何かに使われていたのか朽ちた桟橋。昭和の中期頃は貸しボートがあったり遊覧船が運行されたりしていたらしいのですが、現在ではそのどちらも存在しません。

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時間が余ったので尾瀬沼の周回をする事に。翌日至仏山に登るつもりなら早々に戻る必要がありましたが、その心配は無用になりましたので……残念ながら。

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途中の三平下までは散策道的な感じで幅の広い木道が敷かれています。

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時々見える湖面越しの燧ヶ岳。人とすれ違う事も偶にあるものの、殆どがビジターセンター周辺の工事関係者か木道整備の方で観光客の姿は稀でした。

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[12:34-12:40]三平下

一ノ瀬、大清水方面への分岐である三平下に到着。ここも小屋はやっていません。というか先程の尾瀬沼ビジターセンターと御池の山の駅以外、開いている建物はありませんでした。

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湖畔に降りる道があったので下ってみる。曇りがちなので映えませんが一応逆さ燧が見えました。

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逆さ燧。風がそこそこそよいでいて、湖面が揺れて完璧とは言えない。

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もう一枚逆さ燧を撮影。暫くの間、水面で揺らぐ燧ヶ岳をぼーっと眺めていた。

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三平下を出発し沼尻方面へ。こちらも木道中心の道で歩きやすい道には変わりないですが、それまでの区間と比較すると多少ワイルドな感じでした。

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湖畔沿い、燧ヶ岳を眺めながら進んでいく。

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尾瀬沼と燧ヶ岳。山と湖面が近い為か、暫くは湖畔スレスレの道を進んでいく。

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皿伏山、富士見峠方面の登山道の分岐。時間が余りに余ったらこちらに行ってみようかなとか思ってましたが、そこまで余ってないのでスルーして沼尻方面へ。

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湖畔の道を歩く。ぼちぼち木道の改修工事が行われていました。

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湖面越しに沼山峠方面の背の低い山々。

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沼尻手前の小沼湿原に入りました。正面には燧ヶ岳……再び近付いてきた。

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湿原を少し進むと沼尻の分岐点です。沼尻休憩所の建物も見えてきました。

沼尻→白砂峠→見晴

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[13:37-13:56]沼尻平

沼尻平の交差点に到着。長英新道の登山口から尾瀬沼をほぼ一周してきました。標柱には尾瀬ヶ原まで5.0kmの表示。

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沼尻周辺の様子。一帯は沼尻平という名の湿原で広々としています。名前の通り尾瀬沼の尻、下流域に当たる場所で、ここから先は沼尻川という名の川となり流れた湖の水が尾瀬ヶ原へと注いでいます。

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シーズンオフで板で塞がれた沼尻休憩所。シーズン中は自販機なんかも稼働しているらしいですが……閉まっているし特にやる事もないので、足早に尾瀬ヶ原へと戻ります。

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前回尾瀬に来た時も歩いた、尾瀬沼から尾瀬ヶ原にかけての道。途中、白砂田代の湿原を横断する。

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ピークである白砂峠を越えると以降は延々と緩い下りになります……尾瀬沼尾瀬ヶ原を結ぶメインルートなのでそこそこに整備されています。

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道の雰囲気。少し離れた所に流れる沼尻川に沿って歩いていきます。この付近は紅葉もそこそこ。

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燧ヶ岳の山腹から流れ出している沢。尾瀬は水が豊富ですね。

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平坦な樹林帯に出ると、程なくして往路で歩いた見晴新道と合流。更に少し歩いて見晴のキャンプ場の分岐へ。

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[15:29]見晴到着

キャンプ場前の休憩所に到着。この日もテント料金をお納めしに燧小屋に寄ってみましたが、やはり小屋仕舞いしているらしく人の気配がありませんでした。

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我が家に到着。予定では撤収して山の鼻まで移動するつもりでしたが、翌日の至仏山登山がお流れになったのでここで連泊……前日夜には自分以外にもう一張見かけたのでしたが、この時点では跡形もなく消えていました。故に今宵は一人ぼっちです。

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水汲みに来たついでに辺りをうろうろと。桧枝岐小屋の方で従業員らしき人の姿を見かけましたが、それ以外は観光客を含めて誰一人といません。建物が多いだけあって殆どゴーストタウンのような様相。

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しかし静かで人の目も気にせずのんびりできるというのは良いですね。こんなにも空いている尾瀬を満喫できるなんて却って貴重な機会では?

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今朝方燧ヶ岳から見下ろした尾瀬ヶ原に出てみます。そのど真ん中で夕食を……とか企んでみたりしましたが、食事の準備でもたついていたら出発時点で既に日が傾いていました。11月も目前となったこの時期、日が落ちるのは恐ろしく早い。

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尾瀬ヶ原の木道……中央には至仏山。翌日は悪天で登れないというのが嘘と思える程にくっきり見えますが。

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東電小屋方面の分岐の所に手頃なベンチがありました。尾瀬ヶ原のど真ん中というか末端もいい所ですが、日も暮れそうですしこの辺にしておきましょう。

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徐々に山の裏側に隠れていく夕日。寒いので勿論ダウンを着込んでいる。

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夕闇の尾瀬ヶ原至仏山を眺めながら肉焼いてお酒飲んで……至福のひととき。

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食事を終える頃には日も完全に落ちて辺りが暗くなりました。日本酒でほろ酔い、千鳥足でテントに戻ります。

次回記事『尾瀬ヶ原散歩』に続く。

inuyamashi.hateblo.jp