山とか酒とか

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熊野古道中辺路その2(地蔵茶屋跡→小口→小雲取越→熊野本宮大社→七越峰)

前回記事『熊野古道中辺路その1』からの続きです。

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この日の行程です。大雲取越の地蔵茶屋から小雲取越を経て熊野本宮大社へ。更にその旧社地である大斎原から熊野川を渡渉し、大峯奥駈道の最初のピークである七越峰に登った付近で宿泊しました。

他の日程を見たい方は以下の記事よりリンクを辿って下さい。コース全体の軌跡もこちらに掲載しています。

【2019年11月】熊野古道中辺路&大峯奥駈道縦走についての記録 - 山とか酒とか

目次

地蔵茶屋跡→越前峠→小口

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[3:56]地蔵茶屋跡出発

2時ごろ起床。朝食を手早く済ませた後はのんびりコーヒーを飲む。最近はコーヒーに拘っているので、挽いた豆を持ってきて毎朝ドリップコーヒーを淹れてました。豆の品種はモカ・イルガチェフェ。きちんと乾燥剤と脱酸素剤も封入してきたので、使い切る最後の最後までモカの甘い芳香が逃げませんでした……日本酒といい、変な拘りが増える度に荷物も増える。我ながら愚かだね。

 

そんなこんなで優雅なコーヒーブレイクを終え、テントを撤収して出発。地蔵茶屋跡から越前峠までの間は登山道が崩壊しており、迂回路となる林道がえらく遠回りで時間がかかるとの事で、この日は少し早めの出発となりました。

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迂回路の林道と正規ルートとの合流点。正規ルートより40分ほど余分に掛かるとの事でしたが、実際はそこまで時間掛かりませんでした。

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[4:49-4:56]越前峠

ちょっとしんどめの石段地獄を越えた所が越前峠。大雲取越においてはここが最高地点で、以降は小口まで下り一辺倒。まだまだ真っ暗闇です。

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[6:29-6:36]大雲取越登山口(小口側)

小口の集落に下山した所でようやく明るくなってきました。大雲取越の区間は終わり、お次は小雲取越です……と、集落内の道が少し入り組んでいて迷う。

小雲取越の登山口は小口の集落より少し離れた所で、トンネルを越えた先の小和瀬の渡し場跡にあるのですが、場所に気付くまでうろうろと彷徨ってしまう。下調べはちゃんとしておこうね。

小口→桜茶屋跡→百間ぐら

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[7:03-7:11]小雲取越登山口(小口側)

小和瀬の渡し場跡まで移動し、案内に従い小雲取越の登山道に入ります。大雲取越と比べると起伏が少なく楽なコースと聞いていますが……さてどうでしょうか。

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最初のピークである桜峠まで結構がっつりとした登りが待ってました。ここもまた古い石段が続き、遺構のようなものもちらほら。

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全体的に鬱蒼とした森の中を進む大雲取越と違い、こちらは大半が尾根道なので展望の良い所が多いです。ちらほら紅葉を楽しめる所もあります。

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道は歩きやすいのですが、大荷物担いでの石段石畳は結構足に来ます。雰囲気は良いんですけどね。

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[8:07-8:16]桜茶屋跡

登山口から1時間ほど登った所の桜茶屋跡は休憩地となっています。展望もそこそこで小休止には丁度良い場所。

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桜茶屋跡からの展望。見える山は、熊野川の対岸にある子ノ泊山との事です。

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桜峠、そして桜茶屋跡と同様に東屋のある石堂茶屋跡。桜峠を越えると登り一辺倒ではなく、緩いアップダウンの続くなだらかな尾根道となります。

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よく整備された道を歩いていく……しかし、すれ違う人はやはり外国人の方ばかり。巨大ザックが目立っていたのか頻りに突っ込まれる。so heabyと返すと愉快そうに笑ってた。

百間ぐら→請川→本宮

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[9:38-9:56]百間ぐら

小雲取越のハイライトである百間ぐらです。ペースもそこそこなので、ここで大休止としました。

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西側に少々突き出た所にあり、展望が広がっています。右側から伸びるのは和歌山県奈良県に跨る果無山脈、備崎の丁度先に見えるのが冷水山か……殆ど来た事のない山域なので、他はさっぱり分かりませんね。ただ、どこまでも山が続く山深い場所という事だけは理解できます。盆地とか全く無いですし。

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百間ぐらを越えると後は麓まで延々と下り坂です。緩い坂ですのでさっさと降りてしまいましょう。

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下山中、リンドウらしき花の群生を見かける。アサマリンドウ(朝熊龍胆)というらしいです。

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[11:19-11:32]小雲取越登山口(請川側)

本日二度目の下山。熊野古道歩きはこれでおしまいです。以降の大峯奥駈道縦走に向けての良いウォーミングアップになりました。

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さて、奥駈道のスタート地点は本宮なので、下山した請川の集落からそこまで移動します。意外に距離があり徒歩では1時間程かかる

歩いているとバス停が誘惑してくるけど振り切って歩く。変な所で楽をしてしまうと後々疲れそうだから。

熊野本宮観光(熊野本宮大社、大斎原など)

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本宮のメインストリートに入りました。電柱地中化されているからか、妙にだだっ広い雰囲気。古地図を見た限りでは、この辺りは昭和に入ってから国道沿いに形成された新しい市街地みたいです。

飲食店や土産物屋。中にはベーカリーなんかもあって唆られましたが、何故かスルー……アルファ米にも早々に飽きてしまい、歩いている最中にもパンの事を思い浮かべてしまった後々の事を考えると、ここで幾つか買っておけば良かったなぁ。

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[12:23-13:36]熊野本宮大社~大斎原

本宮大社の入口に到着。この日はどこかしらで水を調達しなくてはならないのですが……手水場はどこだろうと地図を見ると境内の手前。目の前の長い階段の上でした。

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ここの手水場でお水を頂きました。水筒4本+ポリタン+プラティパスを引っ張り出してひたすら注いでいると、周囲から何やってんだこいつ的な視線を浴びる。結構じろじろと。まあ異様ですよね。

事後承諾になってしまいましたが、一応神社の方にも許可頂きました。水くれって訊いてあげないよって言う神社は中々無いと思いますが、最低限のマナーとして一応ね。そういうのは大事。

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有名な話ですが、ここ熊野本宮大社、明治期の洪水で流される以前は写真の絵図のように熊野川の中洲にありました。その旧社地が大鳥居だとかパワースポットだとかで有名な大斎原です。

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境内の様子。上四社の社殿が並ぶ神門より先は撮影禁止なので、他の皆さんは挙って門の外側から覗き込むように撮影していました。それなら許されるという線引きは謎ですが、自分もそれに倣って一枚撮ってみる。

神門を潜ってみると、神社で挙式した方々が集合写真を撮っていました……撮影禁止では? と、なんとなく釈然としない思いに駆られるが、周囲を見てみると他の人も割と自由に撮っている感じ。咎める様子も無し。

堪り兼ねて「ここって撮影禁止じゃないんですか?」と関係者と思しき方に訊ねてみると、スナップであれば数枚程度ならいいですよとの返答をいただく。

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とまあ許可を得たので撮影しました……よく分かんないルールですが一応則っておきましょう。おかげで重文指定されている社殿の写真に収める事ができました。

社殿は江戸期のものが残っています。熊野本宮大社は先述の通り明治期に洪水で流されてしまったのですが、この上四社の内、写真に写っている手前三棟は流出を免れ、現在地に遷座する際に移築されたとの事です。

この左から三番目、先程神門越しに見えた社が大峯奥駈道におけるスタート地点、第1靡本宮証誠殿です。ここから吉野の六田にある柳の渡しまで75もの靡(なびき)という行場が続きます……その靡や大峯奥駈道についての何とやらはこちらに書き纏めてありますので、興味があればご一読下さい。

ちなみに前日行った熊野速玉大社は第3靡新宮新誠殿熊野那智大社第2靡那智山と奥駈道の靡に含まれてたりします。特にコンプリートしたいって訳でもないので、たまたまですが。

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境内をうろうろした後、御朱印も頂きました。

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旧社地である大斎原へと移動。ここも内部は無断撮影禁止みたいです。故にさっきみたく許可を得ようと思ったものの、神社の人の姿が見当たらない……とは言えわざわざ電話してまで許可取るのも仰々しいと思ったので、結局撮らずじまい。

ただ、こちらの方は流石に厳かな空気を感じました。パワースポット、入るだけで霊験あらたかな感じ。気の所為かもしれませんけどね。

本宮→熊野川渡渉→七越峰

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[13:55-14:21]熊野川渡渉

束の間の観光モードを終えてこれより先、長い長い長い長い大峯奥駈道を辿り始める訳ですが、その為にはまずは対岸に渡る……つまり、目の前の熊野川を渡る必要があります。

水量が多いと写真右奥に見える備崎橋の方まで迂回しなくてはならないのですが、ここ数日は晴れ続きなので水量も少なく容易に渡れそうな感じです。

さて、どこに渡って、どこから登ればいいのでしょうか。

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河原をうろうろしていると、森の切れ目の辺りに何やらそれっぽい階段を発見する。おそらくあそこが七越峰への登山道だろうと当たりを付けて渡渉を敢行。サンダル装備して登山靴はザックに固く括り付けて躊躇なく川に突っ込む。

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うおおおおおおおおおおおおお、と勢いで川を渡ったのは良いですが、その直後の砂利の急斜面を登るのに妙に苦戦して足が泥だらけに。なんか爪の辺りも出血。加えて渡渉場所のチョイスも雑だった為か川面は膝上までに迫り、ズボンの裾もちょっと濡らしちゃいました……これで、ずっこけて全身ずぶ濡れになったら悲惨でしたね。半べそかきながら帰宅していたかと思います。

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川を渡った先の急階段を登った所に大峯奥駈道の道標が立っていました。正規ルートに合流できたようでひとまず安堵……しかしそこから始まるのは、これまでの生ぬるい熊野古道歩きとは違った急登らしい急登。区間こそ短いものの、水が満載され重みを増したザックでは休み休みとならざるを得ない。

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七越峰は殆ど山頂付近まで車で来る事ができるようで、途中から舗装路が登山道に沿っていました。

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きつーい登り。奥駈道の洗礼を浴びせられて早くも青息吐息。

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[15:12-15:38]七越峰

最初のピークである七越峰の山頂に到着しました。苦労して登った割には展望はいまいち。
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山頂から少し下った所にかなり大きな広場があります。広々としている上にトイレなどもあるので、テントを張っても快適そうです。けど、少し進んだ先に展望台があるというので、そちらの方に行ってみましょうか。

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[15:53]七越峰展望台到着

広場から意外と距離がありましたが、中々の展望です。先程までいた本宮の市街地や大斎原を見下ろす事ができます……草地ですし、本日の宿はここにしましょう。

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なんか思いっきり傾いてますね。思ったより平坦な地面が少なくテントも欠陥住宅です。タープでしっかり固定したので落ちる事は無いですが、荷物をテント内に置くとゴロゴロ転がってくるくらいに傾斜があります。身体も横になるとゴロゴロ転がります。まあいいか。頑張れば寝れる範囲内。

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そんなこんなで傾いたテントから景色を眺めながらの夕食です。ギリギリ15時台に着いたのに、ものの30分で暗くなり始める……本当に日が短い。

この日の夕食は、いつものアルファ米味噌汁定食に加えてランチョンミートをフライパンで焼く。積極的に肉を食べてタンパク質を摂取し、より厳しくなる今後の行程に備えました。傾いたテントも慣れれば大した事なく、リクライニングチェアのようで意外にも寝心地良かったです。

 

次回記事『大峯奥駈道その1』に続く。

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