山とか酒とか

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山とか酒とか

熊野古道中辺路その1(那智駅→大門坂→熊野那智大社→那智高原→地蔵茶屋跡)

前回記事『熊野古道中辺路&大峯奥駈道縦走 登山口までの道程』からの続きです。

inuyamashi.hateblo.jp長い電車旅を経て、ようやく今回の登山開始となる那智駅までやってきました。ここから約9日間歩き詰め。観光気分旅気分から心機一転、登山モードに切り替え気を引き締めました。

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この日の行程です。那智駅から熊野古道中辺路を進み、大雲取越区間の途中にある地蔵茶屋にて宿泊しました。

他の日程を見たい方は以下の記事よりリンクを辿って下さい。コース全体の軌跡もこちらに掲載しています。

【2019年11月】熊野古道中辺路&大峯奥駈道縦走についての記録 - 山とか酒とか

目次

那智駅→大門坂

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[10:28]那智駅出発

降り立った那智駅の裏側は那智海水浴場の敷地となっています。広々とした公園で草地になっている箇所もあり、中辺路を歩く方はこの付近で幕営する方も少なくないみたいですが、入口にでかでかとキャンプ禁止の文字がありました……まあ多少はね。

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これから始まる長い長い山歩き。せっかくなら海抜ゼロメートルから登ろうと思い、波打ち際まで足を運び海水で靴を濡らしてみる。特に意味の無い儀式ですが、そのくらい踏ん切りを付けないと進めないくらいに今回の登山は第一歩が重いのです。

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駅から那智山方面に出発します。近くの補陀洛山寺にはブラタモリの熊野の回で紹介されていた補陀落渡海に使われた船(渡海船)の模型がありました。最近ではメディアで紹介される事が多く有名になったのか観光客の方もちらほら居ました。

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那智に来るのは三度目ですが、そこそこ頻繁に走っているバスに乗らず駅から歩き始めるなんて無意味な事をするのはこれが初めて。とは言え道中に案内のようなものはちらほらあるので、物好きは自分を含めてそこそこ居るのかも。

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[11:11]尼将軍供養塔通過

中辺路は途中、牧野々の集落で道路沿いから外れ、荷坂越えと呼ばれる古い山道に入ります。ここも熊野古道としてよく整備されていますが、その峠に当たる箇所に尼将軍供養塔という社が建っていました。

尼将軍とは言うまでもなく北条政子の事。熊野三山詣でに来た際に暗殺された我が子の供養に建立したとの事らしいです。

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山道を降りて再び舗装路へ。と言っても幹線道路ではなく並行している細い通りです。古くからの道でしょうか、道に沿って古い寺や神社が並んでいます……こういう静かな道をだらだらと歩くのは割と好き。

大門坂→那智山観光(那智の滝熊野那智大社青岸渡寺など)

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[11:45]大門坂入口通過

熊野古道中辺路の導入部でもありハイライトでもある大門坂の入口にやってきました。前二回はここまでバスでやってきたので楽ちんでしたが……今回は慣れない大荷物を担いでの歩行で既に疲弊気味。

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入口で夫婦杉が迎え入れてくれます。ここもメディアなどでおなじみの風景。日付入りの撮影パネルなんかあったりして観光地ムード。

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石畳のきっちり敷かれた大門坂の風景。手軽に熊野古道らしさを堪能できるスポットでもあり観光客の姿もそこそこ。しかし上の那智山の賑わいに比べると圧倒的に少ないので、そこまで認知度は高くないのかも。いい所なんですけどね。

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ものの30分程度で那智山地区まで上がりました。バスターミナルに背を向けて東を向くと滝が視界が入る。言うまでもなく那智大滝、もとい那智の滝です。

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[12:26-12:37]飛瀧神社那智大滝

熊野古道自体は大門坂からそのまま熊野那智大社方面の参道を登るルートなのですが、折角なのでルートを外れて那智の滝見物に行きました。

流石にここはモリモリと観光客がいます。そして、歩いているとすれ違った人にちょくちょく突っ込まれるくらいに、ヘビー級の荷物を担いでる自分の姿は浮いてました……けど「滝登りしにきたのか?」っていう質問は流石に無いと思う。

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那智の滝。滝壺の付近に虹が見えました。三度目ともなると特にサプライズとかはないですが、かと言ってここに来ないと那智に来たって感じがしませんね。

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左が今回貰ったもの、右が五年前に貰ったもの。

一つ残念だったのがこちらの盃。100円を奉納するとこの盃が貰えて、これを使って那智の滝の延命水(滝壺の水)が飲めるのですが、その盃が素焼きのしょぼいものに変更されていた事……意外と醤油皿とかで使えて、勝手が良いから重宝してたのに。

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那智の滝から青岸渡寺熊野那智大社方面へと向かいます。ショートカットルート(石段)があるので、参道まで戻らずこちらを経由していきます。

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観光客に混じりながら、半分観光気分で青岸渡寺の山門にやってきました。

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[12:56-13:16]熊野那智大社青岸渡寺

半年くらい前までに那智大社の拝殿の工事、青岸渡寺の杮葺き屋根の葺き替えなどをしていたという事でした。訪問時点ではどちらも終えていてベストなタイミング……ひとまず、道中の無事を祈っておく。

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三重塔&那智の滝青岸渡寺の境内からポストカードとかでおなじみのアングルの写真です。けどあの三重塔、鉄筋コンクリート造りなんですよね。

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さて、一方で大門坂の方から続いていた熊野古道青岸渡寺の脇から更に先へと伸びています……ここから先はまったくの未踏エリア。観光地からも外れてひっそりと静まり返っており、どこか足を踏み入れづらい雰囲気がある。

那智山那智高原→舟見茶屋跡

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那智山から先も大門坂と同様に石段が続いていますが、こちらは時折外国人観光客とすれ違う程度で圧倒的に静かです……急に人気のない所に来ると逆に心細さを感じる。

そんな道を30~40分歩くと開けた場所に出ました。

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[13:46-14:10]那智高原公園

尾根上にある広々とした公園で遊具施設などもありますが、あんまり人が来ないのか草ぼうぼうで施設もサビサビでした。

地蔵茶屋で水が確保できなかった場合の事を考え、水場を探してうろうろ……トイレの水道を見るとこの水は飲めませんの注意書き。脇にあった蛇口を捻っても出てこない。早々に諦める。

ここから先は沢沿いなので最悪沢の水を汲めばいいかと思い、見切りをつけて出発。

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公園から林道を北側に進むと大雲取越登山道との看板がある入口があります。ここから先、外国人の方とちらほら出くわしますが、日本人は殆ど全くと言っていい程にその姿を見かけない。まさに、こないだ行った中山道の鳥居峠と同じ状況。

イカーや観光バスを駆使したドアツードアな観光スタイルも楽でいいけど、日本人もたまには自分の足を使って楽しもうぜ

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これまで同様に急な登りの石段が続く箇所もありますが、尾根筋に入ったので傾斜の緩い所があったりなかったり。途中茶屋跡などがあった事を示す説明板がちらほら設置されている。昔はさぞかし賑わったんだろうなぁ、とイメージしながら先に進みます。

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大雲取越の雰囲気。所々で朽ちた石段がありますが、これも江戸以前に整備されてそのままのもの紀伊半島は日本でも有数の多雨地帯で、山道のようなものを整備してもすぐに流されてしまうので、こうした石段や石畳が整備されたんだとか。

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[15:20-15:31]舟見茶屋跡

舟見茶屋跡にはちょっとした展望スペースがあります。寄ってみましょう。

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舟見茶屋跡からの展望。先程の那智高原公園の開けた辺りが見える他、リゾートホテル立ち並ぶ紀伊勝浦の街並みもよく見えます。

右の写真の海沿い、湾の左側に木々が見えますが、その更に左側の辺りがスタートの那智駅付近です。まだ半日程度しか歩いてませんが、もう既に相当な距離感。

舟見茶屋跡→地蔵茶屋跡

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展望を堪能したら先に進みます。何度か林道と交差しややこしい所はありますが、案内等はしっかりしている。

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道の様子。よく整備された道であるものの、標高が高まるにつれて次第に山深い雰囲気になっていく。

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途中から再び林道に合流し、林道上を暫く歩きます。台風などの災害でぽつぽつ寸断されており、迂回が必要な箇所も多いです。

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[16:40]地蔵茶屋跡到着

本日宿泊予定の地蔵茶屋跡です。立派な小屋が建っている他、東屋、トイレの棟も建っていました。しかしトイレはここも飲用不可の文字。

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小屋の横に蛇口があるので、捻ってみると澄んだ水が流れ出しました。どうやら水道が通っているようです。ここには特に注意書きはありません。よって、飲用不可ではないという事は飲用可能であるという極めて頭の悪い論理を翳し、水筒にたっぷり汲ませて頂きました。

加えて、近くには自販機もある上に価格も下界並みに安い(500mlのペットボトルが140円)等、何かと至れり尽くせりな環境です。

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そんな環境のいい地蔵茶屋でこの日は宿泊です。フラットな地面は多くベンチも設置されており、近くの池で鯉が泳いでいたりと絶好のロケーション。しかしロケーションを堪能する時間は僅かで間もなく日没となる。晩秋登山のこの余裕の無さはなんともね。

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本日の食事です。秋刀魚の蒲焼&アルファ米。お酒二本を飲み比べと、まだまだ余裕ありそうな感じでした。

次回記事『熊野古道中辺路その2』に続く。

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