年越し雲取山その1(奥多摩駅→六ツ石山→鷹ノ巣山→七ツ石山→奥多摩小屋)
Twitter等でも偶に報告させて頂いておりましたが、年末年始初日の出を見に雲取山へ登山に出かけてきました。
ただ、寒かったり単純にしんどかったりで色々過酷だった登山の直後、緩慢な正月の空気に当てられたりで落差が大きかったのか、心身共にその後暫く骨抜きになり記事にできずにいました……が、そろそろまた山に登りたい衝動に駆られてきたので、今になって書き上げたという次第です。
という訳で時期的に少し遅れてしまいましたが、本年もよろしくお願いします。
初日であり大晦日でもあるこの日は青梅線の終点である奥多摩駅を出発、雲取山へ向けて石尾根を辿って行きます。六ッ石山、鷹ノ巣山、そして巻道も存在する日蔭名栗山や高丸山も愚直なまでに尾根伝いに進んでいき、七ツ石山を少し過ぎた辺りで宿泊予定だった雲取山避難小屋の混雑を懸念して野宿。周囲に人気の全く無い寒風吹き荒ぶ尾根上、一人寂しく年を越しました。
他の日程を見たい方は以下の記事よりリンクを辿って下さい。コース全体の軌跡もこちらに掲載しています。
目次
経緯
年越しは毎年、何人かで連れ立って高尾山の薬王院での二年参りに赴くのが恒例化していました。当然今回も例年通りそのつもりだったのですが、今年はコロナの影響で山頂に立ち入れなかったり、電車の終夜運転が中止になったりと色々と悪い要因も重なりお流れに。
とはいえ家でゆっくりテレビでも見ながらっていう性分でも無いので、今年はどうしようかなと年越しの数日前に思いつき、急遽実行に移したのが今回の初日の出登山。当初は陣馬山辺りのもう少しライト目な山を予定していたのですが、山で年を越すなら寝袋を始めとした装備は必須ですし、それならもう少し登りごたえがあって尚且積雪の心配の無さそうな所を……と、ここ数年足が遠のいていた雲取山を選択。
行き先を決めたらその次はコースの吟味。初日の出を見るならば前日の大晦日から山に入っていないといけないのは規定事項ですが、昼頃に鴨沢から登ってというのも面白くない。一方、二日行程であれば奥多摩駅から通しで歩くのも余裕だろうと、多少きつめの石尾根縦走コースを選択しました。
奥多摩駅から石尾根を歩いて雲取山に登る挑戦はこれまで何度か経験があります。ただ結局、日が昇っているうちに到達するのは自分の脚力では難しいと判断して、最終的にはナイトハイクを交えた飛竜山までのロング日帰り登山において達成しました。
この時も12月、そして7年前に初めて雲取山に登った時も12月……特に意識はしていないのですが、個人的に12月は何かと雲取山と縁がある月のような気がします。
奥多摩駅→三ノ木戸山
青梅線に揺られて奥多摩駅に向かいます。普段は持っていかない三脚があったり、年末年始用の食材が詰め込まれていたりで一泊の癖して並々ならぬ重さ……既に水場も凍結しているとの事で二日分、主に料理用の水が満載だったのも大きい。
しかし、今シーズンは日帰り登山に切り替えこいつを担ぐつもりは当分無かったんですが……まさか年内に再び出番がやってくるとは。
途中の二俣尾駅にて列車交換。対向車のライトに照らされたレールが白く光る。
[6:15]奥多摩駅出発
スタート地点となる奥多摩駅です。先月大岳山からここに降りてきた時は数年ぶりに来たなーとか言って懐かしがっていたのに、まさか1ヶ月という短いスパンで再訪するとは。
しかし、ここ暫くは未明か日没後かで周囲が暗闇に包まれている時間帯しか来た事が無かったり……駅舎がリニューアルして二階部分にオシャレなカフェが入っていたり、近くにビールの醸造所があったりで駅界隈は色々気になっているので、日の高い頃に一度訪れてみたいですね。
どこから登山道に取り付くんだっけと、未だ眠りの淵にある氷川の市街地を右往左往。迷っている間に空が白み始めた。
何度か歩いた道なので取り付きさえ分かれば後は地図を見ずとも歩けます。途中、羽黒三田神社の参道に入り込み山道に。
羽黒三田神社にて道中安全を祈願して先に進みます。徐々に空は明るくなってきましたが、未だ周囲に陽光は差し込まず薄暗い。
神社を越えた所で再び舗装路に合流し、その地点に農指という小集落があります。そのまま舗装路を道なりに暫く進んだ先に石尾根の取り付きがあり、ここが実質的な登山口。
歩き始めてすぐに両側を斜面に挟まれた尾根上っぽい地形に……まだ標高は1000にも満たない地点ですが、辺りには薄いながらも雪が積もっていました。
木々の合間から見えるのは氷川の集落を挟んだ向かいにある本仁田山かなというもの。
尾根伝いに暫く進んだ所に廃村である絹笠の集落跡に行き着きます。付近には幾つか建物の土台であった石垣が残っていたりと村であった名残は少なからずありますが、現存している建物は小さな神社しかありませんでした。
石尾根の登山道。平凡でよく整備された尾根道といった印象。
木々の合間から谷を挟んだ向こう側の山が見えます。恐らく長沢背稜方面の山々。
雪が再び地面に現れ始めた広尾根部分……緩い斜度ですが重装備故に足取りも重く、日帰り登山の人にはいとも容易く抜かれてしまう。
三ノ木戸山手前の分岐。メインとなるコースはピークを通らず北側を巻いていきます。自分もこれまで巻道しか通った事が無かったのですが、今回は多少時間に余裕があるので尾根筋を通ってみる事に。
三ノ木戸山の登り。目印となるテープはちらほら括り付けられていますが、正式なルートではないので道は若干荒れ気味。
山頂付近の様子。夏場は鬱蒼としてそうですが、この時期はすっかり葉も落ちて明るい雰囲気。
三ノ木戸山→六ッ石山
[8:55]三ノ木戸山
三ノ木戸山に到着。普段の日帰り装備であれば奥多摩駅から2時間弱で登れてしまう所ですが、今回は荷物が重くスタートから2時間半、標準コースタイム通り越してしまいました……手強い。なんかイージーモードからハードモードに切り替えて打ちのめされた時に近い感覚。
殆どの人が迂回してしまうので、あまり人の来なそうな雰囲気の山頂。麓からまだ近い所ですが周囲は静寂に包まれています。
少し進むと六ツ石山方面の視界が開ける所がありました。緩やかなピークが二つ見えますが、右は前衛の狩倉山で左奥に見えるのが六ツ石山。
疎林の尾根道を進んでいくと南側に展望が開けました。奥多摩三山の一つであり存在感のある山体の三頭山と、その奥には雪を被り白くなった富士山が。
望遠で撮ったもの。富士山はこの日は終始よく見えました。
三ノ木戸山手前で分岐したメインルート(巻道)と合流した所。
木々が伐採されている箇所が多いのか、鬱蒼とした山の多い奥多摩近辺にしては展望の良い尾根道です。
林道方面との分岐。最初の取り付きの際に舗装路から山道に入らず歩いてくると、三ノ木戸の集落を越えて尾根上のこの場所に行き当たります。
振り返れば先月登った大岳山。肩が伸びたような山の形が特徴的。
大岳山の右側、東京湾を挟んだ更に奥には房総半島の存在感がある山々が見えました。左側には地獄のぞきで有名な鋸山。中央やや左の双耳峰は富山といい江戸時代の伝奇小説である南総里見八犬伝の舞台となった場所らしい。
緩い傾斜の登りを進んでいきます。この付近でも荷物が重く牛歩のようなペース。
振り返れば先程は大岳山が見えていたのが、角度が変わり今度は御前山が。右奥に見えるのは丹沢の山々です。
六ツ石山への登り、振り返れば再び大岳山。
道の様子。時期的に雪が積もっていてもおかしくないですが、量は少なく木陰やフラットな場所に多少残っている程度でした。
緩い尾根道を歩くと六ツ石山への分岐点。一旦荷物を置いて山頂の往復へ。
六ツ石山→水根山→鷹ノ巣山
[10:02-10:13]六ツ石山
本日最初の主要ピークである六ツ石山に到着。このタイプの妙に頑強そうな山頂標識は大岳山でも見かけましたが、奥多摩町が設置しているのでしょうか。多少の台風ではびくともしなそうですが。
少し下から見上げる形で。広々とした山頂ですが、周囲に木々が多く展望は限られます。
南側の展望。丹沢は辛うじて見えますが富士山は右側、木々と重なっています。
西側の展望はそこそこ開けています。大菩薩嶺の右側には南アルプスも。
南アルプス方面を望遠で。やや雲が多いながらも左側に白根三山が分かりやすい感じで見えてます……左端ギリギリの所に見える白い山は塩見岳かというもの。北岳の右側には鳳凰三山、地蔵岳のオベリスクなんかも見えています。更に右側には厳つい山の形の甲斐駒ケ岳も見えますが、残念な感じに手前の木に遮られてしまっています。
分岐に戻り先に進みます。荷物の重さで予定より進みが遅いので、少しだけ頑張って歩いてみる。
日当たり良好な南斜面に雪は少ない。
途中、尾根道と巻道の分岐があり、尾根道の方は将門馬場、石尾根城山といったピークを経由します。所要時間は大して変わらないようなので尾根を選択。所々で急峻なアップダウンがあったりしますが区間は短い。
尾根道の様子。道筋は薄いですが一応こちらがメインルートらしい。
石尾根城山辺りのピーク登り。この辺は木々が少なく明るい雰囲気。
この付近、いまいち道がよく分からなかったので尾根筋を適当に歩きました。
道の前後の様子。振り返った先に見えるのは川苔山かな。
少し角度を変え、川苔山の左辺りに見えたのは筑波山……大持山に行った時もよく見えましたね。筑波山は天気が悪くて視界ゼロの時に一度登ったきりでその後行っていないので、機を見て登ってみようかな。
[11:38-11:44]水根山
鷹ノ巣山の一つ手前のピークである水根山に到着。周囲は木々が多く、展望は前後の尾根部分と大差ない感じです。
振り返り下界の街並み。雰囲気的には東京ではなく埼玉っぽい。荒川らしき境界線が奥の方に見える。
鷹ノ巣山への登り。次第に展望が開けてきました。
鷹ノ巣山避難小屋方面の巻道や榧ノ木尾根、水根沢林道方面への分岐。石尾根はどこも指導標等の案内が充実している。
歩いていると六ツ石山からも見えた南アルプスの山々が視界に入りました。
望遠で撮ったもの。今度は北岳や鳳凰三山の辺りが木で隠れてしまっている。視野は若干広がり左端には荒川三山の悪沢岳っぽい山も。右の真っ白い山はたぶん仙丈ヶ岳ですがピークは見えない。
横を見れば再び富士山が。鷹ノ巣山手前のこの付近の展望は良いです。
富士山を単体で。煙を吐き出す巨大な煙突のようにも見える。
鷹ノ巣山の山頂は目と鼻の先といった所ですが、景色が良く中々足が進まない。
富士山と大菩薩嶺、南アルプスといった山々。右に見えるのが鷹ノ巣山で、そこから左に日蔭名栗山、高丸山と尾根が続いています……天気が良く、見えるべき山が殆ど全て見える。
振り返り三頭山と丹沢。既に三頭山よりもだいぶ標高が高く、見下ろす形になってます。その背後に左右に延びているのは丹沢山地で、右端の御正体山から中央の西丹沢の辺りに掛けては月初めに登ったばかり。ちなみに三頭山の真後ろには箱根山、その更に右奥には天城山も確認できます。冬は空気がクリアで遠くの山がよく見えるから良いですね寒いけど。
鷹ノ巣山→鷹ノ巣避難小屋→日蔭名栗山
[12:11-12:41]鷹ノ巣山
本日のメインである鷹ノ巣山に到着したのは正午過ぎ……やけに時間がかかってしまいました。
山頂標識周辺。そこそこスペースのある山頂ですが、ベンチ等は設けられていないので適当な岩を見つけて腰掛けるスタイルです。
山頂からは南側の展望が開けています。展望自体は雲取山よりも良いんじゃないかと個人的には思ったり。
平野部と丹沢、富士山など。正午も過ぎたのでやや霞みがちになりましたが、それでもこの時期なので湾岸のビル群や左右に長く伸びる房総半島、若干山がちな三浦半島や海に突き出た形の江ノ島も明瞭。丹沢も大山から蛭ヶ岳等の主稜、西丹沢の方面の稜線が鮮明に見え、その右には箱根山や天城山を挟んで御正体山、杓子山(鹿留山)と連なってます。御正体山と杓子山の奥に見える若干遠くの山は愛鷹山の越前岳と位牌岳。
愛鷹山を単体で。左側の位牌岳の方は登った事あるんですが右側、最高峰の越前岳は未踏です。
富士山とか大菩薩嶺の方面。大菩薩は牛の背のような平坦な稜線が端から端まで見えます。
望遠で繋げたもの。富士山の右手前に見える独立峰のような山は旧五百円札で有名な雁ヶ腹摺山で、その左奥には山頂に電波塔立つ三ツ峠山も見える……ちなみに雁ヶ腹摺山の右奥に山頂だけ見えている山は御坂黒岳。
山の方もそうですが平野の方もいい感じに遠くまで見渡せます。手前の山は中央左に大岳山、右に御前山という並び。
都心方面はビルに埋もれるようにして立つ東京タワーや新宿のビル群もよく見えますが、スカイツリーは死角になってしまって見えませんでした。ちなみに手前の方の横に長い原っぱは横田基地の滑走路。右側には微妙に蛇行している多摩川も見えますね……地図を見るのは好きなので、こういう俯瞰図的な展望も好き。
木々に阻まれてしまい、いまいち見通しの利かない西側の展望。目的地の雲取山は右の写真の左側。中央に見えるのは芋ノ木ドッケで、その左奥の枝と重なった所に見えるのは和名倉山です。
芋ノ木ドッケの右辺りに見えた浅間山。前回の大持山から見た時もそうでしたが、遠くに見えつつもただならぬ存在感がある。
山頂北側にはかつて日原方面から登る稲村岩尾根コースがありましたが、近年の台風により崩壊し通行止めとなっております。石尾根と日原エリアを結ぶ殆ど唯一のコースで、奥多摩三大急登とも称され人気がありました……ここ暫く通行止めのまま放置されてるらしいですが復旧はされるのかな?
通行止めの看板から山頂を振り返った所。寛いでいたら続々と登ってきました。大晦日に登山するなんて余程の山好きくらいしか居ないだろうなとか失礼な事思ってましたが、意外と居るもんですね……自分もその一人に違いないですが。
山頂を後にし雲取山方面に歩き始めた所。西側の展望に関しては山頂より少し進んだ所の方が良好です。雲取山も中央に見据え、その右奥には甲武信ヶ岳(木賊山)が。中央左の飛龍山の右奥には奥秩父山塊最高峰である北奥千丈岳と国師ヶ岳っぽいピークも見えますね。
鷹ノ巣山山頂からは見えなかった南アルプス方面の展望。雲が増えてきて殆ど見えなくなっちゃいましたが鳳凰三山、甲斐駒ケ岳は辛うじて見える。
避難小屋の辺りまでは一転して下り坂。特に急でもない、至って普通の道。
左を向けば富士山。相変わらず噴煙のような形の雲が引っかかっている。
ある程度下るとフラットな道に。少し進んだ所の小屋の近くの林の方にはテントが幾つか……鷹ノ巣山の初日の出組でしょうか。
[12:59]鷹ノ巣山避難小屋
鞍部の巳ノ戸の大クビレに建つ鷹ノ巣山避難小屋。綺麗なログハウス調の雰囲気の小屋ですが、中には入った事ない……除いてみたかったですが、この様子だと宿泊者も居そうですし冷やかしになりそうなのでやめとく。
日蔭名栗山への登り返し。鷹ノ巣山避難小屋から七ツ石山までの区間も尾根道と巻道の二種類あり巻道の方がメインルートで所要時間も短いのですが、今回は時間に余裕があるのでトレーニングがてら尾根道を選択。最初の登り返しである日蔭名栗山のピークは鞍部から標高差200mくらいあるのでそこそこです。
振り返れば大岳山と下界。
横を見れば富士山……日没が近付いてきたのか徐々に太陽が地面に近付いてきた。付近ではヘリがうろうろ旋回中。
日蔭名栗山→高丸山→千本ツツジ→七ツ石山
日蔭名栗山の手前の展望地です。この尾根道、メインルートではない割には展望が良く歩いていて楽しい。
乗り越えてきた鷹ノ巣山。大きく窪んでいるその間に先程通過した避難小屋があります。
鷹ノ巣山と都心方面の展望。鷹ノ巣山の肩の辺りにスカイツリーが見えますね。
山と山の間にすっぽり嵌め込まれたかのような奥多摩湖が見えました。手前の赤い橋は小河内神社近くの峰谷橋。
丹沢と富士山、手前には三頭山。ベンチらしきものもあり、気候のいい時期であれば昼寝でもしたくなる雰囲気。
[13:47]日蔭名栗山
こちらが日蔭名栗山の山頂で、小さな山頂札が近くの木にぶら下がっています。山頂から先は西側の方に展望が開けている。
先程は木賊山しか見えなかった甲武信ヶ岳が全容が明らかになり甲武信ヶ岳本峰、三宝山のピークも見えるように。
雰囲気の良い稜線歩きです。巻道の方は延々と樹林帯の中、視界の無いトラバース路で気が滅入るので、展望の良い尾根道を選択したのは正解。アップダウンがあって多少しんどいですが。
やや日が傾いてきたなという雰囲気の尾根道。木の影も次第に伸びてきた。
次は高丸山の登り返し。日蔭名栗山と比べると登りそのものは短いですが、傾斜は若干急。
[14:12]高丸山
短い急登を終えて高丸山。展望はそこまででもないです。
昼下がりの尾根歩き。
千本ツツジのピークへの登り返し。六ツ石山の辺りに比べると標高はずっと上ですが、雪が殆ど残っていないですね。
登り返しの途中からの展望。左に先程登った高丸山が見え、その右の肩が伸びた形の山が日蔭名栗山。鷹ノ巣山はその真裏で見えません。
[14:39-14:46]千本ツツジ
赤指尾根の分岐である千本ツツジの小ピークに到着。展望はそこそこですが広場にのような広々とした雰囲気の山頂。
千本ツツジ付近からの展望。この付近から見る富士山は大菩薩嶺とセットになりがち。
少し先に進むと七ツ石小屋方面への分岐にぶつかる。これまでも道は良かったのですが、鴨沢からのメインルートと合流した事で以降は一層ハイキングコース的な雰囲気の道に。
七ツ石山への登り返し。傾斜はゆるゆる。
山頂手前にある七ツ石神社。前回来た時には朽ちて倒壊寸前の古い社殿が残っていましたが、それらは撤去され新しくこじんまりとしたものが設置されていました。
鐘は旧来からのものでしょう、青銅の年季が入ったものです。
七ツ石山→宿泊地
[15:17-15:34]七ツ石山
七ツ石山に到着。鴨沢からのスタートであれば三時間程度で登れてしまうこの山も、石尾根から歩き始めれば中々の道程に。
山頂の雰囲気。雲取山の前菜的な感じで登られる事が多い山ですが、展望もそこそこ良く単体で登るのも有りだと思います。
天気は良いですが既に夕刻近く陰がち。
これから向かう雲取山方面を臨む……中央右のピークが雲取山。遠くに見えますがここから標準コースタイム二時間程度。大した登りもありません。
北東側の展望は殆ど無いですが、木の枝の合間から筑波山が見える一角があります。手前の稜線は長沢背稜の蕎麦粒山とかの辺り。
雲取山方面へ進みます。鞍部のブナ坂までは一旦下りますが区間は短い。
ブナ坂の分岐。七ツ石小屋方面のトラバース路が分岐しています。日原方面に下る唐松谷林道の分岐もありますがこちらも通行止め。
左手に富士山。時は既に夕刻、その表情も少し変わった気がする。
望遠したもの。例年であれば初日の出登山する人が少なからず居るみたいですが、今年は流石に居ないでしょうね。入山禁止だし。
山頂の避難小屋で泊まると思しき人を抜き去る……ここに来るまで何人かと話しましたが、避難小屋泊の人は最低10組くらいは居そうな感じ。一応あぶれた時用にテントは持参できましたが、あの平地が少ない山頂で張れるだろうかとここに来て不安に。
七ツ石山から雲取山までの区間は開放感のある尾根道が続きます。
広々とした五十人平に到着。
五十人平のヘリポート。かつては側に奥多摩小屋があり、この付近は正式なキャンプ場として利用できました。
雲取山の山頂までは1時間程度。日は既に沈みつつも、真っ暗闇になるまでは少し余裕がありますが……。
沈む夕日。予想よりも小屋が混雑してそうなので、この辺で適当に野宿する事に……コロナの問題もあるのでソーシャルディスタンス的なアレで。
よって今回は正規のテント場ではなく指定地外のビバークなのでテントの写真は載せません。
本年ラスト富士山。また来年もよろしくな。
本年ラスト展望。薄暗くなってきた。
テントを設営して夕食。大晦日という事で定番のアルファ米定食は封印し、年越し蕎麦を頂く。蕎麦は蕎麦でもお湯を注ぐだけのインスタントは味気ないので冷凍……この日は丸一日氷点下だったのか、冷凍庫から出した時同様に凍りついたままでした。
冬登山に際して一度やってみたかった燗酒。これが中々良くて疲弊した身体にするすると入っていく……あまりに進んで酒の消費が速すぎるので荷物に余裕のある一泊以外では封印、禁じ手ですね。
恒例のウインナー焼きと年越し蕎麦。何が足りないと思ったら七味……。
次回記事『年越し雲取山その2』に続く。