山とか酒とか

登山やお酒を始めとした趣味全般を雑多に、また個人的に有用だと思った情報を紹介しています。

年越し雲取山その2(奥多摩小屋→雲取山→霧藻ヶ峰→三峯神社)

前回記事『年越し雲取山その1』からの続きです。

inuyamashi.hateblo.jp

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奥多摩の山中で一人寂しく年を越し2021年元旦。起床後、気分だけでも正月をと持参していた具材を使い雑煮餡子餅等の正月料理を作ったりして大いに楽しむ。その後は当初の目的である雲取山から臨む初日の出の時刻に合わせて出発。山頂は恐ろしい寒さだったものの、この日は天候に恵まれ無事に初日の出を拝む事ができました。その後はアップダウンの激しい三峯神社方面に下山。下山後は乗車予定のバスが運休していたりと些細なアクシデントはありましたが、温泉で初湯を満喫したりしながらのんびり帰宅しました。

他の日程を見たい方は以下の記事よりリンクを辿って下さい。コース全体の軌跡もこちらに掲載しています。

【2020年12月】雲取山登山についての情報と記録

目次

宿泊地→雲取山

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いよいよ年を跨くという頃に一旦起床。例年年越しに登る高尾山であれば、周囲の人達が口々にカウントダウンを始めたり、年を越したら明けましておめでとうを言い合ったり……とか。そんな賑やかな空気の中に居るのが当たり前だったのですが、今年は耳に入る音と言えばテントに吹き付ける風の音くらいなものと、至極孤独な年越しとなりました。

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こんなに寂しい正月を送った事は未だかつて無かったので、特に意味もなくテントの外に出てみたりする。明けましておめでとうを言える人の姿は見当たりませんが、辺りは妙に明るい。見上げてみると満月に近い月が煌々と輝いていました。

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二度寝して2時頃に再び起床し朝食の準備を始めます。元旦といえばおせちですが流石に無理なので、せめて気分だけでもとお餅を幾つか。そして雑煮の具材やあんこなど、前日の蕎麦と併せてザックが重量級となってしまった要因。

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こちらは雑煮。軽く餅を炙った後、持参してきた葉物、根菜、肉等と共に鍋の素で煮込む。こちらは上手に出来ました……が、分量が2人前なので量が多く完食に一苦労。

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しかし焼き餅の方は盛大に失敗。テント内の室温がマイナス10℃と低すぎる為か中まで火が通らず、柔らかくなる頃には表面が黒焦げになってしまいました。まあ黒くなった部分を剥がせば普通に食えるレベルだったのが幸い。

しかし山中での朝食なんて普段カップヌードルリフィルくらいしか食べないので、明らかに量が多すぎた。とは言え、苦労して担いできた食材達をゴミにしてしまうのもアレなので意地でも完食しましたが、食休みが必要となる程には苦しかった。

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一人フードファイトを済ませた後、お腹の状態も落ち着いた頃に出発。漆黒の闇の世界の中、ヘッドライトを頼りに歩いているとテントがちらほらと。

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雲取山に向かう途中、小雲取山付近から麓の方を振り返った所。まだまだ辺りは暗いですが東の空が赤みを帯びていました。

雲取山で初日の出

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[6:09-7:42]雲取山

6時過ぎに雲取山の山頂に到着……かなりの賑わいでした。20人くらいでしょうか。雲取山荘や鴨沢方面から登ってくる人も多いとはいえ山頂の避難小屋も結構混雑していた様子なので、急遽テント泊に切り替えたのは結果的には正解だったかも。

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日の出の時刻が近付き次第に白み始めた空。天気に関しては一安心ですが、吹き付ける風は風速10mを越え寒いに尽きる。

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元旦の湾岸エリア。左端に見える光る塔が恐らく東京タワー。

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日の出の時刻を迎え、じわじわと明るさが増してきた東の空。雲が下に滞留しているという事もあり、予定時刻よりは若干遅れました。

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雲間に嵌め込まれたかのような太陽。

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何の変哲もないご来光ですが、これが元旦のものであると意識して見てみると一年の始まりという感じがして少し感慨深い。

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雲の上に半分出た形。来年の年賀状の写真にしようかな。

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そして日の出となった。

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初日の出を眺める人達。

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再び全体の様子。

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日が高くなり、共に初日の出を見ていた人達は続々と下山。人の姿も少なくなり場の空気も緩くなってきた頃、居合わせた人に写真を撮って貰いました。

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前日見えた丹沢、富士山、大菩薩嶺方面。初日の出を無事拝めて満足しちゃって忘れがちですが、天気が良いだけに山頂からの展望も中々でした。

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既に高くなった太陽。露出補正を下げてみたら放射状に伸びる光条が綺麗に写った。

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東側の展望を望遠で撮ったもの。右側手前に見えるのが、前日歩いてきた日蔭名栗山とその左に鷹ノ巣山。右奥に大岳山、御前山という並び。中央右の周囲の山より若干低く見える本仁田山の奥にはスカイツリーが見え、更に左に見える稜線が川苔山、長沢背稜と伸びています。前日も見えましたがその奥には筑波山も見える。

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手袋を外したら十秒で悴んでしまう程の体感温度でしたが、気温自体はマイナス一桁と意外にも大した事無かった。

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明るくなってきた頃、改めて山頂標識と富士山方面の展望を。

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逆光がちになるので太陽を外して望遠で。朝のこの時間帯の富士山はまだ陰影が深く、輪郭がはっきりしているように見える。丹沢も端から端まで見える上に箱根山も見えますが、前日その右奥に見えた天城山は雲に隠れて見えない。

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富士山とその手前に織り成す山々。富士山の左手前に見えるのが雁ヶ腹摺山で、右側が大菩薩連嶺。その間には三ツ峠山のピークも見えます。

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さあ出発という頃、東京湾の海面が陽の光を浴びて輝いていました。

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避難小屋を通り越して少し三峯神社寄りに進んだ所に雲取山の三角点があり、一応こちらが正式な山頂という位置付けです。山頂看板や方位盤が設けられていたりと山頂としての体裁は整っている。

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三角点付近からは西側の展望が広がっていますが若干木が茂っています。左手前に飛龍山が見え、そこから奥秩父山塊の尾根が甲武信ヶ岳北奥千丈岳金峰山方面に延々と奥に伸びています……実際に見えるのはせいぜい甲武信ヶ岳くらいかな。

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望遠したもの。概ね展望は良いですが、前日少し見えた南アルプスは雲に飲み込まれてしまい殆ど判別できない。奥秩父山塊方面も最高峰の北奥千丈岳方面は埋もれがち。

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その北奥千丈岳方面を単体で。この時点で核心部は見えませんが、左側に乾徳山から黒金山に掛けての稜線が見えます。

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山頂標識と富士山のセット。日本百名山を誇張した感じの看板は偶に見かけますが、あまりにも前面に押し出されるとミーハーっぽく映って違和感を覚えてしまったり。

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三角点付近から東側の展望ですが、この付近からでは間に木々が入り込んでしまい石尾根や日の出はいまいちよく見えません……日の出を見たのは右側に見える避難小屋の奥辺り。

雲取山雲取山荘→白岩小屋

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山頂を後にして三峯神社方面に下山します……この付近も何度か歩いた事のある道。元日であるこの日は午後以降予定が入っており、少しだけペースを速める。

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木々の合間から秩父の山々。辺りに苔が多いのがなんとなく奥秩父らしい雰囲気。

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雲取山手前にあるコンパクトなお社。少し手を合わせてみたので、厳密に言えばこれが今年の初詣になるのかな。

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木々の合間から赤屋根の雲取山荘を見下ろす。建物を挟んだ奥に見えるのは芋ノ木ドッケのピーク。

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[7:58-8:25]雲取山

山頂から少し下った所にある雲取山に到着。朝方に餅つき大会をやっていたようで、建物の前には臼と杵が置かれていました。周囲には蒸し米の甘い香りが漂っているものの既に事は済んでしまったようで、その後すぐに片付けられてしまいました。

七ツ石山との間にあった奥多摩小屋が近年閉鎖し、実質的にこの小屋が雲取山周辺で唯一の営業小屋。小屋泊の人も年々減っているという事から、大きくてキャパのあるこの小屋一軒で十分賄えるという感じなのかな。

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小屋前で荷物を少し整理した後、先に進みます。小屋の横の道沿いにテント場があり、初日の出組のテントが多少残っていました。

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テント場から少し先に進んだ所にある広場。芋ノ木ドッケと白岩山を目前に見据えたこちらもテントが張れそうな雰囲気。

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付近から北側の展望……両神山のギザギザが見えました。雲取山からは谷を一本挟んだ先なので結構近いです。

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両神山とその右に見える御荷鉾山系を望遠したもの。白髪山のピークのちょうど裏側に見えるピークは恐らく浅間隠山かと思われます。その後ろ側に広がっているであろう上越国境の山は雲に埋もれて完全に見えない。

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雲取山荘から大ダワまでの区間男坂女坂の2コースが設けられています。男坂経由で下っていると廃墟となった雲取ヒュッテの建物が見える。休業して久しい様子ですが、奥多摩小屋と違ってこちらは解体されていない……既に倒壊寸前という雰囲気ですが、少なくとも90年代頃までは営業していたらしいです。

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雲取ヒュッテ少し先から振り返った所。

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[8:38]大ダワ

雲取山と芋ノ来ドッケとの最鞍部にあたる大ダワに到着。大きなタワ(鞍部)という意味通り、その後は芋ノ木ドッケ、白岩山方面へそこそこの登り返しとなります。

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緩い登りが続きます。この付近で雲取山荘で宿泊したと思しき何組かに立て続けに追いつく。初日の出を見て小屋に戻って荷物を纏めて……となると皆同じような時間になるのかも。

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全体的に鬱蒼とした道ですが、木々の切れ目から北側の展望が。左側に両神山、右側に榛名山が見えます。

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距離記載の道標がこまめに設けられているので逐一確認しながら進むのですが、中々距離が縮まない……こちらの木々の合間から見えたのは南方面、前日登った石尾根の鷹ノ巣山です。

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秩父の主稜上の唐松尾山とか古礼山の方面。右奥の木々と重なった辺りには甲武信ヶ岳も見えます。

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少し進み長沢背稜方面の分岐へ。三峰神社に下るコースはここから芋ノ木ドッケに登らず、巻道で直接白岩山方面に向かいます。巻道とは言え結果的に白岩山に登るので全体的には登り基調。三峯コースのアップダウンが多いと言われる所以。

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芋ノ木ドッケのトラバースも基本は薄暗いですが時々展望を楽しめる。こちらは奥秩父甲武信ヶ岳木賊山、甲武信ヶ岳本峰、三宝山といった並び。

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唐松尾山竜喰山間の鞍部、将監峠の奥に見えるのは黒金山で、その後ろに見えるのは以前歩いた事のあるゴトメキ付近の広尾根かな。

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基本的にはこんな感じの北斜面の薄暗いトラバース路が続く。

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先程の甲武信ヶ岳と黒金山のちょうど中間辺りに何か白い山が見えました。恐らくは右手前に見えるのが国師ヶ岳で、左奥に見えるなだらかな山が奥秩父最高峰の北奥千丈岳

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白岩山方面に伸びる尾根に乗り越した所に芋ノ木ドッケの看板があります。当の芋ノ木ドッケのピークは南側の少し離れた所にあるので、ここはその分岐路といった所。

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白岩山の山頂。ベンチが置かれて長閑な雰囲気ですが展望は無い。

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ここから先も暫くは登ったり下ったりの尾根道となります。北斜面なので雪が多少残ってるかなと思いきや、道の上には殆ど無くアイゼンも最後まで使う事はありませんでした。

白岩小屋→霧藻ヶ峰→三峯神社

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[9:32-9:46]白岩小屋

白岩山から少し下った所に白岩小屋がありますが現在は営業していません。ここの建物も先程の雲取ヒュッテ同様に朽ちるに任せていますが、小屋併設のテント場は現在でも使えるらしいです。f:id:SISIS:20210121215807j:plain

小屋から西側に向かった崖っぷちにちょっとした展望台があります。少し標高が下がったので奥秩父方面の山々は見上げる形となりましたが、御座山両神山といった山がよく見える。

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御座山から両神山、御荷鉾山系方面を望遠で。両神山の後ろには本来であれば浅間山が見えるはずですが、左側にはその裾野が見えるものの大部分が雲に埋もれています。

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甲武信ヶ岳御座山をそれぞれ単体で。御座山は奥秩父山塊の北側、位置的に周囲の山脈から若干孤立しているという事もあるのか、割と目にする機会は多い気がします。まだ登った事はないですが。

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朽ちゆく廃墟を後にして先に進もうとした所、木々の合間から下界が見えました。

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山が比較的近くに見えるので北関東方面でしょう。北側は雲が多いのか日光連山等といった高い山は見えない様子。

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振り返ると本日登った雲取山が見える。

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歩きやすい尾根道が続きます。時々ピークを示す看板が設けられていますが、展望が良い箇所は限られる。

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指導標になんか緑色のサンタ帽子みたいなのが被されていました。クリスマスから被されたままなのでは?

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前白岩の肩。頻繁に看板を見かけるなーと思ってしまう程度には整備が行き届いている。

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前白岩の肩から、枝を掻い潜っての展望。特に何かの山が見えるという訳でもないですが。

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尾根上に開かれた所がありました。三峯神社の駐車場で、神社そのものは奥の森の中にあります。

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トラバース気味の道と、そこから見えた筑波山

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尾根道の様子。殆どハイキングコースといった風情。

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前白岩のピークを下りきった所がお清平で、そこから霧藻ヶ峰方面に登り返し。短いですが本日ラスト登りです。

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[10:46-10:57]霧藻ヶ峰休憩舎

霧藻ヶ峰のピーク近くにある霧藻ヶ峰休憩舎。これまで通りがかった時に開いていた記憶はありませんが、土日や祝日は専ら売店として営業しているらしく、元日であるこの日も小屋番のおじさんの姿があった。

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小屋の前は展望台になっており、そこからの展望。三峯神社からここまで1時間半程度と手頃なので、奥宮の参拝と併せて足を伸ばしてくる人も多い。

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望遠で繋げたもの。両神山が更に近付いた。

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両神山を単体で。細かいギザギザ一つ一つがよく見える。

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両神山三峯神社方面。駐車場や近くの土産物屋はよく見えますが、神社そのものは木々に埋もれていて屋根が辛うじて見える程度。左側に見える開けた集落は、秩父盆地から雁坂峠を経て甲斐国方面に向かう街道である秩父往還の関所の栃本関

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秩父宮殿下レリーフを越えると再び道上に雪が現れ始めた。

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休憩舎から三峰神社方面に少し進んだ先に霧藻ヶ峰のピークがありますが、何故か立入禁止の札が立っています。展望良さそうなのに残念。

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その霧藻ヶ峰のピークを下り始めたすぐの所に地蔵峠の分岐があり、名前の通りお地蔵さんがある。ここから大陽寺、大血川方面に下るコースが伸びていますが、自分はそのまま三峯神社方面へ。

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途中の炭焼平の看板。付近には木炭を作っていたと思われる炭焼窯等の遺構が残りますが、大正以降の地図に建造物の記載が無いのを見るに相当古いもののようです……木炭は中世頃から秩父地方の重要な交易品の一つで、前回の登山で訪れた白岩集落を始め近辺には炭焼を生業としていた集落が多く残りますが、その殆どは廃村化している。

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三峯神社奥宮のある妙法ヶ岳方面の分岐に建つ鳥居。元日という事もあってか奥宮参拝に行くと思しき人の姿も多く、自分も午後の予定が無ければ寄りたかった所。

鳥居前で最後の休憩中に水筒やジュースのペットボトルを取り出してみると、中身がザックザクに凍ってました。一応、朝食を作る傍ら湯煎して溶かしたりしたんですが、朝の間に再凍結してしまった様子。

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登山道の様子。奥宮の参拝道でもあるので、登山者ではない旅行者然とした格好の人も普通に行き交う……ここに限った話じゃないですが、すれ違った人に挨拶を無視されると下界に降りてきたんだなーと実感を覚える事が多いです。

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神社手前の並木まで降りてきました。

三峯神社参拝

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[12:02]三峯神社到着

早目に歩いたつもりですが、なんだかんだで正午過ぎてしまいました。事前に調べたバスの発車時刻まで30分という事で、急ぎ三峯神社の参拝に向かう。

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コロナ禍ですが元日という事で流石に人の姿は多いです。

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三峯神社への参道……神社そのものは入口から距離が結構あるので急ぎ足で。その所為かあんまり写真を撮っていないのが残念。

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随身の脇にあった狛犬三峯神社の三峯とは本来妙法ヶ岳(現在の三峯奥宮)、白岩山雲取山の3つの山を指し、古くから修験道の聖地として知られていた。刻まれた講の文字も修験道の行場にありがち。

ちなみに狛犬は犬ではなく狼で大口真神という名で崇拝されています。11月に登った御岳山でも同様のものが見られましたが、同じ山上に建つ神社という事でルーツは似ているのかもしれませんね。

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こちらが三峯神社の拝殿。すぐ目の前に鎌倉時代に奉納されたという樹齢800年の神木が社殿を飲み込むように立っている。

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拝殿の横には主祭神以外の様々な神を祀った摂末社がずらりと並んでいる。

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バスの発車時刻が12:30だったので、慌ただしく参拝を済ませてバス乗り場に向かうも、なんだか妙な空気。三が日は特別ダイヤで普段の半分に減便されており、乗車予定だったバスは運休、次の発車は1時間後との事……無いものは無いので仕方ない。

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そして背後の階段に伸びる長蛇の列。福袋の販売とかなら良かったんですが、やはりバス待ちの行列でした。それも到底バス1台に乗り切れるとは思えない程の。

乗れるかどうかも分からないバスに1時間並ぶのは流石に……と見切りを付けて自力で麓に降ろうかと考えていると、バス会社の人が案内にやってきて1時間後のバスは増車で対応するので安心してくれとの事。確実に乗れるとの言質を取ったので一旦列を離れる事に。

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三峯神社の参拝も急ぎ足で色々と心残りだったのでもう一度回り直そうかなとも思いましたが、バス停近くの土産物屋で飲み食いして時間を潰す事に。左の串団子みたいなのは秩父市内、両神山麓の中津川地区で取れるという中津川いもの田楽。右はヤマメの塩焼。どちらも美味しく頂いた。

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1時間後に乗り場に戻ると、1台しかなかったバスが3台に分裂していました。増車で対応するのなら減便する必要は無いのでは?と疑問を覚えたり。

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車内は混雑しており終点の西武秩父駅まで1時間立ちっぱなしでした。まあ山から降りてきた直後で足が棒の状態ならまだしも、寛いだ後だったのでそこまで苦痛ではなかったですが。乗れるだけ有り難いとでも思っておきましょう。

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まさかの半月ぶりにやってきた西武秩父駅。前回は大持山から武甲山の縦走の後、秩父鉄道からこの駅で西武鉄道に乗り換えて帰宅しました。

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一度は入ってみたいと思いつつも、前回来た時には入らなかった祭の湯。昔あった仲見世商店街を潰した跡地に作られた温泉施設で、今回はここで初湯を楽しむ事に。

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祭の湯の内部はそこそこ混雑していました。サウナや水風呂といった一通りの設備は整っていますが、靴箱の多さや脱衣所の広さの割には一つ一つの浴槽が狭くて数も少ない気がする。

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西武線で帰宅します。飯能での乗り換えが不要の快速急行ですが、ロングシートの通勤型でのんびり寛げないのが残念。

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秩父で購入したお土産……いつもこの2つを選んでしまいがち。どちらもお酒のつまみになりますが、特に豚肉味噌漬けは余った味噌を再利用して鶏肉や魚に漬け込んだりしても美味しく頂けるのでおすすめ。

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途中の芦ヶ久保駅で列車交換……既に日は暮れ始めていました。正午には下山していたはずなんですが、バスを待ったり温泉に入ったりで降りてからが長かった。

神田明神参拝

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話も場所も全然変わりますが、この日は午後から何人かで神田明神の初詣に行く予定だったので、帰宅したらすぐに都心方面に移動しました。写真は神田川御茶ノ水駅の丸の内線が地上に出ている付近。

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神田明神の門前へ。元日だからか幾つか屋台が出ていました。夜なので流石に人通りは控えめですが、それでも正月らしく初詣の参拝客で少なからず賑わっている。

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参道に立ち並ぶ屋台の雰囲気。昼に参拝した三峯神社とはまた違った雰囲気。

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境内の入口に建つ隨神門。昭和50年の再建と新しく綺羅びやかですが、ビルの多い周囲といい感じに調和しているように思う。

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境内の様子。隣接して文化交流館というガラス張りの近代的な施設があり、中には土産物屋や飲食店などが入っています。俗っぽい雰囲気の寺社は日本全国多いですが、ここはその代表格かな。

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狛犬と拝殿。

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帰りに屋台で焼き鳥を数本買って食べ歩く。屋台で売られているものの割には意外と上質で美味かった。

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そのまま秋葉原の個人宅に滑り込み夕食会となり、雲取山の初日の出から始まった長い長い2020年の元日を締めくくりました。例年であれば、明け方に高尾山から帰ってきて昼頃までのんびり寝ていて、起きたらおせちを突付きながら適当にという緩い元日を過ごすのがセオリーだったので、イレギュラーにこんな忙しい正月を過ごしてしまった一年は果たしてどうなるのか……少し戦々恐々としています。

今後についての予定ですが、冬の間も日帰り登山くらいは行きたいという気持ちはあるものの、この記事の作成時点で既に月を跨ぎ2月。流石に足慣らしがてらにどこか行きたいなーという気持ちが強くなったので、今月中最低1回はどこか近場の山に行くのではと思います。多分。

春以降に関しては、まだまだコロナの問題も燻っていますが、今の感じの空気ですと登山自体の世間の風当たりはそこまで強くはないだろうと思いますし、余程の事が無ければ昨年と同様に夏季を中心にテントを担いでの行脚をと考えています。多分。