旧碓氷峠から浅間隠山その3(高ジョッキ→須賀尾峠→長野原草津口駅)
3日目であり最終日となったこの日の最初の目的は、前日の内に登りかけた高ジョッキの登頂でした。出発時点では天気もいまいちで早々に下ってしまおうと考えたのですが、天気予報を見ると回復傾向との事。山頂にて暫く粘ってみると雲が抜けてくれて、ほぼ360度の展望を堪能できました。その後は須賀尾峠に引き返し長野原草津口駅まで道路上を歩いて移動。そこから吾妻線の電車乗り込んで次なる目的地へと向かいました。
『旧碓氷峠から浅間隠山その2』の続きの記事となります。
今回の登山(全日程)のGPSログです。
高ジョッキからの展望
[7:14]高ジョッキ新三角点出発
本日の出発地となる高ジョッキの新三角点です。当初は前日の鼻曲山に続いて山頂での日の出見物をする為に未明から出発する予定だったのですが……外の様子を窺ってみるとガスで真っ白な上、小雪がちらついている有様だったので暫し待機。
1時間待ってみるとガスは抜けてくれましたが雲は相変わらず多い。日の出や展望を堪能する事は難しそうでしたが、ひとまず山頂だけでも踏んでおこうと出発。再びこの場所に戻ってくるので荷物は置いておいて手ぶらで出掛けました。
新三角点からの展望は樹間から辛うじて……という感じでしたが、麓を流れる吾妻川やその周辺の家並みが見える。
高ジョッキまでの道の様子。暫し尾根道のような所を歩いていく。
少し先に進んでいくと異様な形のピークが見えてきました……あれが目指している高ジョッキのようです。道も次第に岩がちに。
突起のような高ジョッキを目指しながら歩いていく。山頂手前の登りまでは比較的平坦な道程です。
岩尾根っぽい箇所もありますが区間は短く、すぐに高ジョッキの登りに差し掛かります。
高ジョッキの登りの途中、振り返るとこれまた異様な形のピークが視界に入りました。岩壁に囲まれたような形のこのピークは丸岩という名で、戦国時代には須賀尾峠を通る旧草津街道を監視する目的で作られた丸岩城という城郭が山上に整備されていたという。
高ジョッキの直下は手を使うかどうかという程度の急登。大荷物では少し面倒そうだったので置いてきて正解でした。
[7:37-8:59]高ジョッキ
短い急登を終えて高ジョッキに到着。出発した時点では一面の雲でしたが、歩いている間に随分とほぐれてくれたようで所々で青空も覗かせています。予報を見てみると間もなく雲が抜けてくれるという所だったので少しばかり粘ってみる事に。
山頂は前評判通りの好展望で、こちらの北側方面は吾妻川やその流域にある八ッ場ダムが見下ろせました。
反対側の南側の展望。重々しい雲が上空を覆っていますが、東の方は抜け始めていて少し前に昇ったであろう朝日の陽光が差し込んでいます。
雲が少し流れてくれた頃の北側の方面。まだまだ薄暗く雲も多いですが着実に好転しつつある。
太陽が雲の層を抜けてくれたようで、以降は陽光が降り注ぐように。
南側一帯を覆っていた雲も一気に流れて、須賀尾峠を挟んだ反対側の菅峰や浅間隠山方面に続く稜線が見えるようになりましたが……浅間隠山そのものは未だ雲の中のようです。
菅峰の右奥には雪を被った四阿山が見えました。
明るくなってきたので北側、吾妻川や八ッ場ダムの方面を再び。気付けばこちら側の雲も一切無くなっていて、遠くの山々も幾つか見えてきました。
その遠くの山々の望遠。白砂山から野反湖、岩菅山といった上信越国境の稜線が見えていました……つい1年半前に歩きましたが、中々タフな道程でしたね。
見える山はそう多くはありませんが山名を幾つか入れてみました。
同方面を望遠したもの。白砂山や岩菅山といった高いピークは雪が積もり白くなっている。
西側の方も次第に雲が下がってきたので望遠してみると、前日は殆ど見えなかった日光や尾瀬方面の山々が見えました。中央左が上州武尊山で右の鋭鋒が日光白根山です。
色々な山が見え始めていましたが、谷川連峰は標高が低い為か最後まで雲から抜けてくれませんでした。
こちらは前日までもよく見えていた榛名山。この日もピークの一つ一つが判別できる程度にはよく見えていました。
榛名山の望遠。一番高く見えるのが最高峰の掃部ヶ岳で、その左奥に榛名富士。他のピークも含めて細く見えています。
南側方面に関しても浅間山や浅間隠山といった主峰が雲から抜けてくれました。菅峰を始め、所々で雪で白くなっているのが見えますね……夜の間に積もったようです。
名前入り……というか位置関係的なものを。麓の浅間隠温泉郷とはだいぶ距離感があります。
浅間山の望遠。朝日に照らされて青白く輝く様が美しい。
高ジョッキは灌木によって南北で展望地が分かれていて、こちらは南側の展望地。狭い山頂と聞いていましたが、実際は広々とは行かないまでも多少のスペースはありました。
こちらは北側の展望地。何人かが休憩できる程度の広がりはあります。
最後に高ジョッキの山頂看板を撮影して後にします。雲が流れるのを待っていたので予定より大幅に長居してしまいました。
高ジョッキ→須賀尾峠→長野原草津口駅
高ジョッキ直下の岩場からの展望。浅間山や丸岩、その奥には草津白根山が見えています。
往路でも見えた丸岩と草津白根山。晴れているとまた少し印象が変わる。
少し進んで木の枝が掛からなくなった所から再び丸岩……変わった見た目のピークなので何枚も写真を撮ってしまいました。その右奥に広がる町並みは下山先である長野原の市街地です。
草津白根山の望遠。左から本白根山、白根山、横手山といったピークが並び、右の方には岩菅山も見えます。手前にはホテルやマンション立ち並ぶ草津温泉の温泉街も見えますね。
[9:25-9:42]高ジョッキ新三角点
荷物を置いていた新三角点まで戻ってきました。既に日が高くなってきた時間帯ですが、この時点では他の登山者の姿はありませんでした。
あまり時間に余裕が無いので、荷物を回収して早々に立ち去ります。
前日、暗闇の中通過した岩場の様子。見た目程の傾斜はなく、岩の上を普通に歩いていける。
須賀尾峠までの下りの様子。新三角点から僅か15分という短い道程です。
[9:53-9:56]須賀尾峠
須賀尾峠まで下ってきました。あまりに山頂でのんびりし過ぎてしまい、この時点で既に時刻は10時前……これから峠道を8km下った先の長野原草津口駅に向かいますが、乗車予定の電車は11:25の発車。歩きでは少し厳しいので走る事に。
九十九折の峠道の様子。途中、丸岩の山頂へと向かう登山道の分岐がありました。あの異様な山容を見た後なので是非とも立ち寄ってみたかったのですが、時間が無い為今回は残念ながらスルー。
草津白根山を眺めながら下っていく。前日、浅間隠温泉郷から引き続きの峠道ですが、古くから高崎(中山道)と草津温泉を結ぶ道だったとされており、現在でも草津街道という名称が残っています。
丸岩を見上げられる場所まで下ってきました。
所々で開けた場所があり、八ッ場ダムや吾妻川沿いの家並みの様子を俯瞰できます。
こちらは西側、草津白根山や岩菅山が見える方面。雲ひとつ無い快晴となりつつあります。
更に下っていくと丸岩の奥に先程登った高ジョッキが見えてきました。
高ジョッキの望遠。ずんぐりとした丸岩とは対照的な際立った鋭鋒です。
峠道を駆け下りていくと人家が視界に入りました。麓は近いようです。
再び丸岩、高ジョッキ方面を振り返る。小走りで駆け下りてる為か、僅か1時間という間に随分と下ってきました。
峠道を下りきった所で国道416号線に合流します。ちなみに、これまで歩いてきた峠道も国道406号線で一応は国道だったり。
長野原草津口駅を目指して歩いていきます。吾妻川沿いのこの道路は流石に交通量が多く、反対側への横断も一苦労でした。
地図にめがね橋と書かれた吾妻川を跨ぐ橋梁。ダムのすぐ上流という事で付近の川幅は広く、一見すると池か湖のようにも見える。
国道から離れて駅の方に続く道を進んでいくと駅のホームが見えてきました……しかし駅の入口は反対側のホーム先端部にあるようで結構距離がある。
[11:17]長野原草津口駅到着
長野原草津口駅に到着。特急も発着する草津温泉へのアクセス駅ですが、今回はそちらには向かわず到着早々電車に乗り込みます……この時点で発車8分前と、走った割にはあまり余裕がありませんでした。
草津温泉も最近では高速バスやマイカーでのアクセスが主流ですが、この日は土曜日で電車で訪れる人も多いのか結構な賑わい。少し後に特急が発車するという事もあってか、改札口には黒山の人だかりができていました。
草津温泉は2021年初夏に白砂山や岩菅山といった方面を縦走した際の登山帰りに訪れているのですが……あまりゆっくりと滞在できなかったので、また改めて別の機会に行きたいですね。
乗車予定の吾妻線の電車は既に停車していました。そして発車時刻間際になると今度は反対側に特急列車が入線、草津温泉に向かうであろう大勢の乗客を吐き出し、改札口に吸い込まれていく様子が見えました。
さて、後は電車で帰るだけ……ではなく、この直後に岩櫃山の登山を控えており、更に翌日には小野子山から子持山の縦走という予定(後に中止)でした。岩櫃山に関しては同日内の登山ですが、浅間隠山登山という記事のテーマとも若干違う上に間に電車移動も挟んでいるので別記事としました。
次回記事『岩櫃山ハイキング』に続く