【2023年4月】恐羅漢山方面登山についての情報と記録
2023年4月、中国山地の恐羅漢山方面の登山に出掛けてきました。旅行全体の行程を扱った記事は別に設けていますので、当該記事では登った山に関しての簡単な紹介や公共交通を利用したアクセス、各日程の概略、個別記事へのリンクを設ける程度に留めます。
目次
山域の案内
恐羅漢山は広島県と島根県の県境、中国山地西部の冠山山地という山域に属しており、旧羅漢山を対とした緩やかな双耳峰の山容が特徴的なピークです。百名山や二百名山といった括りには入っていない山なので全国的な知名度はあまり高くありませんが、標高は1346.4mと広島県と島根県における最高峰。山麓部に中国地方のスキー場としては規模の大きい恐羅漢スノーパークがある事から、専らウィンタースポーツの方で有名な山だったりします。
南部の十方山、北部の聖岳・高岳、臥龍山・掛頭山といった辺りも同様に冠山山地に属した山々です。こちらの山々を巡るコースも全体的に整備されており、手頃にハイキングが楽しめる山として近隣県の方々に親しまれています。
登山口までの公共交通を使ったアクセス
十方山
南側の広島県廿日市市の吉和地域にある駄荷バス停からのアクセスが可能です。バス停から竜神湖湖畔にある登山口まで3.8km(徒歩1時間)程度の距離なので、この山域のバス路線にしては比較的登山に使える部類かと思います。
駄荷バス停まではさいき文化センターバス停から吉和さくらバスを利用。さいき文化センターバス停までは山陽本線の宮内串戸駅、もしくは広島電鉄の廿日市市役所前駅から広電バス佐伯線の利用となります。
【時刻表】広電バス佐伯線(廿日市市役所前駅・宮内串戸駅~さいき文化センター・津田)
三段峡から内黒山もしくは那須集落を越えて登るコースもあります。バスの便は多いですが行程がやや長めですので山中1泊、もしくは比較的短い駄荷バス停からのルートと組み合わせるとスムーズに歩けると思います。
こちらの場合は広島バスセンター、横川駅、可部駅等から広電バス三段峡線を利用、三段峡バス停で下車となります。
【時刻表】広電バス三段峡線(広島バスセンター・横川駅前・可部駅前~三段峡)
登山に使えるバスはありません。スキーシーズン時に恐羅漢スノーパークまでの無料送迎バスを利用するという手もありますが、スキー客向けなのでリフト券を購入しない登山者を乗せてくれるかは難しい所です。
公共交通縛りとなると、十方山の項に記載した駄荷バス停や三段峡バス停を起点として十方山を越えてくる形が現実的です。
【時刻表】広電バス佐伯線(廿日市市役所前駅・宮内串戸駅~さいき文化センター・津田)
【時刻表】広電バス三段峡線(広島バスセンター・横川駅前・可部駅前~三段峡)
ほか島根県側、匹見峡近くの亀井谷川から登るコースもありますが、その登山口までは北部の出合原バス停からは約4km(徒歩1時間)、南部の匹見峡温泉バス停からは約8km(徒歩2時間)の距離があります。
出合原バス停の場合は広島駅と益田駅を結ぶ陰陽連絡バスである石見交通新広益線、匹見峡温泉バス停の場合は益田駅を起点とした石見交通匹見線の利用となります。
【時刻表】石見交通新広益線(広島駅・広島バスセンター~出合原~益田駅)
聖山・高岳
聖山は十文字峠、高岳は聖湖の湖畔にある樽床橋登山口から登るコースがそれぞれ一般的です。どちらも国道191号線上の八幡原バス停が最寄りのバス停ですが樽床橋登山口までは5.5km(徒歩1時間半)、十文字峠まで9km(徒歩2時間半)と若干距離があります。
八幡原バス停を利用する場合は広島駅と益田駅を結ぶ陰陽連絡バスである石見交通新広益線の利用となります。
【時刻表】石見交通新広益線(広島駅・広島バスセンター~八幡原~益田駅)
八幡原バス停の近くには総企バス八幡原線という別の路線バスの八幡橋バス停がありますが、こちらは本数が非常に少ないので登山利用では難しいです。もし乗る事ができれば途中の芸北支所バス停で乗り継ぐ事で、多くの路線バスや高速バスが経由する千代田インター(千代田IC)バス停まで向かう事が可能です。(他の路線は八幡原線との接続が悪く使えません)
【時刻表】備北交通千代田・三次・庄原・東城線(広島駅・広島バスセンター~千代田IC~三次駅)
【時刻表】総企バス千代田芸北金城線(千代田インター~芸北支所)
高岳については島根県側の奥匹見峡から登るコースもあります。そこまで歩かれていないコースのようですが、こちらから登る場合は石見交通新広益線の出合原バス停を起点とします。登山口となる奥匹見峡はバス停から2.5km(徒歩40分)程度と割と近いです。
【時刻表】石見交通新広益線(広島駅・広島バスセンター~出合原~益田駅)
臥龍山・掛頭山
聖湖キャンプ場、臥龍山麓八幡原公園、土草峠からそれぞれコースが伸びています。
前2つから登り始める場合は石見交通新広益線の八幡原バス停を起点とします。距離は聖湖キャンプ場まで1km(徒歩15分)、臥龍山麓八幡原公園までは3.5km(徒歩50分)と十分徒歩圏内です。掛頭山についても同公園内東側の登山口から登るコースがあり、こちらは4km(徒歩55分)となります。
【時刻表】石見交通新広益線(広島駅・広島バスセンター~八幡原~益田駅)
聖山・高岳の項で紹介した総企バス八幡原線も利用ができますが本数が非常に少ないのであまりおすすめできません。その場合、聖湖キャンプ場は八幡橋バス停、臥龍山麓八幡原公園は善法寺バス停の利用となります。
【時刻表】備北交通千代田・三次・庄原・東城線(広島駅・広島バスセンター~千代田IC~三次駅)
【時刻表】総企バス千代田芸北金城線(千代田インター~芸北支所)
掛頭山の場合、北部の土草峠からもコースが伸びており、そちらからのアクセスも可能です。その場合は総企バスの上荒神原バス停が最寄りとなります。
上荒神原バス停を経由する路線は複数ありますが、千代田芸北金城線で千代田インター(千代田IC)バス停から利用するのが本数も比較的多いので利便性が高いです
【時刻表】備北交通千代田・三次・庄原・東城線(広島駅・広島バスセンター~千代田IC~三次駅)
【時刻表】総企バス千代田芸北金城線(千代田インター~芸北支所~上荒神原)
加計・戸河内線も本数は比較的多く、こちらは経由する加計中央バス停から広電バス三段峡線に乗り継ぐ事が可能です。
【時刻表】広電バス三段峡線(広島バスセンター・横川駅前・可部駅前~加計中央)
芸北あき亀山線は広電バスに乗り継ぐ事ができる広電・安佐営業所バス停や各種高速バスに乗り継ぐ事ができる広島北インター入口バス停(指定曜日のみあき亀山駅近くの北部医療センターバス停まで延長運行)まで運行されており、広島北インター入口バス停では付近の広島北ICバス停にて備北交通を始めとした高速路線バスが利用できますが、午前中のみ1往復なので使いづらいです。
【時刻表】広電バス三段峡線(広島バスセンター・横川駅前・可部駅前~安佐営業所)※他にも経由する路線あり
【時刻表】備北交通千代田・三次・庄原・東城線(広島駅・広島バスセンター~広島北IC~三次駅)
【時刻表】総企バス芸北あき亀山線(北部医療センター・広島北インター入口・広電・安佐営業所~上荒神原)
県境を越えて島根県側に向かうバスも伸びており、島根県浜田市の波佐バス停で石見交通波佐線(事前の電話予約必要)に乗り継ぐ事で山陰本線の浜田駅へ向かう事も可能です。こちらのルートは今回実際に辿りましたので、興味ある方は『実際の登山記録』のその3の記事を御覧ください。
【時刻表】総企バス千代田芸北金城線(小国橋・波佐・東谷下~上荒神原)
実際の登山記録
今回は上記のコースで歩きました。
恐羅漢山方面登山その1(駄荷バス停→十方山)
表題の恐羅漢方面登山の初日にあたるこの日については、午前中に西条の観光を楽しんでいたので午後に入ってからの登山開始となりました。廿日市市吉和地域の駄荷バス停から舗装路を歩き、竜神湖の湖畔の登山口から十方山への登りが始まりますが、この時点で既に午後4時。低い山の多い広島県内の山としては長い登りが楽しめる事で評判の十方山の登りは、暫く振りのテント泊装備では少々応えました。
恐羅漢山方面登山その2(十方山→恐羅漢山→砥石郷山→餅ノ木峠→聖山)
2日目は十方山の山頂で日の出見物を済ませてからの出発となりました。この日は冠山山地の最高峰である恐羅漢山を登るので内容的にはメインとも言える一日。一旦水越峠に下ってからの旧羅漢山の急な登り返しは息が切れましたが、思ったのほど苦労せず恐羅漢山に登頂。以降は砥石郷山まではアップダウンを繰り返しつつ、田代川の登山口まで激下り。そこからは餅ノ木峠、十文字峠と舗装路や林道を経由する事で無理矢理コースを繋げつつ進み、この日は聖山の山頂で行動終了となりました。
恐羅漢山方面登山その3(聖山→高岳→聖湖→臥龍山→掛頭山→上荒神原バス停)
登山最終日である3日目も無理矢理繋げた感のある行程でした。前泊した聖山からは尾根伝いに高岳。今回の登山においては一番という好展望を堪能した後は聖湖湖畔の樽床橋登山口に一旦下山。そのまま聖湖沿いの舗装路を歩いて長者原集落近くの臥龍山登山口から再度山に入り、臥龍山、掛頭山と縦走。北側の登山口である土草峠に下山して雲耕集落方面に舗装路を歩き、最終目的地である上荒神原バス停に無事到着。その後はバスを利用して島根県へと抜けました。