
自宅の晩酌用に剣菱酒造の【黒松剣菱(特選)】を調達しましたので、甘口辛口などの味の解説やレビューをざっくばらんに書き殴ります。皆さんの日本酒選びに1ミクロンでもお役に立てますと幸いです。
一つ前の記事です→『049|SAIAI POP SPARKLING 最愛スパークリング』
お酒のレビュー
概要と経緯
登山の合間の暇つぶしで始めた【日々!日本酒】というシリーズもこれで50回。これまで流行りのお酒、マニアのみぞ知る希少銘柄、スーパー等に置かれている大衆酒……スペックにしても火入れの普通酒から純米大吟醸無濾過生原酒まで幅広い範囲で銘柄を挙げてきましたが、今回は切りの良い50回という事を記念して(途中の抜け番号もありますが)、個人的にこのお酒は特別だなと思っている銘柄を挙げたいと思います。
それがこちらの黒松剣菱。剣菱にも幾つか種類がありますが、その中でも特選というランクのお酒となります(上撰の剣菱→特選の黒松剣菱→超特選の極上黒松剣菱の順です)。
剣菱と言えばスーパーで置いてあるような大衆酒とも言えるお酒ではありますが、味わいそのものはスーパーの他の酒とも流行りの地酒とも違う独自路線。簡単に特徴を言えば、甘くて濃くて熟成香があるお酒となります。(なぜか辛口と評価してるサイトやショップもありますが……)
そのため単体で飲んでいても満足感があり、それでいてキレもそこそこあるので料理にも合わせられなくもない……と言う事で重宝している銘柄で、家に一本この黒松剣菱かノーマルの剣菱(『100|剣菱(上撰)で紹介予定』)のどちらかをストックしています。(ちなみに各記事のレーダーチャートは、その黒松剣菱or剣菱との飲み比べの上で決めています)
自身の信条として、お酒をうまいまずいの二元論で語る事はなるべく避けているのですが、敢えて数ある日本酒の中から一番を選ぶとすれば、こちらの黒松剣菱(もしくはノーマルの剣菱)かなーって感じです。それだけに気に入っているお酒の一つです。
という具合に長々と剣菱愛を語った所で恐縮ですが……意外とこちらのお酒は人の好みが分かれます。熟成感や特有の甘さが自分のようにめちゃくちゃ好きという人もいれば、それがめちゃくちゃ苦手という人も居る。自分の周囲の酒飲みでは体感だいたい半々くらいです。その中でも家族は皆好きじゃないので、買っても自分一人で飲む事が多いです……。
そんな感じで好き嫌い分かれるお酒ではあるのですが、唯一無二でひたすら特徴的なので一度は飲んでみる事をおすすめします。特に日頃から日本酒好きを公言してるような方は、剣菱飲んだ事無い、味知らないなんて言ったらモグリ扱いされる可能性があるので、最低限黒松とノーマル1本ずつ飲んでおきましょう。
そうして飲んでみて嵌まるか嵌まらないかは半々。好きならとことん好き、嫌いならとことん嫌い、黒松剣菱はそんなお酒となります。ちなみに、好き嫌い分かれやすい熟成感については冷やす事でだいぶ軽減されますので、一口飲んで、あ、苦手だ……ってなった場合は氷温近くまで冷やしてみるのがおすすめです。

ちなみに黒松剣菱(特選、写真左側の瓶)とノーマルの剣菱(上撰、写真右側の瓶)の味の違いですが、どちらも剣菱らしい甘さと熟成感といった根幹部分は共通していますが、黒松剣菱の方が甘く濃厚で、ノーマルの剣菱の方がやや淡麗(あくまで剣菱にしては)でキレが印象的です。なので黒松剣菱の方は単体で飲んでも満足感があり、ノーマルの剣菱は料理と合わせやすいというのがそれぞれの長所となります。自分としてはどっちも好きです。(最近はどちらかというとノーマルの方を選びがちかも)
久々に黒松剣菱を購入。
— 犬山 (@Urayama_City) January 10, 2026
ノーマルの剣菱はほぼ常備酒ってくらいによく飲んでるけど、黒松の方は久しぶりかも……。 pic.twitter.com/I6STzgWj4n

剣菱の銘柄を醸す剣菱酒造は兵庫県神戸市東灘区、灘五郷という定義上の御影郷に構える、いわゆる灘の酒です。基本的には灘の銘柄はキレの鋭い辛口の銘柄が多い(灘の男酒、伏見の女酒と対比される)ですが、その中で剣菱のような甘さが際立ったお酒を作っているというのが異端児的で面白いです。
写真はその剣菱酒造の外観ですが、資料館的な施設や試飲販売も行っている近隣の酒造とは異なり、こちらは売店もありません。ただただストイックに酒造りのみしている様子でした。(この時の灘の酒蔵巡りに関しては『042|琥泉 辛口純米 無濾過生酒 原酒』にて少しだけ扱ってますので、興味がある方はそちらの記事もどうぞ)
味覚の傾向

この時は弟(剣菱苦手でフルーティ系好き)も同席していたので、普段レビューしてもらっている家族(剣菱苦手で酸味系好き)と一緒にまず飲んでもらう事に。
弟氏「うわ剣菱だ……そんなに注がなくていいw」
犬山「そんな事言うなw」
弟氏「(呷ってみて)……やっぱ癖あるわ。うまくはないなw」
家族「そうそう。くどい酒の筆頭だと思う」
犬山「そんな事は無いと思うけどなー。人を選ぶとは思うけど、飲みやすいか飲みにくいかで言ったら飲みやすい方なんじゃないかな」
家族「飲みにくくはないけど……この甘さ、悪酔いするイメージがある(と言いつつ盃に入った分は完飲)」
弟氏「さっきの紀土(『072|紀土 -KID- 純米吟醸酒 にごりざけ生』で紹介予定)美味しかったからくれw」
そんな感じで、自分の家族の中ではまあ惨憺たる評価なんですが……概要の方で書いた通り、個人的にはとても好きなお酒だったりします。
味についてもそちらの方で概ね書いちゃいましたが、改めて書くとすると……飲み始めにやってくるのはやはり甘味。それもかなり濃厚(濃醇というイメージではなく"濃厚")でドロッとした感じ。それが広がると同時に熟成香も立ち、そして旨味が若干伸びつつキレる(後味は意外とさっぱりしている)といった感じ。
甘いけど甘ったるくはなく飽きずに飲める、ロングセラーらしく非常に整った味のお酒でした。

※数値が高ければ味が優れているという訳ではないのでご注意下さい
料理との組み合わせ

黒松剣菱は個人的には食前酒的な場面で単体で飲む事が多いのですが、記事を作るにあたって食事とも合わせてみました。合わせたのはレバニラ炒めにフライドポテトや小エビのフリッター等。癖のあるレバニラ炒めとの相性はかなりいい感じで、剣菱の味の濃厚さとうまく支え合っていて80点の組み合わせ。フライドポテトとエビのフリッターとは剣菱の甘味が勝ちすぎちゃってる感はありますが、後味そのものはさっぱりしているので、ノビ系のお酒と比べると相性は全然良いと思います。こちらは70点くらいかな?
スペック一覧表
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 蔵元 | 剣菱酒造(兵庫県神戸市)→(HPリンク) |
| 使用米 | 山田錦、愛山 |
| 精米歩合 | 不明 |
| 日本酒度 | 不明 |
| 酸度 | 不明 |
| アルコール度数 | 17度 |
| 種別 | 普通酒 |
| 購入価格(税込) | 2,806円(1,800ml) |
買えるお店の紹介(あれば)
大手酒造の銘柄なのでAmazon、楽天から通年買えます……たぶん近所のスーパーとかにも置いてあると思いますが一応紹介。(Amazonは時々セールとかでディスカウント価格になる事もありますので、その時買うのがおすすめかも)
個人的に酒飲みとしての必修銘柄の一つだと思いますので、まだ飲んだ事無いなら一度は飲んでおきましょう。一升飲みきれるか不安な場合は五合瓶(900ml)がありますので、そちらを選ぶのが無難かも。
次回のお酒はこちら→『051|しろくま部長の純米酒』※未作成

