
自宅の晩酌用に高砂酒造の【えぞ乃熊 純米 生酒】を調達しましたので、甘口辛口などの味の解説やレビューをざっくばらんに書き殴ります。皆さんの日本酒選びに1ミクロンでもお役に立てますと幸いです。
一つ前の記事です→『023|醸し人九平次 うすにごり 生酒』
お酒のレビュー
概要と経緯

今回紹介するえぞ乃熊は北海道のお酒です。
北海道は米どころ……の割には意外と日本酒の存在感が無いってイメージされる方は多いかなと思います。実際、北海道のお酒と言えばビールやウイスキー、ワインの方がメジャーですし、物産展なんかに行って敢えて日本酒を手に取ろうとする人はそこまで多くはないでしょう。(そもそも扱ってない可能性も高そうですが)
では北海道では全く日本酒を作っていないかというと言うとそうではなく、札幌、旭川等の主要都市にそれぞれ中堅規模の酒造メーカーがぽつぽつと点在しています。ただ近年まで道内産の日本酒は膠着もしくは衰退傾向で、こと北海道においても道内産の日本酒のシェアは全体の消費の2割未満と低迷しており、代わりに本州の灘伏見の酒、新潟の辛口酒、最近流行りの特定名称酒系などが中心に飲まれているのが実情だったりします。
10年ほど昔の話になりますが、自分も少し前に北海道に行った時に酒蔵巡りをした事があります。その際は道内の5~6軒の酒蔵に赴きましたが、味わいが良くも悪くも昔ながらの地酒らしい地酒って感じのお酒を作っている所が大半で、変革著しくバリエーション豊かな本州のお酒を相手にすると分が悪いというのが率直な感想でした。
ただ、その中でも色々と挑戦してみようという姿勢の酒蔵も幾つか存在していて、その一つがこのえぞ乃熊を醸す高砂酒造でした。えぞ乃熊については割と早い段階から首都圏等で見かけるようになった道内産日本酒で、北海道でもこんなお酒があるんだなーと当時思ったものでした。
といった具合に、傍目から見て一部を除いて硬直気味に映った北海道の日本酒事情ですが、近年では上川大雪酒造や箱館醸蔵が道内に酒造を新造したり(特に上川大雪酒造は予定中のものも含めて道内に4箇所酒造を持つなど勢いが凄まじい)、もともと岐阜県にあった三千櫻酒造が道内の東川町に移転したりと明るい話題も多いです。また、ここ暫くの空気の変化によるものか、以前からある酒造も次々と新しいお酒を作り始めたりしてるので、日本酒という分野に関して言えば他地域と比べると圧倒的に上り調子とも言えるでしょう。
一足先に酒米の方は吟風、彗星、北しずくといった道内産銘柄米の存在感がいまや全国で高まってますし、道内産日本酒の方も相応以上の規模に成長してくのではないかなと思います……多分。


旭川にある高砂酒造には以前、十勝岳→トムラウシ山→大雪山の縦走の際の登山酒の調達という名目で訪れたことがあります。えぞ乃熊は特約店向けの銘柄だったので取り扱いはありませんでしたが、メイン銘柄である国士無双の幾つかの種類を試飲の上で選ぶ事ができました。

高砂酒造のお酒で特筆すべきは生酒のラインナップも充実していた点。当時は道内産の日本酒は殆どが火入れ、あったとしても1回火入れ(生詰or生貯蔵)だったので、さすがは本州に殴り込んでくるだけの事はあるなと感心しました。

写真はその後のトムラウシ山の南沼キャンプ指定地での寛ぎのひととき。国士無双に加えて富良野のワイン、余市のウイスキーまでこの時は担いでおり北海道づくしでした。
味覚の傾向

例によって家族からのレビューとなります。
家族「結構濃いかも。けど甘味はそこまででもない感じ。あと炭酸も少し感じる」
犬山「辛口?」
家族「辛口ってほどじゃないと思う。けど飲み終わりのキレはある」
自分も飲んでみる。確かに日本酒度+2という数値の割にはドライに感じる。なので最初これは辛口酒に分類しようと思ったものの、飲み続けていると次第に甘味が感じられるようになってくる。
味わいは全体的に複雑で、最後のキレもアルコール感というよりは渋味や酸味が複合したもので、それが甘味を押し流す感じ。全体的な風味と言い、あまり他に無いような味わいの面白いお酒でした。

※数値が高ければ味が優れているという訳ではないのでご注意下さい
料理との組み合わせ

全体的に甘味は控えめ&後味でしっかり切れてくれるお酒なので、真鯛な刺身と合わせてみました。交互に進めると刺身の甘味とお酒の甘味が引き立つ相乗効果……90点の組み合わせ。
スペック一覧表
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 蔵元 | 高砂酒造(北海道旭川市)→(HPリンク) |
| 使用米 | 彗星 |
| 精米歩合 | 60% |
| 日本酒度 | +2 |
| 酸度 | 1.9 |
| アルコール度数 | 16~7度 |
| 種別 | 純米酒(生酒) |
| 購入価格(税込) | 3,410円(1,800ml) |
買えるお店の紹介(あれば)
今回紹介したえぞ乃熊の純米生酒は見つかりませんでしたが、生酒ではない火入れバージョンは通年販売しているようで楽天の方で見つけました。北海道の日本酒の中で美味しいものを飲んでみたいという方にはおすすめのお酒となります。
※流通量の少ない地酒なので、品切れ&リンク切れの際はご容赦下さい。
次回のお酒はこちら→『025|くどき上手 Jr.の愛山33 純米大吟醸』

