
登山帰りのお土産に宮尾酒造の【〆張鶴 月(本醸造酒)】を頂いたので、甘口辛口などの味の解説やレビューをざっくばらんに書き殴ります。皆さんの日本酒選びに1ミクロンでもお役に立てますと幸いです。※個別写真撮り忘れてて写真こんなのしか無かった……
一つ前の記事です→『013|伊根満開 古代米酒』
お酒のレビュー
概要と経緯

今年6月の飯豊連峰登山の帰路で近くの親戚の家(父方の実家)に立ち寄ったのですが、その帰りに親戚の伯父さんからお土産として頂いたお酒になります。
登山含めた記録はこちら→『飯豊連峰その5(杁差小屋→杁差岳→前杁差岳→権内尾根→大石ダム)』
さて、何年かぶりに遊びに行った父方の実家。ここ10年くらいは誰かが亡くなった時に家の代表として送り込まれるくらいだったので、純粋に遊びに行くのはかなり久々の事でした。
そしてお世話になった伯父さんが別れ際こんな事を……。
伯父「日本酒好きなんだっけ? お土産に買ってあげようか?」
なんと大層魅力的なご提案……ここは甥っ子モードで甘えるしかない。
犬山「めっちゃ好き。こっちの方だと日本酒は〆張鶴だっけ。あと大洋盛と菊水?」
伯父「菊水は新発田の酒だから俺はあんまりだな。新発田の家(別の親戚の家)だとよく出るけど。こっちだと飲むなら〆張か大洋」
同じ下越というエリア内でも、どこかで日本酒のテリトリーに線引きがあるようだった。
犬山「〆張鶴は何かで飲んだ記憶あるけど、大洋盛はたぶん飲んだ事無さそう」
伯父「じゃあ良い機会だから両方買ってやるよ。それで飲み比べてみればいいよ」
犬山「わーい」
そして近所のスーパーへ。自分はこの日は別の親戚の家へのお墓参り→その後東京に帰宅と予定が立て込んでいるので、時間を目一杯使うべくオープンと同時に入店、流れるように日本酒コーナーへ。
犬山「色々種類あるねー。メインは雪、月、花ってあるけど、伯父さん的にどれがいい?」
伯父「俺はこの月が辛口で一番うまいと思う。雪も高いだけあって美味いけどな。花は値段相応」
犬山「なんか花は地元限定(新潟県内限定販売)らしいね」
伯父「そうそう。ただ味は月の方が断然いいよ。飲みたいなら花でもいいけど、どうする?」
買ってもらうというのに、わざわざグレードの低いお酒を選ぶこともないので、「じゃあおすすめの月で」と本決まり。そして続く大洋盛のチョイスへ。
犬山「大洋盛だと何がいいの?」
伯父「俺はこの特別本醸造だな。これが辛口で一番美味い」
犬山「同じ辛口でも、さっきの〆張鶴の月とは違う感じ?」
伯父「だいう違うよ。けど、どっちも違って美味しいよ……こっちも一升買おうか?」
暫し思案。いくらキャパの大きい登山用のザックとは言え、既に登山の荷物が色々入ってるので一升瓶×2を詰め込むのは厳しい。後で行く親戚の家でも何かしら頂く事になりそうだし。
犬山「さすがにザック入らないから、こっちは四合瓶で良いかな」
伯父「宅急便で東京に送ってもいいよ。〆張の瓶も担いで持ってくの大変だろ?」
犬山「それは流石に悪いよ~、それに重いの担ぐの慣れてるから全然大丈夫」
伯父「四合じゃすぐ無くなるぞ」
犬山「大事に飲むからそんなにすぐ無くならないって。一升の〆張鶴だってあるし」
というやり取りを経て、【〆張鶴 月】と【大洋盛 特別本醸造】をお土産に頂いたのでした……ちなみにその後、新発田の親戚の家で【菊水 ふなぐち】(『022|菊水 ふなぐち』で紹介予定)も頂いた。

〆張鶴を醸す宮尾酒造は新潟県村上市の酒蔵。村上と言えば新潟県北に位置する中世以来の城下町で、大洋盛の大洋酒造と共に宮尾酒造もその町中にあります。どちらも比較的認知度が高くシンボル的な企業でもあるのか、村上駅のホームにはその2つの銘柄の酒樽が仲良く並んでいたり……。
村上は父方の実家とは距離的に近いものの、子供~高校生の頃に遊びに行く場所と言えば、浜辺でのキス釣りか温泉(瀬波温泉or奥胎内)か乙宝寺(『月山・鳥海山登山旅行8日目 帰路、鼠ヶ関と胎内市内の史跡巡り』で紹介)が定番だったので意外と回った事はなかったり。
宮尾酒造の方では蔵元での試飲等はやっておらず販売のみとの事ですが、村上自体は電車の乗り換えで年1~2回くらいの頻度で訪れている所なので、機会があれば大洋酒造と併せて立ち寄ってみたい所です。限定酒みたいなのもありそうですし。
味覚の傾向
※背面ラベルの撮影は失念。
いつものように、まず最初に家族がテイスティングしてみる。
家族「美味しいと思う。思ったより濃いかも」
犬山「甘辛はどんな感じ? 伯父さんは辛口って言ってたけど」
家族「辛口……かなぁ? 美味しいお酒って感じではあるけど」
なんとも不思議な評価……自分も飲んでみる。まず最初に来る甘味は意外と伸びる。その後のキレはあるにしても程々で、スパッとではなく終わり際にスッと潔く引いていく感じ。濃淡は淡麗辛口のイメージよりだいぶ濃い目で、少なくとも淡麗ではない。そして全体の纏まりといったバランスは流石という所。色々なタイプの食事に合わせやすそう。
犬山「酒度+4ってあるけど、数値の割にはかなり旨口な気がする。〆張鶴って新潟淡麗辛口の代表格みたいなイメージ勝手に持ってたけど。種類飲みすぎてて舌がアレになってるのかな?」
家族「いや、確かに辛口って感じはそこまでしないと思う」
気になったので色々調べてみた。確かに〆張鶴全般はショップ等では淡麗辛口として紹介している所が多いものの、個人(舌がアルコールの味に慣れきっているマニアみたいな人)のレビューでは旨味が印象的という記述が意外とある。つまり、酒飲みにはそう感じる人も多いという事になるので、自分の舌もそこまで大きく的を外しているという訳でも無さそうで安堵。
という訳で、個人的には【〆張鶴 月】は「極めてバランスの良い旨口酒」という結論に至った訳ですが。
犬山「あとで伯父さんから電話が掛かってきた時、どうやって味のレビューをしたらいいか悩むな」
辛口で美味い酒と勧められたのに、甘味が広がって美味しいなんて言ったら怒られそうだ。(後日、電話が掛かってきた時に「旨味とキレとのバランスが優れた銘酒」と上手く伝えて事なきを得た)

※数値が高ければ味が優れているという訳ではないのでご注意下さい
料理との組み合わせ

万能選手的に食事に合わせやすそうなお酒という事は明白だったので、今回は鶏の唐揚げやポテトチップス等、敢えて変化球でビール向けの食事に合わせる事に。
ポテチは流石に日本酒に合わせるには少しくどいものの、唐揚げはベースが醤油味なので当たり前の相性の良さ。組み合わせとしては、ポテチ55点、唐揚げ75点くらい。ただ、やはりセオリー通り魚介の方が合わせやすそうかなと思います。(そこそこ旨口なので単体でも普通に飲めそうですが、やはり食中酒としての起用が真骨頂でしょう)
ちなみに、苦味の強いビタリストをチェイサーとして間に挟むと更にお酒の甘味が引き立ちます。ビタリストに限らず苦味強めのビールであれば大抵そうなるので、日本酒の甘味をより深く堪能したり、利酒っぽい楽しみ方をしたい場合はチェイサービールおすすめです(ただしお酒強い人向け)。
スペック一覧表
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 蔵元 | 宮尾酒造(新潟県村上市)→(HPリンク) |
| 使用米 | 五百万石など |
| 精米歩合 | 55~60% |
| 日本酒度 | +4 |
| 酸度 | 1.3 |
| アルコール度数 | 15度 |
| 種別 | 本醸造酒 |
| 購入価格(税込) | 2,490円(1,800ml) |
買えるお店の紹介(あれば)
製造元の宮尾酒造は中堅くらいの規模の酒造メーカーなので、Amazon、楽天どちらでも取り扱いがあります。色々なタイプの食事に合わせやすそうなお酒なので、食中酒として何かしらお探しの方にはおすすめです。(これからの季節、燗酒も良さそうですよ)
※品切れ&リンク切れの際はご容赦下さい。
次回のお酒はこちら→『015|大洋盛 特別本醸造』

