
那須岳から二岐山までの縦走登山、その初日は麓の一軒茶屋から稜線上までの登り。そして黒磯での日本酒調達(試飲ができる酒屋という事で驚き)が内容としてのメインです。
スタート地点である一軒茶屋バス停を出発した後は那須高原の別荘地の中を黒尾谷岳の登山口まで長い長い舗装路歩き。2日目の午後まで水場が無いという事で荷物の重みに難儀し、黒尾谷岳、南月山と登頂するものの終始スローペース気味。予定では那須岳避難小屋まで行くつもりでしたが、途中の日の出平で日没となり行動を終えました。
他の日程を見たい方は以下の記事よりリンクを辿って下さい。コース全体の軌跡もこちらに掲載しています。

今回歩いたルートのGPSログです。
山行記録
登山口までの移動と黒磯での日本酒調達

北の方面に向かうので、今回の旅の始まりは上野駅。少し前まではこの時分でも既に明るかったですが、天気予報を見て行こうか行くまいかしている間に秋も深まってしまったようで、駅のホームはまだ深い暗闇の中。

今回の荷物です。3泊4日行程(最終日はバス停までの移動だけなので実質3日間)で前回の中央アルプスと比べるとサイズはだいぶ控えめですが、水場が2日目の午後に通る甲子山手前まで無いので水満載で中々の重量感。これに例によって日本酒の四合瓶が加わる。


朝の内に黒磯駅に到着……今回は乗り継がず、ここで下車となります。スタートとなる一軒茶屋はバスに乗って向かいますが、その前に登山用の日本酒の調達へ。(最重要ミッション)


駅裏に向かう長い跨線橋を越えていく。黒磯はもう30回以上は乗り継ぎで通ってそうですが、駅裏の東口に行くのは初めてかも……跨線橋からはかつて交直切り替えを行っていた黒磯駅の駅構内がよく見えました。ちなみに現在は高久寄りにデッドセクションが新設され、構内での切り替えは解消されています。


こちらが今回、登山用の日本酒を調達する黒磯駅東口の枡忠酒店(室井酒店)。朝7時という早朝から店が開いてるのも中々凄いですが、購入に際して試飲も可能というのが驚き……その試飲できるお酒の種類も豊富な上、なんと手酌OKと驚きの連続。
酒造ならまだしも普通の酒屋さんで試飲可能な所は非常に少ない(あってもここまで豊富に揃えてない)ので凄い所を見つけてしまった感。黒磯には何度も来てますがここは今の今まで知らなかった……今後は乗り継ぎの度に寄ってしまいそう。
試飲の末に何を選んだかは後ほど。

お酒調達を終えて表口のロータリーに戻ってきました。乗車する関東自動車の路線バスは那須ロープウェイ行きで、紅葉シーズンという事で車内はそこそこ混雑。立ち客も出ていました。
一軒茶屋バス停→黒尾谷登山口→黒尾谷岳

[9:26]一軒茶屋バス停出発
暫くバスに揺られ、ロープウェイに向かうであろう他の客を尻目に単身一軒茶屋バス停で下車。今回の登山ではここからの歩き始めとなります。


一軒茶屋バス停の周辺の様子。左のバスが乗ってきた便です。黒磯駅と比べると標高は幾らか上がりましたが、周囲にはコンビニ(セブンイレブン)があったりと、まだまだ麓感バリバリな雰囲気。

一軒茶屋から黒尾谷岳の登山口に向けて僅かに歩き始めた所、先程とは別のバス停がありました。那須高原観光周遊バスという、先程乗ったもの関東自動車の路線とは別のようです。

バスポールに路線図が掲示されていたので見てみると、進む先のあけぼの平が33番のバス停の所のようで、しかも少し待てば9:31発のものが来るようです。
ただ、あけぼの平までは1時間足らずで歩けてしまう距離の上、一乗車800円とかなりお高めなので今回は見送る事に。

スルーした那須高原観光周遊バスを見送る……他の乗客の姿はありませんでした。乗り継ぎが必要な上に一乗車の料金も高く本数も一日数本レベルなので、使うシチュエーションがちょっと思いつかない感じ。駅に直結していたらぐっと利便性は高まりそうな気はしますが。
ちなみに奥に見える山は、これから登る那須方面の山ではなく男鹿山塊です。


ペンションやレストラン、牧場等が立ち並ぶ、まさに那須高原という中を延々歩いていく。一軒茶屋から黒尾谷岳の登山口までは歩いて2時間程度とそこそこ長いので、公共交通を使ったアプローチはあまり一般的ではないようです。

道端にあったマムシグサの実。もうすっかり季節は秋めいている。


舗装路歩きの途中、これから登る黒尾谷岳や南月山が見えるスポットがありました。そこから徐々に高度を上げていく。

[10:15]あけぼの平
先程の那須高原観光周遊バスのバス路線図の33番の場所に到着しました。10年くらい前の山と高原地図にはあけぼの平というバス停という名で記載されていますが、現在は廃止されていて観光周遊バスしか経由していないようです。
ここから道を折れて別荘地内を突き進んでいきます。山に向かって続いているので一転して登り基調に。


別荘地内を進んでいく。登山者向けの案内看板等はありませんが、メインっぽい広めの道を進んでいればそのうち辿り着けます。


[11:16-11:34]黒尾谷岳登山口
別荘地のトップにある黒尾谷岳の登山口に到着。結局、コースタイム通り2時間掛かってしまった……舗装路歩きだけで既にお疲れ気味なので、ここで軽く昼食休憩してチャージ。


ようやく登山道へ入り込む。登山口の標高が1,050m、黒尾谷岳の標高が1,589mと標高差500m超あり、山頂まで纏まった登りが続く……ザックの水が重いので初っ端からペースも落ち気味。

登り始めて暫くした所でアクシデント。掛けていたメガネの耳にかける部分がふとした拍子にポキっと折損。以前からちょっとプラプラしてる所があったので完全に経年劣化でした。
裸眼での歩行は足元が見えづらく厳しいですが、ここまで来て下山は嫌すぎるので、どうしようか暫し悩む……試しに片側折れてるメガネを掛けてみるとフィットして意外と行けるじゃんって感じ。人に会う度に壊れたメガネ掛けてる人と認識されるのはかなりの屈辱ではありますが、仕方ないのでそれで登山続行。
標高1,200辺りで一旦斜度が緩まる。最近は熊に纏わるニュースが多いので、こういう如何にもな所に来ると意識しがち。


ひたすら樹林帯の中を登っていくと時々紅葉が。標高が上がるにつれて少しずつ植生が変わってきたようです。

紅葉と登山道。人気はそこまで多くないですが、割と歩かれているコースのようで歩きやすかった。
途中から尾根のような所に乗ります。以降は登りと平坦な道が交互に続く感じ。

足元に見つけた小さな秋。今回のトレーニング登山、もう少し早い時期にサクッと済ませるつもりでしたが、結果的に紅葉が楽しめそうなので結果オーライという事で。


険しい登りが続くものの道は良い。途中、露岩から本日のメインのピークである南月山が見えました。
露岩の上からの展望。左側に見えるのが南月山で、黒尾谷岳の次に登ります。分厚い雲に陽光が遮られて若干薄暗いですが、まずまずの展望と言えるでしょう。
南月山の右側に見えた麓の望遠。ちょうど白河の市街地の辺りで、東北新幹線の高架橋の所に新白河駅が見えています。

南月山の山頂部の望遠。ぽつぽつと紅葉が色づいている。


黒尾谷岳の山頂手前付近。ロープ場もあったりしますが、そこまで険しい道という感じでもない。この辺りの紅葉も綺麗。
黒尾谷岳→南月山
[13:22-13:42]黒尾谷岳
今回の登山における最初のピークである黒尾谷岳に到着。まだ昼過ぎという時分ですが、雲が多くてかなり薄暗い……山頂は展望がありませんが、西側に進んだ所に展望地があるという事で、踏み跡を辿ってそちらへ向かいます。
黒尾谷岳の西側の展望地からの眺め。これから登る南月山の右側には関東平野が広がっています。
南月山と白笹山の展望。気付けば南月山の山頂にガスが掛かりつつある。
次なるピークである南月山に向けて出発します。標高は黒尾谷岳よりも200m高いという事で、やや上の方に見える。


黒尾谷岳と南月山の鞍部付近の紅葉。標高1,500m辺りがこの時期では見頃のようで、これより上の方では散り始めていました。

ごく短時間だけ陽光が差し込んだ時の色鮮やかな紅葉。やはり紅葉は陽の光が当たってこそ。
紅葉と南月山、白笹山。奥の山々は陰影が濃い……この辺りで初めて一人すれ違い。那須岳も茶臼岳や三本槍岳の辺りはいつでも賑わってそうなイメージですが、この辺りは至って静か。

南側に若干開けた所からの展望。奥に見えてるのは男鹿山塊最高峰の大佐飛山。いつか残雪期に登ってみたいなーと思ってる山。


鞍部を越えて南月山の登りへ。樹間から見えるのは先程登った黒尾谷岳。
尾根に乗った標高1,650mの地点で茶臼岳方面の展望が開けました。南月山の上に乗っていたガスも気付けば流れてくれたようで。

翌日朝一で登る茶臼岳の山頂の望遠。山頂に立つ鳥居の他、5~6人ほど人の姿が見えます。
南月山の山頂直下から茶臼岳。この頃になると進む先の完全にガスは流れてくれていた。
山頂すぐ手前から歩いてきた尾根道を振り返った所。こちらの方面の雲は多い。
南月山→日の出平

[15:00-15:42]南月山
本日のメインのピークである南月山に到着……中々の登りごたえでした。時間があれば白笹山への往復を考えていたのですが、16時台で暗くなってしまう時期としては今からでは少し厳しいのでカットに。

山頂一帯の雰囲気。周囲は低木に覆われていて鬱蒼としていますが、日の出平方面に進むと展望地があります。
南月山の展望地からの眺め。左側のなだらかな台形状の山が日の出平で。茶臼岳はその右奥にありますが、知らぬ間に上がってきたガスに埋もれている。
南月山からの展望。粘っていると茶臼岳のガスが僅かに抜けてきました。


茶臼岳とその望遠。ガスが抜けたのはごく一瞬で、その後すぐ覆われてしまった。
引き続き日の出平方面に進みます。日没が近づいてきた上、稜線上もガスに覆われ始めてなんだか全体的に薄暗い。雲の切れた左側には沼ッ原池が見えています。
荒涼とした砂礫の稜線上から、南月山を振り返る形で沼ッ原池と白笹山。南月山の山頂はガスに飲まれていました。


日の出平が近付くと笹道に。南月山以降は人通りも多いようで遊歩道のような道が続く。


[16:04]日の出平到着
日の出平に到着。予定では峰の茶屋跡から少し先の那須岳避難小屋まで行く予定でしたが、もう暫くで日没という時分なので本日はここで行動終了に。

今日はここで終わりと決めるやいなや、日本酒を開けての寛ぎモード……今回のお酒は先程、黒磯の枡忠酒店で試飲の末に購入した『東力士 極雫 袋吊り 純米生原酒』。色々試飲した中で、濃醇でありつつも洗練された味わいが気に入り選んだ。
ただ試飲時は甘味が強めであったものの、購入した物は瓶内発酵が進んで活性酒のような炭酸の強さで、全体の印象がだいぶ異なる。
ただ、甘味を炭酸が上手くカバーしていてこれはこれでかなり良いバランス。気が抜ける前と後で2度楽しめるのも魅力。選んで良かった。

本日の夕食メニュー。パスタとニシンの蒲焼と乾物(ごま物語)、それに駄菓子を幾つかというラインナップ。
東力士は食事に合わせるにはちょっと甘すぎたかなと後々になって思っていたのですが、買った物は炭酸のおかげでドライ傾向に寄っているので、食事やつまみとの相性とも抜群でした。

こちらは担いできた大量の水。合計9リットルですが、真夏でもないので正直こんなに要らなかった……確実に余りそうなので、プラティパスの2.5リットルは近くの草木にあげました。

ニシンの蒲焼をつまみながら至福のひととき。甘辛で濃い味付けなので、炭酸が強く清涼感のある東力士と良く合いました。
ただ、日没後から急に冷え込み始めてテント内の室温は既に±0℃。10月の那須はそこまで寒くないと思ってましたが……とは言え、念のためにハクキンカイロやシュラフカバーも持ってきていたのでしっかり熟睡。
『那須岳から二岐山その2』に続く
PR(ハクキンカイロの紹介)
今回の登山で暖を取る為に使用した、ベンジンを注いで使う燃料式のカイロとなります。熱量が使い捨てカイロと比べると段違い……というか、使い捨てカイロは氷点下では使えない(全く発熱しなくなる)ので、雪山を始めとした寒い時期のテント泊では必須アイテムとなります。
夏山でも3,000m級であれば朝晩は冷え込むので、寒い時期の登山をしない方でもミニの方を一つは持っておくことをおすすめします。寝付きが本当に変わります。(ただし低温やけどに注意)
燃料のカイロ用ベンジンは大抵のドラッグストアで売ってますが、こちらも一応載せておきます。自分の経験則として純正の物じゃなくても全く問題無いので、適当に一番安い物を選んでしまって大丈夫です。

















