
台高山脈縦走の2日目は、台高山脈における最高峰である大台ヶ原の日出ヶ岳の登頂と、その後の三津河落山経由での筏場道へのアプローチがメインの内容となります。
前日宿泊したマブシ嶺にて日の出を見物した後は尾鷲道の後半区間を歩き、地倉山、雷峠、白サコと経由しつつ尾鷲辻で大台ヶ原の散策コースに合流。断崖絶壁の展望地である大蛇嵓を往復した後は正木ヶ原方面に進み、日出ヶ岳には昼過ぎの登頂となりました。山頂からの展望を堪能した後は登山口となる大台ヶ原ビジターセンター方面に下り、その後は大台ヶ原ドライブウェイ上を少し歩き、筏場道の起点となる川上辻から名古屋岳、三津河落山へ登頂。この日はここで行動終了……とするには若干時間が余ったので、日没までの間に近くの大和岳を往復しました。
『台高山脈その2』の続きの記事となります。
他の日程を見たい方は以下の記事よりリンクを辿って下さい。コース全体の軌跡もこちらに掲載しています。

今回歩いたルートのGPSログです。
山行記録
マブシ嶺からの日の出

起床して朝食を食べ終えた頃、テントの外に出てみると東の空が赤くなり始めていました。頭上には月も見えていて今日も天気が良さそうだなと一安心。
尾鷲道は一応は難コース扱いという事で暗闇の中での行動はリスキーと判断し、日の出後の7時出発を目指して身支度を進める。(というか今回は難路扱いやバリエーションルートが多かったので、終盤の室生火山群を除いて概ねそんな感じの行動パターンでした)
辺りが薄明るくなってきた頃の東側の展望。マブシ嶺というか台高山脈の東側はすぐ海なので、熊野灘の水平線から日が昇ってくる形。リアス式となった海岸線もよく見えていました。
マブシ嶺最高地点方面に移動してそこからの展望。この山頂のロケーションは本当にお気に入り。是非ともまた来たい。
東の空の一点が一際明るくなってきました。日の出は近い。
数分後、じわじわと昇ってくる太陽。水平線からそのままという形で見えるかなと思ってたら、すぐ下に若干雲が滞留しているようでこんな見え方に。
日の出とその周辺の広い範囲の様子。
日の出とは反対側の西方面の展望。陽光が大峰山脈に当たりモルゲンロート的な感じの見え方に。テントの撤収途中でしたが、暫く手を止めてぼーっと眺めてました。
山名入りです。マブシ嶺からの山座同定画像は前回記事でも載せましたが、今回の方が順光なので見やすいかも。
モルゲンロートの大峰山脈を望遠で。南は笠捨山から釈迦ヶ岳、弥山、大普賢岳、山上ヶ岳と主峰は全て見えてる感じ。
こちらも山名入りを作成。端から端まで、雲ひとつ無く鮮明に見えました。

マブシ嶺の山頂看板と大峰山脈。これから進む台高山脈と比べると向こうは全体的に300mくらい高いです……道の悪さと険しさはこちらの方が数段上ですが。
日が高くなってきた頃の東の空。海面に陽光が反射し、水平線が黄金色に輝く。

やや望遠気味で同方面。真下の入江は尾鷲の北隣の相賀や引本といった旧海山町の町域辺りでしょうか。
ちなみにスタートとなった前々日は尾鷲駅から歩き始めて魚飛渓吊橋までアプローチしましたが、相賀駅から歩くというのも案の一つでした。(坂下トンネル経由の峠越えがなかったので、相賀駅発の方が体力的には楽だったかも)
日が昇ってきた頃の山頂一帯の雰囲気……テントは撤収済み。雲ひとつ無い快晴でした。


[7:03]マブシ嶺出発
朝7時、しっかり周辺が明るくなった所で出発。気温はプラス4℃という事で、この11月中旬という時期、この時間帯のピーク上としては暖かい方かなという感じ。
マブシ嶺→地倉山→雷峠→白サコ→尾鷲辻

マブシ嶺を出発して少し経った所からの展望。以降は尾鷲道を大台ヶ原方面へ北上していく形で進みます。
マブシ嶺の最高地点を越えた所で次のピークである地倉山が見えてきました。朝日に因るものか、東の斜面がやや赤味気味に染まっている。
地倉山への緩やかな登りの途中。尾鷲道というコース上においては、この辺りの区間は特に開けていて展望は良いです。
地倉山の山頂が目前となった所からの展望。マブシ嶺と同様、西側に大きく開けていて大峰山脈が一望できます。


[7:19]地倉山
マブシ嶺の出発から十数分という所で地倉山の山頂に到着。山頂の前後は開けていますが、山頂は樹林帯で展望は利かない。
地倉山を越えると再び展望地。やや陰影が濃いので分かりづらいですが、後に向かう大蛇嵓の断崖も見えています。

この辺りは若干入り組んでいて、本来の尾鷲道のルートは一旦尾根を西に外れて雷峠方面に進み、そこから暫くトラバースする形となっています。
看板の案内を見る限り、手前の尾鷲辻方面と示している方角は尾根に沿っているようですが、地図を見ると雷峠経由で進むのが本来のルートっぽいのでそちらへ。


[7:30]雷峠
先程の看板から西側に進んだ所の鞍部が雷峠。ここから暫く主稜線をトラバースする形で進む。


トラバース区間は少し怖いかもって所が幾つかありましたが、足場はどこも安定していたので難なく進めました。


尾根に復帰すると尾鷲道の看板が。その後は暫くフラットな尾根道が続きます。

木々の切れ目から見えた展望。谷を一本挟んで東側にある地池高のピーク辺りかな。


以降、尾根道とトラバースを交互に歩く。この辺りは途中のピークは基本的に巻くので登り下りが少なく体力的には歩きやすい。トラバースの道の状態も良いです。


トラバースから尾根に復帰する途中の登り。急登という程ではありませんがそこそこの斜度。とは言えやはり歩きやすい部類の道。
[9:03]白サコ
堂倉山の南側の鞍部にあたる白サコに到着。展望は利きませんが、広々としていて良い雰囲気。尾根はそのまま堂倉山へ続いていますが、尾鷲道のコースはその西側をトラバースする。


堂倉山の西側を巻いていく。この付近も起伏は少なく道の整備状況も良いので歩きやすい。尾鷲道でもマブシ嶺~尾鷲辻の区間は日帰りで往復する人は結構居るらしく、昨日までの道と比べると断然踏まれていました。
[9:17]堂倉分岐
堂倉山の山頂を回り込んで北側の鞍部が堂倉分岐。ここまで来れば尾鷲辻まではあとひと登りという所ですが、標高差は200m弱と少々あります。


道端で見かけたミヤマシキミとマンネンスギ。


尾鷲辻までの登りは直登では無く、稜線の南側を大きく回り込みトラバース気味に登っていく形。なので傾斜は緩め。

地倉山以降は鬱蒼とした尾根道でしたが、再び開けた雰囲気になってきました。
途中の展望と言うか道の雰囲気。左の道から右の道へ歩いていく形で進んでいく。


途中から若干九十九折の道になる。尾鷲辻は目前という所ですが、斜度は最後まで緩めでした。

フラットな笹原に入って暫くすると尾鷲辻の指導標(写真左側の笹の中)が見えてきました。尾鷲駅を出発して以降これまで誰一人と会わない静かな道程でしたが、分岐に近付くと急に下界のような喧騒が……流石は大台ヶ原。
尾鷲辻~牛石ヶ原~大蛇嵓(往復)

[10:08-10:18]尾鷲辻
尾鷲道のゴール?となる尾鷲辻に到着。ここから先は大台ヶ原の散策路を経由して今回の登山においての最高峰となる日出ヶ岳へ向かいます……が、時間的に少し早いので近くの展望地である大蛇嵓を往復する事に。


尾鷲辻の東屋に荷物をデポしてサブザックで大蛇嵓方面へ。尾鷲道の時点でもそこまで道の悪さは感じませんでしたが、流石にこちらは段違いに道が良い。人通りもかなり多いです。
大蛇嵓までは比較的平坦な道程。距離は片道1km強とそこそこありますが、歩きやすい道なので小走りで進んでいく。
途中、牛石ヶ原に近付くと広々とした笹原へ。道はその中を割るように通されている。
[10:29]牛石ヶ原
牛石ヶ原の広場に到着。休憩ポイントらしく、ここで昼食という方の姿を何人か見かけました。

やけに立派な神武天皇像。戦前の大台ヶ原開山の際の設置と意外と古いものらしいです。


[10:32]大蛇嵓分岐
牛石ヶ原の広場から僅かに進んだ所に、シオカラ吊橋経由でビジターセンター方面へ向かう道の分岐があります。時間的に因るものか、そちらの方面から歩いてくる人が多めでした。


分岐から大蛇嵓方面へ進んでいく。こちらの道は大蛇嵓で道が終端となる行き止まりの道。辺りは若干岩が目立ち始めてきた。
[10:37-10:47]大蛇嵓
分岐から5分ほどで大蛇嵓に到着。尾鷲道の途中からも見えましたが断崖絶壁の上みたいな所で、その崖っぷちギリギリの所まで近寄れます。
大蛇嵓からの展望。紅葉の名所らしいですが、10月下旬頃が見頃との事で既に終わってしまった感じ。とはいえ、眼下すぐに渓谷が迫っている高度感や遠目に見える大峰山脈と展望は中々でした。


混み始めてきたので荷物が置いてある尾鷲辻へ戻ります。お昼近くなってきたからか全体的に人が増えてきました……先程まで歩いていた尾鷲道からは考えられない人口密度。


[10:52]大蛇嵓分岐
往路で通ったシオカラ吊橋方面の分岐を通り過ぎる。
[10:56]牛石ヶ原
こちらも往路で通った牛石ヶ原。広々とした笹原で雰囲気は良いです。
尾鷲辻→正木ヶ原→日出ヶ岳


[11:07-11:21]尾鷲辻
荷物が置いてある尾鷲辻に到着。空荷だったからか、ちょうど1時間くらいで大蛇嵓往復できました。そしてここからいよいよ日出ヶ岳方面へ……暫くぶりに荷物を背負うとやっぱり重い。

尾鷲辻の日出ヶ岳方面の取り付きにあった案内看板。後にビジターセンターの方に通行止めと言われた筏場道も記載されています。(その対策で経由した名古屋岳、三津河落山方面の尾根はバリエーションルート扱いなので記載は無し)

日出ヶ岳方面は幾つか小さなピークを越えていく形になるようで、まずは正木ヶ原の登り。登りではあるものの傾斜は緩やか。


その緩やかな登りもすぐに一段落して平坦地。案内看板が多くて公園の遊歩道を歩いてるみたいな感覚に。

[11:34-11:43]正木ヶ原
正木ヶ原のピークに到着。ロープで囲われた広場となっていますが、そこまで展望は無いのでスルーしていく人も多い様子でした。
山頂部の木道上の木々の合間からは次のピークである正木嶺が見えました。あちらもなだらかな笹のピークといった感じ。

正木嶺をやや望遠で。手前の斜面には後ほど歩く木の階段が続いている。


正木ヶ原から正木嶺へと向かう道中の様子。大台ヶ原周辺は西日本の山にしては熊が多く生息する山域らしく、熊注意看板も何度か見かけました。
正木嶺の登りは若干斜度がある為か階段状でした。区間こそ短いですが、大荷物を背負っての階段の急登はちょっとつらい。
階段の途中にはテラス的なものが幾つか。笹の斜面という事で展望は良く、マブシ嶺辺りまでよく見えていた熊野灘沿いのリアス式の海岸線もよく見えます。
僅かに進み、登ってきた階段越しに正木ヶ原。大台ヶ原は全体的に笹原が多いですが、元々は樹林帯の見通しの利かない山で、昭和の伊勢湾台風の時に覆っていた木々の殆どが倒れて現在のような笹の山になってしまったという話。
正木嶺への登り。大量に残る立ち枯れの木の幹が、ここがかつて樹林帯であった事を示しています。
景色が良いので少し登っては振り返るの繰り返し。なので中々進まない。

[12:10-12:14]正木嶺
正木嶺のピーク上の展望台に到着。こちらでも休憩してる人が多く、その中の一人から自分の異常なまでの大荷物をきっかけに小話。「大杉谷からですか?」→「いえ尾鷲から」というやり取りはこの日だけで5~6回はしたかも。(その後、高見山方面に行くという話は変な人扱いされそうなので自分からは言えなかった)
正木嶺からの展望。こちらは東側に開けていて海沿いの景色を一望できます。
正木嶺から下り始めた頃。その先には次に登る日出ヶ岳の山頂が見えています。

日出ヶ岳の山頂を望遠で。何やら展望台的な建物が見える。


[12:22-12:27]日出ヶ岳分岐
正木嶺を下りきった所の鞍部がビジターセンター方面へ向かうコースの分岐です。日出ヶ岳はここから往復する形になるので、ここに荷物を置いて手ぶらで向かう事に。
ここにも近くに展望台があるので、そちらにも寄ってみる事に。
東側に面した所に設けられた展望台。分岐にあるという事もあってか、それまでの展望台と比べると広々とした造り。
展望台からの眺め。この日もう何度も見た海沿いの風景。

日出ヶ岳へ向かいます。山頂はすぐ先という所に見えていますが、若干標高差があるのか見上げる形に。


途中から階段となり効率よく標高を稼いでいく。
階段の途中からの振り返った所。すぐ正面に見えるのが先程越えてきた正木嶺。その右奥辺りに見えるのは牛石ヶ原辺りの緩いピークのようです。
日出ヶ岳→大台ヶ原ビジターセンター


[12:34-13:06]日出ヶ岳
日出ヶ岳に到着。先程も遠目から見えていましたが、山頂部に2階建ての展望デッキがあります。
大台ヶ原の最高峰でもあり、今回の12日間にも及ぶ長い登山における最高地点でもあるピーク……なんですが、ちょっと観光地っぽくて登山的な雰囲気ではないかも。

日出ヶ岳の山頂看板。看板見て、そういえばここ百名山だったんだなって思い出しました。
山頂一帯の雰囲気。かなり広い平坦地で、その中央に展望台が建っているという形。
展望台に登ってみました。こちらも意外と広くベンチも設けられています。
まずは南側の展望。これまで歩いてきた尾鷲道の方面ですが、正木嶺が大きく手前に聳えていてその先は見通せない。
山名入りです。正木嶺の奥には熊野古道中辺路の大雲取山(大雲取越)が薄く見えています。
次いで西側。こちらは大峰山脈の展望がメインという感じ。すぐ隣に仲間内で山座同定してるグループが居られたので大いに参考にさせて頂きました。(当時、一番高いのが八経ヶ岳とか弥山の辺りかなーくらいしか分からなかったので)
こちらは北側、これから向かう方面の池木屋山、室生火山群方面が見える方面の展望。方面としては、こちら側の方が細かいピークが多くて難易度高かったかも……けど、隣の山座同定している方が「あの3つ並んでる所が明神岳の辺り」と仰ってたので、内心へーと唸りました。
山名入りです。池木屋山の裏手には終盤に登る室生火山群の倶留尊山が見えていました。一方で、行程中盤のメインとなる高見山は明神岳辺りの真裏にあり見えない。
最後に東側の展望。すぐ下の所からは大杉谷方面のコースが続いています。
今回の台高山脈縦走は当初は大杉谷方面から入るつもりだったのですが、台高縦走と尾鷲道を絡めて歩くみたいなのが定番(ごくごく狭い界隈の風潮ですが)みたいな感じだったので、今回尾鷲から入ってみた次第です。
ただ、大杉谷の方も風光明媚そうでいずれはって感じなので、今度は大杉谷から入って伯母子岳経由で大峰山脈に繋げるみたいな縦走やってみたい気もする。
こちらは見える山々の望遠。この日は空気が澄んでいたからかかなり細かく、そして遠くのピークまで見通せました……まさか六甲山とか比良山系の山々も見えていたとは当時思ってもなかったかも。
かなり作るのに苦労した山名入り画像。ブログに挙げられる画像の長辺の最大サイズが1万ピクセルまでで解像度を下げざるを得なかったので若干粗め……なので対策として分割版も造りました。
南側~西側にかけての山名入り画像。正面に見える大峰山脈は距離が比較的近いという事もあってか、細かいピーク一つ一つが鮮明に見えています。
こちらは北側~東側。これから向かう台高山脈北部(池木屋山方面)は山々が重なっていて山名の特定にかなり難儀。
その台高山脈北部の山々の方面に絞った望遠。中央左に3つ並んだピークの右側が明神岳で、その左に水無山、国見山と続く。どのピークも4日後に越えました。
こちらは奈良盆地や大阪平野方面の望遠。中央左奥のやや薄くなだらかな山が生駒山地で、奈良盆地はその手前、左側には大阪平野、その左背後にはかなり薄いですが六甲山が見えています。
当時は大阪の方を奈良と見ていて(左背後の六甲山を生駒山地だと思ってた)、奈良の割にはビル沢山あるなーとか思ってました。実際は奈良盆地は手前の山に遮られてあまり見えないようです。
最後に東側、海側の望遠。距離的に20km足らずで海岸線という立地なのでこの海の近さ。

その後大杉谷から登ってきたという方に写真を頼まれたので、お返しにこちらも撮って頂きました。背後にはこれから向かう明神岳方面の稜線をバックに……一体何日かかるかなーって感じの距離感。

[13:11-13:13]日出ヶ岳分岐
日出ヶ岳から下り、荷物が置いてある分岐まで戻ってきて回収。そのまま大台ヶ原ビジターセンター方面へ下り始めます。


ビジターセンター方面への登山道。ここまでいい道は以降、当分無いんだろうなと思いつつ歩く。
分岐からビジターセンター方面へ少し下った所に水場があるので補給します。ここが枯れていたらビジターセンター辺りのお手洗いとかで汲まざるを得なかったので、無事湧いてくれてて万々歳。

こちらがその水場のパイプ。晩秋という時期の割には豊富に水が流れていたので通年汲めそうな雰囲気。日帰りハイキング客が大半という大台ヶ原でわざわざ水を汲む人は少ないのか情報が意外と少なかったので、ちゃんと湧いてるか少し不安だったりしました。

これ以降、確実な水場は翌日の宿泊地である三之公雨量観測所まで無いので(筏場道の金明水は経由しない)プラティパス2本分というそこそこの量を補給し、3本ある水筒も満タンまで……肩に食い込む。


水場から更に下っていくと次第に開けた雰囲気へ。
大台ヶ原ビジターセンター→川上辻→名古屋岳→三津河落山

[13:51-14:04]大台ヶ原ビジターセンター
大台ヶ原ビジターセンター……というか大台ヶ原の登山口に到着。なんか一区切りついて下山したような感じもしますが、ここまでの歩きはあくまで足慣らし。ひとまずは先の区間の情報収集にビジターセンターへ向かう事に。


こちらが大台ヶ原ビジターセンターの建物で、館内には大台ヶ原に纏わる展示が多くあります。観光客向けの案内窓口があったのでそちらで先の筏場道の状況を聞いてみると、「筏場道は崩落により通行止めです」とだけ冷たく返されてしまい、台高山脈縦走はこれにてあえなく終了……お疲れさまでした。

とまあ、そんな感じの事を言われるのは予想できていたので一旦外に出て脳内作戦会議へ。
さて、実際の所は筏場道は通ってる人は少なからず居るので通れなくはなさそうな気もするのですが、ああ言われてしまったからには強行突破するのも気が引けます。
ただ『筏場道は崩落しているので通行止め』とはっきり言われたので、逆に言えば一休さん理論で『筏場道の崩落していない箇所なら通行OK』という解釈できなくもないです。
そこで一つ案としてあったのが、その筏場道の崩落箇所を迂回するべく名古屋岳、三津河落山経由で稜線伝いに進み、筏場道のコース上(崩落箇所の先)のコブシ峠に下るルート。ルートと言っても正規のコースじゃないので完全なバリエーションな訳ですが、ある程度は人が歩いている上に危険箇所は無いというのが専らの話。
ただ、筏場道経由と比べると時間が3倍くらい掛かり大幅に遠回りになるので少し悩みましたが、遠回りになっても途中でやっぱ無理となって引き返すよりは良いかなと……という訳で、今回は三津河落山経由で向かう事にしました。

これから進む先の地図です。現在地である大台ヶ原ビジターセンターが画像下の方にあり、その若干上にあるのが川上辻の登山口で筏場道や三津河落山方面の尾根(バリエーションルート)はその地点から伸びています。
筏場道はそこからトラバースする形でコブシ峠、大台辻方面へ伸びていますが(破線のルートです)、川上辻~コブシ峠には崩落箇所が複数あり、一方でその後のコブシ峠~大台辻はそうした箇所は少なく比較的安全に通行できます。なので青線の軌跡の通り、川上辻から三津河落山へ登る稜線ルートを辿り、そこからバリ尾根でコブシ峠に下り筏場道へ合流する形を取りました。
ビジターセンターや駐車場の辺りの雰囲気。他には売店や宿泊施設があり、一つの街のような雰囲気でもあります。


筏場道、そして三津河落山方面の尾根の取り付きである川上辻は大台ヶ原ドライブウェイ上を少し下った先にあるので、暫く舗装路を歩く形に。


[14:21]川上辻
川上辻で再び山道に入ります。2つのコースの登山口といっても一方は通行止め、一方はバリルートという事で順調に自然へと還りかけてますが、立派な案内看板が立ちます。周辺には三津河落山方面に向かったと思われる方の駐車車両がありました。

さっきまでの大台ヶ原の散策路とは違うんだと言いたげな野趣に富んだ入口。実際、ここから先が今回の登山の本編だったり。


登山口から入って尾根上に上がると初っ端から笹薮の手荒い歓迎。筏場道の通行止め看板もきっちり立ってましたので、やはりここは三津河落山方面に迂回する作戦で……ちなみに、こちらの方面にも立ち入りをご遠慮的な看板が途中で立っていますが、明確に通行止めと言われた筏場道よりはマシかなと。
名古屋岳、三津河落山方面の道。獣道以上登山道未満くらいの割としっかりとした道が続いています。少なからず人が入っているのでしょう。


まず最初は三津河落山手前にある名古屋岳の登り。斜度は比較的緩い。

枯れ木に乗っていたお饅頭のようなキノコ。


名古屋岳の山頂手前からトラバースする形で赤テープが三津河落山方面へ続いていたので、山頂方面の分岐の所に荷物を置いて空荷で名古屋岳の山頂へ。
その往復の間、熊鈴の音が三津河落山方面から……川上辻に置かれた車の持ち主の方と思われます。
[14:41-15:02]名古屋岳
名古屋岳に到着。鬱蒼としていて展望はありませんが山頂を示す小さな標柱が立っています。この後の如来月、三津河落山、大和岳でも同じタイプの標柱がありました。


名古屋岳から尾根は真北に90度折れる形で続いており、先程の分岐まで戻って若干トラバースして主稜線へ復帰。この辺りは踏み跡が錯綜気味なので、幾つかある獣道的な物の中から歩きやすい物を選んで進んでいく。


三津河落山の登りはそこそこ急登。バリエーションルートゆえに直登という形になるので、斜度のきつさがそのまま体力的な厳しさに繋がる。水も満載だし。

[15:18-15:31]如来月
急登を登りきった所が如来月のピーク。後に向かう三津河落山よりも標高は上なので、こちらが三津河落山のピークとして表記される事も多いようです。周囲は見通しの利かない樹林帯でした。
如来月から更に北側に進む。三津河落山にはピークが3つあり、1つが先程の如来月(最高峰)、1つがコブシ峠方面・大和岳方面へそれぞれ続く尾根のジャンクションピークとなる三津河落山、最後に一つが西側の大台雨量観測所が立つ日本鼻となります。
如来月から歩き始めてから程なくして三津河落山の山頂へ。当初の予定では筏場道経由で大台辻、行ければ添谷山辺りまで進むつもりでしたが……コブシ峠までのバリ尾根の下りは明るい内に通過したいので、時間帯的に少し早いですが本日はここで行動終了とする事に。
三津河落山~大和岳(往復)

[15:37-16:06]三津河落山
三津河落山の標柱に到着。その手前に笹が刈り込まれたスペースがあったので、植生保護を考えてそちらにテントを張る事に。
山頂一帯の風景。この笹原の開放感……バリエーションルート上ながらも人気があるというのも大いに分かる。
日が差して明るくなってきた頃に再度、山頂一帯の風景。
翌日以降向かう池木屋山方面の稜線を臨んだ所。どの尾根をどうやって辿っていくのか全くもっての謎。
帰った後に調べてみると、明神岳少し先の赤ゾレ山まで辿るピーク&ポイントが概ね見えていた事が判明しました。
画像にも数字(赤字で強調)として記載していますが、『①添谷山→②御座嵓→③引水サコ→④振子辻→⑤父ヶ谷ノ高→⑥湯谷ノ頭→⑦山ノ神ノ頭→⑧地池越→⑨馬ノ鞍峰→⑩霧ノ平→⑪弥次平峰→⑫ホウキガ峰→⑬池木屋山→⑭千里峰→⑮赤倉山→⑯千石山→⑰明神岳→⑱水無山→⑲国見山→⑳赤ゾレ山』の順で明日以降辿っていきます。
テントを設営。笹の刈り込みの所に丁度すっぽり収まった形。
三津河落山の山頂を振り返る。日没まで少し時間があったので、近くの大和岳のピークまで往復する事に。
16時を過ぎて太陽が地平線に近付いてきました。

こちらの大台雨量観測所が建つのが日本鼻のピーク。この辺りでは電波が通じたので帰りに少々長居。(以降、4日後に通った明神岳手前の笹ヶ峰まで全く電波通じず……)
日本鼻付近から、明日以降歩く入り組んだ稜線を見下ろす。


日本鼻から大和岳は一度降って登り返す形。とはいえ斜度は緩く、気づけば大和岳の山頂が目前に。

[16:23-16:30]大和岳
大和岳に到着。ここも三津河落山と同様に小さな標柱があります。西側を見てみると、大峰山脈がシルエット状になってました。
大和岳からの展望。タイミング的に太陽と雲と重なってしまい陰がちに。
辿ってきた日本鼻、三津河落山方面を振り返る。雰囲気の良い笹の稜線歩きでした。
再度、大和岳からの展望。少し先にピーク的なものが見えて道も続いていますが、そちらまでは行かず。
一瞬だけ西日が注ぎ一帯が黄金色に染まった。
再び陰影が深まり辺りは薄暗くなる。そんな風景の変化を暫く眺めていました。


日没まで居続けようかと思いましたが、流石に冷えてきたので三津河落山のテントまで引き返す事に……大和岳、良いピークでした。
大和岳からの下り始めから日本鼻方面の展望。
先程も通過した日本鼻付近の展望地。景色が良いと同じような所で同じような写真を撮ってしまいがち。

日本鼻のピークは若干木々が多かったので日没は見られないかなと思ってましたが、ちょうど切れ目があってそこから臨めました。
日本鼻から三津河落山へ。空の雲が夕日で桃色に染まっていて綺麗。
日没後の三津河落山の雰囲気。周囲が一気に暗くなってきた。
[17:11]三津河落山到着
三津河落山のテントまで戻ってきました。遮るものが無く常に風が吹き付けているような所で長居した為か身体が冷えてしまったので、早々にテント内へ避難。

本日の夕食。松茸ごはんのアルファ米に駄菓子、鯖の照り焼きの缶詰というメニュー。

この日も最愛、醉泉の2本の日本酒と共に。まだまだ先は長いのでセーブ気味に飲みました。
『台高山脈その4』に続く
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大台ヶ原(最高峰の日出ヶ岳)は日本百名山の一座という事でその踏破を狙って訪れる方も多そうなので、個人的に好きなガイドブックを一冊紹介。コースやモデルルート等といった実用面での内容も充実している他、単純に読み物としても面白いのでおすすめです。
ちなみにですが、日本百名山の作者である深田久弥が最初に大台ヶ原は訪れた時にはドライブウェイが通じておらず、川上村の入之波から当時のメインルートであった筏場道を経由して登っています。その筏場道は本文でも書きましたように現在では通行止め(特に入之波~大台辻間は崩落が進み通行不能に近い状態)との事。そうした古くから使われていた歴史あるルートが今では通れないというのはちょっと残念ではあります……。








































































