山とか酒とか

登山やお酒を始めとした趣味全般を雑多に、また個人的に有用だと思った情報を紹介しています。

立山連峰縦走 登山口までの道程(松本→平湯温泉→新穂高温泉→わさび平小屋)

前回の谷川連峰から下山してきて以降、やけに梅雨が長引いて7月中はどこにも行けず……明けて暫く経った8月中旬、ちょっと長めの登山に行ってきました。行き先は北アルプス笠ヶ岳……から他色々と。その色々というか登った後の行程が長すぎて、当初の目的の笠ヶ岳は結果的におまけみたいな扱いになって何がメインの登山なのか分からなくなっちゃいましたが。

ともあれ、北アルプス自体かなり久々です。もうなんか随分と行ってないなーって思ってヤマレコの過去の自分の山行記録をほじくり返してみたら、最後に行ったの5年前でした……以下、暫く特に意味のない前置きもとい自分語りが続きますので適宜スキップして下さい。

www.yamareco.com5年前というと単独行での登山に嵌り始めた頃で、ほぼ月一で何かしら登ってましたね……しかし、ここ数年はだいぶモチベ下がってて『冬に近所の低山で体力作り→春に軽めのテント泊登山→梅雨で気分冷めて秋までどこも行かない』みたいなパターンが続いていたので、盛夏が登山シーズンの高山帯には足が遠のいてました。

今年はコロナ由来の自粛ムードに対しての反動か8月時点でもモチベがそこそこ残り、久々にやってきた3,000m級のお山に行ける機会。本来であれば北アルプス以上に行ってない南アルプス(最後に行ったの6年前の甲斐駒&仙丈)に行きたかったんですけど、こっちはコロナ自粛喚起の為に山小屋全閉じ登山口までの林道クローズという徹底ぶりで断念せざるを得ず。せめて夜叉神峠までバスが動いていれば鳳凰三山くらいは足慣らしに登りたかったんですけどね……結果、比較的例年通りな状況とされる北アルプス行きが決定した訳です。

とまあ、そんなコロナ禍の中での登山。そのおかげ?なんて言うと不謹慎過ぎて自粛警察に殴られるような気がしますが、終始8月中旬というハイシーズン真っ只中とは思えない程に静かな登山を楽しめました。景色も後半は特に晴れてくれたので8割方満足です……2割の不満は黒部五郎岳がガスで見えなかったのと、当初目的していた欅平に下れなかった事。

行程自体もなんかは最終的には色々と長くなってしまいましたが、出発一週間くらい前までは笠ヶ岳に登るという事以外はノープランでした。そこから裏銀座方面に進んで烏帽子岳辺りで降りるという考えも漠然とありましたが、いっそ登っていない立山剱岳をついでに登っては?という考えが唐突に浮かび、結果としては立山連峰の縦走と相成りました。

予定通りに行けば最終的には剱岳から池ノ平小屋を経由し欅平に下山してトロッコに乗って帰るつもりだったのですが、初日の笠新道の急登で体調を崩して予定していた双六小屋に辿り着けなかった事で計画が大きく狂ってしまう。宿泊地も(双六→太郎平→五色ヶ原→剱沢→池ノ平)とする予定が(秩父平→黒部五郎→スゴ乗越→雷鳥沢二泊)と原型を留めないレベルで崩壊し、最終的には欅平下山を諦めて室堂から降りる事になりました。だいぶ心残りなのでいつか欅平に降りてみたいけどいつになるかな……乗りたかったよトロッコ

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殆ど電車&バス移動でろくに歩いてませんが、この日の行程。新穂高ロープウェイからテント場のあるわさび平小屋まで1時間少し歩いたのみです。

他の日程を見たい方は以下の記事よりリンクを辿って下さい。コース全体の軌跡もこちらに掲載しています。

【2020年8月】立山連峰縦走についての情報と記録 - 山とか酒とか

目次

松本散歩

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いつもどおり中央線に揺られて西に向かいます……左の写真は勝沼ぶどう郷付近から見た甲府盆地南アルプスの白根三山。右は韮崎過ぎた辺りで見えた八ヶ岳です。

出発時点でいまいち体調良くなくて軽く憂鬱気味だったのですが(コロナではない)、こんな感じで天気が良かったので否応なしにテンションが上がる。

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しかし松本に到着すると打って変わっての曇天。というか北アルプスの辺りに重々しい雲が立ち込めてます。高山辺りの予報は雨だったので仕方ないかなーと思いつつも、行き先が雲に埋もれているというのは複雑な心情。

駅の外に出る。乗る予定のバスまでだいぶ時間があるので市内をぶらつく事に……途中でヘッドライトを忘れるとかいう致命的過ぎるミスにも気付いたのでその調達もついでに。

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駅周辺でもそうでしたがコロナのアレで街が静かでした。8月のお盆休み真っ只中、例年であれば観光客向けの店が立ち並ぶこの辺りも混雑してるはずでしょうが、この日は殆ど人通りがありませんでした。

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東側、松本城の外堀を渡り太鼓門へ。

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松本城公園内、内堀沿いの様子。観光客で賑わってる印象があるこの場所も至って静かです。ベンチに座ってぼーっと城を眺めたりして時間を潰す。

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入城口と逆さ松本城。三密対策に入場制限を行ってるという旨が入口に張り出されていましたが、客自体少なく待ち時間はゼロでした。

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流石に城内に入っている時間的余裕は無いので周囲をうろつく程度に留める。曇天なのでいまいち映えない。

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公園内で蓮の花が咲いてました。和みます。

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公園内で見かけた野良猫。道のど真ん中を占拠してて大物感ある。

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城を後にします。そこそこ時間潰しできました。

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街中をぶらぶらと歩く。広範囲で電柱地中化され妙にすっきりした印象を受ける松本の街。

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四柱神社。登山前にはどこかしらの神社で安全祈願するのが恒例化しているのですが、今回はこちらの神社で。市街地から程近い所にあり、そこそこ規模の大きい所という事もあって賑わっています。

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神社の脇、女鳥羽川沿いに伸びる縄手通りの入口に鎮座する巨大なカエルのモニュメント。カエルはこの通りのシンボルらしく、カエルグッズを扱う店なんかもありました。

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駅に戻る途中、パルコに入る好日山荘にて持参し忘れたヘッドライトを購入。初っ端から余計な出費。高輝度のものは予備にもう1つあってもいいかな……とかなんとか言って無理矢理自分を納得させる。

バスで新穂高温泉

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バスターミナルに戻り切符を購入……中々のお値段。当初はクリヤ谷から入山する予定だったので、その登山口に近い中尾高原口までの区間を指定。

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待合室の発車掲示板。路線バス(左側)は殆ど通常通りですが、高速バス(右側)はコロナの影響でめっちゃ運休してます(赤字が運休)。乗車する高山方面のバスも例年であれば新穂高温泉に直通するものも数本あるのですが、今年はそれも運休なので高山行き特急バスに乗って平湯温泉で乗り換えという形に。

その高山行きのバス自体も普段の1/3くらいの本数ですが、それにしても乗客は少ない。席埋まり具合は1/5くらいでした。これじゃあ減便もやむなしですね。

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バスに乗って山に突っ込むと青空が徐々に遠くなる。北アルプスを横断するこの道路、7月の豪雨で崩落しており暫く不通でした。この日通った時も補修工事による片交なんかもあったり。

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安房峠を越えて岐阜県に入る……途端に超土砂降り。雨なのは予報で知っていたけど、この感じだとクリヤ谷は増水してて無理かもなーという事で急遽笠新道からの入山に変更。残念だけど、いざ突入して通れなかったら萎えてそのまま帰る事になりそうだから仕方ない。

平湯温泉で下車し新穂高ロープウェイ行きに乗り換え。この日の宿泊場所も笠新道の起点近くのわさび平小屋に変更という事で、終点まで乗り通します。

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5年前に槍ヶ岳から下りた時に脇を通って以来の新穂高ロープウェイ乗り場。乗った事は無い。そして今回も乗らず自分の足で先に進む……雨具を着込んで。

新穂高温泉→わさび平小屋

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 [13:47]新穂高ロープウェイ出発

わさび平小屋に向けて歩き始めます。開幕雨具で萎え萎えでしたが、雨脚が少し弱まってきたのが救い。

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登山ポストに雨で半分濡れてフニャフニャになった登山届を投函。するとセンサーが感知しゲートが開門するシステム(大嘘)

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登山口にはこんな立て看板がありました。テント……全くの無予約で来たから少し心配。体温に関してはこの日の朝に熱測ったら36.3℃だったので余裕のセーフです。大手を振っての入場。

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平湯温泉で乗り換えの時に購入した飛騨牛まんを食べながら歩く。美味そうだな……けどこのサイズで500は高いなー、って感じで2回程見送ったのですが、3回目で我慢できなくなり購入してしまった。

味はめっちゃ牛肉入っててゴージャスでした。500円の価値はある。購入は正解。

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ガスガス。 けど雨止みましたので雨具を早々に脱ぐ。

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ゴゼンタチバナホタルブクロゴゼンタチバナは今シーズン初遭遇。

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暫く道を進み、翌朝登る笠新道の登山口を確認。看板やら指導標やらでわざわざ確認するまでもなく目に入りますけど一応。

急遽変更した笠新道ですが、北アルプスの登山道の中でも屈指の急登で有名。実際、登山口から既に結構な斜度な登り……見なかった事にして先に進みます。

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わさび平小屋へ進む。雨は上がりましたが雲は依然として厚いです。

わさび平小屋にて

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 [15:01]わさび平小屋到着

歩き始めて1時間強でわさび平小屋に到着……雨具着たり脱いだり肉まん頬張ったりしてたらやけに時間掛かってしまいました。宿泊する人も何人か居ましたけど、時間的に双六方面から下山してきて休憩に立ち寄ってる人が多めでした。小屋は意外に大きく新し目で、静かな森の中に佇むロッジみたいな雰囲気。

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小屋前で果物が水浴びしてました。一つだけ浮かぶスイカに呼ばれた気がしたけど、一人で一玉食べるのは流石に冒険が過ぎるので自重。

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テントサイトは小屋の脇から少し下った所にあります。広いです……が、登山口から1時間という微妙な立地上、ここでテント張る人はそこまで多くないです。この日も3~4張程度という埋まり具合。

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松本市内の酒屋で調達したトレーニング用の重り2つを紹介。当初の予定では松本電鉄に乗って2軒ある沿線の酒造で買うつもりだったんですけど、ちょうどお盆休みでどちらも休みになり断念。

右は『大信州 豊乃蔵「槽場詰め」純米吟醸生原酒 赤ラベル』。大信州は訪問予定だった松本市内の酒蔵のもの。聖蹟桜ヶ丘の小山商店なんかでも推されてて人気が出始めてる銘柄です。日本酒度は+10ですが、ドライながらも甘味旨味がしっかりと主張していて、ただ辛いだけではなく奥行きが感じられるお酒でした……こちらのスペックは長野県内のみ販売との事なので、同じ銘柄の近い傾向のものを紹介。

 
 

左は『豊香 純米吟醸生原酒』。松本ではなく岡谷の酒です。同じ長野県内の似たような名前の豊賀はよく買ってるんですけどこっちは初めて……とは言え、こちらも首都圏の酒蔵で結構見かける銘柄です。辛口の大信州と比べると甘口で濃いですが、全体的なバランスは良くて洗練された味わい……こちらも同一スペックのものは見当たらなかったので同じ銘柄の別のものを紹介。純米原酒ながら一升2,000円程度と破格です。

 
 

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登山中の食事メニューにはお肉系の物を意識的に取り入れてます。今回は初日からあまり体調がよろしく無かったので、地元の名店のハムステーキを食べて精を付ける。

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特に意味もなく食事風景。雨上がりなので蚊が恐ろしい量飛び回ってますけど、燻製の煙と森林香バリアでテント内には入ってこない。

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フライパンから直接いただくハムステーキ……我ながらワイルド。美味すぎた。

次回記事『立山連峰縦走その1』に続く。

inuyamashi.hateblo.jp