山とか酒とか

登山やお酒を始めとした趣味全般を雑多に、また個人的に有用だと思った情報を紹介しています。

御正体山から西丹沢その3(犬越路→西丹沢ビジターセンター、帰路など)

前回記事『御正体山から西丹沢その2』からの続きです。

inuyamashi.hateblo.jp

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最終日であるこの日は前日宿泊した犬越路から檜洞丸に登り返し、蛭ヶ岳丹沢山といった丹沢主稜方面に足を伸ばして最終的には宮ヶ瀬に下る……当初はそんな感じのそこそこ歩き甲斐のある予定でした。しかしこの日は朝から天気が悪く中止。せめて檜洞丸だけでもと小屋の中で粘るも、一向に好転しない天気に見切りを付けて下山しました。以降は麓の山北でお風呂に入ったりSLを眺めたりしながら適当に帰宅。

他の日程を見たい方は以下の記事よりリンクを辿って下さい。コース全体の軌跡もこちらに掲載しています。

【2020年12月】御正体山・西丹沢登山についての情報と記録 - 山とか酒とか

目次

犬越路→西丹沢ビジターセンター

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始まりは午前2時半、一杯のモーニングコーヒーから。当初は4時に出発する気まんまんだったので、それまでに朝食を摂ったりザックのパッキングを済ませたりとかして準備万端の態勢。その後ちょっと外の様子を見に出たのですが……。

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外は雪混じりの雨が降っていました。ガスも多くこれから登る山は軒並み雲の中……テント泊であれば雨音がフライシートを叩くのですぐに雨だと分かるのですが、小屋内では雨音は聞こえてこず出発段階でようやく気付く。

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雨でもガスさえ無ければ雨具着込んで突入してもいいかなと思うのですが、稜線上は殆ど雲に覆われてしまっていて最初に登る檜洞丸のピークすら見えない始末。視界不良の中を歩いても楽しくないので暫く寝袋に包まって様子を見ていましたが……天気予報を見ると無情にも回復するのは夕方以降になるとの事。諦めて下山します。

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[8:20]犬越路避難小屋出発

晴れていれば正面に檜洞丸が見えるという所。出発時点ではそこそこ雨が降っており雨装備でのスタート。

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用木沢方面に下ります。下り始めはそこそこ急坂。

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沢の源頭の辺りまで来ると傾斜は緩やかになり、以降は沢沿いに下っていきます。

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砂利の堆積した河原の上を歩いていく。一部道の分かりづらい箇所がありますが、基本沢沿いの道なので適当に歩いていれば道に合流します。

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沢沿いをただ歩いていく。この時点でもまだ雨が降っていますが、土曜だからか自分とは逆方向に山のへに向かっていく何人かとすれ違いました。こんなに天気なのに皆タフだなーと感心。

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渓谷を跨ぐアーチ橋。

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1時間足らずで舗装路に出ました。だいぶ物足りないですが仕方ない。

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ここまで畦ヶ丸の少し先で拾った木の杖をストック代わりに使っていました。最後に沢に放り投げて供養しようと思いましたが、誰か使うかなと思い入口の所に立て掛けておく。

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以降はキャンプ場の脇をひたすら歩いて下りますが、その間にも檜洞丸方面に登っていく人が続々と……まだまだビギナーの自分には雨天登山の良さが理解できないです。

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[9:40]西丹沢ビジターセンター到着

西丹沢ビジターセンターのバス停に到着。発車時間が近いので雨具着込んだまま突入したら、脱いでから乗れと運転手に叱られました。ごもっとも。

帰路(山北散歩)

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以降は帰路です。バスの車窓から見えるのは丹沢湖……西丹沢には殆ど来ないので、視界に入るこの付近の景色は少しばかり新鮮。

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御殿場線山北駅に到着しました。ビジターセンター発のバスは小田急新松田駅までそのまま直通しますが、この付近に日帰り入浴施設があるという事で一旦下車。

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木造で回廊を持つ古色蒼然とした駅舎も、看板建築の建物が並ぶ昭和な駅前もどちらもレトロな雰囲気。山北は戦前、御殿場線東海道本線であった時代の交通の要衝で機関区を持ち、人口のかなりの割合がそれに携わる鉄道関係者で占めたりと鉄道の町として栄えました。

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駅裏に建つ町営の福祉施設の中のさくらの湯に入浴。2時間で400円、露天風呂に加えてサウナまで付いていたりと値段の割に設備が充実していますが温泉ではない。けど安いので午前中のこの時間でもそこそこ混雑していました。

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同じ建物内にある障害者自立支援団体が経営する食堂、ともしびショップにて昼食。徹底してレトロスペクティブなラーメンに舌鼓を打つ。

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この時点で正午……当初の下山予定は夕方。故にあまり早く帰っても仕方ないので、暇潰しがてら駅裏のSLの見物に行きました。

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保存されているD52型蒸気機関車。鉄道の町としての矜持か動態保存機として整備されており、動かせるように前方に少しだけ線路が延びています。

蒸気機関車と言えばボイラーで石炭を焚いて熱された水が水蒸気となり、その際に生まれる圧力を動力に伝えて駆動させるものですが、こちらはコンプレッサーによる圧縮空気を蒸気の代わりに直接注入して擬似的に動かすタイプのもの。昔のような形態で静態のものを一から動態化するにはボイラーを始めとした修繕整備だけでも何億という金額が掛かってしまいますが、この方式であればだいぶ低コストで済むので保存機の動態化に際しては近年よく見られる形態です。実際このつい数ヶ月前、新潟県第三セクター鉄道であるえちごトキめき鉄道にてこの方式で動態化されたD51が導入されたりしています。

前述の通り動作に蒸気を用いていないので厳密に言えば空気機関車と言えなくもないですが、保存車両を持て余し解体という流れが多い昨今、敢えてそれを論うのは無粋でしょう。

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D52は戦時中の物資の大量輸送を名目に急造された国鉄最大の貨物機で、東海道本線や北海道の本線系統の貨物輸送で使用されました。実際その車体もD51等と比べると若干大きく見える。

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SLを見物しているとすぐ側を御殿場線の電車が走り抜けていく。一昔前はこの電車の代わりにD52を始めとした大型の蒸気機関車が行き交っていました。

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少し西側の跨線橋から山北駅を発車する電車を眺める。今でこそ単線のローカル線ですが、東海道本線であった時代は複線だったので余裕のある造りという印象。線路に沿って作られた掘割も心なしか広い。

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山北の町の様子。駅前の東西に古い商店街が延びています。

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道中のお地蔵様。どういう訳か二体セット。

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駅前に戻ってきました。一度はうろうろしてみたかった山北の町を歩けたのでまあ満足。

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広々とした駅構内。左に先程入浴したさくらの湯のある福祉施設が見えます。かつては山越え用に機関区が置かれていて補機が屯する等して賑わっていましたが栄枯盛衰、今や一本のホームに2両か3両の電車が入ってくるのみ。

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御殿場線で松田まで移動、新松田からは小田急を乗り継いで帰宅しました。

尾瀬登山での不完全燃焼感を払拭したいが為の登山だったのですが、今回それも不完全燃焼に終わってしまいました……まあそういう事もあるだろうという事で、今回は潔く諦めて来シーズンに期待しましょう。コロナ騒動もその頃には幾らか収束してると良いですね、本当に。