山とか酒とか

登山やお酒を始めとした趣味全般を雑多に、また個人的に有用だと思った情報を紹介しています。

山とか酒とか

中山道木曽路・鳥居峠を越える(藪原駅→鳥居峠→奈良井駅、上諏訪散策)

前回『御嶽山 2日目(百間滝→御嶽山→継子岳→開田登山口→旭ヶ丘バス停) 』からの続きです。

inuyamashi.hateblo.jp御嶽山からは無事に下山したものの、継子岳に寄り道するなど土壇場で行程に余計なアレンジを加えてしまった所為で予定していたバスに間に合わなくなっちゃいました。それでやむなく麓の駐車場で野宿しましたが…野宿に全く抵抗なくなっている辺り本調子に戻れてきているのかな。文明人からは着実に遠ざかってるけど。

という訳で、当然その日のうちには帰れなくなり帰宅は翌日に先送りとなったのですが、せっかくやってきた遠方の地。色々と動けそうな日中を電車移動に費やすというのもセンスないと思い、付け焼刃的に観光要素を盛り込みました。

では何を観光するか。そりゃ木曽なんだから中山道の宿場町巡りでしょうと短絡的な思考に帰着。事前に入念な計画を立てているならまだしも、思いつきでの観光じゃそれくらいが限界ですね。

一応、本日歩いたルートも乗せます。麓から最高地点までの標高差は300mくらいで、登山後のクールダウンには丁度いい感じでした。

御嶽山の情報記事はこちらです。

【2019年10月】御嶽山登山についての情報と記録 - 山とか酒とか

目次

藪原宿

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木曽福島から中央本線に揺られて数駅、藪原駅で下車しました。中山道の木曽における区間には難所と呼ばれる峠越えが二つあり、一つはポピュラーな妻籠~馬籠の馬籠峠。もう一つは奈良井~藪原の鳥居峠となります。妻籠は流石に帰り道とは逆方向過ぎるので今回は後者を歩いてみる事にしました。

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宿場町である藪原の街は奈良井や妻籠馬籠程には観光地特有のギラつきは少なく、旅籠っぽい建物がぽつぽつと残る程度です。こういう落ち着いた街も好きですよ。

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藪原宿名物のお六櫛です。男用のものもあったのでちょっと興味を惹かれましたが、手作りの工芸品という事もあって結構いいお値段がしました。

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左はかつて大火に見舞われた後に防火用に作った防火高塀跡です。そこに根付く松の木も中々の歴史がありそう。宿場として機能していた頃からあるのかな。

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線路を渡り藪原神社を散策。高台に向けてジグザグと進んだ先にある、ちょっと変わった構造の神社でした。

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神社から下り中山道に戻る。右の写真を見ると分かるように、街道は線路で分断されています。

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街道沿いという事もあってか随所に湧き水があります。ここも原町清水と呼ばれ、街道時代から旅人の喉を潤していたんだとか。

この日は結構蒸し暑かったので、見かける度に手で掬って喉を潤していました。昔の渡世人とかとやってる事変わらない…三度笠でも被れば様になったかな。

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だんだんと街から離れてきて人家が少なくなってきました。

鳥居峠

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ここが峠越えの道の入口のようです。また山道ですか…我ながらよく飽きないねぇ。

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石畳が敷かれていたりと山中ながらにどこか街道らしい風景。当たり前ですが昨日までの山道と比べると格段に歩きやすいです。ザックはテントが水吸っててすげえ重いけど。

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途中の展望台から藪原の市街が見下ろせました。殆ど山登りですね。

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途中、御嶽神社への分岐路があります。前日まで御嶽山に居たのだから無視できないよね。たとえそれが長い階段の先だったとしても。

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御嶽神社すぐ側、御嶽山遥拝所に立ち寄る…で肝心の御嶽山は? 目を閉じればなんとなく浮かんで来ますね。

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神社の入口から再び中山道に復帰します。

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少し進むと舗装路との交差があり広くなった所があります。当初はそこが鳥居峠なのかなと思いましたが、後になって作られた切り通しのようです。本来の道は少し坂道を上った所から続いています。

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左がおそらく最高所で、本来の鳥居峠の場所でしょうか。そこから少し下った所に休憩舎がありました。かつて街道を往来した旅人達も、このウッディなログハウスに立ち寄って峠越えの疲れを癒やしたのでしょう。

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ここからは下り一辺倒です。

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ひっそりとした峠道でしたが、4、5組ほど外国人のハイカーとすれ違いました。日本人も負けるな

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峠道を下りきりました。山道に入ってから1時間20分、手軽なハイキングでした。昨日がメインディッシュだとすると大福一つ分くらいの感覚、食後のデザートですね。

奈良井宿

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宿場町の端にある鎮神社。奈良井に来る時は大抵駅からこの神社までの往復だったので、端にあるこの神社から宿場に入るのはなんだか新鮮。本当に街道を歩く旅人になった気分。

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重伝建地区の奈良井の街に踏み入れる。末端部のこの辺りは店や観光客の姿も少なく素朴な宿場町という印象。

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煎餅を焼く香ばしい匂い。さながら誘蛾灯に集る蛾のように引き寄せられ、気付いたらそれを片手に装備していた。ちょっとした運動後の塩分補給には良いです。ボリボリ音を立てて咀嚼しながら宿場見物へ。

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クランクである鍵の手を越えると中心部。街の雰囲気も一気に観光地じみたものへと変わる。

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ちらほら観光客の姿がありますが、そこまで混んでいる印象はありませんでした。

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宿場を歩き終わる。電車の時間まであんまり余裕が無いので早歩きでの見物でした。そうこうしている間に煎餅も全て胃袋に収まった。

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途中で調達した五平餅とぽたぽた焼が本日の昼食です。本来であれば蕎麦屋辺りに入ってじっくり腰を据えて蕎麦前と行きたかったのですが、この時は一刻も早く風呂に入りたかったので電車に飛び乗りました。2時間に1本以下の本数だから仕方ないね。

上諏訪散歩→帰宅

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飛んで上諏訪。木曽はろくに日帰り入浴施設が無いので、温泉が密集するここで一旦降ります。

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上諏訪にはほぼ毎年くらいのペースで来てますけど、なんか来る度に寂れてるような…大型の商業施設がどんどん無くなってきてるし。人通りもほぼない。看板建築のかっこいい建物多いんですけどね。

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目的としてはお風呂に入りにきた訳ですが、ついでにお土産の酒を買いに諏訪五蔵が固まるエリアにやってきました。舞姫麗人本金横笛真澄とあり、これまで本金(霧ヶ峰~美ヶ原登山)→麗人(蓼科山~八ヶ岳登山)という順番で蔵めぐりしていますが、今回は舞姫酒造に寄りました。

舞姫はその名の通り舞姫という銘柄で有名ですが、現在は信州舞姫と名を改めています。というのも、00年台後半に民事再生法の適用を受けたりした際のごたごたの中で商標の更新をし損ねて、その間に他の酒造に『舞姫』の商標を取られてしまったのです…目敏いというかなんというか。

その後経営再建の目処が立ち醸造再開しても『舞姫』の商標は使えず頭に信州と付ける羽目になったという訳です。世知辛い話ですねぇ。

ちなみにここで作られる酒は舞姫の他に、首都圏の特約店向けのブランドとして『翠露』があります。東京なんかだとこっちの方がよく見掛けますね。他には八王子産の酒米で醸した『高尾の天狗』なる銘柄もありました。

蔵造りの堂々たる建物に入るなり早速、試飲どうぞと勧められる。本醸造から純米大吟醸生原酒まで幅広く飲ませて頂きました。酒屋に行くと様々な種類の銘柄を眺める楽しみがありますが、蔵元では大抵試飲できるので、銘柄が一つである代わりに自分の舌で確かめながら選べるという別種の楽しさがあります。

酒のラインナップとしては冬前の新酒発売前という事もあって秋あがりの火入れ酒がメインでしたが、全体的に火入れのものであっても米の味わいを残したものが多いです。そうしたものを10種類くらい飲んで、さて何を買うべきかと悩みに悩みましたが…。

結局、諏訪の酒としてスタンダードな美山錦を使用した、秋あがり純米吟醸原酒にしました。一番美味いと思ったのは夏前に出た純米大吟醸中汲み生酒だったんですけど、これから紅葉が始まるという時期にそれを選ぶのはナンセンスというか無粋でしょう。

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翠露・美山錦純米吟醸原酒・秋あがり

夏越してるので程よく円熟していますが瑞々しさも感じさせる酒です。それでいて綺麗な口当たりの酒質なので、帰って料理に合わせて飲んでみたらいい感じでした。単体でも料理と一緒でもいける。個人的に当たりかな。83点

とまあ結構な長居をして満喫させて頂きました。全体的に米の瑞々しさを主張させており、なおかつシャープなキレを意識したものが多く食中に合いそうなお酒が多かったです。諏訪に来たら是非とも立ち寄ってみて下さい。

楽天市場で『翠露 舞姫』を検索

五蔵の内、残すは真澄と横笛です。真澄は地酒蔵としてはちょっと規模が大きすぎる上、酒販店のプレゼント酒か何かで一本貰って飲んだばかりなので、次に行くなら横笛かなぁ…。

それともう一つ、これは蔵元の方から聞いた話。これまで諏訪五蔵で協力して呑み歩きイベントを開催していたのですが、なんかトラブルがあったのか単に足並みが揃わなくなったのか、今年をもって中止になってしまったと嘆いておられました。

一体何があったのか、当事者のみぞ知る事なので外野からは窺い知れません。ですが和醸良酒という言葉もあります。20周年の翌年である今年はあくまでインターバルで、来年こそは同じ日本酒を醸す人間同士手を取り合い、イベントも再開に漕ぎ着けられるといいですね。

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新たに一升瓶というヘビー級の仲間が加わったザックを担ぎよたよたと散歩。こちらは高島城。諏訪って諏訪大社とか諏訪湖とか色々と見どころあるんですけど、本腰入れて観光した事ないんですよね。今度、山の帰りでも寄って回ってみようかな。

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一度行ってみたかった片倉館に到着。なんと重要文化財指定された洋館の中の大浴場に入れます。日帰りも可能で料金は700円也。

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内装も贅を尽くした作りですが、プールのような作りの千人風呂が最大の魅力です。まず普通の浴槽と比べて物凄く深いです。人が居なければクロールできそう。けど深いだけあってすぐのぼせます。だから冷水を浴びて浴槽に入ってを繰り返す。心身ぐにゃぐにゃになります。

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帰り、物凄く久々にあずさに乗りました。振り子機能を廃した新型なので揺れ一つ無いのではと思いきや思ったより揺れますね…けど、デカザックでも置けるような荷物置場が新設されたのは良いです。

翌日に迫った超大型台風の来襲に不安を懐きつつ、車窓よりガスの掛かった南アルプスをぼんやり眺めながら帰りました。おしまい。